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前略、目覚めとワンピースと
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目を覚ましたとき、知らない天井が目に入った。
ここは…アニキさんに負けて…意識を失って…そういえば……!
「リリアン!」
そうだ!リリアンもあたしのせいで一緒に捕まったんだ!助けにいかなくちゃ!
飛び起きる、寝てる場合じゃない!
「なんですか、少しうるさいですよ」
横にいた、同じベッドの上に、寝ていあたしを見下ろしていたのだろう、縁に座って。
あまりにあっけない登場に、安堵と同時に気がぬける。
冷静になって周りを見渡す。ここは……病院だろうか?
真っ白な部屋に同じベッドが8台。うん、病院で間違いないだろう。
「あれ?他にもベッドは空いてるのに、なんで同じベッドに?」
「………さぁ?私もさっき起きたので」
なら仕方ない、もっともあたしと違って普通に寝たのだろうけど。
だとしたら誰かがあたしを後から同じベッドにのせたのだろう。
リリアンの寝返りで、あたしが死んだらどうするつもりだ。
「そっか、リリアンもちゃんと寝てるんだね。安心したよ」
「………当たり前です」
なんだか歯切れの悪いリリアン。まだ本調子じゃないっぽいね。
まずは情報収集かな?あたしはベッドから降りたところで自分の服装が変わっていることに気づく。
「あれま可愛らしい」
白いワンピース。夏の避暑地にいるお嬢様みたいな服装だった。たしか、『テンカ』の外で戦った3人組、街中で逃げようとした女の人も同じ服装だった。
……ただ流行ってるだけだと思ってたけど、どうやらこれは再教育中の衣装みたい。
「こういうのあんまり似合わないんだよね」
まぁ、そもそもあまり着たことすらないんだけどさ。
ん?あたしの服装が変わってるってことは………
「そんな事はありません。まぁ見れなくはないぐらいですが」
「…………………」
「どうかしましたか?」
「やるじゃん!!!」(見れなくはないぐらいか、ありがとう。褒め言葉として受け取っておくよ)
美少女だ、まごう事なき美少女がいた。いや普段からリリアンはカワイイけど。
いつもの黒いメイド服の時は少し大人びた印象を感じるけど。これは……
「これがギャップってやつかな!?とにかくカワイイよ!」(なんにせよ、無事でよかったよ。とりあえず、出口を探そうか)
「落ち着きなさい。心の声が漏れてますよ」
「いつもはジロジロ見ると怒られるからね!今の内に目に焼き付けておこう!」(あの扉は開くのかな?試してみようか。)
「落ち着きなさい。そろそろ怒りますよ?」
「普段のメイド服も捨てがたいけど、これも素晴らしい!あぁ、選べないよ!あたし!」(カワイイよ!)
「ふんっ!」
「はっ!いったいなにを……」
突然、リリアンから頬を叩かれ我にかえる。あたしはなにを………?
冷静になってリリアンを見る、あたしとは違ってよく似合ってる。
へぇ……結構大きいんですね、何とは言いませんが。
「その扉を調べるんでしょう。早く開けてみなさい」
リリアンに急かされて扉をあける。そこには……
「あらぁ、起きたのねセツナちゃん。それならここでたっぷりと女子力を磨いていってね♡」
「変態だぁぁぁああっ!!!」
無茶苦茶ガタイのいい女性が、マッスルなポーズをキメてそこにいた。
どうやらあたしはいつの間にか不良の街から変態の国にきたらしい。
ここは…アニキさんに負けて…意識を失って…そういえば……!
「リリアン!」
そうだ!リリアンもあたしのせいで一緒に捕まったんだ!助けにいかなくちゃ!
飛び起きる、寝てる場合じゃない!
「なんですか、少しうるさいですよ」
横にいた、同じベッドの上に、寝ていあたしを見下ろしていたのだろう、縁に座って。
あまりにあっけない登場に、安堵と同時に気がぬける。
冷静になって周りを見渡す。ここは……病院だろうか?
真っ白な部屋に同じベッドが8台。うん、病院で間違いないだろう。
「あれ?他にもベッドは空いてるのに、なんで同じベッドに?」
「………さぁ?私もさっき起きたので」
なら仕方ない、もっともあたしと違って普通に寝たのだろうけど。
だとしたら誰かがあたしを後から同じベッドにのせたのだろう。
リリアンの寝返りで、あたしが死んだらどうするつもりだ。
「そっか、リリアンもちゃんと寝てるんだね。安心したよ」
「………当たり前です」
なんだか歯切れの悪いリリアン。まだ本調子じゃないっぽいね。
まずは情報収集かな?あたしはベッドから降りたところで自分の服装が変わっていることに気づく。
「あれま可愛らしい」
白いワンピース。夏の避暑地にいるお嬢様みたいな服装だった。たしか、『テンカ』の外で戦った3人組、街中で逃げようとした女の人も同じ服装だった。
……ただ流行ってるだけだと思ってたけど、どうやらこれは再教育中の衣装みたい。
「こういうのあんまり似合わないんだよね」
まぁ、そもそもあまり着たことすらないんだけどさ。
ん?あたしの服装が変わってるってことは………
「そんな事はありません。まぁ見れなくはないぐらいですが」
「…………………」
「どうかしましたか?」
「やるじゃん!!!」(見れなくはないぐらいか、ありがとう。褒め言葉として受け取っておくよ)
美少女だ、まごう事なき美少女がいた。いや普段からリリアンはカワイイけど。
いつもの黒いメイド服の時は少し大人びた印象を感じるけど。これは……
「これがギャップってやつかな!?とにかくカワイイよ!」(なんにせよ、無事でよかったよ。とりあえず、出口を探そうか)
「落ち着きなさい。心の声が漏れてますよ」
「いつもはジロジロ見ると怒られるからね!今の内に目に焼き付けておこう!」(あの扉は開くのかな?試してみようか。)
「落ち着きなさい。そろそろ怒りますよ?」
「普段のメイド服も捨てがたいけど、これも素晴らしい!あぁ、選べないよ!あたし!」(カワイイよ!)
「ふんっ!」
「はっ!いったいなにを……」
突然、リリアンから頬を叩かれ我にかえる。あたしはなにを………?
冷静になってリリアンを見る、あたしとは違ってよく似合ってる。
へぇ……結構大きいんですね、何とは言いませんが。
「その扉を調べるんでしょう。早く開けてみなさい」
リリアンに急かされて扉をあける。そこには……
「あらぁ、起きたのねセツナちゃん。それならここでたっぷりと女子力を磨いていってね♡」
「変態だぁぁぁああっ!!!」
無茶苦茶ガタイのいい女性が、マッスルなポーズをキメてそこにいた。
どうやらあたしはいつの間にか不良の街から変態の国にきたらしい。
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