枢軸国

よもぎもちぱん

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独コ戦争

疑念

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「こ…これは…?」

モーデルの目に映ったのは垂直装甲でも、傾斜装甲でもなんでもない、四角の物が一面に敷き詰められたものと垂直装甲と傾斜装甲が混ぜられたもので、さらに詳しく見ると砲塔内はライフリング機構ではなく滑腔砲であった。上には形が変な機関銃が搭載されていた

「見たことない…なんだこれは…」

「偵察機より緊急入電!遠方距離役1200より、この異形の戦車と同型の戦車が13両!中隊規模が迫ってきています!」

「何!?総員!即時撤退!繰り返す!即時撤退!」

各戦車が後退を始め、モーデル元帥を乗せたトラックが走り出したその時、

「っ!?なんの音だ!」

モーデルがトラックから顔を出して外を見れば戦車が3両擱座していた

「なぜだ!?この距離で当てるなんて…」

「元帥殿!お下がりください!」

なぜ事前に周囲をクリアリングしなかったのだと臨時司令部の者共をその場にいた全員が恨みつつ第1装甲師団が勇猛果敢に敵に突撃する。

「元帥を帰還させるのだ!」

「中央軍集団を壊滅させるなぁ!!」

第1装甲師団に続き損耗車両が多いライプシュタンダルテも敵に突撃する

「無いよりかはマシだ!進め進め!」

そしてドイッテスト側約300両 コミンテルン側13両というワンサイドゲームに思えた戦いが勃発する。この戦いは後に「アミューズメントバトル」と呼ばれることになる


「全車両……フォイア!!!」

無線内にライプシュタンダルテ司令官 ミヒャエル ヴィットマンの声が響く。

「」

「撃ち続けろ!あいつらは硬ぇぞ!」

ライプシュタンダルテ主力第502重戦車大隊所属のメルト マイヤー中尉が先頭で攻撃を始める。彼に倣い他のティーガー重戦車 III IV号戦車も砲撃を開始。

その隙にドイツ国防軍第1装甲師団がIV号戦車を基軸とし、正体不明の戦車の側面に幾度もその砲身から放たれる鉄の鉛を食わせる。

「Черт! Здесь много повреждений!」

「Выйти из игры!」

「Хватит! Если мы не привезем эти танки домой, мы не сможем производить их серийно! Мы отступим как можно скорее!」

被害が多いという報告と撤退するという指示を中隊長がだす。

「逃がすなぁ!」

「俺らからの贈り物を受け取ってもらおうぜ!」

コミンテルン戦車は射撃しながら後退を始める。

ドイッテスト側も追撃を始める

「あの技術でここまで追い詰めてるんだ!恐らく量産体制には移れていない!移る前に潰すぞ!」

無論、コミンテルンの方があまりにも戦車砲が強いので命中したドイッテストの戦車は粉々に砕け散る

「Огонь!」

コミンテルンが何かを言った時、彼らの後ろから100は超える航空機が飛来し、ドイッテストの戦車に猛攻を加える。

「怯むな!撤退する者は銃殺刑もあると心得よ!」

追撃隊の中には戦意喪失している者も居たが、そんな者も前を見れば責任感に駆られた。そう、ミヒャエル ヴィットマンが先頭で行進間射撃をしているのだ

「師団長だけに任せてられるか!やれ!突撃だ!」

そう叫ぶのはメルト クニスペル曹長である

「行けぇ!」

「共産主義者をシベリア送りにしてやるぜ!」

「死を恐れるな!」

「空飛ぶガラクタの落とす爆弾なんかに当たるかよ!」

一番下の者はその直後に綺麗に爆散させられたが、実際、航空機からの被害は少なかった。なぜなら全ての車両が全速力で駆け抜けており、投下したとしてもそこにはもうどの戦車もいないという状況が続いていたからだ

しかし、1両、また1両と後退するコミー戦車と航空機によりドイッテストの精鋭戦車師団はその数を徐々に減らしていく。

「クソ!!」

先頭を走っていたヴィットマンの履帯にコミー戦車の砲弾が命中した
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