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結婚
しおりを挟む結婚を前提としたおつきあいをしていると、彼の両親へ報告に向かった際に、「それならば離れをつかえばいい」とあっさり許可がおりたのを皮切りに、あれよあれよと結婚準備がすすめられていった。
そのスピードにはじめついていけずにいたマヒナだったが、姉のマキナ経由で事情を知った両親もこの動きに喜んで賛同し、三ヶ月後には晴れてアイカワマヒナとして、仏教式の結婚式を挙げたのである。仏教式とはいえ、式典で着るものは一般的な結婚装束と変わらない。マヒナは秋のはじめに白無垢で仏像の前で愛を誓った。
マヒナがアトリエとしてつかうことになったのは、ふたりが結婚する際に改築された木造平屋建て、通称「離れ」だ。
そして新しくなった離れはふたりの愛の巣にもなったのだった。
「急がせちゃってごめんね。早くマヒナを俺だけのものにしたかったんだ」
初夜の床でマヒナが身につけていたのは真っ白な襦袢だった。頼りない腰紐を結んではいたが、彼の手で引っ張られただけで襦袢ははだけ、生まれたままの姿にされてしまう。恥ずかしそうに頬を赤らめ、顔を伏せようとするマヒナの顎を手に取り、キヨミネは啄むようなキスをする。
「――ッ」
「俺は僧侶だけど、肉は食べるし女だって抱く。だけど抱くのはマヒナ、貴女だけだと決めたんだ。どうか俺の煩悩を鎮めてくれ」
「キヨ、ミネさ……ぁ?」
こぶりな乳房を彼の手で捏ねられて、未知なる疼きに身体が反応する。そのまま布団のうえに押し倒されて、胸の飾りを舐められてしまう。甘い声が漏れる。キヨミネはマヒナがふれたことのない不浄の場所にも指を伸ばし、執拗に愛撫を施していく。太もものあわいからとろとろと流れる液体の湿った感触に、マヒナがビクッと身体を強張らせる。
「ぁ……や、だめ、おもらし……」
「感じている証だよ。このまま俺に委ねて」
「ふっ、あん、なん……か、へん」
「まずはここで、達ってごらん?」
「……ぇ、いく? な――っ!?」
ゆるやかに摘まれた秘芽の莢を剥かれ、敏感な場所が外気にふれる。それだけではない。キヨミネはマヒナの股にあたまをいれて、彼女の秘芽を舌で軽く突きはじめたのだ。
「やぁあん、キヨミネさ、ん……だめぇっ!」
「甘い蜜がたくさんあふれてきたよ。マヒナは甘くて美味しいね」
「っ、あぁッ……うぁあんっ」
混乱するマヒナの身体を宥めながら、キヨミネは秘処への口淫をつづける。そのあいだも彼の両手はマヒナの胸をぐにぐにと揉みしだく。
敏感な場所を同時に責められ、何も知らなかった身体は快楽に堕とされる。おかしくなっちゃう、と譫言のように繰り返すマヒナに、さらなる刺激を与え、キヨミネは新妻を貪っていく。
「やぁん、おかしくなっ……ちゃ」
「たくさんおかしくなっていいんだよ。とろけるようなマヒナの顔、とても可愛いんだから」
「~~~ッ!」
ビクビクと絶頂に打ちひしがれるマヒナの裸体に覆いかぶさり、キヨミネは肌のいたるところにキスマークを刻みながら、己の分身を蜜口へあてがう。はあはあと息を乱すマヒナの唇を味わいながら、一息に貫いて――……
「痛……っふ、ああぁ――!」
至極当然のように破瓜を迎えた。痛みと快楽に翻弄されながら、マヒナはキヨミネとひとつになり、極楽浄土へと誘われていく。
初夜からはじまった彼との交合に、マヒナは染められ、溺れていった。
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