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* simple work to look on in the two who are not saved / Reiko Katohgi

chapter,4 + 12 +

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「ふぁっ……」
「すきだ。小手毬」

 舌を絡めるような接吻なんて初めてで、小手毬は自由に翻弄されつづける。身体に炎を点すかのように、自由の口づけは小手毬を熱くする。

「あぁっ」
「――もう、ほかの男にはさわらせない」

 そのまま自由の手が、小手毬の敏感な場所を愛撫していく。信じられない。だいすきなジユウおにいちゃんにふれられている。彼の手が、指先が小手毬を快楽へ溺れさせる。何度も訪れる浮遊感に、小手毬は夢中になる。結ばれてはいけないと、神罰が落ちると、あたまの片隅では理解している、けれど。

「すき……ジユウおにいちゃんっ!」

 恋をしていた、この気持ちに嘘はつけない。
 お互い、ずいぶん遠回りをしてしまったけれど。

「俺と一緒に……来い」
「……うん」

 誓いあうように、小手毬はそのまま、彼を導く。
 これはすべてを裏切り、地獄へ堕ちる行為だと理解している。
 だけど深い闇のなかで諦めていた小手毬を、自由はそれでも求めてくれた。
 自分の母親が異父弟と関係を持った因果を知らない小手毬だったが、彼女が諸見里の家を裏切り雪之丞のもとへ走った気持ちが自然とシンクロしていた。
 小手毬の母親と同じように。
 異父妹と通じようとしていることを自由は恐れていない。愛すべき女性はいまもむかしもただひとりだけ。死にたがった彼女を、死にかけた彼女を、今度こそ自分が殺すのだ。“女神”の“器”となる宿命から。この地に蔓延る“諸神信仰”という狂気から。

「ジユウ、おにいちゃん」
「“女神さま”なんか似合わないよ。小手毬は、俺だけのお姫様で、お嫁さんになるんだ」

 きっぱり言い切って、自由も着ていた服を脱ぎ捨てていく。全裸になった自由に抱き締められて、小手毬の肌が喜ぶ。

「あたし、ジユウおにいちゃんのお嫁さんになる」

 そして“女神”の審判を待つことなく、小手毬は“諸神”の加護を目の前の男性へ捧げる。
 けして最後までしてはいけないという決まりを破って。



 ふたり――心の底から、身体を許しあう。
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