65 / 84
* simple work to look on in the two who are not saved / Reiko Katohgi
chapter,4 + 6 +
しおりを挟む
「わたしは亜桜雛菊が何者か知らないもの。けれど、ジユウくんが彼女の支持を得てことを起こしたというのなら、こっちも考えていたことがあるの」
「何を考えているの?」
「ナラシノ先生は救われないふたりを見守るだけの簡単なお仕事だなんておっしゃってましたが、わたしはふたりを救う方法を知っています」
「そんなことが、可能なの……?」
驚く天に、加藤木はこくりと頷く。
青白かった天の頬に、赤みが差す。
「あなたの旦那さんは“諸神信仰”に毒されていた先生を救ってくれたじゃないですか。同じことを彼らはするの」
「だけどコデマリとジユウは婚姻関係を結べないわ」
「いいえ。……ジユウくんは知ってる」
「何、を」
加藤木に詰め寄ろうとした天が、そこでびくりと身体の動きを止める。
自分たち以外にも人間がいることに気がついたのだ。
「天。亜桜小手毬ならもうここにはいない」
「雨龍? どういうこと?」
「彼女は死んだ」
院長にはすでに伝えていると、それだけ言って雨龍は姿を消す。
天は何が起こっているのか混乱しながら、加藤木に視線を向ける。
「……死んだって、嘘でしょ」
「嘘だけど、ここでは本当。そうしないと、ふたりを救えないじゃない」
「加藤木先生?」
「ジユウくんはいい顔してないけど、ミチノク先生と一緒に保護してるわ。心配しないで」
「え。彼、が?」
「“諸神”に惑わされそうになったけど、彼は自分のすべきことを行うだけだと、開き直っている。コデマリは誰の“器”にもならない」
「それって」
戸惑う天の前で、加藤木は宣言する。
「わたしたちは、彼女を“器”に、“女神”にしないことを決めたのよ」
「何を考えているの?」
「ナラシノ先生は救われないふたりを見守るだけの簡単なお仕事だなんておっしゃってましたが、わたしはふたりを救う方法を知っています」
「そんなことが、可能なの……?」
驚く天に、加藤木はこくりと頷く。
青白かった天の頬に、赤みが差す。
「あなたの旦那さんは“諸神信仰”に毒されていた先生を救ってくれたじゃないですか。同じことを彼らはするの」
「だけどコデマリとジユウは婚姻関係を結べないわ」
「いいえ。……ジユウくんは知ってる」
「何、を」
加藤木に詰め寄ろうとした天が、そこでびくりと身体の動きを止める。
自分たち以外にも人間がいることに気がついたのだ。
「天。亜桜小手毬ならもうここにはいない」
「雨龍? どういうこと?」
「彼女は死んだ」
院長にはすでに伝えていると、それだけ言って雨龍は姿を消す。
天は何が起こっているのか混乱しながら、加藤木に視線を向ける。
「……死んだって、嘘でしょ」
「嘘だけど、ここでは本当。そうしないと、ふたりを救えないじゃない」
「加藤木先生?」
「ジユウくんはいい顔してないけど、ミチノク先生と一緒に保護してるわ。心配しないで」
「え。彼、が?」
「“諸神”に惑わされそうになったけど、彼は自分のすべきことを行うだけだと、開き直っている。コデマリは誰の“器”にもならない」
「それって」
戸惑う天の前で、加藤木は宣言する。
「わたしたちは、彼女を“器”に、“女神”にしないことを決めたのよ」
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
ミックスド★バス~湯けむりマッサージは至福のとき
taki
恋愛
【R18】恋人同士となった入浴剤開発者の温子と営業部の水川。
温子の疲れを癒そうと、水川が温泉旅行を提案。温泉地での水川からのマッサージに、温子は身も心も蕩けて……❤︎
ミックスド★バスの第4弾です。
【R18】もう一度セックスに溺れて
ちゅー
恋愛
--------------------------------------
「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」
過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。
--------------------------------------
結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる