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第二部 初恋輪舞 大正十二年文月~長月《夏》
囚われた蝶と赤き龍の断末魔 01
しおりを挟む待ちわびていた圧迫感に、音寧の身体は歓喜していた。いきり立った彼の分身を一息に最奥まで挿入され、指ではけして届かない奥の奥まで、彼のモノに埋められる。きつく抱きしめた彼の肩に爪を立てて、満ち足りた声を漏らす彼女に、資も嬉しそうに腰を掴む。
「――資さ……まっ!」
「おとね。もうはなさないからな……その刻印は、必ず消してやる」
「アァ、アッ……は、はいっ」
資に腰を固定された状態で、音寧は彼の熱い楔に貫かれ、甲高い声をあげる。はじめのうちは緩やかだった腰の動きも、物足りないとねだる音寧の膣が締め付けたことで、加速していった。何度も身体を重ねているのに、慣れることのない高揚感が、音寧を絶頂へと導いていく。
「すごい……な。おとねのナカ、きゅうきゅう締まってて苦しいくらいだ」
「あっ……んっ、資さま……っ! もっとッ……はぁん」
いくらナカまで犯されなかったとはいえ、悪魔に凌辱された身体は体内に蓄積されていた魔法の媒介となる精力を消耗している。音寧は自らも腰を振りたて、資の精を貪欲なまでに求めていた。
「そんなに締めつけられたらもう出てしまうよ……ッ」
「ンっ、ア……くださいッ、たくさ、んっ!」
蠕動運動を繰り返しながら資は己の限界を悟り、収斂していく彼女の奥深くへと白濁を注ぎ込む。遠慮はいらない、我慢しないでと希う愛しい女性を悦ばせるため、官能の淵へと追い詰めながら。
注ぎ込まれた音寧の身体が痙攣すると同時にほのかに輝き、胸元の蝶の刻印がかすかに薄れる。完全に消し去るにはまだまだたくさんの精が必要だと理解した資は、ずるりと抜いた分身が勢いを衰えていないことを確認して、ふたたび彼女の蜜洞にゆっくりと埋めながら甘く囁く。
「胸元に囚われた蝶を解放してやる。だからおとね、今夜は……わかっているね」
「はい……資さま……ッ」
舌を絡める蕩けるような深い接吻をして、ひとつに繋がったままのふたりの裸体が寝台に沈む。彼方になら、囚われても構わない。
身体中を撫でられながら、敏感な部分を責められながら、音寧は資から溺れるほどの愛を受け止める――……
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