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第二部 初恋輪舞 大正十二年文月~長月《夏》
二度目の禊は媚薬とともに 02
しおりを挟むふだんよりも執拗な愛撫を施された音寧は薬酒の効果もあってか、彼の指が和毛をかきわけ秘芽に辿り着いたときにはすでに蕩けるような表情を浮かべていた。やさしくふれられて、物足りなさそうに身体は震えるが、これ以上刺激を受けたらはしたない姿を晒してしまうと身動きのとれない音寧は焦りだす。
けれども資の手は音寧の意に反して激しくなり、花芽を膨らまされてしまう。
「んっ、あっ――だめっ」
「さらに蜜があふれてきたな。そろそろなかに指を挿入るよ」
「ひゃぁ」
つぷり、とひとさし指を蜜口から膣内へ差し込まれた音寧は媚鳴とともにぷしっと潮を吹いていた。彼の髪と顔に飛沫がかかる。あ、と思った瞬間音寧は羞恥とともに絶頂を迎えていた。
「いやぁっああああっ……!」
有弦の前でも潮を吹いた記憶はあるが、こんな風に彼を穢すことはなかった。
音寧が快感とともに吹いた潮に濡れた男は恥じらいながら達した彼女を満足そうに見つめ、ぽたぽたと髪から雫を滴らせながら、顔を彼女の秘処へと近づける。
「……あ。資さま?」
「見事な潮吹きだな。薬のせいとはいえ、淫らでいやらしい」
「ゃ……何、を?」
「姫。指だけではなく、俺の口でも達しておくれ」
そう言うやいなや、資の濡れた髪が音寧の和毛にふれ、資の舌が音寧の秘芽を包み込む。膨らみきったそこを摘むように彼のざらざらした舌でなぞられ、音寧はふたたび悲鳴をあげる。
「いやぁっ、いっちゃう、いっちゃうのぉお!」
「もう達しているのに何を言っている? 薬の効果が切れるまではこのままだぞ?」
「きゃうんっ!」
「姫の蜜は甘くて美味しいな」
「そ、そんなこと言っても……いやぁああ、ぁあ……!」
蜜口に彼の口が重なる。膣壁に彼の長い舌がふれ、あまりの衝撃に音寧は絶叫する。有弦も音寧の秘処を舐めしゃぶって愛してくれたが、資がここまで自分から音寧を気持ちよくさせるためにするとは思いもしなかった。
彼の舌がちろちろと敏感な部分を責めるたびに、音寧は甘い声とともにたっぷりと蜜を出し、快楽を味わわされる。
秘処が口淫によって犯されている間に彼の両手は音寧の勃ちあがった乳首のまわりをなぞったり、乳輪を摘んだりして遊んでいる。
快楽を上書きすれば、淫魔が払われると信じて、資は丹念に音寧を嬲りつづけていた。
――もう、あたまのなかが真っ白に染まってしまう。
資の手と口で何度も絶頂を繰り返された音寧の身体は限界を迎えている。
いつしか声にならない声しか発せられなくなり、下腹部の疼きだけが物足りなさを訴えている。けれど、資はそこまであたまがまわらないらしく、夢中になって音寧が出す蜜を啜りつづけている。
「あぁ、あっ……ああんっ!」
「まるで湧き水のようだな。ぜんぶ舐めとりたいのに」
「も、もう……やぁあ……ぁ」
じゅるじゅると音を立てながら蜜を吸われ、耳まで犯された気分に陥った音寧はいつしか喘ぎを途切れさせ、失神してしまった。体力の限界まで一方的な快楽を与えられた彼女の身体はひくんひくんと痙攣をつづけている。
音寧の反応が得られなくなった資は慌てて顔を上げるが、既に彼女は意識を飛ばしていて。
「姫……? 姫!?」
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