4 / 126
Layer4 質問
しおりを挟む
何を質問しようか少し考えてから、立花は姫石に質問をした。
「私が今、行きたいお店はどこでしょうか? 」
「えっと、原宿にあるエックスンサングスっていうパンケーキ屋さん! 」
姫石が俺を見ながら自慢げに答えた。
そんな自慢げに答えられても、俺は別に悔しくもなんともないぞ。
「どうだ、立花。今の回答で合っているのか? 」
「はい、ちゃんと合っています」
「そうか。だが、この内容だとちょっとな……」
「ちょっと何? せっかく歩乃架ちゃんがいい感じの質問してくれたのに文句でもあるわけ? 」
姫石が考えた質問でもないのに、まるで自分に対して言われているかのように振る舞った。
なんでこんなのが頼れるお姉ちゃんみたいな存在なのか理解に苦しむ。
ひょっとして立花は実はかなり変わった子なのかもしれない。
こんなに守ってあげたくなるほど後輩感がある反面、包容力もある子がそんな変わった子ではないと願いたい。
「いや、別に文句があるとかそういうわけじゃない。確かに俺も今の質問の内容はいい感じだったと思う。ただ、内容的にパンケーキ屋に立花が行きたいって話を姫石が人に話していてもおかしくはないなと思ってさ」
「つまり、あたしから聞いて答えられただけかもしれないから、信憑性が低いってこと? 」
「そういうことだ。姫石にしては冴えてるな」
「一言多い! 」
せっかく褒めたのに、お気に召さなかったようだ。
「姫石先輩しか知らなくて、絶対に誰にも話さないようなことですか……」
立花がう~んと唸りながら考えこんだ。
「絶対に人に話さないようなことなんて、よっぽどの大切な秘密とかじゃない限りないと思うけど……あ! それってまさにあれのことじゃない? 」
「あっ! 」
どうやら立花にも思い当たったことがあるようだ。
「それってもしかして、さっき姫石が秘密を共有したとか叫んでたことか? 」
「玉宮、あんたよくわっかたわね。なんか勘がいいっていうか、逆に気持ち悪いっていうか……キモい」
俺は褒められて、罵倒された。
新手のSMプレイなのだろうか。
俺にはそういう性癖は無いから何も嬉しくない。
「姫石先輩、それはさすがに玉宮先輩がかわいそうなんじゃ……」
この世の中は立花みたいな優しい女子がもっと増えるべきだと思う。
そうすれば戦争なんかも起きないし、世界中の老害のお偉いさん達が国連とかでごちゃごちゃ話し合うよりよっぽど世界平和に繋がる。
「歩乃架ちゃん、別に玉宮が先輩だからって気を使わなくていいんだよ。素直に言っていいんだよ」
世界から戦争が無くならない理由は姫石みたいな人間がいるせいだと、国連は本気で検討した方がいいと思う。
「私は気を使ってるわけじゃ……」
「けど正直、少しはキモいって思ったでしょ? ちょっとぐらいは」
「……まぁ、ほんの少しぐらいなら……」
やはり最近のSMプレイはこういうのが流行っているのだろうか。
こんなものが巷で流行るぐらいだと、世界平和も夢のまた夢だな。
……
こんな世界、俺が革命を起こして変えてやる! あれ? なんか目から汗が出てきた。
「あ~玉宮が泣き出しちゃった。ちょっとやりすぎちゃったかな? 歩乃架ちゃんもやりすぎはダメだよ。ほどほどにね」
「言い出しっぺはお前だろ! 」
こんな人間を野放しにして、日本の警察は何をしているのだろう。
姫石から多額の賄賂でも貰っているのだろうか。
それとも国家機密でも握っているため手が出せないのだろうか。
「ぷっふふふふふふ」
急に立花が笑い出した。
「どうしたの歩乃架ちゃん? 急に笑って。玉宮が泣いちゃったのがそんなに面白かったの? 」
さっき自分でやりすぎたって言ったことを覚えていないのか、こいつは!
「そうじゃないんです。ただ、体が入れ替わっているってとっても大変な状況じゃないですか。それなのに姫石先輩と玉宮先輩の会話を聞いてたら、ちっとも大変な状況とは思えなくて。入れ替わりのことなんか気にならないくらい本当に仲が良いんだなぁと思ったら、なんだかおかしくて」
なんだか嬉しそうに、それでいて羨ましそうに立花は言った。
「俺と姫石は決して仲が良いわけではなくてだな」
「そうそう、歩乃架ちゃんが思うほど玉宮とはこれっぽっちも仲良くはないからね」
「仲良くないのなら、お二人はどんな関係なんですか? 」
立花がおかしそうに聞いてきた。
「俺達は」
「あたし達は」
「腐れ縁なだけだ! 」
「腐れ縁なだけよ! 」
……
何で同時に言うんだよ。
「こんなに息ぴったりなのに仲良くないんですか? 」
これでは立花に姫石と仲良くないことを信じてもらうことは難しそうだな。
まったく、これは参ったな。
「私が今、行きたいお店はどこでしょうか? 」
「えっと、原宿にあるエックスンサングスっていうパンケーキ屋さん! 」
姫石が俺を見ながら自慢げに答えた。
そんな自慢げに答えられても、俺は別に悔しくもなんともないぞ。
「どうだ、立花。今の回答で合っているのか? 」
「はい、ちゃんと合っています」
「そうか。だが、この内容だとちょっとな……」
「ちょっと何? せっかく歩乃架ちゃんがいい感じの質問してくれたのに文句でもあるわけ? 」
姫石が考えた質問でもないのに、まるで自分に対して言われているかのように振る舞った。
なんでこんなのが頼れるお姉ちゃんみたいな存在なのか理解に苦しむ。
ひょっとして立花は実はかなり変わった子なのかもしれない。
こんなに守ってあげたくなるほど後輩感がある反面、包容力もある子がそんな変わった子ではないと願いたい。
「いや、別に文句があるとかそういうわけじゃない。確かに俺も今の質問の内容はいい感じだったと思う。ただ、内容的にパンケーキ屋に立花が行きたいって話を姫石が人に話していてもおかしくはないなと思ってさ」
「つまり、あたしから聞いて答えられただけかもしれないから、信憑性が低いってこと? 」
「そういうことだ。姫石にしては冴えてるな」
「一言多い! 」
せっかく褒めたのに、お気に召さなかったようだ。
「姫石先輩しか知らなくて、絶対に誰にも話さないようなことですか……」
立花がう~んと唸りながら考えこんだ。
「絶対に人に話さないようなことなんて、よっぽどの大切な秘密とかじゃない限りないと思うけど……あ! それってまさにあれのことじゃない? 」
「あっ! 」
どうやら立花にも思い当たったことがあるようだ。
「それってもしかして、さっき姫石が秘密を共有したとか叫んでたことか? 」
「玉宮、あんたよくわっかたわね。なんか勘がいいっていうか、逆に気持ち悪いっていうか……キモい」
俺は褒められて、罵倒された。
新手のSMプレイなのだろうか。
俺にはそういう性癖は無いから何も嬉しくない。
「姫石先輩、それはさすがに玉宮先輩がかわいそうなんじゃ……」
この世の中は立花みたいな優しい女子がもっと増えるべきだと思う。
そうすれば戦争なんかも起きないし、世界中の老害のお偉いさん達が国連とかでごちゃごちゃ話し合うよりよっぽど世界平和に繋がる。
「歩乃架ちゃん、別に玉宮が先輩だからって気を使わなくていいんだよ。素直に言っていいんだよ」
世界から戦争が無くならない理由は姫石みたいな人間がいるせいだと、国連は本気で検討した方がいいと思う。
「私は気を使ってるわけじゃ……」
「けど正直、少しはキモいって思ったでしょ? ちょっとぐらいは」
「……まぁ、ほんの少しぐらいなら……」
やはり最近のSMプレイはこういうのが流行っているのだろうか。
こんなものが巷で流行るぐらいだと、世界平和も夢のまた夢だな。
……
こんな世界、俺が革命を起こして変えてやる! あれ? なんか目から汗が出てきた。
「あ~玉宮が泣き出しちゃった。ちょっとやりすぎちゃったかな? 歩乃架ちゃんもやりすぎはダメだよ。ほどほどにね」
「言い出しっぺはお前だろ! 」
こんな人間を野放しにして、日本の警察は何をしているのだろう。
姫石から多額の賄賂でも貰っているのだろうか。
それとも国家機密でも握っているため手が出せないのだろうか。
「ぷっふふふふふふ」
急に立花が笑い出した。
「どうしたの歩乃架ちゃん? 急に笑って。玉宮が泣いちゃったのがそんなに面白かったの? 」
さっき自分でやりすぎたって言ったことを覚えていないのか、こいつは!
「そうじゃないんです。ただ、体が入れ替わっているってとっても大変な状況じゃないですか。それなのに姫石先輩と玉宮先輩の会話を聞いてたら、ちっとも大変な状況とは思えなくて。入れ替わりのことなんか気にならないくらい本当に仲が良いんだなぁと思ったら、なんだかおかしくて」
なんだか嬉しそうに、それでいて羨ましそうに立花は言った。
「俺と姫石は決して仲が良いわけではなくてだな」
「そうそう、歩乃架ちゃんが思うほど玉宮とはこれっぽっちも仲良くはないからね」
「仲良くないのなら、お二人はどんな関係なんですか? 」
立花がおかしそうに聞いてきた。
「俺達は」
「あたし達は」
「腐れ縁なだけだ! 」
「腐れ縁なだけよ! 」
……
何で同時に言うんだよ。
「こんなに息ぴったりなのに仲良くないんですか? 」
これでは立花に姫石と仲良くないことを信じてもらうことは難しそうだな。
まったく、これは参ったな。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~
蒼田
青春
人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。
目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。
しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。
事故から助けることで始まる活発少女との関係。
愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。
愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。
故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。
*本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

貞操観念が逆転した世界に転生した俺が全部活の共有マネージャーになるようです
.
恋愛
少子化により男女比が変わって貞操概念が逆転した世界で俺「佐川幸太郎」は通っている高校、東昴女子高等学校で部活共有のマネージャーをする話
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる