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第十話
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(やだ……怖かった!)
今、エレベーターには円香一人きりだ。
安心できるはずなのに、人がいないことに不安を覚える。
二十階につき、今度は一階まで下りるエレベーターに乗りこもうとしたときだった。
「あれ? 木佐ちゃん。どうしたの?」
「っ!」
振り返ると、そこには驚いた顔をして目を丸くする堂上がいた。
どうしてここに、という声を飲み込み、ただただ円香は彼を見つめる。
「え? 楠先生は? 一緒にお店に行ったはずじゃ」
不審顔の堂上に声が出ず、円香は慌てて一階のボタンを押して扉を閉めた。
閉まる瞬間、「木佐ちゃん!?」と驚く堂上の顔が見えたが、今はとにかくここから逃げ出したかった。
先ほどの堂上の様子を見る限り、楠が言っていたことは嘘だったのではないかと思い直す。
だが、まだわからない。今、堂上に捕まったら大変なことになる可能性だってある。
円香を乗せたエレベーターは一階に降り立ち、扉が開いた瞬間円香は一人京都の町に飛び出した。
駅近くのホテルなのだから、すぐさま新幹線に乗って帰ってしまおう。
そう思った円香だが、なぜか駅とは逆方向へと足が向いていた。
以前、相宮が言っていたことを思い出す。
『円香先生は京都がお好きなんですよね?』
『ええ。でも、有名どころしか行けなくて……』
『それなら、京都タワーに上ったことはありますか? あそこからの夜景を見ていると、ホッとするんですよね。私が手がけた装丁にもいくつか影響されて描いたモノがあるんですよ』
朗らかに笑って言う相宮。ゆっくりと円香の指に触れながら、そんな他愛もない話をしたのはいつのことだっただろうか。
相宮が円香の事務所に来なくなってだいぶ経つ。挙げ句、相宮は円香とタッグを組んでいた仕事まで降りてしまった。
もう、相宮との接点はないのに、こんなふうに彼を思う自分は未練がましいのだろうか。
円香は、涙が浮かんできそうになるのをグッと堪え、駅前にある京都タワーへと足を向ける。
相宮が言っていた景色を見れば、少しはこの波だった気持ちが落ち着くかもしれない。
相宮への気持ちも昇華される日がくるかもしれないが、それは……まだまだ先のことになるだろう。
「その前に仕事がなくなっちゃうかもしれないなぁ」
執筆の仕事を続けていけば、いつか相宮と再び仕事をする日がくるかもしれない。
会える日がくるかもしれない。会いたい。今すぐ会いたい。
そんな一縷の望みはなくなってしまうかもしれない。だけど、あそこで権力に負けるのはイヤだった。
いくら憧れていた作家でも、イヤなモノはイヤだ。
今回のことで楠のイメージがガラリと音を立てて変わってしまった。
ただ、無理強いを言われなかったのが不幸中の幸いだ。
恐らく、逃げるような女に縋ることはしないという、楠のプライドの高さに救われた。
そういうことなのだと思う。
先ほどの楠とのやりとりを思い出した円香は、ブルッと身体を震わせ、同時に鳥肌が立つ。
もし、楠に無理矢理部屋に連れ込まれ、ベッドに押し倒されたりなんてしたら……逃げることはできなかっただろう。
思い返すと、怖くて怖くて涙が零れてしまいそうだ。
展望室の入場券を買い、エレベーターに乗って展望室へと向かう。
「うわぁ……」
360度見渡すことができる展望室からは、夜景が望めた。
すでに暗くなってしまっているので、世界遺産の数々はあまり見つけることはできなかったが、ガラスに書かれている説明を見て思いを馳せた。
もう一日、京都に残ってしまおうか。いまからホテルを取れば、それも可能かもしれない。
だが、いつ何時堂上が現れるか、わからない。
今はまだ白か黒か把握がつかない堂上とは顔を合わせたくはない。
先ほどから何度もスマホに堂上から電話がかかってきている。
だが、それに出る余裕はないし、出るつもりもない。
再び着信を知らせるスマホのディスプレイに目を向けると、会いたいと思っていた相手からの電話に胸が大きく高鳴った。
「うそ……どうして?」
ディスプレイに映し出されたのは、相宮の名前。
あの日、円香と言い合いになり、そのまま音信不通になっていた人物からの突然の電話に驚きが隠せない。
円香の新作本の表紙を制作するという仕事を下りてしまった、相宮だ。
今更円香に連絡を取るようなことはないはず。
だけど、円香は相宮の声が聞きたかった。会いたかった。
理由なんてなんでもいい。この前のやりとりについて罵られてもいい。
それでも、相宮の声が聞きたい。聞きたかった。
円香は震える手をなんとか押さえながら、スマホをタップした。
「もしもし……?」
『久しぶりですね、木佐先生』
息が止まるかと思った。
円香は咄嗟に声が出ず、電話先の相宮が心配そうに聞いてくる。
『木佐先生、大丈夫ですか?』
木佐先生、ともう一度円香の名前を呼ぶ。
円香はフゥと小さく息を吐き出したあと、口を開いた。
「お久しぶりです、相宮さん」
声が震えた。そのことに自分でも気が付いた円香は、慌てて咳払いをする。
「今日は一体、どうしたんですか?」
円香の問いに、相宮が一瞬黙り込む。
そして、何事もなかったようにいつもの朗らかな声が返ってきた。
『実は今、京都にいるんです』
「え……?」
円香が驚いて目を見開いていると、電話口で相宮がまくし立てるように言う。
『実は先ほど七原さんと電話で話しまして……木佐先生が今、京都にいると聞きました』
「っ」
『一緒に食事を……いえ、純粋に貴女に会いたくて連絡をしました』
だめでしょうか。相宮がどこか切羽詰まったように懇願するかのように囁く。
その途端、円香の胸がキュッウと締め付けられた。
会いたいのは円香とて同じだ。
相宮とずっと会いたいと思っていた。今度仕事で会ったときに、あの日口論になったことを謝ろう、きちんと話して分かってもらおう。
そう思っていたのに、突然相宮が円香との仕事をキャンセルしてきた。
それがすべての答えだと思った円香は、それ以上相宮を追いかけるのは無理なことなのだろうと諦めた。
相宮から円香と距離を取りたい。そう言ってきたのと同じことだからだ。
だけど今、相宮は円香と電話で話し、会いたいと言ってきている。
このチャンスを逃したら、もう二度と相宮と会うことができなくなるかもしれない。
「……相宮さん」
涙声でそう円香が呟くと、相宮が電話先で息を呑んだのがわかった。
会いたい気持ちと、先ほどまでの恐怖。円香を取り巻く感情は今、せわしない。
縋るような気持ちでスマホを握りしめていると、電話口の相宮はどこか必死だ。
『木佐先生、今どこにいるのですか?』
「え?」
『教えてください。今すぐ行きますから』
どこですか? そう何度も円香に問いかける相宮。その切羽詰まった声を聞いて、円香は涙腺が壊れそうだ。
本当は相宮にすべてを話して慰めて貰いたかった。助けて貰いたかった。
だけど、それはできない。
円香は小さく頭を振る。
相宮とはビジネスパートナーだ。そこまで相宮に縋る訳にもいかないだろう。
相宮にとって円香の存在はビジネスパートナーであり、指フェチからくる欲求を満たすための女なのだ。
しかし、円香は相宮のことをビジネスパートナーだけの関係にはなりたくないと思っている。
自分のことを好きになってほしい。ずっと傍にいてほしい。
仕事がらみではなく、プライベートで会ってみたい。そう願う相手だ。
相宮と円香、二人のお互いの認識は違いすぎている。
だからこそ、今。相宮にすべてを頼ることはできない。だけど、会いたい気持ちは抑えることなどできない。
円香は心にブレーキをかけて、冷静に呟いた。
「京都タワー……」
『え?』
「京都タワーの展望室に」
円香がすべて言い終わる前に、『今すぐ行きます』という相宮の声が聞こえて通話は切れた。
相宮らしからぬ慌てぶりに驚いて目を丸くさせていた円香だったが、思わず噴き出して笑ってしまう。
嬉しくて涙をこぼしながらでも、笑い声が出る。
相宮と久しぶりに話すことができた。それも、今から会いに来てくれるという。
それだけで充分だ。
円香は幸せを噛みしめ、京都の夜景を見つめながら相宮が来るのを待った。
今、エレベーターには円香一人きりだ。
安心できるはずなのに、人がいないことに不安を覚える。
二十階につき、今度は一階まで下りるエレベーターに乗りこもうとしたときだった。
「あれ? 木佐ちゃん。どうしたの?」
「っ!」
振り返ると、そこには驚いた顔をして目を丸くする堂上がいた。
どうしてここに、という声を飲み込み、ただただ円香は彼を見つめる。
「え? 楠先生は? 一緒にお店に行ったはずじゃ」
不審顔の堂上に声が出ず、円香は慌てて一階のボタンを押して扉を閉めた。
閉まる瞬間、「木佐ちゃん!?」と驚く堂上の顔が見えたが、今はとにかくここから逃げ出したかった。
先ほどの堂上の様子を見る限り、楠が言っていたことは嘘だったのではないかと思い直す。
だが、まだわからない。今、堂上に捕まったら大変なことになる可能性だってある。
円香を乗せたエレベーターは一階に降り立ち、扉が開いた瞬間円香は一人京都の町に飛び出した。
駅近くのホテルなのだから、すぐさま新幹線に乗って帰ってしまおう。
そう思った円香だが、なぜか駅とは逆方向へと足が向いていた。
以前、相宮が言っていたことを思い出す。
『円香先生は京都がお好きなんですよね?』
『ええ。でも、有名どころしか行けなくて……』
『それなら、京都タワーに上ったことはありますか? あそこからの夜景を見ていると、ホッとするんですよね。私が手がけた装丁にもいくつか影響されて描いたモノがあるんですよ』
朗らかに笑って言う相宮。ゆっくりと円香の指に触れながら、そんな他愛もない話をしたのはいつのことだっただろうか。
相宮が円香の事務所に来なくなってだいぶ経つ。挙げ句、相宮は円香とタッグを組んでいた仕事まで降りてしまった。
もう、相宮との接点はないのに、こんなふうに彼を思う自分は未練がましいのだろうか。
円香は、涙が浮かんできそうになるのをグッと堪え、駅前にある京都タワーへと足を向ける。
相宮が言っていた景色を見れば、少しはこの波だった気持ちが落ち着くかもしれない。
相宮への気持ちも昇華される日がくるかもしれないが、それは……まだまだ先のことになるだろう。
「その前に仕事がなくなっちゃうかもしれないなぁ」
執筆の仕事を続けていけば、いつか相宮と再び仕事をする日がくるかもしれない。
会える日がくるかもしれない。会いたい。今すぐ会いたい。
そんな一縷の望みはなくなってしまうかもしれない。だけど、あそこで権力に負けるのはイヤだった。
いくら憧れていた作家でも、イヤなモノはイヤだ。
今回のことで楠のイメージがガラリと音を立てて変わってしまった。
ただ、無理強いを言われなかったのが不幸中の幸いだ。
恐らく、逃げるような女に縋ることはしないという、楠のプライドの高さに救われた。
そういうことなのだと思う。
先ほどの楠とのやりとりを思い出した円香は、ブルッと身体を震わせ、同時に鳥肌が立つ。
もし、楠に無理矢理部屋に連れ込まれ、ベッドに押し倒されたりなんてしたら……逃げることはできなかっただろう。
思い返すと、怖くて怖くて涙が零れてしまいそうだ。
展望室の入場券を買い、エレベーターに乗って展望室へと向かう。
「うわぁ……」
360度見渡すことができる展望室からは、夜景が望めた。
すでに暗くなってしまっているので、世界遺産の数々はあまり見つけることはできなかったが、ガラスに書かれている説明を見て思いを馳せた。
もう一日、京都に残ってしまおうか。いまからホテルを取れば、それも可能かもしれない。
だが、いつ何時堂上が現れるか、わからない。
今はまだ白か黒か把握がつかない堂上とは顔を合わせたくはない。
先ほどから何度もスマホに堂上から電話がかかってきている。
だが、それに出る余裕はないし、出るつもりもない。
再び着信を知らせるスマホのディスプレイに目を向けると、会いたいと思っていた相手からの電話に胸が大きく高鳴った。
「うそ……どうして?」
ディスプレイに映し出されたのは、相宮の名前。
あの日、円香と言い合いになり、そのまま音信不通になっていた人物からの突然の電話に驚きが隠せない。
円香の新作本の表紙を制作するという仕事を下りてしまった、相宮だ。
今更円香に連絡を取るようなことはないはず。
だけど、円香は相宮の声が聞きたかった。会いたかった。
理由なんてなんでもいい。この前のやりとりについて罵られてもいい。
それでも、相宮の声が聞きたい。聞きたかった。
円香は震える手をなんとか押さえながら、スマホをタップした。
「もしもし……?」
『久しぶりですね、木佐先生』
息が止まるかと思った。
円香は咄嗟に声が出ず、電話先の相宮が心配そうに聞いてくる。
『木佐先生、大丈夫ですか?』
木佐先生、ともう一度円香の名前を呼ぶ。
円香はフゥと小さく息を吐き出したあと、口を開いた。
「お久しぶりです、相宮さん」
声が震えた。そのことに自分でも気が付いた円香は、慌てて咳払いをする。
「今日は一体、どうしたんですか?」
円香の問いに、相宮が一瞬黙り込む。
そして、何事もなかったようにいつもの朗らかな声が返ってきた。
『実は今、京都にいるんです』
「え……?」
円香が驚いて目を見開いていると、電話口で相宮がまくし立てるように言う。
『実は先ほど七原さんと電話で話しまして……木佐先生が今、京都にいると聞きました』
「っ」
『一緒に食事を……いえ、純粋に貴女に会いたくて連絡をしました』
だめでしょうか。相宮がどこか切羽詰まったように懇願するかのように囁く。
その途端、円香の胸がキュッウと締め付けられた。
会いたいのは円香とて同じだ。
相宮とずっと会いたいと思っていた。今度仕事で会ったときに、あの日口論になったことを謝ろう、きちんと話して分かってもらおう。
そう思っていたのに、突然相宮が円香との仕事をキャンセルしてきた。
それがすべての答えだと思った円香は、それ以上相宮を追いかけるのは無理なことなのだろうと諦めた。
相宮から円香と距離を取りたい。そう言ってきたのと同じことだからだ。
だけど今、相宮は円香と電話で話し、会いたいと言ってきている。
このチャンスを逃したら、もう二度と相宮と会うことができなくなるかもしれない。
「……相宮さん」
涙声でそう円香が呟くと、相宮が電話先で息を呑んだのがわかった。
会いたい気持ちと、先ほどまでの恐怖。円香を取り巻く感情は今、せわしない。
縋るような気持ちでスマホを握りしめていると、電話口の相宮はどこか必死だ。
『木佐先生、今どこにいるのですか?』
「え?」
『教えてください。今すぐ行きますから』
どこですか? そう何度も円香に問いかける相宮。その切羽詰まった声を聞いて、円香は涙腺が壊れそうだ。
本当は相宮にすべてを話して慰めて貰いたかった。助けて貰いたかった。
だけど、それはできない。
円香は小さく頭を振る。
相宮とはビジネスパートナーだ。そこまで相宮に縋る訳にもいかないだろう。
相宮にとって円香の存在はビジネスパートナーであり、指フェチからくる欲求を満たすための女なのだ。
しかし、円香は相宮のことをビジネスパートナーだけの関係にはなりたくないと思っている。
自分のことを好きになってほしい。ずっと傍にいてほしい。
仕事がらみではなく、プライベートで会ってみたい。そう願う相手だ。
相宮と円香、二人のお互いの認識は違いすぎている。
だからこそ、今。相宮にすべてを頼ることはできない。だけど、会いたい気持ちは抑えることなどできない。
円香は心にブレーキをかけて、冷静に呟いた。
「京都タワー……」
『え?』
「京都タワーの展望室に」
円香がすべて言い終わる前に、『今すぐ行きます』という相宮の声が聞こえて通話は切れた。
相宮らしからぬ慌てぶりに驚いて目を丸くさせていた円香だったが、思わず噴き出して笑ってしまう。
嬉しくて涙をこぼしながらでも、笑い声が出る。
相宮と久しぶりに話すことができた。それも、今から会いに来てくれるという。
それだけで充分だ。
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