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番外編 今宵、あなたの想いに嫉妬する
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文章に恋い焦がれる。
そんなことが実際にあるわけがない、と最初は自分を疑っていた。
だが、熱はなかなか冷めることなく、読めば読むほど恋い焦がれていく。
一冊の本を読んだだけ、それだけなのに作者が気になって仕方がなかった。
そんな恋の始まりがあるなんて……自分の身に起こらなければ、到底信じることはできないだろう。
だが、実際自分は彼女の文章に恋い焦がれてしまっている。さて、どうしたものか。
編集長に見せてもらった原稿に、自分はひどく感銘を受けてしまった。
読み終わったあとに放心するなんて、こんなことは初めての経験だ。
放心状態の私に編集長は口元を上げて面白そうに笑った。
「相宮先生。彼女に堕ちましたね」と。
編集長の言う通りだった。
A出版小説文学賞にノミネートされていた作品だ。まだ、賞が確定した訳ではない。
それなのに、彼女の作品が本になることがいとも簡単に想像でき、そしてその本の表紙は……私のデザインだ。
鮮やかに脳裏に浮かぶのは、木佐円香という女性のみずみずしい感性。
読み終えたあとの爽快感、次からのステップに繋げたい、繋げてみせるという勇気に繋がる何か―――。
考える前に私は編集長に伝えていた。
木佐円香さんの処女作、私が表紙を製作させていただきたい、と。
そして、彼女は私の予想通り、A出版小説文学賞を受賞。彼女の処女作の書籍化が決まったのだが、今にして思えば編集長に嵌められた感が否めない。
編集長はきっとわかっていたはずだ。彼女―――木佐円香が大賞を取るだろう、と。
そこで彼女の原稿を選考前に私に見せたのではないかと思う。
私が、彼女の処女作の表紙を描きたがることを見越して……
もしかしたら、こうなる運命を編集長は予想していた……?
(いや、それはさすがにないか)
私は、恋い焦がれた木佐円香を押し倒しながら、過去の記憶を封印し、今を見た。
「円香……私を嫉妬させて、そんなに楽しい?」
「……相宮さん?」
私のことを不思議そうな瞳で見上げてくる円香は、女の色香を纏いつつ、確実に私の心を彼女の色に染めていく。
ずっと、ずっと、ずっと……好きだった。
彼女の新作が書き上がるたびに、私が心を躍らせていたことを彼女は知らないだろう。
新作が上がれば、私に仕事依頼が来る。そうすれば、彼女に会える。
そんないじらしい恋を募らせていた。
二十代の頃は、好きな女性に積極的にアプローチしていたし、欲しいものには手を伸ばす主義だった。
しかし、木佐円香に対しては違っていた。
自分でもビックリするほど慎重に接していたと思う。
彼女の文章に触れ、彼女の声を聞き、彼女のキレイな指を見つめる時間が大切だったからだ。
もし、自分の恋心が彼女にバレて、二度と会えなくなることになったら……そう思うと怖かったのだろう。
過去の自分が見たら、鼻を鳴らしてバカにしそうだ。だが、私は真剣にそう思っていたのだ。
ようやく……ようやく彼女を手にいれた。
この柔らかい唇も、年齢に似合わず無垢な身体も……そして、彼女の声も文章も私の物だ。
それなのに、木佐円香は未だに私を翻弄し続けるのか。
パチンと私の心にかかっていた理性が飛び散る音がした。
「もう一度聞く。君は私を翻弄して楽しいのか?」
「ほ、翻弄なんて……! そんなのしていません」
彼女に心当たりはないのだろう。そうなのかもしれない。
これは私の心が狭いだけ。わかっているが、我慢ができなかった。
「ちょっ、相宮さんっ!?」
身体を彼女に押しつけ、首筋に舌を這わせる。
円香の身体がビクッと震えるのを感じながら、今度は唇を押しつけた。
チュゥとキツく吸い上げると、そこに真っ赤な痕がつく。キスマークは独占欲の表れだと言われるが、まさに今の私の気持ちを表している。
円香を独り占めしたい。彼女が紡ぐ文章も全部……私だけのものにしたい。
何度も首筋に唇を押し当て、その白くて柔い肌に赤い独占欲を咲かしていく。
「ぅあ……ぁは」
円香の甘い喘ぎ声を聞き、安堵する自分がいる。そのほの暗い感情に苦笑した。
いい歳した男が、女一人にこんなに感情を振り回されるなんて。そうは思うが、止められるものではない。
それほど彼女が欲しい、欲しい、欲しくて堪らない……!!
「円香……好きだ」
彼女の頬を両手で包み込み、目を覗き込む。
上気した頬はピンク色で、半開きした唇は私を誘っているとしか思えない。
円香と視線が絡むと、彼女の目はゆっくりと弧を描いた。
「私も好き」
「っ!」
「相宮さんが……好きです」
柔らかくほほ笑む彼女に、苛立ちを覚えた。
私のことが好きなら、どうして……!! どうして、あんな文章を……!!
身体だけでも自分だけが独占したい。苛立ちを覚えながら、ブラウスのボタンを外していく。
引き裂いてしまおうかと思うほど、もどかしい。
早く彼女の身体に触れたい。彼女の身体の奥深くに自身を埋め込んでしまいたい。
彼女の身体だけでも―――
ようやくブラウスのボタンを全て外したが、下着を取る余裕は私には残されていなかった。
ブラジャーを押し上げ、プルンと揺れ出た胸にしゃぶりつく。
手で形が変わるほど揉み、そしてすでに尖って主張している頂に舌を絡ませる。
舌で転がし、時折歯で甘噛みをする。そのたびに、円香の身体が震え、甘い声が漏れた。
こんな彼女を見る事ができるのは、私だけ。
そう思えば思うほど、独占欲が湧き出してくる。
ロングスカートをまくし上げ、ショーツに手を掛けようとした。だが、寸でのところで脱がすことを止めた。
「相宮……さ……ん?」
突然止まった愛撫に円香は不思議に思ったのだろう。甘ったるい声で私の名前を呼ぶ。
だが、相変わらず名字呼びだ。名前で呼んでほしいのに。
そのことに苛立ちを感じてしまう。今の自分は、どうしようもない子供のようだ。
グッと歯を食いしばったあと、私はスカートの中に頭を突っ込んだ。
円香の驚く声を聞きながら、私はショーツの上から唇を押し当てる。そして、彼女の制止を聞かず、蕾の場所を舌で刺激し始めた。
「っやぁ、相宮さん! ま、待って」
「待てない」
ショーツの上から彼女の大事な部分にキスをし続ける。そして音を立てて吸い込むと、甘い蜜の味がした。
ショーツの中は蜜が零れ落ちているだろうが、私の唾液でショーツもビチョビチョになっている。
早くナカに入りたい。その一心でショーツを取り除くことなく、クロッチの部分を横にずらして直接蜜を啜った。
「ああっぁ……んん!!」
円香が快感から逃げようと腰を引いた。だが、それを許したくなくて彼女の腰を捕まえる。
そして、今度はプクリと赤く充血している蕾を舌で転がした。
舌を動かすたびに、蜜穴からトロリとした蜜が零れ落ちていく。
それを指に絡ませたあと、彼女の中心に向かって指をいれた。
円香の身体は私の指を受け入れてくれている。指を締めつけ、温かく包み込んで離さない。
ようやく、嫉妬の火が沈静し始めたときだった。
スカート越しから円香の手が頭を押さえてきたのだ。
「ま、円香?」
「ストップです、相宮さん」
その声に冷たさが加わっていることがわかり、慌ててスカートの中から頭を出した。
ハッと我に返ったときには遅かった。円香が冷たい目で私のことを見つめていたのだ。
「ちょっと落ち着いてください、相宮さん」
「……」
「いつもと様子が違うと思っていたんですけど、何かありました?」
「……」
「新作のゲラを見てからですよね……様子がおかしくなったのは。何か問題でもありましたか?」
不安そうに悲しそうに私を見つめてくる円香に、小さく頭を振った。
私の様子を見たあと、なぜか円香が肩を落とす。
「やっぱり気がついてしまいましたか」
「やっぱりって……」
本当は嘘だと思い込みたかった。だからこそ、強引に円香の身体を開こうとしたのだから。
嫉妬に駆られ、あげく無様な自分をさらけ出してしまった。
このまま円香に切り捨てられてしまうのだろうか。
心底怖いと思った。どうして嫉妬で目の前が見えなくなってしまったのだろうかと後悔が押し寄せる。
なんと言えば彼女は納得してくれるだろうか。許してくるだろうか。
脳裏は円香の心を引き留めることに必死だ。そんな私に、円香は勢いよく頭を下げてきた。
そんなことが実際にあるわけがない、と最初は自分を疑っていた。
だが、熱はなかなか冷めることなく、読めば読むほど恋い焦がれていく。
一冊の本を読んだだけ、それだけなのに作者が気になって仕方がなかった。
そんな恋の始まりがあるなんて……自分の身に起こらなければ、到底信じることはできないだろう。
だが、実際自分は彼女の文章に恋い焦がれてしまっている。さて、どうしたものか。
編集長に見せてもらった原稿に、自分はひどく感銘を受けてしまった。
読み終わったあとに放心するなんて、こんなことは初めての経験だ。
放心状態の私に編集長は口元を上げて面白そうに笑った。
「相宮先生。彼女に堕ちましたね」と。
編集長の言う通りだった。
A出版小説文学賞にノミネートされていた作品だ。まだ、賞が確定した訳ではない。
それなのに、彼女の作品が本になることがいとも簡単に想像でき、そしてその本の表紙は……私のデザインだ。
鮮やかに脳裏に浮かぶのは、木佐円香という女性のみずみずしい感性。
読み終えたあとの爽快感、次からのステップに繋げたい、繋げてみせるという勇気に繋がる何か―――。
考える前に私は編集長に伝えていた。
木佐円香さんの処女作、私が表紙を製作させていただきたい、と。
そして、彼女は私の予想通り、A出版小説文学賞を受賞。彼女の処女作の書籍化が決まったのだが、今にして思えば編集長に嵌められた感が否めない。
編集長はきっとわかっていたはずだ。彼女―――木佐円香が大賞を取るだろう、と。
そこで彼女の原稿を選考前に私に見せたのではないかと思う。
私が、彼女の処女作の表紙を描きたがることを見越して……
もしかしたら、こうなる運命を編集長は予想していた……?
(いや、それはさすがにないか)
私は、恋い焦がれた木佐円香を押し倒しながら、過去の記憶を封印し、今を見た。
「円香……私を嫉妬させて、そんなに楽しい?」
「……相宮さん?」
私のことを不思議そうな瞳で見上げてくる円香は、女の色香を纏いつつ、確実に私の心を彼女の色に染めていく。
ずっと、ずっと、ずっと……好きだった。
彼女の新作が書き上がるたびに、私が心を躍らせていたことを彼女は知らないだろう。
新作が上がれば、私に仕事依頼が来る。そうすれば、彼女に会える。
そんないじらしい恋を募らせていた。
二十代の頃は、好きな女性に積極的にアプローチしていたし、欲しいものには手を伸ばす主義だった。
しかし、木佐円香に対しては違っていた。
自分でもビックリするほど慎重に接していたと思う。
彼女の文章に触れ、彼女の声を聞き、彼女のキレイな指を見つめる時間が大切だったからだ。
もし、自分の恋心が彼女にバレて、二度と会えなくなることになったら……そう思うと怖かったのだろう。
過去の自分が見たら、鼻を鳴らしてバカにしそうだ。だが、私は真剣にそう思っていたのだ。
ようやく……ようやく彼女を手にいれた。
この柔らかい唇も、年齢に似合わず無垢な身体も……そして、彼女の声も文章も私の物だ。
それなのに、木佐円香は未だに私を翻弄し続けるのか。
パチンと私の心にかかっていた理性が飛び散る音がした。
「もう一度聞く。君は私を翻弄して楽しいのか?」
「ほ、翻弄なんて……! そんなのしていません」
彼女に心当たりはないのだろう。そうなのかもしれない。
これは私の心が狭いだけ。わかっているが、我慢ができなかった。
「ちょっ、相宮さんっ!?」
身体を彼女に押しつけ、首筋に舌を這わせる。
円香の身体がビクッと震えるのを感じながら、今度は唇を押しつけた。
チュゥとキツく吸い上げると、そこに真っ赤な痕がつく。キスマークは独占欲の表れだと言われるが、まさに今の私の気持ちを表している。
円香を独り占めしたい。彼女が紡ぐ文章も全部……私だけのものにしたい。
何度も首筋に唇を押し当て、その白くて柔い肌に赤い独占欲を咲かしていく。
「ぅあ……ぁは」
円香の甘い喘ぎ声を聞き、安堵する自分がいる。そのほの暗い感情に苦笑した。
いい歳した男が、女一人にこんなに感情を振り回されるなんて。そうは思うが、止められるものではない。
それほど彼女が欲しい、欲しい、欲しくて堪らない……!!
「円香……好きだ」
彼女の頬を両手で包み込み、目を覗き込む。
上気した頬はピンク色で、半開きした唇は私を誘っているとしか思えない。
円香と視線が絡むと、彼女の目はゆっくりと弧を描いた。
「私も好き」
「っ!」
「相宮さんが……好きです」
柔らかくほほ笑む彼女に、苛立ちを覚えた。
私のことが好きなら、どうして……!! どうして、あんな文章を……!!
身体だけでも自分だけが独占したい。苛立ちを覚えながら、ブラウスのボタンを外していく。
引き裂いてしまおうかと思うほど、もどかしい。
早く彼女の身体に触れたい。彼女の身体の奥深くに自身を埋め込んでしまいたい。
彼女の身体だけでも―――
ようやくブラウスのボタンを全て外したが、下着を取る余裕は私には残されていなかった。
ブラジャーを押し上げ、プルンと揺れ出た胸にしゃぶりつく。
手で形が変わるほど揉み、そしてすでに尖って主張している頂に舌を絡ませる。
舌で転がし、時折歯で甘噛みをする。そのたびに、円香の身体が震え、甘い声が漏れた。
こんな彼女を見る事ができるのは、私だけ。
そう思えば思うほど、独占欲が湧き出してくる。
ロングスカートをまくし上げ、ショーツに手を掛けようとした。だが、寸でのところで脱がすことを止めた。
「相宮……さ……ん?」
突然止まった愛撫に円香は不思議に思ったのだろう。甘ったるい声で私の名前を呼ぶ。
だが、相変わらず名字呼びだ。名前で呼んでほしいのに。
そのことに苛立ちを感じてしまう。今の自分は、どうしようもない子供のようだ。
グッと歯を食いしばったあと、私はスカートの中に頭を突っ込んだ。
円香の驚く声を聞きながら、私はショーツの上から唇を押し当てる。そして、彼女の制止を聞かず、蕾の場所を舌で刺激し始めた。
「っやぁ、相宮さん! ま、待って」
「待てない」
ショーツの上から彼女の大事な部分にキスをし続ける。そして音を立てて吸い込むと、甘い蜜の味がした。
ショーツの中は蜜が零れ落ちているだろうが、私の唾液でショーツもビチョビチョになっている。
早くナカに入りたい。その一心でショーツを取り除くことなく、クロッチの部分を横にずらして直接蜜を啜った。
「ああっぁ……んん!!」
円香が快感から逃げようと腰を引いた。だが、それを許したくなくて彼女の腰を捕まえる。
そして、今度はプクリと赤く充血している蕾を舌で転がした。
舌を動かすたびに、蜜穴からトロリとした蜜が零れ落ちていく。
それを指に絡ませたあと、彼女の中心に向かって指をいれた。
円香の身体は私の指を受け入れてくれている。指を締めつけ、温かく包み込んで離さない。
ようやく、嫉妬の火が沈静し始めたときだった。
スカート越しから円香の手が頭を押さえてきたのだ。
「ま、円香?」
「ストップです、相宮さん」
その声に冷たさが加わっていることがわかり、慌ててスカートの中から頭を出した。
ハッと我に返ったときには遅かった。円香が冷たい目で私のことを見つめていたのだ。
「ちょっと落ち着いてください、相宮さん」
「……」
「いつもと様子が違うと思っていたんですけど、何かありました?」
「……」
「新作のゲラを見てからですよね……様子がおかしくなったのは。何か問題でもありましたか?」
不安そうに悲しそうに私を見つめてくる円香に、小さく頭を振った。
私の様子を見たあと、なぜか円香が肩を落とす。
「やっぱり気がついてしまいましたか」
「やっぱりって……」
本当は嘘だと思い込みたかった。だからこそ、強引に円香の身体を開こうとしたのだから。
嫉妬に駆られ、あげく無様な自分をさらけ出してしまった。
このまま円香に切り捨てられてしまうのだろうか。
心底怖いと思った。どうして嫉妬で目の前が見えなくなってしまったのだろうかと後悔が押し寄せる。
なんと言えば彼女は納得してくれるだろうか。許してくるだろうか。
脳裏は円香の心を引き留めることに必死だ。そんな私に、円香は勢いよく頭を下げてきた。
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