君が好きで好きで仕方がないんだ!

橘柚葉

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オフィスラブは危険がいっぱい!?

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「待って、龍臣さ……っ」
「待てない」
 
 龍臣さんは、いつも優しい。まずは私がどう思っているのか。どんなことをして欲しいのか、して欲しくないのか。それを確認してから行動してくれる。
 それなのに、今の彼はいつもの様子とはかけ離れていた。
 ちょっとしたお願いでさえも聞いてくれず、ギラギラした目で私を見下ろしている。
 優しい彼が見せる欲望。それを感じて、心臓が高鳴る。ドキドキしすぎて息苦しいほどだ。
 それでも彼の手はとても優しくて、そういうところはいつもの彼だとどこかホッとした気持ちにもなった。
 油断していた私に忠告するように、彼はカプッと首元を甘噛みしてきた。

「ああっ……!!」

 甲高い声を上げてしまう。それを抑えようと手で口を覆おうとするのだけど、それを彼によって阻まれてた。
 どうして? そんな気持ちでいると、彼は口元にセクシーな笑みを浮かべた。
 
「ダメ。もっと声が聞きたい」

 淫らな熱に浮かされている様子の彼は、何度も甘噛みをしながら熱を持った舌で舐めてくる。
 そのたびにゾクゾクとした甘い痺れが身体中を駆け巡り、耐えきれなくなって顎を仰け反らせた。
 敏感に反応する私を見て、彼は蠱惑的に口角を上げる。そんな様子を見て、また身体が淫らに震えてしまった。
 
 ここは、先程いた公園にほど近いラブホテル。
 運良く一部屋だけ空いていて、そこに雪崩れ込むようにやってきた。
 部屋の中へと入り、扉が閉まった瞬間。龍臣さんは私の背中を扉に押しつけ、愛撫をし始めたのだ。
 ベッドに行こうと誘うのに、彼の耳には私の声が届いていないのか。
 手は淫らやかに私の身体を這い回っていく。
 服を脱がすのももどかしいとばかりに、ブラウスの裾をたくし上げてくる。
 そして、露わになったブラジャー。その肩紐をずらしたその指は、そのままカップを強引に引き下ろしてくる。
 片方の乳房が零れ落ち、そこに寄せられるように彼は吸い付く。

「あぁ……ぁ、やぁ……んん」

 思わず上げた嬌声だったが、慌てて唇を噛みしめて声を堪える。
 隣の部屋からだろうか。扉が開く音が聞こえたからだ。
 カツカツとハイヒールの音が近づいてくる。それは、龍臣さんも気がついているはず。
 それなのに、彼の手はいやらしく私の身体を弄ってくる。
 そのたびに身体を震わせ、涙目で彼を見つめた。
 視線が合うと、彼は目を細める。
 フーッと胸の頂に息を吹きかけ、私の反応を見て妖しくほほ笑む。

「こんなところでハルミをかわいがっていると、通行人に聞こえてしまうかな?」
「龍臣さんっ」
 
 わざと通行人に聞こえるように、行為を続けていたというのか。
 大きな声で訴えたくなったが、慌てて声のトーンを下げた。
 まだ、通路には人の気配がある。大声を出したら、何もかもを他人に聞かれてしまうだろう。
 首を横に振っていやいやと拒んだが、彼は許してくれなかった。

「ダメ」
「どうして?」

 涙目で龍臣さんを見つめたのに、彼は愛撫の手をやめようとはしない。
 指で頂を捏ねくり回され、快感で身体に熱が帯びていく。そんな私の耳元で囁いてくる。

「ハルミ、すごく興奮しているみたいだから」
「え……?」
「ほら、いつもより感度がいい」
「あああっ……!」

 かなり大きな声で喘いでしまった。慌てて両手で口を押さえる。
 外の様子を伺ったが、シンと静まりかえっていた。そのことに安堵する。
 恥ずかしくて涙目になっていると、龍臣さんは大人の色気を前面に押し出したような声で言う。

「ほら、もっと気持ちよくしてあげる」
「え?」

 そう言うと、急に彼はしゃがみ込んだ。
 すでに彼によって愛された身体からは力が抜けていて、扉に背をつけていないと立っていられない状況だ。どうしたのかと視線をゆっくりと落とす。
 そこでようやく彼が何をしようとしているかに気がついてハッとする。
 彼の手が私のスカートの裾を掴んでいたからだ。

「ま、待って……!」

 制止の声は間に合わず、龍臣さんはスカートをたくし上げてきた。
 太ももに触れる、淫らな熱を持った彼の手。彼が触れてくるたびに、下腹部が切なく震えた。
 時折足に彼の吐息が当たり、甲高い声を上げてしまう。
 彼の手は少しずつ上昇していき、ストッキングに手をかけた。そして、ゆっくりと引き下ろしていく。
 だが、中途半端なところで止まってしまった。このままの状態では、足が動かせない。
 それなのに、今度はショーツまで下ろし始めていく。
 すでに蕩けた証拠である蜜で濡れているのを自覚し、恥ずかしさに顔を隠す。
 腰をくねらせて、彼からの愛撫を止めにかかる。

「龍臣さ……っ!」

 なんとかして止めようと彼の名前を呼んだが、その声は嬌声へと変化してしまった。
 彼の唇が、すでに濡れそぼっている蜜芽に触れたからだ。
 ジュッと音を立てて蜜を吸われ、恥ずかしくてどうにかなってしまいそう。
 立っているのが困難なほど快楽に浮かされている身体は、とうに限界を超えている。その場に倒れ込んでしまいそうだ。
 これ以上の愛撫をここで受けるのは、結構きつい。
 ベッドに行きたいが、ストッキングとショーツが中途半端なところまでしか下ろされていないために足を動かすことができない。
 縋るような目で彼を見たのだが、ひときわ強く吸い付かれて目の前が真っ白になってしまう。

「ああっ……ぁぁっ!」

 ビクッと下腹部が震え、盛大に達してしまった。
 はぁはぁと荒い息をつきながら、身体からは完全に力が抜け落ちていく。
 それを慌てて抱き留めてくれた龍臣さんは、私をようやくベッドに連れて行ってくれた。
 火照った身体にシーツの冷たさが心地いい。だけど、敏感に反応する身体は、その冷たさも快楽に変えていく。
 未だに愛撫の余韻に浸っている私から、彼はストッキングとショーツ、そして身ぐるみ全部剥ぎ取っていく。
 全裸になった私を淫欲めいた目で見下ろしながら、彼もまた衣服をすべて脱ぎ捨てた。
 何度見ても男らしくて筋肉質な身体だ。普段の彼からは想像ができないほど、たくましい。
 そんな彼の身体の中心はすでにいきり立っている。その屹立に避妊具をつけたあと、彼は私に覆い被さって耳元で甘く囁いてくる。

「淫らに声を上げているハルミがかわいくて仕方がない」
「龍臣さん……」
「ああ、ほら。俺を呼ぶ声もかわいい」

 もっと聞かせて、そう言いながら彼は身体を起こすと、私の両足に手をかけた。
 グッと大きく広げられた上、腰を上げてくる。何もかもを曝け出すような格好になり、彼からの視線が熱く感じて堪らない。
 恥ずかしさのあまり彼から顔を背けた、その瞬間。クチュッと粘着質な蜜の音を立てながら熱塊がゆっくりと体内へと入っていく。
 ググッと最奥まで彼の先端が入り込み、あまりの刺激に再び彼を見つめてしまった。
 視線が合うと、彼は蠱惑的な表情を浮かべる。
 セクシーなその表情にドキドキしてしまい、彼から目がそらせなくなってしまう。
 
「いい子だ、ハルミ」

 快楽に従順になっている私を見て、彼は再び腰を押しつけてくる。
 それが気持ちよすぎて、身体がビクッと震えてしまった。
 ナカに入ったまま、彼は嬉しそうに目尻を下げる。
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