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恋の香り
第一話
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「これはこれは、兵部の宮。お招きいただきありがとうございます」
ニヤリと厭らしく笑う大納言を見て、私は背筋が凍った。
ここは、中務卿宮邸のとある部屋。そこにやってきたのは、大納言だった。
藤壺女御付き女房が懐に入れていた香り袋の香りを再現できてから、一週間が経とうとしている。
麝香を加えた練り香だが、あのあとすぐに敦正様は兄様の元へと持っていき、判断を委ねた。
そこで判明したのは、このお香をよく焚きしめている人物だった。
敦正様と大納言がいる部屋の隣にある塗籠で、私は身を潜めている。
敦正様に邸に招かれた大納言は、始終ご機嫌だ。
「こうして宮が私を個人的に招いてくれるとは、初めてのことではないですかな?」
「・・・・・・そうかもしれませんね」
「そうですよ。我が邸に何度もお招きしているのに、なかなか足を向けてはくださらなかったから、半ば諦めてもいたのですよ」
恨みがましい口調で言ったあと、「それでも・・・・・・」と大納言は猫なで声を言う。
「こうして宮から声がかかったということは、色よい返事をいただけるのですかな?」
色よい返事。なんだろうと私が首を傾げたとき、敦正様は扇をハラリと開いた。
「なんのことでしょう?」
「またまた、しらばっくれなくてもいいではないですか。宮もお人が悪いですな」
「・・・・・・」
「我が娘との結婚ですよ。やっといい返事が聞けるのではないかと、私は嬉しくて参ったのですよ」
嬉しくて仕方がない様子の大納言を一瞥したあと、敦正様は扇で口元を隠して軽く笑う。
「今日は、そういったお話はなしということで」
「何を言っているのですか。そういう話をするつもりで、私はここにやってきたのですよ?」
大納言は手を引く気はないらしい。
そんな二人の様子を見つめ、ツキンと胸が痛くなる。
名門宮家の嫡男である、敦正様。変人の宮という悪評もあるが、それさえ除けば完璧過ぎる御人である。
我が姫に、と敦正様に声をかけてくる貴族はたくさんいるだろう。
そんなこと言われなくたってわかっていたはずなのに、私は何を焦っているのだろうか。
ズクズクと痛む胸の辺りをキュッと掴んだ。
今は目の前の事の方が大事だ。私は、物音を立てないように首を横に振る。
敦正様は香炉を大納言の前に置いたあと、ゆったりと笑う。
「今日は大納言様と薫物合わせをしようかと思いまして、お呼びしたのですが」
「薫物合わせ・・・・・・ですか?」
「ええ。どこかで連絡が行き違いましたかね?」
余裕の笑みを浮かべた敦正様を見て、大納言は呆気に取られている。
まさか、薫物合わせをするとは思わなかったのだろう。それも大人の男二人で。
呆気に取られていた大納言だったが、顔を不機嫌に歪める。
「何を言い出したのかと思えば」
「何か、おかしな事を言いましたか?」
「ええ、宮。突然薫物合わせなどとは・・・・・! もっと未来のお話をしましょう」
「未来の話、ですか?」
すっとぼけて聞く敦正様は、さすがだと思う。演技がうまい。大納言を煽る様はなかなかの演技達者だ。
そんな敦正様の態度にイライラし始めた様子の大納言は、口元を引き攣らせている。
「そうです、未来の話です。宮は我が娘と結婚後、この都を我が手にしたいとは思いませんか?」
「都を?」
「ええ!」
敦正様が反応したことに、ようやく大納言は気をよくしたようだ。
前のめりになり、敦正様を説得し始める。
「前にもお話しましたが、今は私は大納言という位で甘んじていますが、いずれは帝の覚もいい地位に就くことになります」
敦正様は手にしていた扇をパチンと音を立てて閉じる。
そして、脇息に肘を預けて大納言を見つめた。
「そういえば、以前にもそんなことを言っておいででしたね」
「はい」
「それはどうしてですか? もしかして、貴方が今は空席になっている左大臣の座につくおつもりか?」
「その通りです」
確かに今、左大臣の座は空いている。前左大臣は二月前、高齢のためお亡くなりになったはずだ。
左大臣と言えば、実質この御代での政治実権を握っている陰の支配者でもある。
その座に就けば、都も手にするということも夢ではないのかもしれない。
だが、現在内大臣、右大臣がいる。
順当にいけば、右大臣辺りが左大臣になるはずだ。
大納言がいきなり左大臣に抜擢されるわけがない。
もし、大納言が左大臣になるとき。それは、右大臣と内大臣が何かしらによって失脚するときだけだろう。
そう考えて背筋が凍った。もしかしたら、大納言はその辺りのことも脳裏に描いているのではないか。
手は汗でびっしょりだ。ギュッと手を握りしめ、向こうの部屋で繰り広げられている攻防戦を見つめる。
「どうやって就くつもりなのか。色々とお話は伺いたいところですが、まずは薫物合わせをしませんか」
「・・・・・・宮」
せっせと香炉の準備をする敦正様を見て、大納言は呆れかえっている。
「宮、薫物合わせと言えば、お互いが錬り作った香を焚いて楽しむもの。そう記憶しておりますが?」
「その通りですね」
サラリと返事をする敦正様に、大納言はますます呆れた様子で言う。
「私は今日、宮と薫物合わせをするとは思っていなかったので、香の用意はしていませんよ」
「そうですか」
「そうですよ」
ため息混じりで言う大納言に、敦正様はニッコリとほほ笑んだ。
「でも、大丈夫です」
「は?」
眉間に皺を寄せた大納言に、敦正様は余裕たっぷりに言う。
「貴方のお香は用意してありますから」
「用意してあるって・・・・・・」
戸惑っている大納言を目の前に、敦正様は香炉に練り香をくべた。
ゆっくりと部屋の中に、練り香の香りが広がっていく。
その匂いを嗅いだ大納言は、目を見開いた。
「これは・・・・・・!」
「今日、貴方がお召し物に焚きしめているお香と同じでしょう?」
「は、はい・・・・・・ですが、うちの香は秘伝の物です。どうして、これができたのですか?」
「さぁ? なぜでしょう」
「宮!」
敦正様が大納言をからかっているのがわかったのだろう。
大納言は大人げなく声を張り上げた。
「鬼のような形相ですね。折角薫物合わせをしているのですから。もっと優雅に香りを楽しみましょう」
「気分が悪い、私は帰らせていただきます」
腰を上げようとする大納言を、敦正様は厳しい表情で睨み付けた。
先ほどまでの穏やかな表情とは一変したことに、大納言も怯んでいる。
お座りください、という敦正様の声に、大納言は従うしかなかったようだ。
腰を下ろした大納言を見たあと、敦正様は背筋を伸ばす。
「私には腕利きのお香の先生がいるんです。その方に再現していただいたんですよ」
「再現って」
「とある女房が懐に忍ばせていた香り袋の練り香をね」
「は・・・・・・?」
「おや、ご存じなかったですか? 貴方を慕って恋心を抱いていた女性が、宮廷にいたはずですが」
「っ!」
大納言は太ももに置いていた手を、ギュッと握りしめた。その拳は小刻みに震えている。
明らかに何かに動揺しているようだ。
「その女性は、愛する男のために何度も丹波に文を持ってお使いに行っていたようですね」
「・・・・・・」
「その文にも、この香りに似た香りがついていましたよ」
「似た・・・・・・香り?」
意味がわからないといった様子の大納言を見て、敦正様は今の香を取り除き、今度は違う香を香炉にくべた。
そこから香る香りを必死に嗅いだ大納言だが、首を傾げる。
「宮、先ほどと何か変わりましたか?」
「変わりましたよ。普通の人なら気が付かないでしょうね。ほんの少しだけしか違いませんから」
敦正様は香炉を横に避け、大納言の顔をジッと見つめた。
「回りくどいことはよしましょう。大納言様、貴方は東国の武士と繋がっていましたね」
「な、何を言っているのか。どこかに証拠でもあるのですか?」
「証拠ですか? そうですね、表面的にはみつかりませんでしたね」
「ほ、ほらみろ!」
悪態をつく大納言は、明らかにホッとしている様子だ。
だが、敦正様はフンと鼻で笑う。
「証拠は丹波の受領に毎回捨てさせていたようですしね。そして、丹波の受領に指示をするときは藤壺女御付きの女房を使った。受領は私腹を肥やすために悪事に手を染めていた。だからこそ、証拠隠滅は必至。そして、女房は貴方に恋心を抱いていたために、大納言の言われるがまま動いた」
「で、でたらめだ!」
騒ぎ立てて敦正様の言葉を遮ろうと大納言は必死だ。
だが、敦正様は無視をして続ける。
「受領は大納言と共同戦線を敷いているつもりだったのに、裏切られた。そして、女房は何も知らずに悪事の手助けをしてしまった。受領は自業自得なところはありますが、女房は可哀想ですね」
「なんのことを言っているのか、さっぱりわからん! 検非違使が丹波の受領は事故死、藤壺女御付きの女房は自殺だとして捜査は終わったはずだ」
帰らせてもらう、と腰を上げた大納言を、敦正様は力尽くで押さえつけて再び座らせた。
ニヤリと厭らしく笑う大納言を見て、私は背筋が凍った。
ここは、中務卿宮邸のとある部屋。そこにやってきたのは、大納言だった。
藤壺女御付き女房が懐に入れていた香り袋の香りを再現できてから、一週間が経とうとしている。
麝香を加えた練り香だが、あのあとすぐに敦正様は兄様の元へと持っていき、判断を委ねた。
そこで判明したのは、このお香をよく焚きしめている人物だった。
敦正様と大納言がいる部屋の隣にある塗籠で、私は身を潜めている。
敦正様に邸に招かれた大納言は、始終ご機嫌だ。
「こうして宮が私を個人的に招いてくれるとは、初めてのことではないですかな?」
「・・・・・・そうかもしれませんね」
「そうですよ。我が邸に何度もお招きしているのに、なかなか足を向けてはくださらなかったから、半ば諦めてもいたのですよ」
恨みがましい口調で言ったあと、「それでも・・・・・・」と大納言は猫なで声を言う。
「こうして宮から声がかかったということは、色よい返事をいただけるのですかな?」
色よい返事。なんだろうと私が首を傾げたとき、敦正様は扇をハラリと開いた。
「なんのことでしょう?」
「またまた、しらばっくれなくてもいいではないですか。宮もお人が悪いですな」
「・・・・・・」
「我が娘との結婚ですよ。やっといい返事が聞けるのではないかと、私は嬉しくて参ったのですよ」
嬉しくて仕方がない様子の大納言を一瞥したあと、敦正様は扇で口元を隠して軽く笑う。
「今日は、そういったお話はなしということで」
「何を言っているのですか。そういう話をするつもりで、私はここにやってきたのですよ?」
大納言は手を引く気はないらしい。
そんな二人の様子を見つめ、ツキンと胸が痛くなる。
名門宮家の嫡男である、敦正様。変人の宮という悪評もあるが、それさえ除けば完璧過ぎる御人である。
我が姫に、と敦正様に声をかけてくる貴族はたくさんいるだろう。
そんなこと言われなくたってわかっていたはずなのに、私は何を焦っているのだろうか。
ズクズクと痛む胸の辺りをキュッと掴んだ。
今は目の前の事の方が大事だ。私は、物音を立てないように首を横に振る。
敦正様は香炉を大納言の前に置いたあと、ゆったりと笑う。
「今日は大納言様と薫物合わせをしようかと思いまして、お呼びしたのですが」
「薫物合わせ・・・・・・ですか?」
「ええ。どこかで連絡が行き違いましたかね?」
余裕の笑みを浮かべた敦正様を見て、大納言は呆気に取られている。
まさか、薫物合わせをするとは思わなかったのだろう。それも大人の男二人で。
呆気に取られていた大納言だったが、顔を不機嫌に歪める。
「何を言い出したのかと思えば」
「何か、おかしな事を言いましたか?」
「ええ、宮。突然薫物合わせなどとは・・・・・! もっと未来のお話をしましょう」
「未来の話、ですか?」
すっとぼけて聞く敦正様は、さすがだと思う。演技がうまい。大納言を煽る様はなかなかの演技達者だ。
そんな敦正様の態度にイライラし始めた様子の大納言は、口元を引き攣らせている。
「そうです、未来の話です。宮は我が娘と結婚後、この都を我が手にしたいとは思いませんか?」
「都を?」
「ええ!」
敦正様が反応したことに、ようやく大納言は気をよくしたようだ。
前のめりになり、敦正様を説得し始める。
「前にもお話しましたが、今は私は大納言という位で甘んじていますが、いずれは帝の覚もいい地位に就くことになります」
敦正様は手にしていた扇をパチンと音を立てて閉じる。
そして、脇息に肘を預けて大納言を見つめた。
「そういえば、以前にもそんなことを言っておいででしたね」
「はい」
「それはどうしてですか? もしかして、貴方が今は空席になっている左大臣の座につくおつもりか?」
「その通りです」
確かに今、左大臣の座は空いている。前左大臣は二月前、高齢のためお亡くなりになったはずだ。
左大臣と言えば、実質この御代での政治実権を握っている陰の支配者でもある。
その座に就けば、都も手にするということも夢ではないのかもしれない。
だが、現在内大臣、右大臣がいる。
順当にいけば、右大臣辺りが左大臣になるはずだ。
大納言がいきなり左大臣に抜擢されるわけがない。
もし、大納言が左大臣になるとき。それは、右大臣と内大臣が何かしらによって失脚するときだけだろう。
そう考えて背筋が凍った。もしかしたら、大納言はその辺りのことも脳裏に描いているのではないか。
手は汗でびっしょりだ。ギュッと手を握りしめ、向こうの部屋で繰り広げられている攻防戦を見つめる。
「どうやって就くつもりなのか。色々とお話は伺いたいところですが、まずは薫物合わせをしませんか」
「・・・・・・宮」
せっせと香炉の準備をする敦正様を見て、大納言は呆れかえっている。
「宮、薫物合わせと言えば、お互いが錬り作った香を焚いて楽しむもの。そう記憶しておりますが?」
「その通りですね」
サラリと返事をする敦正様に、大納言はますます呆れた様子で言う。
「私は今日、宮と薫物合わせをするとは思っていなかったので、香の用意はしていませんよ」
「そうですか」
「そうですよ」
ため息混じりで言う大納言に、敦正様はニッコリとほほ笑んだ。
「でも、大丈夫です」
「は?」
眉間に皺を寄せた大納言に、敦正様は余裕たっぷりに言う。
「貴方のお香は用意してありますから」
「用意してあるって・・・・・・」
戸惑っている大納言を目の前に、敦正様は香炉に練り香をくべた。
ゆっくりと部屋の中に、練り香の香りが広がっていく。
その匂いを嗅いだ大納言は、目を見開いた。
「これは・・・・・・!」
「今日、貴方がお召し物に焚きしめているお香と同じでしょう?」
「は、はい・・・・・・ですが、うちの香は秘伝の物です。どうして、これができたのですか?」
「さぁ? なぜでしょう」
「宮!」
敦正様が大納言をからかっているのがわかったのだろう。
大納言は大人げなく声を張り上げた。
「鬼のような形相ですね。折角薫物合わせをしているのですから。もっと優雅に香りを楽しみましょう」
「気分が悪い、私は帰らせていただきます」
腰を上げようとする大納言を、敦正様は厳しい表情で睨み付けた。
先ほどまでの穏やかな表情とは一変したことに、大納言も怯んでいる。
お座りください、という敦正様の声に、大納言は従うしかなかったようだ。
腰を下ろした大納言を見たあと、敦正様は背筋を伸ばす。
「私には腕利きのお香の先生がいるんです。その方に再現していただいたんですよ」
「再現って」
「とある女房が懐に忍ばせていた香り袋の練り香をね」
「は・・・・・・?」
「おや、ご存じなかったですか? 貴方を慕って恋心を抱いていた女性が、宮廷にいたはずですが」
「っ!」
大納言は太ももに置いていた手を、ギュッと握りしめた。その拳は小刻みに震えている。
明らかに何かに動揺しているようだ。
「その女性は、愛する男のために何度も丹波に文を持ってお使いに行っていたようですね」
「・・・・・・」
「その文にも、この香りに似た香りがついていましたよ」
「似た・・・・・・香り?」
意味がわからないといった様子の大納言を見て、敦正様は今の香を取り除き、今度は違う香を香炉にくべた。
そこから香る香りを必死に嗅いだ大納言だが、首を傾げる。
「宮、先ほどと何か変わりましたか?」
「変わりましたよ。普通の人なら気が付かないでしょうね。ほんの少しだけしか違いませんから」
敦正様は香炉を横に避け、大納言の顔をジッと見つめた。
「回りくどいことはよしましょう。大納言様、貴方は東国の武士と繋がっていましたね」
「な、何を言っているのか。どこかに証拠でもあるのですか?」
「証拠ですか? そうですね、表面的にはみつかりませんでしたね」
「ほ、ほらみろ!」
悪態をつく大納言は、明らかにホッとしている様子だ。
だが、敦正様はフンと鼻で笑う。
「証拠は丹波の受領に毎回捨てさせていたようですしね。そして、丹波の受領に指示をするときは藤壺女御付きの女房を使った。受領は私腹を肥やすために悪事に手を染めていた。だからこそ、証拠隠滅は必至。そして、女房は貴方に恋心を抱いていたために、大納言の言われるがまま動いた」
「で、でたらめだ!」
騒ぎ立てて敦正様の言葉を遮ろうと大納言は必死だ。
だが、敦正様は無視をして続ける。
「受領は大納言と共同戦線を敷いているつもりだったのに、裏切られた。そして、女房は何も知らずに悪事の手助けをしてしまった。受領は自業自得なところはありますが、女房は可哀想ですね」
「なんのことを言っているのか、さっぱりわからん! 検非違使が丹波の受領は事故死、藤壺女御付きの女房は自殺だとして捜査は終わったはずだ」
帰らせてもらう、と腰を上げた大納言を、敦正様は力尽くで押さえつけて再び座らせた。
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