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川上 海羽

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青春はあお

私の青春1

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 3年前よりシワが増えた制服を着た生徒たちが柔らかい表情で並んでいる。海音は、つけ慣れたネクタイを締めて深呼吸をする。少し肌寒いような、それでも暖かな日差しが気持ちよかった。
 「もう卒業かー。」
 「なんか、一瞬だったね。」
 「早かったような、長かったような。」
 4人で並んで、2階の教室から体育館に移動する。今までの思い出を思い出すようにゆっくりと、全員遠くを見つめて歩く。
 式中は今までの思い出が蘇って止まらなかった。
 中学校の時もそれなりに友達はいたし、関係も良かった。休日に遊びにいく友達もいたし、移動教室を一緒に行動する友達も、体育の時のペアもすぐに見つかった。
 人に合わせることや、空気を読むことが得意な方だった海音は、どんな人とでもそれなりに仲良くできて、気づけば学校中に友達がたくさんいた。物静かですぐに人の言いなりになってしまう子も、はっきりものを言って疎まれてしまっていた子も、変わり者も怒りんぼも寂しがりやも怖がりも、海音は何も気にせずに隣に座った。人が大好きだったし、自分にない価値観を持っている人の話を聞くのが好きだった。でも、同時に人が怖くもあった。どんな人とでも仲良くするということは、喧嘩の間に立たされることがしょっちゅうだった。どちらの言い分もわかるし、海音にとってはどっちも大切な友達だった。彼がこだわりを持って一生懸命にやっていることを知っていて応援している、それが上手くいかずに文句を言う彼女の意見もまた海音には理解できた。でも唯一、海音には人に対して貶すような言葉を吐いたり、努力を破り裂いたりする人の考えだけは理解ができなかった。
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