14 / 40
二章 協力と謎
5 与えられた権限
しおりを挟む
蒼空はどこかの木造校舎内に倒れていた。
無人の教室。
こんな所に来るはずもない。すぐに夢だと分かるも、教室内の木の匂い、外で騒がしく鳴く蝉の声、差し込む日差しの暑さ。
現実味がありすぎて夢かどうか疑わしく思える。
服装は白ワイシャツに制服の黒ズボン。夕日ノ高校の制服と思うも、よく見ると違う印象がある。
教室と廊下の窓は全開されていて、吹き込む風を鼻から吸うと少しの熱気が感じられた。
「……なんだ、ここ」
廊下に出て、誰かいないかを探し回る。
校舎内の明るさと雰囲気から、怪談話で登場しそうな怨霊は出ないと思い、少し気楽ではある。どこか懐かしさすら覚える木造校舎の魅力に蒼空は引き込まれてしまいそうであった。
「引き返すなら今のうちだぞ」
後ろから男の声がした。
振り返ると、場所が水の張られたプールへと変わる。蒼空はプールサイドに立っていた。
「……誰?」
夢の中にいるから会う人が人間ではないと考えていたが、その男はそんな前置きなどいらず、普通の人間でないことは分かる。ポケットに手を入れたまま水面上に立っていたからだ。
服装は蒼空と同じ、どこかの学校の夏服姿であった。咄嗟に加賀見茜の関係者かもしれないと考えが浮かぶ。
「貴方は……加賀見さんの関係者ですか?」
「加賀見?」
男は名前を聞いて考え込むと、余裕がある表情を向けた。
「そうか。奴は“加賀見茜”を名乗るか。……なら、俺は“御堂六郎”のままということだな」
「ミドウ……ロクロウ?」
名前はどうあれ、加賀見茜と繋がりがあるなら日和の事を知ってる可能性が高い。
「貴方は日和がどこにいるか知ってるんですか?」
六郎は蒼空を見て何か気になり、歩み寄ってきた。
「な、なんですか?」
すぐ手前で姿を消し、途端に背後へ現われると、蒼空の背中を押した。
「――うわっ!」
プールに落ちると思っていた蒼空は、水風船のような抵抗を感じ、全身と手触りでなめらかさを感じる。少しヒンヤリと気持ちよい水面であった。
「奇跡を堪能しながら落ち着け」
水には落ちないが、水面の揺らめきを感じ、波打つ地面に立っている感覚である。
「続けるなら覚えておくといい。お前は権利を得ている」
不意に告げられ戸惑う。
「え、何ですか? ……権利って。それより日和は?」
六郎は蒼空をジッと見つめ、しばらくして口を開いた。
「お前には願いを叶えるチャンスが与えられたのだ。誰にでも訪れるものではない。奇跡としか言えんチャンスだ。ただしある条件を満たしてからだがな」
「条件?」
「お前が三枝日和に調査を頼まれた都市伝説。あれは狂いが生じた伝説だ。狂いが何かを見つけろ。そうすればたった一つ願いを叶えてやろう」
「もし嫌だと言ったら?」
御堂六郎は鼻で笑った。
「大切な者を失い、多くの災いが降りかかる。逃げる事も放棄する事も出来るが、そうすればお前が望む三枝日和は消えたまま戻らんだろう」
都市伝説絡みの情報に混乱するも、咄嗟に質問を絞った。
「日和を返してもらえないのか? それを願いにしても」
「重要な問題を放棄して願いが叶うと思うなら、それは”虫のいい話”だ。狂いを見つけ、正すことが最優先だ。お前に与えられた権限は絡み合う縁の糸を解いてこそ成就するだろうからな。しかし急げよ、三枝日和が絡む難問は八月十四日までが期限。それまでに」
「聞くなぁぁ!!」
突然、プールサイドから男の叫び声がかけられた。
同じ制服姿の、見知らぬ男が蒼空と御堂六郎に向かって叫ぶ。
「そいつの話を聞くなぁぁ!!」
「やれやれ、阿呆がしゃしゃり出てきたか。時が混ざると面倒だ」
六郎が指を鳴らすと、蒼空の視界は暗くなった。
七月三十一日午前六時。
蒼空は汗びっしょりで目を覚ました。そして夢での出来事を忘れないようにスマートフォンのメモ帳に端的な文で残す。
木造校舎。プール。
御堂六郎と男子生徒。
願いを叶えるチャンス。災い。
日和を助けるには八月十四日まで。
御堂六郎がなぜ蒼空に権限を与えたのか分からない。珍しい血筋の家系でもないのに。
謎ばかりが頭の中でひしめき合う中、日和を救う【問題】は見つけた。
『都市伝説に纏わる狂い』
それを見つけて正さなければならない。
午前十時三十分。
蒼空は風見鶏公園の休憩所で加賀見茜が現われるのを待った。いつ来るか分からないから一時間は覚悟する。
明香と会おうにも、いきなり家へ訪れるのは勇気がいる。もし外出中なら探し回らなければならない。それなら予言を頼り、会う算段を立てた方が安全で効率的だと考えた。
休憩所へ訪れて十分後、階段を降りる足音がした。
「おはよう。覚悟を決めたみたいね」
階段を降りきってすぐ、加賀見茜は告げた。
「何をするかお見通しなんですね」
「ええ、この程度は朝飯前よ。けど蒼空君、明香ちゃんに事情を聞く以前に、女の子と会話は出来るの?」
そこを突かれると即答は出来ない。視線を逸らして戸惑ってしまう。
加賀見茜も視線を余所に向けて語る。
「ただでさえトップクラスの秀才。容姿端麗で一部の男子達の間では彼女にしたい女子生徒のランキング上位。ハードル高いわよぉ」
楽しそうに茶化された。
「俺、彼女作りに行くわけじゃないんで」
「日和ちゃんが大事だものね」
顔が赤くなる。
「茶化さないでください! 俺が何訊きたいか分かってるんですよね! だったら」
「ごめんなさい。若い子の恋の話、最近じゃ『恋バナ』っていうのよね。蒼空君の反応が面白かったからつい意地悪しちゃった」
余計な時間を無駄にしないためにも言い返さなかった。
「明香ちゃんが何時に何処へ行くか、よね」
続く予言では、午前十一時十分に市立図書館へ訪れると告げられた。
「また図書館ですか? 前園さんは本好きですか?」
どうでもいい質問をした途端、予言が外れた事を思い出し「それより」と蒼空が口にする。加賀見茜は手を前に出して黙らせた。
「言いたいことは分かってる。私の予言が外れた原因でしょ? 結果が分かってからこんなこと言うと「後出しだから何とでも言える」なんて思われてしまうでしょうけど」
「お願いします。一つ一つの原因が何かに繋がるかもしれないので」
「”市立図書館に明香ちゃんが来る時間を夏美ちゃんに告げた”。これが『予言を口にした過去』として成り立ってしまったの。だから、夏美ちゃんの行動が決まってしまい、そこを読まれてしまった」
「予言者の告げた未来を、別の予言者が読みとったってことですか?」
「それは考えにくいわね。確かにそういう存在がいればあり得る展開ではあるけど。今回起きたのは、そういう運命だったって事だと思うわ」
「運命って、それ言ったら全部がそれで片付きますよ。明確な情報とかないんですか?」
「今はなんとも。ただ、私が予言で告げたから夏美ちゃんが、自分が決めた時間に図書館へ行くと未来か決まったの。その後に、何かがあって明香ちゃんが時間をずらした。その揺るぎない結果が重要なのよ」
蒼空は違和感を覚えた。
加賀見茜の予言で夏美が行動したのは明香に会うため。なら、予言通りの時刻に明香が行動すれば夏美に会える。しかし明香は時間をずらして行動した。結果として大きすぎる時間差は生じたものの二人は会った。明香がわざとずれた時間を選んで会ったと仮定しても行動に矛盾が生じる。夏美と会うのを拒んで行動したとは考えにくい。
この結果が運命で重要というのはどういうことだろうか。予言ではない別の要因か。
「蒼空君、やっぱり頭が良いのね。日和ちゃんが頼りたい気持ち、分かる気がする」
「いきなり何言ってるんですか。俺、成績とか普通ですよ」
「そんな頭の良さじゃないわよ。それより早く行かないと、明香ちゃんと入れ違いになっちゃうわよ」
蒼空はスマートフォンの時計を確認し、急いで市立図書館へと向かった。
無人の教室。
こんな所に来るはずもない。すぐに夢だと分かるも、教室内の木の匂い、外で騒がしく鳴く蝉の声、差し込む日差しの暑さ。
現実味がありすぎて夢かどうか疑わしく思える。
服装は白ワイシャツに制服の黒ズボン。夕日ノ高校の制服と思うも、よく見ると違う印象がある。
教室と廊下の窓は全開されていて、吹き込む風を鼻から吸うと少しの熱気が感じられた。
「……なんだ、ここ」
廊下に出て、誰かいないかを探し回る。
校舎内の明るさと雰囲気から、怪談話で登場しそうな怨霊は出ないと思い、少し気楽ではある。どこか懐かしさすら覚える木造校舎の魅力に蒼空は引き込まれてしまいそうであった。
「引き返すなら今のうちだぞ」
後ろから男の声がした。
振り返ると、場所が水の張られたプールへと変わる。蒼空はプールサイドに立っていた。
「……誰?」
夢の中にいるから会う人が人間ではないと考えていたが、その男はそんな前置きなどいらず、普通の人間でないことは分かる。ポケットに手を入れたまま水面上に立っていたからだ。
服装は蒼空と同じ、どこかの学校の夏服姿であった。咄嗟に加賀見茜の関係者かもしれないと考えが浮かぶ。
「貴方は……加賀見さんの関係者ですか?」
「加賀見?」
男は名前を聞いて考え込むと、余裕がある表情を向けた。
「そうか。奴は“加賀見茜”を名乗るか。……なら、俺は“御堂六郎”のままということだな」
「ミドウ……ロクロウ?」
名前はどうあれ、加賀見茜と繋がりがあるなら日和の事を知ってる可能性が高い。
「貴方は日和がどこにいるか知ってるんですか?」
六郎は蒼空を見て何か気になり、歩み寄ってきた。
「な、なんですか?」
すぐ手前で姿を消し、途端に背後へ現われると、蒼空の背中を押した。
「――うわっ!」
プールに落ちると思っていた蒼空は、水風船のような抵抗を感じ、全身と手触りでなめらかさを感じる。少しヒンヤリと気持ちよい水面であった。
「奇跡を堪能しながら落ち着け」
水には落ちないが、水面の揺らめきを感じ、波打つ地面に立っている感覚である。
「続けるなら覚えておくといい。お前は権利を得ている」
不意に告げられ戸惑う。
「え、何ですか? ……権利って。それより日和は?」
六郎は蒼空をジッと見つめ、しばらくして口を開いた。
「お前には願いを叶えるチャンスが与えられたのだ。誰にでも訪れるものではない。奇跡としか言えんチャンスだ。ただしある条件を満たしてからだがな」
「条件?」
「お前が三枝日和に調査を頼まれた都市伝説。あれは狂いが生じた伝説だ。狂いが何かを見つけろ。そうすればたった一つ願いを叶えてやろう」
「もし嫌だと言ったら?」
御堂六郎は鼻で笑った。
「大切な者を失い、多くの災いが降りかかる。逃げる事も放棄する事も出来るが、そうすればお前が望む三枝日和は消えたまま戻らんだろう」
都市伝説絡みの情報に混乱するも、咄嗟に質問を絞った。
「日和を返してもらえないのか? それを願いにしても」
「重要な問題を放棄して願いが叶うと思うなら、それは”虫のいい話”だ。狂いを見つけ、正すことが最優先だ。お前に与えられた権限は絡み合う縁の糸を解いてこそ成就するだろうからな。しかし急げよ、三枝日和が絡む難問は八月十四日までが期限。それまでに」
「聞くなぁぁ!!」
突然、プールサイドから男の叫び声がかけられた。
同じ制服姿の、見知らぬ男が蒼空と御堂六郎に向かって叫ぶ。
「そいつの話を聞くなぁぁ!!」
「やれやれ、阿呆がしゃしゃり出てきたか。時が混ざると面倒だ」
六郎が指を鳴らすと、蒼空の視界は暗くなった。
七月三十一日午前六時。
蒼空は汗びっしょりで目を覚ました。そして夢での出来事を忘れないようにスマートフォンのメモ帳に端的な文で残す。
木造校舎。プール。
御堂六郎と男子生徒。
願いを叶えるチャンス。災い。
日和を助けるには八月十四日まで。
御堂六郎がなぜ蒼空に権限を与えたのか分からない。珍しい血筋の家系でもないのに。
謎ばかりが頭の中でひしめき合う中、日和を救う【問題】は見つけた。
『都市伝説に纏わる狂い』
それを見つけて正さなければならない。
午前十時三十分。
蒼空は風見鶏公園の休憩所で加賀見茜が現われるのを待った。いつ来るか分からないから一時間は覚悟する。
明香と会おうにも、いきなり家へ訪れるのは勇気がいる。もし外出中なら探し回らなければならない。それなら予言を頼り、会う算段を立てた方が安全で効率的だと考えた。
休憩所へ訪れて十分後、階段を降りる足音がした。
「おはよう。覚悟を決めたみたいね」
階段を降りきってすぐ、加賀見茜は告げた。
「何をするかお見通しなんですね」
「ええ、この程度は朝飯前よ。けど蒼空君、明香ちゃんに事情を聞く以前に、女の子と会話は出来るの?」
そこを突かれると即答は出来ない。視線を逸らして戸惑ってしまう。
加賀見茜も視線を余所に向けて語る。
「ただでさえトップクラスの秀才。容姿端麗で一部の男子達の間では彼女にしたい女子生徒のランキング上位。ハードル高いわよぉ」
楽しそうに茶化された。
「俺、彼女作りに行くわけじゃないんで」
「日和ちゃんが大事だものね」
顔が赤くなる。
「茶化さないでください! 俺が何訊きたいか分かってるんですよね! だったら」
「ごめんなさい。若い子の恋の話、最近じゃ『恋バナ』っていうのよね。蒼空君の反応が面白かったからつい意地悪しちゃった」
余計な時間を無駄にしないためにも言い返さなかった。
「明香ちゃんが何時に何処へ行くか、よね」
続く予言では、午前十一時十分に市立図書館へ訪れると告げられた。
「また図書館ですか? 前園さんは本好きですか?」
どうでもいい質問をした途端、予言が外れた事を思い出し「それより」と蒼空が口にする。加賀見茜は手を前に出して黙らせた。
「言いたいことは分かってる。私の予言が外れた原因でしょ? 結果が分かってからこんなこと言うと「後出しだから何とでも言える」なんて思われてしまうでしょうけど」
「お願いします。一つ一つの原因が何かに繋がるかもしれないので」
「”市立図書館に明香ちゃんが来る時間を夏美ちゃんに告げた”。これが『予言を口にした過去』として成り立ってしまったの。だから、夏美ちゃんの行動が決まってしまい、そこを読まれてしまった」
「予言者の告げた未来を、別の予言者が読みとったってことですか?」
「それは考えにくいわね。確かにそういう存在がいればあり得る展開ではあるけど。今回起きたのは、そういう運命だったって事だと思うわ」
「運命って、それ言ったら全部がそれで片付きますよ。明確な情報とかないんですか?」
「今はなんとも。ただ、私が予言で告げたから夏美ちゃんが、自分が決めた時間に図書館へ行くと未来か決まったの。その後に、何かがあって明香ちゃんが時間をずらした。その揺るぎない結果が重要なのよ」
蒼空は違和感を覚えた。
加賀見茜の予言で夏美が行動したのは明香に会うため。なら、予言通りの時刻に明香が行動すれば夏美に会える。しかし明香は時間をずらして行動した。結果として大きすぎる時間差は生じたものの二人は会った。明香がわざとずれた時間を選んで会ったと仮定しても行動に矛盾が生じる。夏美と会うのを拒んで行動したとは考えにくい。
この結果が運命で重要というのはどういうことだろうか。予言ではない別の要因か。
「蒼空君、やっぱり頭が良いのね。日和ちゃんが頼りたい気持ち、分かる気がする」
「いきなり何言ってるんですか。俺、成績とか普通ですよ」
「そんな頭の良さじゃないわよ。それより早く行かないと、明香ちゃんと入れ違いになっちゃうわよ」
蒼空はスマートフォンの時計を確認し、急いで市立図書館へと向かった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
最終死発電車
真霜ナオ
ホラー
バイト帰りの大学生・清瀬蒼真は、いつものように終電へと乗り込む。
直後、車体に大きな衝撃が走り、車内の様子は一変していた。
外に出ようとした乗客の一人は身体が溶け出し、おぞましい化け物まで現れる。
生き残るためには、先頭車両を目指すしかないと知る。
「第6回ホラー・ミステリー小説大賞」奨励賞をいただきました!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
昭和レトロな歴史&怪奇ミステリー 凶刀エピタム
かものすけ
ミステリー
昭和四十年代を舞台に繰り広げられる歴史&怪奇物語。
高名なアイヌ言語学者の研究の後を継いだ若き研究者・佐藤礼三郎に次から次へ降りかかる事件と災難。
そしてある日持ち込まれた一通の手紙から、礼三郎はついに人生最大の危機に巻き込まれていくのだった。
謎のアイヌ美女、紐解かれる禁忌の物語伝承、恐るべき人喰い刀の正体とは?
果たして礼三郎は、全ての謎を解明し、生きて北の大地から生還できるのか。
北海道の寒村を舞台に繰り広げられる謎が謎呼ぶ幻想ミステリーをどうぞ。
放浪探偵の呪詛返し
紫音みけ
ミステリー
※第7回ホラー・ミステリー小説大賞にて異能賞を受賞しました。応援してくださった皆様、ありがとうございました。
【あらすじ】
観光好きで放浪癖のある青年・永久天満は、なぜか行く先々で怪奇現象に悩まされている人々と出会う。しかしそれは三百年前から定められた必然だった。怪異の謎を解き明かし、呪いを返り討ちにするライトミステリー。
※2024/11/7より第二部(第五章以降)の連載を始めました。
ARIA(アリア)
残念パパいのっち
ミステリー
山内亮(やまうちとおる)は内見に出かけたアパートでAR越しに不思議な少女、西園寺雫(さいおんじしずく)と出会う。彼女は自分がAIでこのアパートに閉じ込められていると言うが……

その人事には理由がある
凪子
ミステリー
門倉(かどくら)千春(ちはる)は、この春大学を卒業したばかりの社会人一年生。新卒で入社した会社はインテリアを専門に扱う商社で、研修を終えて配属されたのは人事課だった。
そこには社長の私生児、日野(ひの)多々良(たたら)が所属していた。
社長の息子という気楽な立場のせいか、仕事をさぼりがちな多々良のお守りにうんざりする千春。
そんなある日、人事課長の朝木静から特命が与えられる。
その任務とは、『先輩女性社員にセクハラを受けたという男性社員に関する事実調査』で……!?
しっかり女子×お気楽男子の織りなす、人事系ミステリー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる