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終章
Ⅳ 災禍への予兆
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怪鳥が爆ぜて五日後、座り心地の良い窪みのある気に入りの岩へ腰かけるコルバの元へルダが現われた。
「やれやれ、お主は大忙しだなぁ」
背後から近づく、気配を完全に消しているルダを見ずにコルバは告げた。
「すげぇな。何でもお見通しかよ」
「何年生きとると思っとる。お主のこれまでの行いも丸見えだわ。あっちへ行きこっちへ行きと、無理ばかりしおってからに。ビンセント=バートンはほったらかしにすると踏んでおったが……」
怪鳥が爆ぜて以降、ルダによりビンセントは三ノ門付近まで送られた。
「悪趣味な覗きすぎは老体に毒だぜ。こっちは見世物じゃねぇぞ、恥ずかしい」
「誤解を招く言い方はやめてくれ、気持ち悪い」
「してねぇわ」
コルバは岩から降り、ルダと向い合った。
「直に見てようやく分かったわ。お主と繋がりがある“力”の正体をな」
「分かってどうする? 力尽くで止めるか?」
一陣の風が吹き付け、空気が張り詰めた。
風が止むとコルバは頭を掻いて呆れた様子を表わす。
「こんな老いぼれをいたぶろうって気なら勘弁してくれ。コホッ、コホッ。ほれ、身体も弱っとるのに」
「あと五十年は平気で生きてけそうな身体で病弱演技は通用しねぇぜジジィ。いいのか、俺を止めねぇで」
「止めてどうする。元気が有り余っとる若造なんざ放っておくのが世の常よ。それに、余所で何をしようとワシには関係無い話だ。ワシはワシのやるべきことを」
「テンシを止める算段はついたのか?」
見抜かれ、コルバの目つきが若干、鋭くなった。
「……そこまで見抜くか。……まあ、元の眼が才能故仕方ないのだろうがな」
「奴らを潰せるのか? 俺でもまだ見えねぇ未来だ。それに、あの奇声は脅威だぜ。あっという間にグルザイアが怪物の地へと化しちまう。しかも、ゾーゴルも次の手へと動き出しやがった。爺さんが育てたネルジェナが、一番躍起になってやがるぜ。なんであんな奴を育てたよ」
コルバはそっぼを向き、「さぁなぁ」と惚けた。
ルダは感心が乏しく、恵眼を使わなかった。
「それよりお主、容易にリブリオスを抜け出せるのか? ゴウガは確実に力を手にしたぞ。お主も奴と関係があったなら、ちょっかいの一つはしてこよう」
「だろうな。あのおっさんは俺の恵眼か、“力”を欲してる。悪趣味な上に強欲であくどいからなぁ。そこで、爺さんに協力を願いたいんだが、いいか? 良いな」
コルバは鼻でため息を吐いた。
「さすがクーロの王の弟よ。弱々しい老爺であろうとも、馬車馬の如く扱おうとするとは」
「百人もの術師に匹敵する力を持ち得たような強健ジジィが何言ってやがる。んなことはどうでもいい。テンシを止めるって点で言えば、一時の機会だが俺はあんたの強い味方になれるぜ。なにせゴウガの目当てがテンシ様だからよぉ。知ってるだろ?」
「確かに。その一時を蔑ろには出来んな。しかしたった一人で何が出来る? 邪魔立てする輩はそこら中に作ってきただろうに」
「いけ好かねぇ野郎だが、機会を作ってくれそうな野郎が一人いてな。そいつが動く時は色々と動き出す時なんだわ。その機を使って俺はリブリオスを出る。爺さんもその時に動けば、ゾーゴルもゴウガも戦力を一気に削れるぜ」
少しコルバは考える。確かにその機会を待つほかなかった。
「いつ頃だ?」
今、恵眼でゾーゴルを見るのは危険を伴う状況であった。在る存在に居場所を気づかれてしまえば、コルバの計画も頓挫し、死に瀕する状況となりかねない。
「あと十日だろうな。一日ぐらいは前後するだろうから、今からでも手を打った方がいいぜ」
「そうか。では、恩返しではないが、お主が動く時までここで休んでいくと良い。それだけ疲弊しては、何をするにも上手く立ち回れんだろうからな」
さすがに疲弊具合までは隠せなかった。平然としているが、時折手足が小さく痙攣してしまう。
「恩に着る。じゃあ、早速失礼するぜ」
(それを目当てで来たようなものだろうに、白々しい苦労人め)
コルバは寝床へと案内した。
◇◇◇◇◇
怪鳥の出現は、リブリオス以外の国にも異変が波及した。
ゼルドリアスでは、ゾグマがさざ波のように広がり、廃城に身を潜めていたコーとスレイは感じ取っていた。
そのゾグマは毒っ気が無く、浴びてしまえば安らいだ気持ちにさせた。
「……コーさん、これって」
「何も心配いらないさ。怖くないだろ?」
「ええ」
スレイはその言葉を信じ、不安は無くなった。しかしコーは感じていた。これより起こる事態に。
バルブラインでは、今まで姿を見せなかったパルドがあちこちに現われた。
誰しもが驚きと警戒を強めるも、パルドは大人しく、人間を見るとすぐにどこかへと去って行った。
「どう思いますか? ノーマさん」
パルドを調べる研究者でもあるノーマは、調査許可をアードラから受けての調査である。護衛の戦士を二人傍に置いている。
去って行くパルドを見たノーマは、深く、静かに息を吐いた。
「魔力もゾグマも異常なし。まあ、連中が異常だから、なんと言えばいいものか……」
いつもの何気ない眼は、どこか空虚でもあった。何かを思う雰囲気も混じっている。
「一度戻ろう。街から離れすぎている。もし援軍でも呼ばれては大変だ」
馭者の戦士の意見にノーマは素直に従った。
グルザイア、ガニシェッドでは、震度の低い地震が一日に多くて五度、普段は二度起きていた。
ガイネスは、ゾアの筋書きがいよいよ描かれたと密かに推測した。
一方のガニシェッドでは、各宮殿の長が集まり、国王と共にこれからの対策を議論しあっていた。
コルバの協力によりガニシェッドへ帰ったサラだったが、上手く空間術が働かなかった影響により、大海側の浜辺へと辿り着いた。
数日がかりで苦労して辿り着いたのは、ウォルガが管轄する区域。
これからウォルガへ事の経緯を報せようと向かう矢先、とても冷たい気配を感じた。それは、どこから発せられたか分からないほど、一瞬にして広域に広がりをみせるも、サラは直感で宮殿に嫌な予感を感じた。
「行ってはダメよサラ、危険すぎるわ!」
「でもウォルガさん達が大変なことになっちゃう」
カレリナの制止を振り切り、急いで宮殿へと向かった。
冷たい気配の正体は一体のテンシである。そのテンシが現われたのは、レイアードが封印されている黒い柱の前。
かつてレイデルで行った奇声を発するではなく、口を開け、柱に口を押しつけた。そして別の波長がする奇声を響かせると、柱は波打った。
それ以外の変化を及ぼさないまでも、事を終えたテンシは口を柱から離すと、どこか微笑みを浮かべている様子であった。
異変に感じたウォルガの弟子達が柱の元へ訪れると、そこには誰もいなかった。
レイデルでは、例年異常に寒さが増し、極寒の季節へと戻った。
国中の術師達は女王の命令により、各地で陣を張って住民達を護った。これにはスビナの父・モーシュも駆り出される始末となる。
たとえモーシュといえど、この異常気象の理由は突き止められなかった。
七国の中央にある大湖では、巨大な蛇の目撃証言が相次ぎ、船は出さない事態となった。
その光景を、ミルシェビスの大精霊は楽しそうに眺めていた。
「いよいよ生き残りをかけた戦いの幕が開かれますわね」
泉の上へ浮遊し、左手を翳し、赤、青、緑、白、紫の光を出現させた。
「やっぱり“調整”は敗北しましたわね」
言うと、緑の光が消えた。
「保険を増やすことばかり感けすぎますから読み違いをしますのよ。残存の力まで奪われてしまうのは、悲しいわね。楽しめそうでしたのに」
今度は赤色の光の下へと飛んだ。
「“運命”は何を企んでいますのかしらね。ビンセント=バートンに潜み、いよいよ動きだしたかと思えば、本腰は入れずじまい。本人は敗北を豪語してますが、その意図はなにかしら?」
続いて青の光へ。
「勢力から鑑みれば“無限”は着々と力を付けてますわね。運が良いのかしら? “調整”の残り物も上手く取り込めたようですし。ですが、それが果たして貴方の為になるのかしらねぇ」
紫の光は流し見た。
「“時空”の動きは気に入りませんわ、相変わらず。弱者を演じつつ、協力者を演じつつ、不意に現われた拠り所へも躊躇いなどないなんて。強欲で、勝利を手にするしたたかさ。気に入りませんがほかの力の強敵となるのは彼女かしら? ……それとも」
白い光の下へ、静かに寄った。
残る力、“世界”。
「そろそろ姿の一つでも現わしてはどうかしら? それとも、わたくしにすら姿を見せず、水面下で動いていらっしゃるの? 未だに目立たない暢気な姿勢は、既に諦めたと見るべきかしら? ……違いますわね、貴方は姿に似合わず狡猾な御方。もしかして、最初から? ……それとも、”前回”から何か手を打っていたのかしら?」
手を叩くと四つの光が消えた。
「さて、いよいよ七の支族が関わってきますのね。既に二つの支族は終わってしまいましたが。……励みなさい十英雄、それにガーディアン方。ゾアの災禍まで残しておくと、大変な事態になってしまいますわよ」
こみ上げる昂ぶりは、大精霊ですら見えない未来への期待に満たされている。”気に入りの者達”の運命がどのように転ぶか、驚愕と苦悩の連続となる未来を、早く見たい気持ちが溢れんばかりに。
「やれやれ、お主は大忙しだなぁ」
背後から近づく、気配を完全に消しているルダを見ずにコルバは告げた。
「すげぇな。何でもお見通しかよ」
「何年生きとると思っとる。お主のこれまでの行いも丸見えだわ。あっちへ行きこっちへ行きと、無理ばかりしおってからに。ビンセント=バートンはほったらかしにすると踏んでおったが……」
怪鳥が爆ぜて以降、ルダによりビンセントは三ノ門付近まで送られた。
「悪趣味な覗きすぎは老体に毒だぜ。こっちは見世物じゃねぇぞ、恥ずかしい」
「誤解を招く言い方はやめてくれ、気持ち悪い」
「してねぇわ」
コルバは岩から降り、ルダと向い合った。
「直に見てようやく分かったわ。お主と繋がりがある“力”の正体をな」
「分かってどうする? 力尽くで止めるか?」
一陣の風が吹き付け、空気が張り詰めた。
風が止むとコルバは頭を掻いて呆れた様子を表わす。
「こんな老いぼれをいたぶろうって気なら勘弁してくれ。コホッ、コホッ。ほれ、身体も弱っとるのに」
「あと五十年は平気で生きてけそうな身体で病弱演技は通用しねぇぜジジィ。いいのか、俺を止めねぇで」
「止めてどうする。元気が有り余っとる若造なんざ放っておくのが世の常よ。それに、余所で何をしようとワシには関係無い話だ。ワシはワシのやるべきことを」
「テンシを止める算段はついたのか?」
見抜かれ、コルバの目つきが若干、鋭くなった。
「……そこまで見抜くか。……まあ、元の眼が才能故仕方ないのだろうがな」
「奴らを潰せるのか? 俺でもまだ見えねぇ未来だ。それに、あの奇声は脅威だぜ。あっという間にグルザイアが怪物の地へと化しちまう。しかも、ゾーゴルも次の手へと動き出しやがった。爺さんが育てたネルジェナが、一番躍起になってやがるぜ。なんであんな奴を育てたよ」
コルバはそっぼを向き、「さぁなぁ」と惚けた。
ルダは感心が乏しく、恵眼を使わなかった。
「それよりお主、容易にリブリオスを抜け出せるのか? ゴウガは確実に力を手にしたぞ。お主も奴と関係があったなら、ちょっかいの一つはしてこよう」
「だろうな。あのおっさんは俺の恵眼か、“力”を欲してる。悪趣味な上に強欲であくどいからなぁ。そこで、爺さんに協力を願いたいんだが、いいか? 良いな」
コルバは鼻でため息を吐いた。
「さすがクーロの王の弟よ。弱々しい老爺であろうとも、馬車馬の如く扱おうとするとは」
「百人もの術師に匹敵する力を持ち得たような強健ジジィが何言ってやがる。んなことはどうでもいい。テンシを止めるって点で言えば、一時の機会だが俺はあんたの強い味方になれるぜ。なにせゴウガの目当てがテンシ様だからよぉ。知ってるだろ?」
「確かに。その一時を蔑ろには出来んな。しかしたった一人で何が出来る? 邪魔立てする輩はそこら中に作ってきただろうに」
「いけ好かねぇ野郎だが、機会を作ってくれそうな野郎が一人いてな。そいつが動く時は色々と動き出す時なんだわ。その機を使って俺はリブリオスを出る。爺さんもその時に動けば、ゾーゴルもゴウガも戦力を一気に削れるぜ」
少しコルバは考える。確かにその機会を待つほかなかった。
「いつ頃だ?」
今、恵眼でゾーゴルを見るのは危険を伴う状況であった。在る存在に居場所を気づかれてしまえば、コルバの計画も頓挫し、死に瀕する状況となりかねない。
「あと十日だろうな。一日ぐらいは前後するだろうから、今からでも手を打った方がいいぜ」
「そうか。では、恩返しではないが、お主が動く時までここで休んでいくと良い。それだけ疲弊しては、何をするにも上手く立ち回れんだろうからな」
さすがに疲弊具合までは隠せなかった。平然としているが、時折手足が小さく痙攣してしまう。
「恩に着る。じゃあ、早速失礼するぜ」
(それを目当てで来たようなものだろうに、白々しい苦労人め)
コルバは寝床へと案内した。
◇◇◇◇◇
怪鳥の出現は、リブリオス以外の国にも異変が波及した。
ゼルドリアスでは、ゾグマがさざ波のように広がり、廃城に身を潜めていたコーとスレイは感じ取っていた。
そのゾグマは毒っ気が無く、浴びてしまえば安らいだ気持ちにさせた。
「……コーさん、これって」
「何も心配いらないさ。怖くないだろ?」
「ええ」
スレイはその言葉を信じ、不安は無くなった。しかしコーは感じていた。これより起こる事態に。
バルブラインでは、今まで姿を見せなかったパルドがあちこちに現われた。
誰しもが驚きと警戒を強めるも、パルドは大人しく、人間を見るとすぐにどこかへと去って行った。
「どう思いますか? ノーマさん」
パルドを調べる研究者でもあるノーマは、調査許可をアードラから受けての調査である。護衛の戦士を二人傍に置いている。
去って行くパルドを見たノーマは、深く、静かに息を吐いた。
「魔力もゾグマも異常なし。まあ、連中が異常だから、なんと言えばいいものか……」
いつもの何気ない眼は、どこか空虚でもあった。何かを思う雰囲気も混じっている。
「一度戻ろう。街から離れすぎている。もし援軍でも呼ばれては大変だ」
馭者の戦士の意見にノーマは素直に従った。
グルザイア、ガニシェッドでは、震度の低い地震が一日に多くて五度、普段は二度起きていた。
ガイネスは、ゾアの筋書きがいよいよ描かれたと密かに推測した。
一方のガニシェッドでは、各宮殿の長が集まり、国王と共にこれからの対策を議論しあっていた。
コルバの協力によりガニシェッドへ帰ったサラだったが、上手く空間術が働かなかった影響により、大海側の浜辺へと辿り着いた。
数日がかりで苦労して辿り着いたのは、ウォルガが管轄する区域。
これからウォルガへ事の経緯を報せようと向かう矢先、とても冷たい気配を感じた。それは、どこから発せられたか分からないほど、一瞬にして広域に広がりをみせるも、サラは直感で宮殿に嫌な予感を感じた。
「行ってはダメよサラ、危険すぎるわ!」
「でもウォルガさん達が大変なことになっちゃう」
カレリナの制止を振り切り、急いで宮殿へと向かった。
冷たい気配の正体は一体のテンシである。そのテンシが現われたのは、レイアードが封印されている黒い柱の前。
かつてレイデルで行った奇声を発するではなく、口を開け、柱に口を押しつけた。そして別の波長がする奇声を響かせると、柱は波打った。
それ以外の変化を及ぼさないまでも、事を終えたテンシは口を柱から離すと、どこか微笑みを浮かべている様子であった。
異変に感じたウォルガの弟子達が柱の元へ訪れると、そこには誰もいなかった。
レイデルでは、例年異常に寒さが増し、極寒の季節へと戻った。
国中の術師達は女王の命令により、各地で陣を張って住民達を護った。これにはスビナの父・モーシュも駆り出される始末となる。
たとえモーシュといえど、この異常気象の理由は突き止められなかった。
七国の中央にある大湖では、巨大な蛇の目撃証言が相次ぎ、船は出さない事態となった。
その光景を、ミルシェビスの大精霊は楽しそうに眺めていた。
「いよいよ生き残りをかけた戦いの幕が開かれますわね」
泉の上へ浮遊し、左手を翳し、赤、青、緑、白、紫の光を出現させた。
「やっぱり“調整”は敗北しましたわね」
言うと、緑の光が消えた。
「保険を増やすことばかり感けすぎますから読み違いをしますのよ。残存の力まで奪われてしまうのは、悲しいわね。楽しめそうでしたのに」
今度は赤色の光の下へと飛んだ。
「“運命”は何を企んでいますのかしらね。ビンセント=バートンに潜み、いよいよ動きだしたかと思えば、本腰は入れずじまい。本人は敗北を豪語してますが、その意図はなにかしら?」
続いて青の光へ。
「勢力から鑑みれば“無限”は着々と力を付けてますわね。運が良いのかしら? “調整”の残り物も上手く取り込めたようですし。ですが、それが果たして貴方の為になるのかしらねぇ」
紫の光は流し見た。
「“時空”の動きは気に入りませんわ、相変わらず。弱者を演じつつ、協力者を演じつつ、不意に現われた拠り所へも躊躇いなどないなんて。強欲で、勝利を手にするしたたかさ。気に入りませんがほかの力の強敵となるのは彼女かしら? ……それとも」
白い光の下へ、静かに寄った。
残る力、“世界”。
「そろそろ姿の一つでも現わしてはどうかしら? それとも、わたくしにすら姿を見せず、水面下で動いていらっしゃるの? 未だに目立たない暢気な姿勢は、既に諦めたと見るべきかしら? ……違いますわね、貴方は姿に似合わず狡猾な御方。もしかして、最初から? ……それとも、”前回”から何か手を打っていたのかしら?」
手を叩くと四つの光が消えた。
「さて、いよいよ七の支族が関わってきますのね。既に二つの支族は終わってしまいましたが。……励みなさい十英雄、それにガーディアン方。ゾアの災禍まで残しておくと、大変な事態になってしまいますわよ」
こみ上げる昂ぶりは、大精霊ですら見えない未来への期待に満たされている。”気に入りの者達”の運命がどのように転ぶか、驚愕と苦悩の連続となる未来を、早く見たい気持ちが溢れんばかりに。
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