158 / 191
十章 暗躍と思惑と
Ⅹ 未来の、仲間の為に
しおりを挟む
その光景は、端から見ればエベックがビンセントを射殺そうとするものであった。
「良いのか?」
率直な意見を“運命”はビンセントへ告げた。
「その者と仲間であっただろうがそれは過去のこと、誰がどう見てもお前は殺されるぞ」
ビンセントが死ねば“運命”も終わる。それが分かっていながらも“運命”の反応が淡泊なのは、どうでも良い気持ちが強かった。六の力の頂点に立とうとする執着や狡猾さが欠如しているからでもある。
「殺さないさ。エベックはそういう奴だから」
二人の会話をエベックは真剣な顔つきのまま黙って聞いていた。
「過信とは考えんのか? 仲間意識を利用し、容易に殺す戦略だと」
「それはない。魔女討伐の旅で見てきたんだ。“運命”には分からないだろうけど、エベックはいつも仲間の事を気にかけてたんだ」
ビンセントの言葉にエベックの口元が緩む。その言葉が途轍もなく嬉しく、同時に切なく苦しい。こみ上げる気持ちを堪え、無理やり笑みを浮かべた。
「ビン様……変わらないわね」
泣きそうな気持ちが眼に表れ、無理やり笑顔を作るエベックを見て、ビンセントは胸騒ぎがした。
「……エベック?」
「じゃあね、ビンセント=バートン」
光の杭が、一瞬にしてビンセントの胸を貫いた。
「え?!」
痛みはない。ただ、急激な目眩がしたかと思うと、視界が暗転した。
気づいた時、ビンセントは真っ白な空間の中にいた。
「ほう、私もか」
隣には“運命”もいた。
「お前、どうして?」
「それは“お前さん”と深く関わっている力だからな」
呼び方、声。
ビンセントは慌てて振り返る。しかし何処を探しても『ルバート』はいなかった。
「どこだルバート!」
「これはエベックの力に刺激されただけだ」
「お前、無事なのか!」
「時間が無い。お前さんは奴の意志を理解しろ。“運命”も俺様も、それで通じる」
詳しく、もっと説明を知りたい。
声をかけようとした矢先、頭痛を起こすほど多くの情報が次々に入ってくる。
ビンセントは呻き声を上げ、膝をつき、両手で頭をおさえた。
「うう、ぐぅうううう……」
六の力、リブリオスとゾーゴルの関係、ゾーゴルが地中へと墜とせた理由、さらに地下に潜むモノ、リブリオスにある紋章、夢幻洞について、ニルド、クーロ、ジュダ、それぞれの思惑。
多くの情報の中に、エベックの思惑もあった。
ゾーゴルの王により小国が滅んだ。そして仇討ちの相手を失ったエベックは、“無限”と出会う。
あらゆる契約や協力により、ゾーゴル内だけではなく外の国へも行き来出来る状態となった。そして、六の力、七の支族、ゾアの災禍も知った。
伝手を頼りに知ったゾアの災禍の顛末、この世界の在り方を知ったエベックは、どうにかしなければならない使命感を抱いた。その先駆けとして魔女のゾグマを浴びて耐性を得る、であった。
ビンセント達との旅により、自らを偽り、秘密を貫き、野望のために動いていたが、旅路で人間達を見て、知り、情が移って野望の内容が様変わりしてしまった。
未来のために立ち回る最中気づいたのは、どう足掻いても変えられない凄惨な戦場の光景。十英雄が必ず死ぬ未来。
滅亡の未来を救う術を考え抜き、この結論に至った。それは希望に縋るしか無い、この先に何が起こるか見えない未来。
力を託すのは、一番信頼をおける大切な存在。兄・エベックと似た、正義感と優しさを兼ね備え、どこか抜けているも愛らしさがある英雄・ビンセント。
全てを託し、エベックがビンセントへ光の杭を放った。
視界が戻り、元の光景と認識したビンセントの目に飛び込んだのは、酷く憔悴し血の気が引いたエベックの姿であった。息を切らせ、弱っている様子だ。
ビンセントが声をかけようとした刹那、崖から伸びた数本の赤黒い杭のようなものが、エベックを背後から貫いた。
「う、ぐぅあぁ……」
「エベック!」
為す術はなかった。あっさりとエベックの胴は貫かれ、けして助からない傷を負った。そして杭はエベックの身体を浮かせ、崖下へと墜とす。
追いかけようとするビンセントを、“運命”は「行くな!」と叫んで止めた。
間もなくして、崖の下から黒く、途轍もなく大きな鳥が現われた。どこからともなく現われた怪鳥は、よく見ると地面から出てきたように見える。
「崖から離れろ!」
“運命”の言葉に反応し、ビンセントは崖から走って退いた。
怪鳥は巨大な頭、首、胴と現われ、その胸にはエベックが張り付いていた。
「おい! どうしたらエベックを」
「諦めろ。奴は既に事切れている」
信じたくはない。しかし、続けて魔力と気功を見ろと言われ、見てみると、どちらの力も見えなかった。
「奴はこの未来を選んだのだろう。お前に意志を託してな」
悔しく思うビンセントを余所に、エベックの死体は怪鳥の胴体へと食い込み、完全に呑まれた。
「くっそ……ちくしょうぅぅ……」
涙を流し、悔やむ。
こんな別れ方しかなかったのかと。
怪鳥は、エベックの身体を取り込むと、まるで活力を得たかのように力が漲り、巨大な双翼を大きく広げ、上空目がけて嘶いた。
「相変わらず世話がやける」
“運命”がビンセントの前へ立ち、怪鳥から注がれる重圧を、魔力壁を張って防いだ。途端、”運命”は不思議に思った。何か、いつもと違う。それが何かは分からないが、本来なら防壁は張らないだろう。
怪鳥から発する力はミジュナであった。呪いも混ざるが、敵意を籠めて注いでいるのではなく、ようやく外へ出られた開放感から発散しているようであり、“運命”も防ぐのは容易であった。
「これで暫し保つ。それで、どうするのだ? いつまでも仲間の死を嘆くか」
「お前には分からないだろ! エベックはどんな気持ちで生きて、どんな想いで」
“運命”は感情の起伏がなく、いつも通りの調子で返す。
「記憶は見たな。しかし、お前達人間で言うところの、仲間を想っての行動だったのだろ。奴は十英雄の、ゾアの災禍により死ぬ未来を見たのだ。それを、あらゆる手段を講じて助かる未来を模索したが、どうあっても全員が死ぬ羽目となる。最後の希望をお前に力を託し、自らが死ぬ、この時だけは先が見えなかった。だから全てを賭けたのだ。どんな思いかと聞いたが、仲間のため、としか私には思い当たらんぞ」
まさしくその通りだ。
ビンセントは何も言えなくなる。
「改めて聞くぞ。これからどうする?」
「……どう、って」
視線を怪鳥へと向けた。
何をするにしても、今はあの怪鳥を倒さなければならない。周囲の木々を枯らすほどの力をばらまいているのだ、放っておく訳にはいかない。
「お前、どうやってアレを倒すか分かるか?」
「明確な術は知らん。ただ、胸と額にある緑の輝きが気になる。アレを潰すべきでは?」
方法としては投擲か、術を飛ばすしかない。
ビンセントはエベックから託された力の中に、戒陸魔術を感じ取る。想像するだけで使える気はするが、果たして怪鳥の急所と思しき箇所を射抜けるか分からない。
ウダウダと考える時間は無かった。
一か八か、ビンセントは戒陸魔術を使う決心を固めた。
手を翳し、念じ始めると、怪鳥は翼を動かし、空へ飛び立とうとし始めた。
「まずい! 早くしないと!」
焦るも、想像がまるで固まらず、矢ですら形作るのに苦労する。
もたついている内に怪鳥は飛び上がった。
「逃げられたな」
“運命”は何気なく口にし、手を打てなかったビンセントは悔しがり、怪鳥が飛び去る様子を、為す術もなく眺めた。
「……え?!」
ビンセントが驚いたのは、突如として怪鳥が姿を消したのだ。
その現象には“運命”もさすがに驚いた。
あれほど大質量の生物が、何の前触れも無く唐突に姿を消すなど考えられないからだ。
二人が驚き、悩む最中、今度は消えた辺りから、上空目がけて、爆発音と共に赤黒い礫や飛沫が、リブリオス全土を覆い尽くそうとしてるかのような広範囲に飛び上がった。まるで一瞬にして空を曇天へと変えるかの如く。
「なんだあれは!?」
驚くビンセントの横で、“運命”は事態を口にした。
「怪鳥が、死んだ」
「良いのか?」
率直な意見を“運命”はビンセントへ告げた。
「その者と仲間であっただろうがそれは過去のこと、誰がどう見てもお前は殺されるぞ」
ビンセントが死ねば“運命”も終わる。それが分かっていながらも“運命”の反応が淡泊なのは、どうでも良い気持ちが強かった。六の力の頂点に立とうとする執着や狡猾さが欠如しているからでもある。
「殺さないさ。エベックはそういう奴だから」
二人の会話をエベックは真剣な顔つきのまま黙って聞いていた。
「過信とは考えんのか? 仲間意識を利用し、容易に殺す戦略だと」
「それはない。魔女討伐の旅で見てきたんだ。“運命”には分からないだろうけど、エベックはいつも仲間の事を気にかけてたんだ」
ビンセントの言葉にエベックの口元が緩む。その言葉が途轍もなく嬉しく、同時に切なく苦しい。こみ上げる気持ちを堪え、無理やり笑みを浮かべた。
「ビン様……変わらないわね」
泣きそうな気持ちが眼に表れ、無理やり笑顔を作るエベックを見て、ビンセントは胸騒ぎがした。
「……エベック?」
「じゃあね、ビンセント=バートン」
光の杭が、一瞬にしてビンセントの胸を貫いた。
「え?!」
痛みはない。ただ、急激な目眩がしたかと思うと、視界が暗転した。
気づいた時、ビンセントは真っ白な空間の中にいた。
「ほう、私もか」
隣には“運命”もいた。
「お前、どうして?」
「それは“お前さん”と深く関わっている力だからな」
呼び方、声。
ビンセントは慌てて振り返る。しかし何処を探しても『ルバート』はいなかった。
「どこだルバート!」
「これはエベックの力に刺激されただけだ」
「お前、無事なのか!」
「時間が無い。お前さんは奴の意志を理解しろ。“運命”も俺様も、それで通じる」
詳しく、もっと説明を知りたい。
声をかけようとした矢先、頭痛を起こすほど多くの情報が次々に入ってくる。
ビンセントは呻き声を上げ、膝をつき、両手で頭をおさえた。
「うう、ぐぅうううう……」
六の力、リブリオスとゾーゴルの関係、ゾーゴルが地中へと墜とせた理由、さらに地下に潜むモノ、リブリオスにある紋章、夢幻洞について、ニルド、クーロ、ジュダ、それぞれの思惑。
多くの情報の中に、エベックの思惑もあった。
ゾーゴルの王により小国が滅んだ。そして仇討ちの相手を失ったエベックは、“無限”と出会う。
あらゆる契約や協力により、ゾーゴル内だけではなく外の国へも行き来出来る状態となった。そして、六の力、七の支族、ゾアの災禍も知った。
伝手を頼りに知ったゾアの災禍の顛末、この世界の在り方を知ったエベックは、どうにかしなければならない使命感を抱いた。その先駆けとして魔女のゾグマを浴びて耐性を得る、であった。
ビンセント達との旅により、自らを偽り、秘密を貫き、野望のために動いていたが、旅路で人間達を見て、知り、情が移って野望の内容が様変わりしてしまった。
未来のために立ち回る最中気づいたのは、どう足掻いても変えられない凄惨な戦場の光景。十英雄が必ず死ぬ未来。
滅亡の未来を救う術を考え抜き、この結論に至った。それは希望に縋るしか無い、この先に何が起こるか見えない未来。
力を託すのは、一番信頼をおける大切な存在。兄・エベックと似た、正義感と優しさを兼ね備え、どこか抜けているも愛らしさがある英雄・ビンセント。
全てを託し、エベックがビンセントへ光の杭を放った。
視界が戻り、元の光景と認識したビンセントの目に飛び込んだのは、酷く憔悴し血の気が引いたエベックの姿であった。息を切らせ、弱っている様子だ。
ビンセントが声をかけようとした刹那、崖から伸びた数本の赤黒い杭のようなものが、エベックを背後から貫いた。
「う、ぐぅあぁ……」
「エベック!」
為す術はなかった。あっさりとエベックの胴は貫かれ、けして助からない傷を負った。そして杭はエベックの身体を浮かせ、崖下へと墜とす。
追いかけようとするビンセントを、“運命”は「行くな!」と叫んで止めた。
間もなくして、崖の下から黒く、途轍もなく大きな鳥が現われた。どこからともなく現われた怪鳥は、よく見ると地面から出てきたように見える。
「崖から離れろ!」
“運命”の言葉に反応し、ビンセントは崖から走って退いた。
怪鳥は巨大な頭、首、胴と現われ、その胸にはエベックが張り付いていた。
「おい! どうしたらエベックを」
「諦めろ。奴は既に事切れている」
信じたくはない。しかし、続けて魔力と気功を見ろと言われ、見てみると、どちらの力も見えなかった。
「奴はこの未来を選んだのだろう。お前に意志を託してな」
悔しく思うビンセントを余所に、エベックの死体は怪鳥の胴体へと食い込み、完全に呑まれた。
「くっそ……ちくしょうぅぅ……」
涙を流し、悔やむ。
こんな別れ方しかなかったのかと。
怪鳥は、エベックの身体を取り込むと、まるで活力を得たかのように力が漲り、巨大な双翼を大きく広げ、上空目がけて嘶いた。
「相変わらず世話がやける」
“運命”がビンセントの前へ立ち、怪鳥から注がれる重圧を、魔力壁を張って防いだ。途端、”運命”は不思議に思った。何か、いつもと違う。それが何かは分からないが、本来なら防壁は張らないだろう。
怪鳥から発する力はミジュナであった。呪いも混ざるが、敵意を籠めて注いでいるのではなく、ようやく外へ出られた開放感から発散しているようであり、“運命”も防ぐのは容易であった。
「これで暫し保つ。それで、どうするのだ? いつまでも仲間の死を嘆くか」
「お前には分からないだろ! エベックはどんな気持ちで生きて、どんな想いで」
“運命”は感情の起伏がなく、いつも通りの調子で返す。
「記憶は見たな。しかし、お前達人間で言うところの、仲間を想っての行動だったのだろ。奴は十英雄の、ゾアの災禍により死ぬ未来を見たのだ。それを、あらゆる手段を講じて助かる未来を模索したが、どうあっても全員が死ぬ羽目となる。最後の希望をお前に力を託し、自らが死ぬ、この時だけは先が見えなかった。だから全てを賭けたのだ。どんな思いかと聞いたが、仲間のため、としか私には思い当たらんぞ」
まさしくその通りだ。
ビンセントは何も言えなくなる。
「改めて聞くぞ。これからどうする?」
「……どう、って」
視線を怪鳥へと向けた。
何をするにしても、今はあの怪鳥を倒さなければならない。周囲の木々を枯らすほどの力をばらまいているのだ、放っておく訳にはいかない。
「お前、どうやってアレを倒すか分かるか?」
「明確な術は知らん。ただ、胸と額にある緑の輝きが気になる。アレを潰すべきでは?」
方法としては投擲か、術を飛ばすしかない。
ビンセントはエベックから託された力の中に、戒陸魔術を感じ取る。想像するだけで使える気はするが、果たして怪鳥の急所と思しき箇所を射抜けるか分からない。
ウダウダと考える時間は無かった。
一か八か、ビンセントは戒陸魔術を使う決心を固めた。
手を翳し、念じ始めると、怪鳥は翼を動かし、空へ飛び立とうとし始めた。
「まずい! 早くしないと!」
焦るも、想像がまるで固まらず、矢ですら形作るのに苦労する。
もたついている内に怪鳥は飛び上がった。
「逃げられたな」
“運命”は何気なく口にし、手を打てなかったビンセントは悔しがり、怪鳥が飛び去る様子を、為す術もなく眺めた。
「……え?!」
ビンセントが驚いたのは、突如として怪鳥が姿を消したのだ。
その現象には“運命”もさすがに驚いた。
あれほど大質量の生物が、何の前触れも無く唐突に姿を消すなど考えられないからだ。
二人が驚き、悩む最中、今度は消えた辺りから、上空目がけて、爆発音と共に赤黒い礫や飛沫が、リブリオス全土を覆い尽くそうとしてるかのような広範囲に飛び上がった。まるで一瞬にして空を曇天へと変えるかの如く。
「なんだあれは!?」
驚くビンセントの横で、“運命”は事態を口にした。
「怪鳥が、死んだ」
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
烙印騎士と四十四番目の神・Ⅰ 転生者と英雄編
赤星 治
ファンタジー
【内容紹介の前に】
本作は『烙印騎士と四十四番目の神』を分割し、加筆修正した作品になります。修正箇所は多々ありますが、物語の内容に変化は御座いません。分割投稿にあたりまして、運営様に許可は取っております。
まだ本作は完結に至ってませんが分割本数は全四本を予定しております。
【内容紹介】
神官の罠に嵌り重罪を背負わされて処刑された第三騎士団長・ジェイク=シュバルトは、異世界に転生してしまう。
転生者であり、その世界ではガーディアンと称され扱われる存在となってしまったジェイクは、守護神のベルメアと共に、神の昇格試練を達成する旅に出る。
一方で、人々に害を働いた魔女の討伐を果たし、【十英雄】の称号を得たビンセント=バートンは、倒した魔女であった男性・ルバートに憑かれて共同生活をすることに。やがて、謎の多き大災害・【ゾアの災禍】を調べることを目的とするルバートと共に、ビンセントは異変を調べることになる。
英雄と転生者。二つの物語が始まる。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
都市伝説と呼ばれて
松虫大
ファンタジー
アルテミラ王国の辺境カモフの地方都市サザン。
この街では十年程前からある人物の噂が囁かれていた。
曰く『領主様に隠し子がいるらしい』
曰く『領主様が密かに匿い、人知れず塩坑の奥で育てている子供がいるそうだ』
曰く『かつて暗殺された子供が、夜な夜な復習するため街を徘徊しているらしい』
曰く『路地裏や屋根裏から覗く目が、言うことを聞かない子供をさらっていく』
曰く『領主様の隠し子が、フォレスの姫様を救ったそうだ』等々・・・・
眉唾な噂が大半であったが、娯楽の少ない土地柄だけにその噂は尾鰭を付けて広く広まっていた。
しかし、その子供の姿を実際に見た者は誰もおらず、その存在を信じる者はほとんどいなかった。
いつしかその少年はこの街の都市伝説のひとつとなっていた。
ある年、サザンの春の市に現れた金髪の少年は、街の暴れん坊ユーリに目を付けられる。
この二人の出会いをきっかけに都市伝説と呼ばれた少年が、本当の伝説へと駆け上っていく異世界戦記。
小説家になろう、カクヨムでも公開してましたが、この度アルファポリスでも公開することにしました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~
楠ノ木雫
ファンタジー
IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき……
※他の投稿サイトにも掲載しています。
リセット
如月ゆすら
ファンタジー
もしファンタジー世界で人生をやり直せるとしたら? 失恋、セクハラ、バイトの解雇……。不幸体質の女子高生・千幸が転生先に選んだのは、剣と魔法の世界サンクトロイメ。前世の記憶と強い魔力を持って生まれ変わった千幸ことルーナには、果たしてどんな人生が待ち受けているのか? 素敵な仲間たちも次々登場。心弾むハートフル・ファンタジー!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
チートを極めた空間魔術師 ~空間魔法でチートライフ~
てばくん
ファンタジー
ひょんなことから神様の部屋へと呼び出された新海 勇人(しんかい はやと)。
そこで空間魔法のロマンに惹かれて雑魚職の空間魔術師となる。
転生間際に盗んだ神の本と、神からの経験値チートで魔力オバケになる。
そんな冴えない主人公のお話。
-お気に入り登録、感想お願いします!!全てモチベーションになります-
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】竜人が番と出会ったのに、誰も幸せにならなかった
凛蓮月
恋愛
【感想をお寄せ頂きありがとうございました(*^^*)】
竜人のスオウと、酒場の看板娘のリーゼは仲睦まじい恋人同士だった。
竜人には一生かけて出会えるか分からないとされる番がいるが、二人は番では無かった。
だがそんな事関係無いくらいに誰から見ても愛し合う二人だったのだ。
──ある日、スオウに番が現れるまでは。
全8話。
※他サイトで同時公開しています。
※カクヨム版より若干加筆修正し、ラストを変更しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる