172 / 188
九章 激震する人間の国
Ⅸ 窮地と逆転
しおりを挟む
ヤザリを助けた後、ウーザは大倉庫の壊れた入り口に術を施し、空間転移して研究室へと来た。
部屋に入るや、一際目立つ壁画の前に立つ。
あまりの大きさにヤザリは言葉を失った。
「驚いたかい? これはミングゼイスの石板同様、古代から伝わる紋章術だ。正式な術名や用途などはあっただろうが、我々に馴染み深い、“紋章術”として捉えておる」
壁画にはまばらに紋章が八つ描かれ、そのうち一つだけは淡い緑色の揺らぎある光を発していた。
「なぜ、これだけ」
「それが残りだ。ワシがここへ着任した際は残り三つだった。うち一つはダオが、もう一つはルバス様が」
ヤザリは耳を疑った。なぜルバスが紋章術を必要とするかを。
「ルバス様……護身用にですか?」
「こんな事態だ、そのうち分かるだろ。極秘扱いだからな、嫌でもワシの口からは言えないとしておこう。それはさておき」
ウーザは残りの紋章の前に立った。
「お前は動きが速いから『神速の紋章』が適してるのだろうが、とうの昔に施され、どこかの国で使われてるだろうな。残念だが『空間の紋章』しかない」
「国を護れるならどのような術とて」
「軽んじるなよ」
睨まれ、ヤザリは黙った。
「不慣れな術を身に宿すのは簡単だが、扱いは負担が大きい。とりわけ、術師でもないお前が空間術を使うのだ、しかもすぐさま戦地へと。技に制限がいくつもかかり、疲労も見誤れば戦士として役に立たんほど消耗する。この紋章を宿して以降、ゾアの災禍が訪れるまではワシの指揮下に入って貰うぞ。死なれては困るのでね」
「戦士としての死など恐れて」
「勘違いするな。お前の死などワシは気にも止めん。重要なのは紋章だ。それは困難だが術により引き剥がせてしまう。それが敵の手に渡り、剰え空間術の手練れであれば非常に危険だ。リブリオスの三国が容易に地獄へと化すだろうからな」
それほど恐ろしい力。ウーザが冗談で脅す性格ではないので信憑性は高い。
ヤザリは我が身に紋章を宿す躊躇いが生じる。しかし、今の自分ではこの内乱を生き抜けない。
意を決するまで時間はかからなかった。
「ウーザ殿、頼む」
返事は、壁画の傍へと向かい、「ここに手を当てろ」と、命令であった。
ヤザリが扱える術は、空間を歪ませるほど圧縮した魔力を刃に纏わせて放つだけであった。しかしその威力は絶大で、襖越しにゼオンへ奇襲を仕掛けた際、壁をぶち抜くまでに至った。
頼もしい力と抱いた反面、途轍もなく恐ろしい力だと身に染みて実感した。これでは敵味方関係なく殺してしまう。それも無惨な死骸へと変貌させて。
術使用後の想いが表情に滲むヤザリを見てウーザは確信した。ヤザリは無闇にこの術を使用しないだろうと。そして、慣れれば研磨された空間術と剣術の複合技を編み出すと。それが無性に楽しみで仕方なかった。
静かに昂ぶる想いを押しとどめ、ウーザはゼオンと向かい合った。
「面倒なことだ。壁画の紋章の一画が盗られてしまうとは」
「先のヤザリの一手、不慣れな術を施すとは、ウーザも焼きが回ったか?」
「どうかな。この窮地を脱すれば、ゾーゴルの難敵として化けるかもしれないぞ」
ゼオンは鼻で笑うと提案を持ちかけた。
「共に来ないかウーザ」
突拍子も無い申し出に、ウーザは黙り、ルバス、シオウ、ヤザリは緊張する。
「貴殿の探究心、研究者としての能力はゾーゴルにて大いに活かせるだろう。そしてニルドは壊滅寸前。王はこのように体たらくだ。ダオから盗った紋章も、ヤザリの紋章も、最大に活かす為の研究をしてみないか? 快く引き受けてくれるなら、悪いようにはせん」
真剣な眼差し、揺らぎ無い魔力。嘘偽りは微塵も感じられない。
悩むウーザの反応に、ルバス、シオウ、ヤザリは冷や汗をかく。この状況でウーザもゾーゴルに着かれてはニルドの壊滅はほぼ確実となってしまうからだ。
「悪くは無いな。だが遠慮させてもらうよ」
三人は安堵の息を小さく零した。
「なぜだ!?」
「まず、お前とは馬が合わん。先の話より感じたよ。お前は研究者である前に己の愉悦を優先とする狂者。それが生者の高らかに上げる悲鳴とあるのだ、この上なくタチが悪い。ワシはね、己が調べ、導いた答えを活かす事が愉悦の至る所でな、人殺しが快楽である輩と一緒にしないで頂こう」
「笑わせる。無惨に人体を解体する点においては同じだろ」
「全く違う。やめてくれるかね、お前の道理を通したいだけの見苦しい言い訳は雑音だ」
交渉は決裂した。
ゼオンは早速紋章術を使い始めた。
「残念だウーザ。だが国王諸共に死ねる事をあの世で誇りに思うが良い」
「呆れたよ。まだ分からんとは」
何かされると感じ、ゼオンは身構えた。すると、大穴の開いた壁から一人の男が外から入ってきた。それがウーザの切り札だと直感したゼオンは慌てて振り返る。
「……ルダ、様?」
まさか、寝返ったのかと想われた。だが何か焦っている様子であった。
ゼオンと目が合うルダの頭で、好機を得たと直感が働く。それは仲間との合流による安堵ではなく、この先を見据えた際、ゼオンという男の価値が重要となると。
(奴を、使うか)
すぐさま思考が働く。この先の手管を増やすためにと。
ルダに反して焦るゼオンはウーザを気にかけた。しかし、「誰だね、アレは?」とヤザリへ返すやりとりから、ルダとは無関係だと判明した。
ルダが大部屋を一瞥し、トウマ、シオウ、ルバスを見た。
(はっ、やっぱりそういうことかよ)
何かが判明した途端、近づくジェイクの気配を感じ取りゼオンの傍まで寄った。
「撤退だ。全員に報せろ」
まだ気も漫ろなゼオンへ、ルダは小声で告げた。
「ルダ様、どういうことで」
「話は後だ」
間もなくしてジェイクが現われた。
「ジェイクさん!?」
トウマの声に気づき、ジェイクが目をやる。事態はよく分かっていないが、ルダの傍にいる男だけは仲間だと判明した。
「もう逃げられねぇぞ、ルダ」
今にもカムラを発動しようとするジェイクへ、ルダが呼びかけた。
「カムラは止めとけよ。後悔するぜ」
「命乞いか? てめぇらが窮地に立たされてるのが分からねぇのかよ」
ルダの表情から焦りの色が消えた。
余裕ある態勢で構えると、部屋全体を包む呪いが発生した。
その場にいた全員がひれ伏すほど重圧がかかる。
「これは交渉だ。互いに消耗戦は後で尾を引くから提案してやってんだよ」
ゼオンはこの状況を利用しようと考えた。
「ルダ様、今この場でこの者どもを」
「止めとけ。どれだけ消耗すると思ってんだ。作戦はまだ続く、最初から突っ走るな」
素直にゼオンは従った。
「ルダ、てめぇの目的は何だ。王様殺すって思ったんだけどな」
堪えるのも苦しいが、ジェイクは苦笑いで余裕があると見せつけた。
「ああ。王様、ならな」
告げられた言葉に、ルバスとシオウは緊張した。
部屋に入るや、一際目立つ壁画の前に立つ。
あまりの大きさにヤザリは言葉を失った。
「驚いたかい? これはミングゼイスの石板同様、古代から伝わる紋章術だ。正式な術名や用途などはあっただろうが、我々に馴染み深い、“紋章術”として捉えておる」
壁画にはまばらに紋章が八つ描かれ、そのうち一つだけは淡い緑色の揺らぎある光を発していた。
「なぜ、これだけ」
「それが残りだ。ワシがここへ着任した際は残り三つだった。うち一つはダオが、もう一つはルバス様が」
ヤザリは耳を疑った。なぜルバスが紋章術を必要とするかを。
「ルバス様……護身用にですか?」
「こんな事態だ、そのうち分かるだろ。極秘扱いだからな、嫌でもワシの口からは言えないとしておこう。それはさておき」
ウーザは残りの紋章の前に立った。
「お前は動きが速いから『神速の紋章』が適してるのだろうが、とうの昔に施され、どこかの国で使われてるだろうな。残念だが『空間の紋章』しかない」
「国を護れるならどのような術とて」
「軽んじるなよ」
睨まれ、ヤザリは黙った。
「不慣れな術を身に宿すのは簡単だが、扱いは負担が大きい。とりわけ、術師でもないお前が空間術を使うのだ、しかもすぐさま戦地へと。技に制限がいくつもかかり、疲労も見誤れば戦士として役に立たんほど消耗する。この紋章を宿して以降、ゾアの災禍が訪れるまではワシの指揮下に入って貰うぞ。死なれては困るのでね」
「戦士としての死など恐れて」
「勘違いするな。お前の死などワシは気にも止めん。重要なのは紋章だ。それは困難だが術により引き剥がせてしまう。それが敵の手に渡り、剰え空間術の手練れであれば非常に危険だ。リブリオスの三国が容易に地獄へと化すだろうからな」
それほど恐ろしい力。ウーザが冗談で脅す性格ではないので信憑性は高い。
ヤザリは我が身に紋章を宿す躊躇いが生じる。しかし、今の自分ではこの内乱を生き抜けない。
意を決するまで時間はかからなかった。
「ウーザ殿、頼む」
返事は、壁画の傍へと向かい、「ここに手を当てろ」と、命令であった。
ヤザリが扱える術は、空間を歪ませるほど圧縮した魔力を刃に纏わせて放つだけであった。しかしその威力は絶大で、襖越しにゼオンへ奇襲を仕掛けた際、壁をぶち抜くまでに至った。
頼もしい力と抱いた反面、途轍もなく恐ろしい力だと身に染みて実感した。これでは敵味方関係なく殺してしまう。それも無惨な死骸へと変貌させて。
術使用後の想いが表情に滲むヤザリを見てウーザは確信した。ヤザリは無闇にこの術を使用しないだろうと。そして、慣れれば研磨された空間術と剣術の複合技を編み出すと。それが無性に楽しみで仕方なかった。
静かに昂ぶる想いを押しとどめ、ウーザはゼオンと向かい合った。
「面倒なことだ。壁画の紋章の一画が盗られてしまうとは」
「先のヤザリの一手、不慣れな術を施すとは、ウーザも焼きが回ったか?」
「どうかな。この窮地を脱すれば、ゾーゴルの難敵として化けるかもしれないぞ」
ゼオンは鼻で笑うと提案を持ちかけた。
「共に来ないかウーザ」
突拍子も無い申し出に、ウーザは黙り、ルバス、シオウ、ヤザリは緊張する。
「貴殿の探究心、研究者としての能力はゾーゴルにて大いに活かせるだろう。そしてニルドは壊滅寸前。王はこのように体たらくだ。ダオから盗った紋章も、ヤザリの紋章も、最大に活かす為の研究をしてみないか? 快く引き受けてくれるなら、悪いようにはせん」
真剣な眼差し、揺らぎ無い魔力。嘘偽りは微塵も感じられない。
悩むウーザの反応に、ルバス、シオウ、ヤザリは冷や汗をかく。この状況でウーザもゾーゴルに着かれてはニルドの壊滅はほぼ確実となってしまうからだ。
「悪くは無いな。だが遠慮させてもらうよ」
三人は安堵の息を小さく零した。
「なぜだ!?」
「まず、お前とは馬が合わん。先の話より感じたよ。お前は研究者である前に己の愉悦を優先とする狂者。それが生者の高らかに上げる悲鳴とあるのだ、この上なくタチが悪い。ワシはね、己が調べ、導いた答えを活かす事が愉悦の至る所でな、人殺しが快楽である輩と一緒にしないで頂こう」
「笑わせる。無惨に人体を解体する点においては同じだろ」
「全く違う。やめてくれるかね、お前の道理を通したいだけの見苦しい言い訳は雑音だ」
交渉は決裂した。
ゼオンは早速紋章術を使い始めた。
「残念だウーザ。だが国王諸共に死ねる事をあの世で誇りに思うが良い」
「呆れたよ。まだ分からんとは」
何かされると感じ、ゼオンは身構えた。すると、大穴の開いた壁から一人の男が外から入ってきた。それがウーザの切り札だと直感したゼオンは慌てて振り返る。
「……ルダ、様?」
まさか、寝返ったのかと想われた。だが何か焦っている様子であった。
ゼオンと目が合うルダの頭で、好機を得たと直感が働く。それは仲間との合流による安堵ではなく、この先を見据えた際、ゼオンという男の価値が重要となると。
(奴を、使うか)
すぐさま思考が働く。この先の手管を増やすためにと。
ルダに反して焦るゼオンはウーザを気にかけた。しかし、「誰だね、アレは?」とヤザリへ返すやりとりから、ルダとは無関係だと判明した。
ルダが大部屋を一瞥し、トウマ、シオウ、ルバスを見た。
(はっ、やっぱりそういうことかよ)
何かが判明した途端、近づくジェイクの気配を感じ取りゼオンの傍まで寄った。
「撤退だ。全員に報せろ」
まだ気も漫ろなゼオンへ、ルダは小声で告げた。
「ルダ様、どういうことで」
「話は後だ」
間もなくしてジェイクが現われた。
「ジェイクさん!?」
トウマの声に気づき、ジェイクが目をやる。事態はよく分かっていないが、ルダの傍にいる男だけは仲間だと判明した。
「もう逃げられねぇぞ、ルダ」
今にもカムラを発動しようとするジェイクへ、ルダが呼びかけた。
「カムラは止めとけよ。後悔するぜ」
「命乞いか? てめぇらが窮地に立たされてるのが分からねぇのかよ」
ルダの表情から焦りの色が消えた。
余裕ある態勢で構えると、部屋全体を包む呪いが発生した。
その場にいた全員がひれ伏すほど重圧がかかる。
「これは交渉だ。互いに消耗戦は後で尾を引くから提案してやってんだよ」
ゼオンはこの状況を利用しようと考えた。
「ルダ様、今この場でこの者どもを」
「止めとけ。どれだけ消耗すると思ってんだ。作戦はまだ続く、最初から突っ走るな」
素直にゼオンは従った。
「ルダ、てめぇの目的は何だ。王様殺すって思ったんだけどな」
堪えるのも苦しいが、ジェイクは苦笑いで余裕があると見せつけた。
「ああ。王様、ならな」
告げられた言葉に、ルバスとシオウは緊張した。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
憑く鬼と天邪鬼
赤星 治
ファンタジー
妖怪を嫌悪する修行僧・永最は、ある旅の途中、天邪鬼・志誠を憑かせた青年・幸之助と出会い旅をする。
旅の最中、謎の女性・ススキノと出会い、やがて永最は、途轍もなく強大な鬼と関わっていく。
奇文修復師の弟子
赤星 治
ファンタジー
作品に不思議な文字が出現し、やがて作品を破壊する現象・【奇文】。
奇文に塗れた作品の世界に入って解消する者達を奇文修復師と呼ぶ。
奇文修復師に憧れていた少年モルドは、デビッド=ホークスの弟子となって修復作業に励む。しかしある人物の出現からモルドは悍ましい計画に巻き込まれていく。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生弁護士のクエスト同行記 ~冒険者用の契約書を作ることにしたらクエストの成功率が爆上がりしました~
昼から山猫
ファンタジー
異世界に降り立った元日本の弁護士が、冒険者ギルドの依頼で「クエスト契約書」を作成することに。出発前に役割分担を明文化し、報酬の配分や責任範囲を細かく決めると、パーティ同士の内輪揉めは激減し、クエスト成功率が劇的に上がる。そんな噂が広がり、冒険者は誰もが法律事務所に相談してから旅立つように。魔王討伐の最強パーティにも声をかけられ、彼の“契約書”は世界の運命を左右する重要要素となっていく。
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる