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二章 三国の動き

番外編・リブリオスの勢力図

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 この回はリブリオス国内の説明であり、登場人物達の接点は物語とは関係ありません。また、作中では使用されない横文字なども、この番外編のみとなります。

「はい。じゃあ始めますよ」
「ちょっと待ったぁぁ!!」
 レモーラスの進行を、ベルメアが怒鳴って止めた。
「なんであんたが仕切ってんのよ! この物語のメインヒロインはあたしなのよ!」
「メインヒロインとは言いますが、主人公より脇役が大いに目立っている本作において、ヒロインもヒーローもあったものではないのでは? しかも、主人公より”キャラが立っている”方々が大勢いらっしゃるようで」

 痛いところを突かれ、ベルメアと作者(赤星)はぐうの音も出ない。

「じゃ、じゃあ。なんであんたが? 他の守護神は?」
「面倒臭いのでしょう。いきなりリブリオス国内へと舞台が移り、読者達も何が何やらと言いたくなる状況です。ここは冷静に整理が出来るよう、私が。貴女は一応、メインヒロインですので、感想でも加えて説明を盛り上げてくれれば少しは楽しくなるのでは? 女神の力を遺憾なく」
 褒められている気がしないベルメアは渋々了承する。自分もリブリオス編突入で混乱状態だからだ。
「では。リブリオスは険しい岩山と城壁に囲まれた国。さらには荒れやすい海域も影響して、閉鎖された国とされています。城壁と岩山内には四つの国があります。まず四つの国の説明から」

 ◯ニルド……人間の国
 国王・ルバス
 幹部・ダオ(武人)・ゼオン(軍師)・シオウ(賢師)
 他・ウーザ(博士)・ヤザリ(女兵隊長)・カガ(術師兵隊長)・ボダイ(ヤザリの元上官)・メザト(猜疑心の強い兵隊長)

 ◯ジュダ……カミツキの国
 国王・ゴウガ
 幹部・???(???)・???(???)・???(???)
 別勢力・アブロ(村長)・ザグル(アブロの側近)・ヒオ(アブロの側近)・タダル(ザグルの息子)・イム(女のカミツキ)

 ◯クーロ……人間とカミツキが共存する国
 国王・ヒューガ
 幹部・ガルグ(武人)・ロウア(側近)・???(???)
 別勢力・キュラ(サラに協力を求めたカミツキ)・モムロ(サラの伝言役のカミツキ)

 ◯城壁岩山外の土地と、城壁内部壁沿いの町の国。管轄はニルドだが、三国は表だっての利用は無い。


「四つの国とは言いますが、殆ど三国の諍いですね。面倒なモノですよ」
「たしか、あんたの転生者もいるのよね。うちのジェイクは成り行きみたいなものだけど」
「こちらはほぼ事故ですよ。緑の霧に飲まれて、あれよあれよとクーロへ。人質を船乗り達、期限ありの依頼を受け、達成出来ないと船乗り達は生き地獄の末に惨殺、とね」
「そっちも苦労してるのね。うちも余所様のこと言えた立場じゃないけど。他にもリブリオスには転生者が集結してるのよね」

 ニルド……国王ルバス側・トウマ。
 ジュダ……国王ゴウガ側・レンザ。別勢力側・クライブ・ラディア。
 クーロ……国王ヒューガ側・バッシュ(メイズ)。別勢力側・サラ、ジェイク、ミゼル。

「他にも、ジュダの別勢力にシャールがいるし、ビンセントとスビナもジェイク達と一緒ね。ってか、絶対揃っちゃダメな連中が一緒の国にいない?」
「ですね。バッシュの偽名がどう出るのやら。頭が痛いですよ」
「なんであの人、偽名なんかしてんのよ」
「理由なんてありませんよ。外出時は殆ど偽名です。本人もなんとなくと言ってますから。それより、そちらのお仲間さん、たしかお尋ね者ではありませんでした?」
 “前情報”をレモーラスはチラリと読んだ。

「シャールよねぇ。どうなることやら。トウマとサラも大変そうだし。久しぶりに全員一緒になれば良いのにね」
「絶対といっていい程、面倒事が相次ぎますね。呪いやらオニやら、他にも神隠しのような現象まであるというのですから。それに、六の力や他の勢力やらゾーゴルやら。考えるだけで頭が痛くなります。こちらはこちらのバッシュ問題児のことしか考えませんよ」
 ベルメアは胸を張った。
「あら、うちのジェイクなんてね、ジェイクの事だけを考えても、自然と面倒事やら問題事やらを集めてしまうのよ。頭の痛さはそちらの比ではなくてよ!」
「威張るものではないでしょ。涙目ですし」
 ベルメアの心情は、自分でも抑えきれない感情があった。

「とにかく、これにて締めに致します。また複雑になっていくでしょうが、今後もこのような機会に遭えば・・・、すっぽかした守護神にでも任せましょう」
「そうね。一応、あたしとあんたって、転生者同士は因縁の仲だし」
 冷静に考えたレモーラスは、そのことについて忘れていた。しかし表情にも出さず、「そうですね」と返してやり過ごした。


 これより、リブリオス編が本格的に始動する。
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