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一章 ギネドを崩すもの
Ⅷ それぞれの目的
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周囲を警戒するも怪しい気配は無く、魔獣が押し寄せる様子もない。
「これからどうする? ギネドをこんなにした連中でしょ、あいつら」
バーレミシアに便乗してサラも訊く。
「コーって人のことも気になります。スレイさんは気を寄せてるみたいですけど」
ランディスは各々がコー、グレン、スレイとの関係性が気になり理由を聞いた。サラ、バッシュ、バゼルは遭遇した経緯を話す。するとバッシュが疑問を呈す。
「妙ですねあの女性は」
「どういうこと?」バーレミシアが訊く。
「先ほどの様子、サラさんとバゼルの話から、彼女には三つの人格が存在します。ギリという人格は存じませんのでなんとも言えませんが」平然と嘘を吐いた。「スレイと、異質な存在。黒い女と呼称しましょう。これだけでも一つの肉体に存在し、生きているのは不思議です」
サラはレイアードの事を思い出す。
「そういえばウォルガさんが言ってました」
バッシュが誰かと訊くと、ランディスが十英雄の一人でガニシェッドの宮殿を任されている老人と教える。
「レイアードさんは二つの人格を備えて、暴走状態になるとスレイさんのような危険な第三の人格になってました。メイズさんと初めて会って別れた後のことです。私もレイアードさんがスレイさんのように変貌した所に遭遇しました」
それが呪いによるものだとバッシュは気づいた。サラと会った時の呪いの糸が関係していると。
「レイアードはどうした?」バゼルが訊く。
「変なローブ姿の人が現われて、黒い柱の中に封印しました。時が来たらどうとかって言って。あ、レイデル王国でテンシが現われた時に助けてくれた人です」
言ってランディスの方を見る。
テンシの説明、ローブ姿の男の話をランディスは皆にした。
「あー、あたし無理。もう訳わかんねぇ」
バーレミシアは考察を辞退して近くの瓦礫に腰かけた。
「情報が多すぎますね。ここは一度置き、先に済ませなければならない用事から済ませましょう」
バッシュは町で出した杖を空間術で取り出した。
「メイズさん、それいくつ持ってるんですか……」
用意周到なのか、ただの変人なのか、サラとカレリナは気になった。
「五本です。いざという時は色々役に立つので。それよりサラさん、町で行った事をここでもお願いします。ここのゾグマを抹消すれば、もう異形の魔獣は増えません」
「本当ですか?!」
「本城壊滅の力、彼らの存在。急激に膨大なゾグマにあてられ魔獣が変貌したのでしょう。このまま放っておけば今度は徐々に馴染み変貌する、あれらより強力な魔獣が出来る危険性が高まります。急ぎましょう」
淡々と説明し、サラを連れてグレンがいた場所まで向かった。
二人が浄化作業を行っている最中、バゼルはランディスにバッシュの事を訊いた。ランディスはグルザイアでのこと、ここまでの経緯を説明する。
「……つーわけで良い奴か悪い奴かが分からん変な奴だ」
説明が終わってもバゼルはバッシュへ向ける視線を逸らさない。
「……聞いてるか?」
「聞いてる。すまんな」
まさかバゼルの口から感謝の言葉が出ることにランディスは驚いた。
「……お前、変わったな」
「お前が変わっただけだろ」
吐き捨てるように言うと、近くの座りやすそうな瓦礫に凭れて座る。
やがて結界の淡く白い光りが広がり、窪地全てを包み込んだ。しかし術はまだ行っているのだろう、二人はまだ戻らなかった。
結界が広がってからおよそ三十分後。浄化結界は無事に張れたが、戻ってきたサラは疲れ切っていた。すぐに瓦礫へ腰かける。
「あんた同じガーディアンだろ? なんでサラより無事なんだよ」
ランディスは感心しながらも、異常なガーディアンだと内心で決めつけた。
「得手不得手の問題でしょう。さておき」
端的な返答で話が続けられる。傍にはランディスとバゼルしかいない。
「やはり考えても埒が明かない。呪いが関係しているのでしたらリブリオスへ、コーという者を追うならゼルドリアスへ。そこから次の行動を考えるしかないでしょう」
真っ先にバゼルは意見した。
「俺は奴を追う」
言うだろうと思っていたランディスは「まあ待て」と止めた。
「一応俺等はオージャ様の遣いで来た。色々話を纏めてから相談しようぜ。お前もバースルの仲間と一緒なんだろ? それに奴はいつでもいいって言ってんだから、お前もできる限りのことしてからのほうがいいだろ」
返事はないが視線を逸らす動作から図星だと分かる。
「あんたはどちらに行きたいとかってあるのか?」
「私の要件は済みましたのでこれからゼルドリアス経由でグルザイアへ戻ります。長々と遠出していたらまだ何を言われるやら」
相応の立場なのだろう。ランディスは強く頼まなかった。
「あんたが居れば心強いが仕方ないな。とりあえず一度町へ戻って明日に備えるか」
町での見送る光景をバッシュは思い出した。
「私は国境付近の町へ向かいます。もしくはゼルドリアスの大湖沿いにある港町へでも」
ゼルドリアスには魔力壁の外の大湖近くに三つの町がある。その一つがギネドとの国境近くの港町である。
「あの環境へ戻るのは気が引けます」
「なんだよ気にしすぎじゃないか?」
「そういう人間なのですよ。では、これにて失礼します」
颯爽とバッシュはランディス達と別れる。離れる最中、サラに挨拶をして。
話が終わったと分かり、サラとバーレミシアが二人のところへ集った。
「メイズさん、どうして一人で?」
「町へは恥ずかしいから嫌だそうだ」バゼルが返した。あながち間違ってないのでランディスは訂正すらしない。
「けどよ、物知り博士いなくなったけどこれからどうするんだ?」
バーレミシアのあだ名にサラは(物知り博士?)と疑問符を浮かべる。
「町でバゼルの仲間と合流して相談だ。リブリオスかゼルドリアスってなってるけど、どっちもすんなり入れるような所じゃなさそうだからな」
これ以上の話合いは悪戯に時間を費やし、町への帰還を遅くすると判断し、四人は町へと帰った。
町で救援活動を手伝うアーゼット達と合流し、簡単な紹介と本城跡地で起きた経緯を説明する。
「確かにリブリオスかゼルドリアスは気になるが、情報が錯綜しすぎている現状、すぐには動かないほうがいい。バルブラインでも大きな動きがあったようだからな」
リブリオスの国境を守る兵からの情報である。
手を上げたバーレミシアが意見した。
「あたし、バルブライン戻って報せ役やってもいいぜ。出身地だし」
内心ではオージャの遣いから解放されたい気持ちが強い。
続いてサラが意見する。
「私はゼルドリアスの状況を見たいです。スレイさんが連れ去られたので。それで何も出来なかったら……その時は、その時ですけど」
ミドはサラの意見に同意した。
「ガーディアン様を縛る道理が御座いません。ですが現状ではこちらから戦力を裂けませんが宜しいでしょうか?」
「大丈夫です。多分、なんとか」
返事が弱いので、バーレミシアが提案する。
「じゃあ途中まであたしと一緒。ゼルドリアスで別れてサラなりにやる、でいいだろ」
それでサラも納得した。
続けてカリスがランディスへ意見を求めた。
「ランディス殿はどうしますか?」
「悩み中。サラに着いていきたいのは山々だけど、リブリオスがどうも気になってな。レイアードの呪いもあるし、この町もまだまだ手が必要だろ」
現時点でこの場に残らないのはサラとバーレミシアに決まる。
今にもバゼルがゼルドリアスへ行こうと意見しそうなのを遮り、アーゼットは提案した。
「バーレミシア殿、ちょいと手伝って貰って良いか?」
「復興?」
「いや、バルブラインへ行くんだったら、こちらの情報を報せて貰うのは当然だが、今度は向こうの情報をこちらへ運んでほしい」
「アーゼット?」ミドが訊く。
「今、こちらで何かを決めるのは無理だろ? バゼルも戦いたくて疼いてるようだしな」
一同黙って納得する。
「バルブラインが密かに動いているのは俺等も知ってる。だから協力しあって一つずつ、少しずつでも解決に導く関係を結んだほうが懸命だ。バーレミシア殿には行ったり来たりでしんどいだろうが、引き受けて貰いたい」
少し考えるも、オージャの遣いと伝達役を秤にかけると、瞬時に片方へ傾いた。
「いいぜ。その方が気楽だし、放浪みたいなのは好きだしな。姉貴等も手を貸してくれるだろうし」
姉が誰かを訊かれ、名前を挙げるとバゼルとランディスは驚いた。
「頼もしい。ではこれからアードラ殿への書状を作る」
カリスは先に部屋を出た。
こうして相談は済んだ。
翌朝、サラとバーレミシアはゼルドリアスの国境へと向かった。
「なんか、すごい事になってきましたね」
「だな。それより、本当に良いのか? じっくりゼルドリアス調べたいだろ?」
サラは一ヶ月程したらバルブラインへ向かう旨を、町を出る前にバーレミシアへ相談していた。ガーディアン召喚から一年経ったその日。大精霊の森で時渡りを行いジェイクと会った日になる。
時渡りの事が正しければ不気味な怪物はそろそろ現われる。過去の自分との鉢合わせを防ぐことを優先して考える。
「状況次第です。なんでも、トウマ君がいるってミドさん達が言ってたから。今は合流を優先しようかなって」
上手く言い訳ができないが、バーレミシアはそれでいいなら。と、話を切った。
何がどうなるか分からない状況で、サラとバーレミシアは国境へ向かう。
「これからどうする? ギネドをこんなにした連中でしょ、あいつら」
バーレミシアに便乗してサラも訊く。
「コーって人のことも気になります。スレイさんは気を寄せてるみたいですけど」
ランディスは各々がコー、グレン、スレイとの関係性が気になり理由を聞いた。サラ、バッシュ、バゼルは遭遇した経緯を話す。するとバッシュが疑問を呈す。
「妙ですねあの女性は」
「どういうこと?」バーレミシアが訊く。
「先ほどの様子、サラさんとバゼルの話から、彼女には三つの人格が存在します。ギリという人格は存じませんのでなんとも言えませんが」平然と嘘を吐いた。「スレイと、異質な存在。黒い女と呼称しましょう。これだけでも一つの肉体に存在し、生きているのは不思議です」
サラはレイアードの事を思い出す。
「そういえばウォルガさんが言ってました」
バッシュが誰かと訊くと、ランディスが十英雄の一人でガニシェッドの宮殿を任されている老人と教える。
「レイアードさんは二つの人格を備えて、暴走状態になるとスレイさんのような危険な第三の人格になってました。メイズさんと初めて会って別れた後のことです。私もレイアードさんがスレイさんのように変貌した所に遭遇しました」
それが呪いによるものだとバッシュは気づいた。サラと会った時の呪いの糸が関係していると。
「レイアードはどうした?」バゼルが訊く。
「変なローブ姿の人が現われて、黒い柱の中に封印しました。時が来たらどうとかって言って。あ、レイデル王国でテンシが現われた時に助けてくれた人です」
言ってランディスの方を見る。
テンシの説明、ローブ姿の男の話をランディスは皆にした。
「あー、あたし無理。もう訳わかんねぇ」
バーレミシアは考察を辞退して近くの瓦礫に腰かけた。
「情報が多すぎますね。ここは一度置き、先に済ませなければならない用事から済ませましょう」
バッシュは町で出した杖を空間術で取り出した。
「メイズさん、それいくつ持ってるんですか……」
用意周到なのか、ただの変人なのか、サラとカレリナは気になった。
「五本です。いざという時は色々役に立つので。それよりサラさん、町で行った事をここでもお願いします。ここのゾグマを抹消すれば、もう異形の魔獣は増えません」
「本当ですか?!」
「本城壊滅の力、彼らの存在。急激に膨大なゾグマにあてられ魔獣が変貌したのでしょう。このまま放っておけば今度は徐々に馴染み変貌する、あれらより強力な魔獣が出来る危険性が高まります。急ぎましょう」
淡々と説明し、サラを連れてグレンがいた場所まで向かった。
二人が浄化作業を行っている最中、バゼルはランディスにバッシュの事を訊いた。ランディスはグルザイアでのこと、ここまでの経緯を説明する。
「……つーわけで良い奴か悪い奴かが分からん変な奴だ」
説明が終わってもバゼルはバッシュへ向ける視線を逸らさない。
「……聞いてるか?」
「聞いてる。すまんな」
まさかバゼルの口から感謝の言葉が出ることにランディスは驚いた。
「……お前、変わったな」
「お前が変わっただけだろ」
吐き捨てるように言うと、近くの座りやすそうな瓦礫に凭れて座る。
やがて結界の淡く白い光りが広がり、窪地全てを包み込んだ。しかし術はまだ行っているのだろう、二人はまだ戻らなかった。
結界が広がってからおよそ三十分後。浄化結界は無事に張れたが、戻ってきたサラは疲れ切っていた。すぐに瓦礫へ腰かける。
「あんた同じガーディアンだろ? なんでサラより無事なんだよ」
ランディスは感心しながらも、異常なガーディアンだと内心で決めつけた。
「得手不得手の問題でしょう。さておき」
端的な返答で話が続けられる。傍にはランディスとバゼルしかいない。
「やはり考えても埒が明かない。呪いが関係しているのでしたらリブリオスへ、コーという者を追うならゼルドリアスへ。そこから次の行動を考えるしかないでしょう」
真っ先にバゼルは意見した。
「俺は奴を追う」
言うだろうと思っていたランディスは「まあ待て」と止めた。
「一応俺等はオージャ様の遣いで来た。色々話を纏めてから相談しようぜ。お前もバースルの仲間と一緒なんだろ? それに奴はいつでもいいって言ってんだから、お前もできる限りのことしてからのほうがいいだろ」
返事はないが視線を逸らす動作から図星だと分かる。
「あんたはどちらに行きたいとかってあるのか?」
「私の要件は済みましたのでこれからゼルドリアス経由でグルザイアへ戻ります。長々と遠出していたらまだ何を言われるやら」
相応の立場なのだろう。ランディスは強く頼まなかった。
「あんたが居れば心強いが仕方ないな。とりあえず一度町へ戻って明日に備えるか」
町での見送る光景をバッシュは思い出した。
「私は国境付近の町へ向かいます。もしくはゼルドリアスの大湖沿いにある港町へでも」
ゼルドリアスには魔力壁の外の大湖近くに三つの町がある。その一つがギネドとの国境近くの港町である。
「あの環境へ戻るのは気が引けます」
「なんだよ気にしすぎじゃないか?」
「そういう人間なのですよ。では、これにて失礼します」
颯爽とバッシュはランディス達と別れる。離れる最中、サラに挨拶をして。
話が終わったと分かり、サラとバーレミシアが二人のところへ集った。
「メイズさん、どうして一人で?」
「町へは恥ずかしいから嫌だそうだ」バゼルが返した。あながち間違ってないのでランディスは訂正すらしない。
「けどよ、物知り博士いなくなったけどこれからどうするんだ?」
バーレミシアのあだ名にサラは(物知り博士?)と疑問符を浮かべる。
「町でバゼルの仲間と合流して相談だ。リブリオスかゼルドリアスってなってるけど、どっちもすんなり入れるような所じゃなさそうだからな」
これ以上の話合いは悪戯に時間を費やし、町への帰還を遅くすると判断し、四人は町へと帰った。
町で救援活動を手伝うアーゼット達と合流し、簡単な紹介と本城跡地で起きた経緯を説明する。
「確かにリブリオスかゼルドリアスは気になるが、情報が錯綜しすぎている現状、すぐには動かないほうがいい。バルブラインでも大きな動きがあったようだからな」
リブリオスの国境を守る兵からの情報である。
手を上げたバーレミシアが意見した。
「あたし、バルブライン戻って報せ役やってもいいぜ。出身地だし」
内心ではオージャの遣いから解放されたい気持ちが強い。
続いてサラが意見する。
「私はゼルドリアスの状況を見たいです。スレイさんが連れ去られたので。それで何も出来なかったら……その時は、その時ですけど」
ミドはサラの意見に同意した。
「ガーディアン様を縛る道理が御座いません。ですが現状ではこちらから戦力を裂けませんが宜しいでしょうか?」
「大丈夫です。多分、なんとか」
返事が弱いので、バーレミシアが提案する。
「じゃあ途中まであたしと一緒。ゼルドリアスで別れてサラなりにやる、でいいだろ」
それでサラも納得した。
続けてカリスがランディスへ意見を求めた。
「ランディス殿はどうしますか?」
「悩み中。サラに着いていきたいのは山々だけど、リブリオスがどうも気になってな。レイアードの呪いもあるし、この町もまだまだ手が必要だろ」
現時点でこの場に残らないのはサラとバーレミシアに決まる。
今にもバゼルがゼルドリアスへ行こうと意見しそうなのを遮り、アーゼットは提案した。
「バーレミシア殿、ちょいと手伝って貰って良いか?」
「復興?」
「いや、バルブラインへ行くんだったら、こちらの情報を報せて貰うのは当然だが、今度は向こうの情報をこちらへ運んでほしい」
「アーゼット?」ミドが訊く。
「今、こちらで何かを決めるのは無理だろ? バゼルも戦いたくて疼いてるようだしな」
一同黙って納得する。
「バルブラインが密かに動いているのは俺等も知ってる。だから協力しあって一つずつ、少しずつでも解決に導く関係を結んだほうが懸命だ。バーレミシア殿には行ったり来たりでしんどいだろうが、引き受けて貰いたい」
少し考えるも、オージャの遣いと伝達役を秤にかけると、瞬時に片方へ傾いた。
「いいぜ。その方が気楽だし、放浪みたいなのは好きだしな。姉貴等も手を貸してくれるだろうし」
姉が誰かを訊かれ、名前を挙げるとバゼルとランディスは驚いた。
「頼もしい。ではこれからアードラ殿への書状を作る」
カリスは先に部屋を出た。
こうして相談は済んだ。
翌朝、サラとバーレミシアはゼルドリアスの国境へと向かった。
「なんか、すごい事になってきましたね」
「だな。それより、本当に良いのか? じっくりゼルドリアス調べたいだろ?」
サラは一ヶ月程したらバルブラインへ向かう旨を、町を出る前にバーレミシアへ相談していた。ガーディアン召喚から一年経ったその日。大精霊の森で時渡りを行いジェイクと会った日になる。
時渡りの事が正しければ不気味な怪物はそろそろ現われる。過去の自分との鉢合わせを防ぐことを優先して考える。
「状況次第です。なんでも、トウマ君がいるってミドさん達が言ってたから。今は合流を優先しようかなって」
上手く言い訳ができないが、バーレミシアはそれでいいなら。と、話を切った。
何がどうなるか分からない状況で、サラとバーレミシアは国境へ向かう。
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