88 / 188
一章 ギネドを崩すもの
Ⅴ 救援の戦士
しおりを挟む
翌朝、サラ達は戦士達からの情報でギネド本城へと向かうことになった。本城は破壊現象が起きた中心地であり、既に無いとあった。明確となっているのは、無事な町や村は、こことゼルドリアスとの国境側に一つだけだと。
異形の魔獣が徘徊しているため、戦士達はサラ達に救援の続きと立て直しの為に残ってほしい所だった。
「この異常事態は放っておくとさらなる甚大な被害を招く怖れが大いにあります。その根幹を潰さなければなりませんので」
バッシュの言葉により呼び止める事は出来なかった。町には一年は安泰の結界を張って貰ったため、誰もバッシュに意見できない。しかしランディスから状況次第ではまた戻ってくると告げられたので、戦士達と町民はやや安堵した。
動ける町民達から笑顔で見送られる。こんなことが初めてのサラは、ささやかながら英雄気分であった。
「驚いたぜ。あんたがあんなに的確な指示とか与えて、しかもしっかり救助活動に励んでるなんて」
「へぇ、そんなすごかったんだ」
ランディスとバーレミシアの感心にもバッシュは平静である。
「前世でも似たような経験を幾度かしてましたからね。ほぼ癖のようなものです」
「とか言いつつ、しっかり復興に尽力してただろ。最初は嫌味な奴って思ったけど、結構良い奴だったんだな」
「早急に事を終わらせかっただけですよ。死者を判断して運ぶという嫌な役をランディスに任せっきりだから出来た事でもありますよ」
嘘は吐いていないが、三人から”実は人助けが大事な人”と誤解されている。事実、問題を解決すれば人助けに結びつくのだから、バッシュもこれ以上言葉を返さなかった。
「これから何処に行くんですか?」
サラの質問にバッシュは少し考えて答える。その前にカレリナから「悩むような事?」と加えられて。
「今の目的地は町で話した通りギネドの本城です。跡地らしいですが。それはさておき、本来の目的とズレている気がしましてね、今から変えようかどうかと迷いが」
グレンを追う事を全員が思い出すも、バーレミシアの意見が即返ってきた。
「そんなの後にすりゃいいだろ? どうせ何処行ったか分かんねぇんだし、方角は似たようなもんだろ」
「それを言われてしまうと何とも言えませんねぇ」
「だったら今の目的地行きゃ、もしかしたら手がかりとか見つかるんじゃねぇか? 目当ての奴も、ギネドの本城だった所も普通じゃないってんならな」
一理あるとバッシュは納得した。
グレンの存在は未だに謎が多い。そしてギネドへ来て以降、何かに反応した。ギネドの本城跡地も危険視され、グレンが反応を示した何かがあるかもしれない。
あながちバーレミシアの意見は的外れでもなかった。
「……貴女の言うとおりかもしれませんね。では、本城跡地を目的と――!?」
全員が気づいた。強力なゾグマを保つ邪悪な存在が群れを成して攻めてきている事を。
「これが、ゾグマの」
サラはこれほど強力な魔獣と対峙したことがない。緊張と不安から手の震えが止まらない。
「あんたの結界で凌ぐってのはどうだ?」
「得策ではありませんね。何らかの理由で相手が退く前提ありきでしたらそうします。しかし連中は獲物を狩るまで退きませんし底なしの体力でしょうから負けが確定します。始末するほうが賢明です。十英雄殿のお力を発揮してみてはどうですか?」
返答前にランディスは剣を抜いた。
「言われなくとも見せてやるよ」
続いてバーレミシアは短刀を構え、サラも全身に魔力を纏わせて構える。戦術は魔力の押し込み、前もってバッシュに教わった魔獣の対処法。神力が混ざる魔力を魔獣の中へ押し込めば絶命へと持ち込める。しかし箇所が悪ければ何度も押し込みを行わなければならない。
群れは、それぞれの形が判る所まで迫ってきた。
バッシュはランディスとバーレミシアに印術を施した。
「ガーディアンの神力が混ざる魔力をあなた達の武器に流します。半時間が限界でしょうが無いよりは幾分マシです」
二人は感謝した。
「みんな来たわよ!」
カレリナの合図で散開して魔獣を散らした。
バーレミシアは幸いなことに二足歩行の巨大な魔獣が三体迫ってくるだけであり、皆から離れることで引き剥がした。手持ちの武器も少ないので大勢で攻められたら負け戦になる確率は高くなる。とはいえ安心は出来ない。巨大な魔獣は力が強く、一撃殴られれば致命傷である。自身が素早く動ける反面、周りの状況をよく見なければならなかった。
サラを襲う魔獣は大小さまざまで、動きもすばしっこいのが多い。しかし少量の魔力で致命傷を与えられるのは幸いである。ガニシェッドでの鍛錬、バーレミシアの組み手により、素早い敵を相手にするのは慣れている。だが魔力を籠めながらの戦闘は配分が難しい。どこまで持久できるか分からない。
ランディスは慣れた剣術でばっさばっさと魔獣を倒していった。中型の魔獣が多く、大型が他へ分散したから、早く援護へ向かいたい焦りがある。
(これがガーディアンの)
バッシュの魔力援助で普段の魔獣より斬りやすくなったのを実感し、手早く攻めてくる魔獣を遇っていった。内心で急いた気持ちが加減を忘れさせている。
バッシュはひたすら術を駆使して対抗した。ほぼ魔術ばかりだ。その最中、レモーラスと念話し合う。
(余裕があるなら一掃してみてはどうです? 烙印を使用して)
(あれは切り札です。こちらの手管を彼らへひけらかすのは良い手段とは思えません。このままでも問題ありませんよ)
(止めはしませんが死なないでくださいよ。このような所で)
(当然です)
陣術と印術を駆使して複数体を相手取りつつ、平然とレモーラスと念話を交し、余裕もある。
底知れないバッシュの実力を、三人は気づかない状況である。
魔獣は次から次へと沸き、疲弊したバーレミシアとサラは共闘して対峙する形をとった。一方でランディスは自身の内からこみ上げる力に気づいた。それはゾアの力だとすぐに判明する。
(出てくるなよ。畜生が)
なぜゾアの力が湧くのかが分からない。だが外に出てきて良い事は一つも無い。それだけは確かであった。ただ、ゾアの力が剣に混じったおかげもあり、一振りで三体は斬れる力を帯びていた。まるで大太刀を一振りして斬るように。
ゾアの力に気づいたバッシュは、ランディスの戦闘をレモーラスに見て貰い、自分は始めより数を増す魔獣を相手した。
(あれは、ゾアと協力しているのでしようか?)
(彼が人間に手を貸すとは思えません。気まぐれならいざ知らず、この状況では静観に徹するでしょう)
(ではどうして?)
聞かれてもバッシュには答えられない。それほどまでにゾアの力は謎が多すぎるからだ。
現時点では何かに反応して力が注がれている。としか考えられない。なぜなら、ゾアの本質たる力が微塵たりとも出ていないからである。
(……それより、なぜか私のほうにばかり魔獣が寄ってませんか?)
今、魔獣の数が多いのはバッシュ、次いでランディスである。二人がかりで遇っているサラとバーレミシアの所は比較的少ない。
(向こうも強い人間が好物なのでは?)
(まるで戦闘狂の本能ですね。ガイネス王を宛がえば共に喜びあって殺し合うでしょうが)
(それより、大技の一つでもぶつけて一掃したほうが賢明では?)
言い返す直前、バッシュはある力に気づいた。
振り返って確認する余裕がなく、その力の存在はすぐに、ランディスの「なんだ!?」と驚く声ですぐそこまで迫っているのに気づいた。
(速いですね)
力は遠くにあった。それが数秒でここまで辿り着いた。その速度はバッシュが魔力を用いて全力で走っても追いつけないほど。
ランディスの眼前に広がる魔獣の群れが一瞬にして動きを止めた。それが次々寸断され、絶命していく様を眺めるしかできない。”これもゾアの力が関係しているのか?”と疑問に思うも、どうやら違うと分かったのは、何かが目にもとまらぬ速さで動き回っているからであった。
その存在は高々と飛び上がり、何かに魔力を籠めて落下した。
着地と同時に武器を地面に突き刺すと、地面を通じてそれぞれの魔獣の足下まで行き渡ると、地面から礫が上空へと上り、次々に魔獣を絶命させた。
魔獣の死体の山へ飛び乗り、素早い存在を確認したランディスは、見知った人物であり驚きと喜びの声で名を呼んだ。
「バゼル!!」
ここまでの事をしつつもバゼルに息切れはない。
異形の魔獣が徘徊しているため、戦士達はサラ達に救援の続きと立て直しの為に残ってほしい所だった。
「この異常事態は放っておくとさらなる甚大な被害を招く怖れが大いにあります。その根幹を潰さなければなりませんので」
バッシュの言葉により呼び止める事は出来なかった。町には一年は安泰の結界を張って貰ったため、誰もバッシュに意見できない。しかしランディスから状況次第ではまた戻ってくると告げられたので、戦士達と町民はやや安堵した。
動ける町民達から笑顔で見送られる。こんなことが初めてのサラは、ささやかながら英雄気分であった。
「驚いたぜ。あんたがあんなに的確な指示とか与えて、しかもしっかり救助活動に励んでるなんて」
「へぇ、そんなすごかったんだ」
ランディスとバーレミシアの感心にもバッシュは平静である。
「前世でも似たような経験を幾度かしてましたからね。ほぼ癖のようなものです」
「とか言いつつ、しっかり復興に尽力してただろ。最初は嫌味な奴って思ったけど、結構良い奴だったんだな」
「早急に事を終わらせかっただけですよ。死者を判断して運ぶという嫌な役をランディスに任せっきりだから出来た事でもありますよ」
嘘は吐いていないが、三人から”実は人助けが大事な人”と誤解されている。事実、問題を解決すれば人助けに結びつくのだから、バッシュもこれ以上言葉を返さなかった。
「これから何処に行くんですか?」
サラの質問にバッシュは少し考えて答える。その前にカレリナから「悩むような事?」と加えられて。
「今の目的地は町で話した通りギネドの本城です。跡地らしいですが。それはさておき、本来の目的とズレている気がしましてね、今から変えようかどうかと迷いが」
グレンを追う事を全員が思い出すも、バーレミシアの意見が即返ってきた。
「そんなの後にすりゃいいだろ? どうせ何処行ったか分かんねぇんだし、方角は似たようなもんだろ」
「それを言われてしまうと何とも言えませんねぇ」
「だったら今の目的地行きゃ、もしかしたら手がかりとか見つかるんじゃねぇか? 目当ての奴も、ギネドの本城だった所も普通じゃないってんならな」
一理あるとバッシュは納得した。
グレンの存在は未だに謎が多い。そしてギネドへ来て以降、何かに反応した。ギネドの本城跡地も危険視され、グレンが反応を示した何かがあるかもしれない。
あながちバーレミシアの意見は的外れでもなかった。
「……貴女の言うとおりかもしれませんね。では、本城跡地を目的と――!?」
全員が気づいた。強力なゾグマを保つ邪悪な存在が群れを成して攻めてきている事を。
「これが、ゾグマの」
サラはこれほど強力な魔獣と対峙したことがない。緊張と不安から手の震えが止まらない。
「あんたの結界で凌ぐってのはどうだ?」
「得策ではありませんね。何らかの理由で相手が退く前提ありきでしたらそうします。しかし連中は獲物を狩るまで退きませんし底なしの体力でしょうから負けが確定します。始末するほうが賢明です。十英雄殿のお力を発揮してみてはどうですか?」
返答前にランディスは剣を抜いた。
「言われなくとも見せてやるよ」
続いてバーレミシアは短刀を構え、サラも全身に魔力を纏わせて構える。戦術は魔力の押し込み、前もってバッシュに教わった魔獣の対処法。神力が混ざる魔力を魔獣の中へ押し込めば絶命へと持ち込める。しかし箇所が悪ければ何度も押し込みを行わなければならない。
群れは、それぞれの形が判る所まで迫ってきた。
バッシュはランディスとバーレミシアに印術を施した。
「ガーディアンの神力が混ざる魔力をあなた達の武器に流します。半時間が限界でしょうが無いよりは幾分マシです」
二人は感謝した。
「みんな来たわよ!」
カレリナの合図で散開して魔獣を散らした。
バーレミシアは幸いなことに二足歩行の巨大な魔獣が三体迫ってくるだけであり、皆から離れることで引き剥がした。手持ちの武器も少ないので大勢で攻められたら負け戦になる確率は高くなる。とはいえ安心は出来ない。巨大な魔獣は力が強く、一撃殴られれば致命傷である。自身が素早く動ける反面、周りの状況をよく見なければならなかった。
サラを襲う魔獣は大小さまざまで、動きもすばしっこいのが多い。しかし少量の魔力で致命傷を与えられるのは幸いである。ガニシェッドでの鍛錬、バーレミシアの組み手により、素早い敵を相手にするのは慣れている。だが魔力を籠めながらの戦闘は配分が難しい。どこまで持久できるか分からない。
ランディスは慣れた剣術でばっさばっさと魔獣を倒していった。中型の魔獣が多く、大型が他へ分散したから、早く援護へ向かいたい焦りがある。
(これがガーディアンの)
バッシュの魔力援助で普段の魔獣より斬りやすくなったのを実感し、手早く攻めてくる魔獣を遇っていった。内心で急いた気持ちが加減を忘れさせている。
バッシュはひたすら術を駆使して対抗した。ほぼ魔術ばかりだ。その最中、レモーラスと念話し合う。
(余裕があるなら一掃してみてはどうです? 烙印を使用して)
(あれは切り札です。こちらの手管を彼らへひけらかすのは良い手段とは思えません。このままでも問題ありませんよ)
(止めはしませんが死なないでくださいよ。このような所で)
(当然です)
陣術と印術を駆使して複数体を相手取りつつ、平然とレモーラスと念話を交し、余裕もある。
底知れないバッシュの実力を、三人は気づかない状況である。
魔獣は次から次へと沸き、疲弊したバーレミシアとサラは共闘して対峙する形をとった。一方でランディスは自身の内からこみ上げる力に気づいた。それはゾアの力だとすぐに判明する。
(出てくるなよ。畜生が)
なぜゾアの力が湧くのかが分からない。だが外に出てきて良い事は一つも無い。それだけは確かであった。ただ、ゾアの力が剣に混じったおかげもあり、一振りで三体は斬れる力を帯びていた。まるで大太刀を一振りして斬るように。
ゾアの力に気づいたバッシュは、ランディスの戦闘をレモーラスに見て貰い、自分は始めより数を増す魔獣を相手した。
(あれは、ゾアと協力しているのでしようか?)
(彼が人間に手を貸すとは思えません。気まぐれならいざ知らず、この状況では静観に徹するでしょう)
(ではどうして?)
聞かれてもバッシュには答えられない。それほどまでにゾアの力は謎が多すぎるからだ。
現時点では何かに反応して力が注がれている。としか考えられない。なぜなら、ゾアの本質たる力が微塵たりとも出ていないからである。
(……それより、なぜか私のほうにばかり魔獣が寄ってませんか?)
今、魔獣の数が多いのはバッシュ、次いでランディスである。二人がかりで遇っているサラとバーレミシアの所は比較的少ない。
(向こうも強い人間が好物なのでは?)
(まるで戦闘狂の本能ですね。ガイネス王を宛がえば共に喜びあって殺し合うでしょうが)
(それより、大技の一つでもぶつけて一掃したほうが賢明では?)
言い返す直前、バッシュはある力に気づいた。
振り返って確認する余裕がなく、その力の存在はすぐに、ランディスの「なんだ!?」と驚く声ですぐそこまで迫っているのに気づいた。
(速いですね)
力は遠くにあった。それが数秒でここまで辿り着いた。その速度はバッシュが魔力を用いて全力で走っても追いつけないほど。
ランディスの眼前に広がる魔獣の群れが一瞬にして動きを止めた。それが次々寸断され、絶命していく様を眺めるしかできない。”これもゾアの力が関係しているのか?”と疑問に思うも、どうやら違うと分かったのは、何かが目にもとまらぬ速さで動き回っているからであった。
その存在は高々と飛び上がり、何かに魔力を籠めて落下した。
着地と同時に武器を地面に突き刺すと、地面を通じてそれぞれの魔獣の足下まで行き渡ると、地面から礫が上空へと上り、次々に魔獣を絶命させた。
魔獣の死体の山へ飛び乗り、素早い存在を確認したランディスは、見知った人物であり驚きと喜びの声で名を呼んだ。
「バゼル!!」
ここまでの事をしつつもバゼルに息切れはない。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
御機嫌ようそしてさようなら ~王太子妃の選んだ最悪の結末
Hinaki
恋愛
令嬢の名はエリザベス。
生まれた瞬間より両親達が創る公爵邸と言う名の箱庭の中で生きていた。
全てがその箱庭の中でなされ、そして彼女は箱庭より外へは出される事はなかった。
ただ一つ月に一度彼女を訪ねる5歳年上の少年を除いては……。
時は流れエリザベスが15歳の乙女へと成長し未来の王太子妃として半年後の結婚を控えたある日に彼女を包み込んでいた世界は崩壊していく。
ゆるふわ設定の短編です。
完結済みなので予約投稿しています。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
ハズレスキル【分解】が超絶当たりだった件~仲間たちから捨てられたけど、拾ったゴミスキルを優良スキルに作り変えて何でも解決する~
名無し
ファンタジー
お前の代わりなんざいくらでもいる。パーティーリーダーからそう宣告され、あっさり捨てられた主人公フォード。彼のスキル【分解】は、所有物を瞬時にバラバラにして持ち運びやすくする程度の効果だと思われていたが、なんとスキルにも適用されるもので、【分解】したスキルなら幾らでも所有できるというチートスキルであった。捨てられているゴミスキルを【分解】することで有用なスキルに作り変えていくうち、彼はなんでも解決屋を開くことを思いつき、底辺冒険者から成り上がっていく。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる