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六章 封じられていたモノ
Ⅲ 塔に吹く風
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翌朝、クーラスポラの塔へとジェイク達は到着した。
「費用削減で簡単な造りにしてるとはいえ、なかなか立派な塔だな」
ジェイクが感心する隣で、ビンセントは同意見で頷く。
塔は所々小窓のような穴があり、石積みの部分と補強用の土を塗った部分とがある。よく見ると土が剥がれている箇所はある。
「なんか、大昔の凄い遺跡、みたいにも見えるしな」
ビンセントが口にしてしまう程、剥がれた土壁部分はみすぼらしさよりも塔全体の印象に迫力を与えた。
「この風もすげぇな。まるで塔が息してるみてぇだ」
上部、左右から吹く微風は入り口へ流れている。
ジェイクの表現にビンセントは「表現上手いなぁ」と感心する。
クーラスポラの塔に魅了されている二人を、エベック、ルバート、ベルメアは並んで眺めていた。
「あの二人、やっぱり似た者同士よねぇ」
「ほんとよねぇ。ジェイクは鈍感な所あるけど、ビンセントはちょっと分からないわ」
「俺様の見立てではほぼ同じだ。年齢と人生経験ぐらいだろ」
自分達の話をされているとは露知らず、満足したビンセントとジェイクが戻ってきた。
「すげぇな、塔が息してるみてぇだ!」
「ルバート凄いぞ。風が吸い込まれてる!」
二人は一緒。
エベック、ルバート、ベルメアは声に出さずとも結論に至る。
「原理は中へ入らんと分からんな。何かが風を上へ流す働きをしているのかもしれんし、この地域の魔力の特性か」
「お前でも知らんのか?」
ジェイクに訊かれ、似たような事を言われるのではないかと考える。
「俺様が何でも知っている分けないだろ」
「何でも知ってそうだけどな」
ここまで似すぎると、わざとなのかと疑いたくもなる。
可笑しくなってエベックは微笑んだ。
「ビン様もジェイクちゃんも最高」感想後、塔の憶測を述べた。「ルバートの言うとおりだろうし、頻発する地震の影響で何かがあったのかもしれないわね」
一同がクーラスポラの塔へ訪れた理由は禁術の影響調査である。しかし子供のように興奮するビンセントは早く塔の天辺へと気持ちが向いてしまっている。
「早く上に昇ろう!」
「ビンセント、目的分かってる?」
訊かれたベルメアへ、ビンセントは躊躇なく「塔の調査だ!」と返す。
一応は間違ってはいない。
「そうね。それが目的ですもの。皆行きましょ」
「俺様はビンセントの中に入る」
「なんだ? 歩き疲れたのか?」
「うるさい。そう思いたいならそうしろ」
言いつつルバートはビンセントの中へと入る。
「どうしちゃったのかしら。もしかして拗ねちゃった?」
「ったく、何でも知ってますみたいな感じで子供だなぁ。それより早く昇ろう」
ビンセントを先頭にして一同は塔へと向かった。
塔の中はあまりにも簡素な造り。壁に螺旋階段が設けられているだけ。
空洞を遮る物が無いので広大な印象である。
「神話の塔にしちゃ地味だな。煙突じゃねぇか」
ジェイクのでベルメアが首を傾げながら塔の上を眺める。
「地震で色んな物が壊れたのかも」
「ベルちゃんの意見、一理あるかもしれないわね。もしくは地震で大事な物を壊したくないから前もって避難させたとか」
ジェイクは内部の造りより風の流れが気になった。
「なんでこの塔、風が下から上へ抜け続けてんだろうな。塔の上も風が吹いてるから上から下へ流れるならまだしも、ずっと下から上へって。塔の穴に抜けてそこから切り替わるのか?」
塔の下は大岩や木々に囲まれ風を遮るものは多い。昨日大地震に遭った峡谷の上は風が吹いていたので、高さが同じようなクーラスポラの塔も、上の風が強いとジェイクは推理した。
塔の中腹まで到達するも、風は下から上へと吹き続けていた。
「……妙ね」
エベックは集中して風に含まれる魔力を感じた。
「何かあるのか?」
ジェイクは何も感じていない。
「風が全然弱まらないのよ。塔の下に来た時からずっと吹きっぱなし。下と中腹では強弱があるけど……むしろ強く感じるわ。魔力が変化してるかと思ったんだけど、そんな感じもないみたい」
「ジェイクは何か感じないか? ガーディアンとして」
ビンセントに訊かれ、ジェイクは集中するが特に変わったものは感じない。
「まったく無し。ベルも同意見だそうだ」
中央で浮遊しているベルメアは頭を左右に振った。
「ビン様、ルバートは何か感じてない?」
「あいつ、ずっと拗ねてんのか、全然答えてくれなくなった」
「仕方ねぇ奴だな。悩んでも仕方ねぇから、塔の頂上まで行こうぜ」
今度はジェイクが先頭を進んで塔を登りだした。
(お前さんにしては上出来だ)
塔の中腹で立ち止まった時、ビンセントはルバートに嘘を吐くよう命令されていた。
(で、なんで風が下から上に流れて、全然止まらないんだよ)
(全員が既に魔力にあてられて見えておらんだけだ。もしくは個人の魔力が風の魔力に感化されたか。この風は自然風ではない。詳細は分からんが、木の葉のようなモノが延々と上へ流れている為に発生した風だ)
(木の葉? 俺だってちょっとは魔力扱えるようになったから、目に集中すれば見えるようになるぞ)
試すが見えない。
(見えない)
(たった今説明したばかりだろ。つまりはお前さんも影響を受けた側なのだぞ馬鹿者。しばらく観察していたが、どうやら擬態化を目的に魔力の質を変えているようだ)
(なんでそんな事する必要があるんだよ)
聞かれるがルバートもよく分かっていない。
虫や小動物が岩や草木に擬態する理由は、身を隠して敵から逃れるためか獲物を襲うことが理由である。しかし未知の魔力体が擬態する理由は不明だ。
もし塔を登る人間を襲うなら、わざわざ頂上まで待たなくても中腹辺りで人間を襲って突き落とす方が効率的だ。そもそも、頻繁に人間が塔を登るなら擬態は道理として通るが、あまり通らないなら何から姿を隠すのか分からない。
考察するも決定的な糸口が見つからず、ルバートはもどかしかった。
(そもそも、なんでエベックやジェイクには黙っておく必要があるんだ?)
(奴らの警戒心を煽らんためだ。もし知ったなら、エベック辺りは魔力の質を変化させてでも探るだろうからな。煽って奴らを少しでも刺激し、変容させてしまい、運悪く敵対行動などとられでもみろ。この足場や高さではこちらが一方的に不利。落とされれば転落死は確実だぞ)
(……確かに。けど、いつから気づいたんだよ)
(一向に止まん風が気になったからな)
ルバートでも分からない存在。
謎の擬態。
頂上に何かある不安。
ビンセントは急に恐くなった。
(……なあ、ルバート。天辺に到達したら食われる、なんてあると思うか?)
(考えられるだろうな。未知なるものへの探求で”足を踏み入れた人間を喰らう”と知恵が働くのも、生物の考えられる本能だからな。とはいえ捕食理由としての可能性は低いがな)
(どうしてだ?)
(考えても見ろ、この塔へ踏み入れる人間は少なすぎるだろ。野獣や魔獣を食っていたとしても魔力の残滓がなさすぎる。それに、この風が当たり前であったなら童話や神話で語られているだろ、風吹く塔としてな。それすらもないなら、風はここ最近、数年前ぐらいから発生した、バルブラインの異変の一つかもしれん)
つい、「ああ」と納得の声をビンセントが漏らしてしまうも、風がうるさくてかき消された。
「ん? なんか言ったか?」
ジェイクに聞かれてしまう。
「いや、風が気持ちいいなぁって」
「確かに。頂上だともっと爽快だろうぜ」
「もう、ビン様もジェイクちゃんも、遠足じゃないからね」
上手く誤魔化せ、ビンセントは安心した。
(気をつけろよ)
(すまんすまん。話を戻すけど、あくまで可能性は低いってだけで食べられる可能性もあるんだよな)
(そうならんように、俺様が戦えるように構えてやるから安心しろ)
(絶対だぞ。絶対だからな!)
しつこく頼まれ、ルバートは(はいはい)と返した。
一向はいよいよ塔の頂上へと出た。
「費用削減で簡単な造りにしてるとはいえ、なかなか立派な塔だな」
ジェイクが感心する隣で、ビンセントは同意見で頷く。
塔は所々小窓のような穴があり、石積みの部分と補強用の土を塗った部分とがある。よく見ると土が剥がれている箇所はある。
「なんか、大昔の凄い遺跡、みたいにも見えるしな」
ビンセントが口にしてしまう程、剥がれた土壁部分はみすぼらしさよりも塔全体の印象に迫力を与えた。
「この風もすげぇな。まるで塔が息してるみてぇだ」
上部、左右から吹く微風は入り口へ流れている。
ジェイクの表現にビンセントは「表現上手いなぁ」と感心する。
クーラスポラの塔に魅了されている二人を、エベック、ルバート、ベルメアは並んで眺めていた。
「あの二人、やっぱり似た者同士よねぇ」
「ほんとよねぇ。ジェイクは鈍感な所あるけど、ビンセントはちょっと分からないわ」
「俺様の見立てではほぼ同じだ。年齢と人生経験ぐらいだろ」
自分達の話をされているとは露知らず、満足したビンセントとジェイクが戻ってきた。
「すげぇな、塔が息してるみてぇだ!」
「ルバート凄いぞ。風が吸い込まれてる!」
二人は一緒。
エベック、ルバート、ベルメアは声に出さずとも結論に至る。
「原理は中へ入らんと分からんな。何かが風を上へ流す働きをしているのかもしれんし、この地域の魔力の特性か」
「お前でも知らんのか?」
ジェイクに訊かれ、似たような事を言われるのではないかと考える。
「俺様が何でも知っている分けないだろ」
「何でも知ってそうだけどな」
ここまで似すぎると、わざとなのかと疑いたくもなる。
可笑しくなってエベックは微笑んだ。
「ビン様もジェイクちゃんも最高」感想後、塔の憶測を述べた。「ルバートの言うとおりだろうし、頻発する地震の影響で何かがあったのかもしれないわね」
一同がクーラスポラの塔へ訪れた理由は禁術の影響調査である。しかし子供のように興奮するビンセントは早く塔の天辺へと気持ちが向いてしまっている。
「早く上に昇ろう!」
「ビンセント、目的分かってる?」
訊かれたベルメアへ、ビンセントは躊躇なく「塔の調査だ!」と返す。
一応は間違ってはいない。
「そうね。それが目的ですもの。皆行きましょ」
「俺様はビンセントの中に入る」
「なんだ? 歩き疲れたのか?」
「うるさい。そう思いたいならそうしろ」
言いつつルバートはビンセントの中へと入る。
「どうしちゃったのかしら。もしかして拗ねちゃった?」
「ったく、何でも知ってますみたいな感じで子供だなぁ。それより早く昇ろう」
ビンセントを先頭にして一同は塔へと向かった。
塔の中はあまりにも簡素な造り。壁に螺旋階段が設けられているだけ。
空洞を遮る物が無いので広大な印象である。
「神話の塔にしちゃ地味だな。煙突じゃねぇか」
ジェイクのでベルメアが首を傾げながら塔の上を眺める。
「地震で色んな物が壊れたのかも」
「ベルちゃんの意見、一理あるかもしれないわね。もしくは地震で大事な物を壊したくないから前もって避難させたとか」
ジェイクは内部の造りより風の流れが気になった。
「なんでこの塔、風が下から上へ抜け続けてんだろうな。塔の上も風が吹いてるから上から下へ流れるならまだしも、ずっと下から上へって。塔の穴に抜けてそこから切り替わるのか?」
塔の下は大岩や木々に囲まれ風を遮るものは多い。昨日大地震に遭った峡谷の上は風が吹いていたので、高さが同じようなクーラスポラの塔も、上の風が強いとジェイクは推理した。
塔の中腹まで到達するも、風は下から上へと吹き続けていた。
「……妙ね」
エベックは集中して風に含まれる魔力を感じた。
「何かあるのか?」
ジェイクは何も感じていない。
「風が全然弱まらないのよ。塔の下に来た時からずっと吹きっぱなし。下と中腹では強弱があるけど……むしろ強く感じるわ。魔力が変化してるかと思ったんだけど、そんな感じもないみたい」
「ジェイクは何か感じないか? ガーディアンとして」
ビンセントに訊かれ、ジェイクは集中するが特に変わったものは感じない。
「まったく無し。ベルも同意見だそうだ」
中央で浮遊しているベルメアは頭を左右に振った。
「ビン様、ルバートは何か感じてない?」
「あいつ、ずっと拗ねてんのか、全然答えてくれなくなった」
「仕方ねぇ奴だな。悩んでも仕方ねぇから、塔の頂上まで行こうぜ」
今度はジェイクが先頭を進んで塔を登りだした。
(お前さんにしては上出来だ)
塔の中腹で立ち止まった時、ビンセントはルバートに嘘を吐くよう命令されていた。
(で、なんで風が下から上に流れて、全然止まらないんだよ)
(全員が既に魔力にあてられて見えておらんだけだ。もしくは個人の魔力が風の魔力に感化されたか。この風は自然風ではない。詳細は分からんが、木の葉のようなモノが延々と上へ流れている為に発生した風だ)
(木の葉? 俺だってちょっとは魔力扱えるようになったから、目に集中すれば見えるようになるぞ)
試すが見えない。
(見えない)
(たった今説明したばかりだろ。つまりはお前さんも影響を受けた側なのだぞ馬鹿者。しばらく観察していたが、どうやら擬態化を目的に魔力の質を変えているようだ)
(なんでそんな事する必要があるんだよ)
聞かれるがルバートもよく分かっていない。
虫や小動物が岩や草木に擬態する理由は、身を隠して敵から逃れるためか獲物を襲うことが理由である。しかし未知の魔力体が擬態する理由は不明だ。
もし塔を登る人間を襲うなら、わざわざ頂上まで待たなくても中腹辺りで人間を襲って突き落とす方が効率的だ。そもそも、頻繁に人間が塔を登るなら擬態は道理として通るが、あまり通らないなら何から姿を隠すのか分からない。
考察するも決定的な糸口が見つからず、ルバートはもどかしかった。
(そもそも、なんでエベックやジェイクには黙っておく必要があるんだ?)
(奴らの警戒心を煽らんためだ。もし知ったなら、エベック辺りは魔力の質を変化させてでも探るだろうからな。煽って奴らを少しでも刺激し、変容させてしまい、運悪く敵対行動などとられでもみろ。この足場や高さではこちらが一方的に不利。落とされれば転落死は確実だぞ)
(……確かに。けど、いつから気づいたんだよ)
(一向に止まん風が気になったからな)
ルバートでも分からない存在。
謎の擬態。
頂上に何かある不安。
ビンセントは急に恐くなった。
(……なあ、ルバート。天辺に到達したら食われる、なんてあると思うか?)
(考えられるだろうな。未知なるものへの探求で”足を踏み入れた人間を喰らう”と知恵が働くのも、生物の考えられる本能だからな。とはいえ捕食理由としての可能性は低いがな)
(どうしてだ?)
(考えても見ろ、この塔へ踏み入れる人間は少なすぎるだろ。野獣や魔獣を食っていたとしても魔力の残滓がなさすぎる。それに、この風が当たり前であったなら童話や神話で語られているだろ、風吹く塔としてな。それすらもないなら、風はここ最近、数年前ぐらいから発生した、バルブラインの異変の一つかもしれん)
つい、「ああ」と納得の声をビンセントが漏らしてしまうも、風がうるさくてかき消された。
「ん? なんか言ったか?」
ジェイクに聞かれてしまう。
「いや、風が気持ちいいなぁって」
「確かに。頂上だともっと爽快だろうぜ」
「もう、ビン様もジェイクちゃんも、遠足じゃないからね」
上手く誤魔化せ、ビンセントは安心した。
(気をつけろよ)
(すまんすまん。話を戻すけど、あくまで可能性は低いってだけで食べられる可能性もあるんだよな)
(そうならんように、俺様が戦えるように構えてやるから安心しろ)
(絶対だぞ。絶対だからな!)
しつこく頼まれ、ルバートは(はいはい)と返した。
一向はいよいよ塔の頂上へと出た。
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