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五章 反動と侵蝕
Ⅵ 主犯の正体
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地下の大部屋へ入ったガイネスとミゼルは、部屋の光景に見入ってしまった。
またもパルドの番人が待ち構えていると考えていたが違った。
部屋の奥で揺らめく、醜く悍ましい印象を植え付ける三人の人間を包む赤い液体のような塊。中の人間は全裸で浮遊し、身体の一部が崩れているようにも見えるが赤い液体が濃く纏わり付いているようにも見える。
三人の表情は、気の抜けた呆然と開いた目、あんぐりと開いた口をしており生気は感じられない。
「どうやら”バリオットを動かせん”が正解であったようだな」
液体の中にいる人間の一人をガイネスは知っている。この事態を予想していたのか、驚きはないが呆れた様子が顔に出てしまった。
赤い液体の中には、一本の宝剣がしっかりと地面に突き刺さり、一際赤い光りを揺らめかせていた。
「ここを起点に禁術災害を起こしたのだろうが……、彼らは主犯に命令されたのかな?」
「中央の男。ディルシア=オー=バルブライン、こいつが主犯だ。狡猾で貪欲で狂気を滲ませる以前の面とはかけ離れた、無様で間抜けへと変わり果てたがな」
近づいた二人は、液体内の三人を眺めた。
液体の中だから溺れ死んでいるように見えるが、微動する眼球と顎や舌から生きているとも思われる。
「アードラ殿の話では目の前で首が飛んだとあったが」
「幻覚の術か、複数の術を混ぜてそういう現場を見せたのかもな」
話の途中、ディルシアの頭が小さく動いた。次に目、そして口も。
何かが起きると警戒したミゼルとガイネスは数歩離れて剣を構える。
「さて、何が起きるのやら」
放出される冷たい魔力に反応してミゼルは冷や汗をかく。
「見苦しい醜態を晒す仲間へと引き込もうとするなら滅するだけだがな」
二人はディルシアを注視するが、どうも攻めてくる様子はなかった。しかし、動きはないが何かが起こるのだと、漠然とした不安があった。
突如バリオットが白く発光し、その光りに呼応するようにガイネスの足下も白く発光した。
ガイネスが赤い液体に包まれるとミゼルは予想したが、一向に変化なくただ輝いているだけであった。
(お前が後継者か)
女性の声が聞こえた。
ガイネスは周囲を見回すが誰もいない。
「どうしたのだ?」
ミゼルが訊く頃に、ガイネスは声の主がどのような存在かを直感した。
「どうやらお前達の守護神同様の存在だろうな。声がする」
ラドーリオを頼りに声の正体を探ろうとミゼルはするが、ラドーリオも声は聞こえないと返された。
ジェイクの古代の剣に現われた存在に類する者だとミゼルは推測した。
「バリオットが王に話す存在か、”バルブラインのバリオット”の特性かな?」
「いや、どちらとも違うようだ。話がある、少し黙ってろ」
ガイネスは声の主と念話で話した。
(貴様が禁術を起こした張本人か?)
(妾は宝剣を通してお前と言葉を交わしているにすぎぬ。この国の災害は全てこの者達の企て。力を過信し、欲に溺れた者どもが起こした災いだ)
(このような珍妙な術を扱う女を、禁術とは無関係とする証拠でもあるのか?)
(妾に残された力は、このようなくだらぬことには使えん。それを証明する証拠もないがな。そもそも、この者達が働いた悪事のどれをとって禁術と括るのだ?)
話を聞くと、不快感を抱くガイネスは眉間に皺を寄せた。
ミゼルはあまり良くない話をしていると感じた。
「喜ばしい話ではなさそうだな」
「呆れ果てたわ。度を超えた間抜け共の馬鹿さ加減にな」
「禁術以外に何かしでかしたのかな?」
「詳細はこちらの考え違いかもしれん。それを今から聞く」
黙れと命令されているようで、再びミゼルは黙る。
(神の気を変異させ、生物の在り方を変異させ、魔力の性質を変異させ、ありとあらゆる力の理を狂わせた。この者達は読み間違えて災禍の楔と成り果てた。そもそも人間風情が触れてはならぬ禁忌なのだぞ)
(耄碌した間抜け共は、なぜ禁術に手を出した?)
聞かなくても思惑の想像がつく質問を、敢えてガイネスは求めた。
(ひとえに力の誇示。軍事力を誇る国に対抗する術として、人を兵器に変え、自然界の力を武器として扱おうと試みたことがきっかけだ)
予想通りの身勝手で浅はかな思惑。
ガイネスは鼻で笑った。
(無様極まれりだ。王の地位に驕り、民に畏怖を与え、誰もが付き従うからと思い違いしたのだろう。誰の入れ知恵かは知らぬが加減を怠った故の災害なら、間抜けな死に様は当然の報いよ。して、貴様はくだらぬ茶番を止める術を心得ておるのか?)
(何をもって止めるとするかによるな。宝剣を砕けば溜めに溜めた悪性の魔力の奔流が次第に溢れ、国を崩す厄いの化身を形作るだろう。礎の三者を消せば国の災害は次第に減るが、消した者が同様の有様で苦しみの中へと身を置くだろう。穏やかに止めたくば、赤い液体の魔力を測り波長を崩せばよい。しかし災害が鎮まるまで十年は有するだろう)
不機嫌な様子がガイネスの顔に現われた。
「あまり好ましい意見は得られなかった、とみて良いのかな?」
「術は得た。実行も単純明快だが、この間抜け共がそもそもの元凶と知るとな、呆れを通り越して怒りがこみ上げるわ」
「速やかに解決へと移りたいが、真相の殆どが闇の中というのももどかしいものだ」
「そうでもないぞ」
ガイネスは声の主から聞いた真相をミゼルに語った。
十五年前、ディルシアはリブリオスを敵視していたと同時に、国内に蔓延る裏組織・ゾーゴルも警戒していた。王族の一部もゾーゴルに染まっていると暗部の配下からの情報で、どう対処するかを考えていた。
ある日、禁術に関する知識と実行に移す術を知ったディルシアは、絶対的忠誠を誓う配下数名と共に計画を進めていた。
まず計画の第一段階は魔力の貯蔵であった。
情報で得た”禁忌の印術”とバリオットを用いて魔力を貯蔵する特殊な空間術を作り上げる。そして毎日バルブラインの魔力とゾグマを吸い続け、三年かけて膨大な力を得た。
次はパルドの製造。
秘術を用いて人間をパルドに作り替え、忠実な兵器として貯め込んだ。
素材が人間であるパルドは、魔力とゾグマの中に放り込めば腐敗せず痛まず壊れない。例の空間術へ放り込めば保存は完璧であった。
パルド製造で用いた人間は死刑囚と奴隷。数年後には魔獣や魔女との争いで瀕死の戦士も使った。
数年後、バリオットを使って神性な力をゾグマへ変換させる術が完成した。
構築までの期間には膨大な時間を費やし、禁術を知ってから決行まで十五年までかかったのはこのためである。
発動までの細かな準備を整えたディルシアは、息子のお披露目式を決行日とし、禁術を発動させた。
当日、禁術発動の混乱に乗じて自身に似せたパルドを用いて死んだ事を皆に印象づけ、影で動ける環境を作り上げた。
しかし誤算が起きた。それは術の制御不能。理由は単なる力不足。
バリオットを制御出来る王ではあるが、膨大な魔力を受け止める器は、どのような境遇であれ”人間三人”では足りなかった。
魔力を受け止めきれない禁術の反動が三者へ流れ込むが、バリオットの防衛機能が働き、禁術の魔力に負ける王を護る液体を発生させた。
三者を崩壊から護る機能として発生した液体は、禁術が落ち着くと液体外の魔力と同調するように働いた。それは魔力を三者に取り込み、質を変えて地面から流す循環の機能である。
今尚三者が滅ばないのは、循環器の一部として使われているからであった。
バッシュとミゼルの読み違いは、神性な力をゾグマへ変えて吸収するという点。
確かに王城周辺の、神性な力があった場所にはかつての力がなくなっている。しかし変異させて吸収したのではなく、バリオットの制御機能が神性な力を強引に動かして周囲の暴走する魔力と同調する力として賄ったからであった。
バルブラインを包んでいた魔力壁が消えたのはバリオットが関係していない別の理由だが、それ以降、バルブラインで起きた災害の数々は循環された魔力の影響である。また、デグミッドで現われた兵達は禁術発生時に生じた空間術に巻き込まれたからであった。
ただ、デグミッドに現われた化け物。ディルシアの親戚であるバザックが変異した明確な理由は不明である。
禁忌の影響で巻き込まれたと声の主からガイネスは聞いたが、血筋が関係するならアードラも変異するはずだ。
アードラが助かった謎が残る。
魔力の流れが不安定な国内でジェイクが古代の剣を手にして使い、ジェイクとミゼルはカムラを使用。
神性な力を広げる活動や、ゾグマ溜まりを解消したりと、バルブライン国内における人間の活動が、調整の波長を崩していった。
今、バルブラインはさらなる悪化を招く危険を大いに孕んでいた。
「なんとも情けない話だが耳の痛い話だ。私とは違った罰が下ったのだろう」
「どうあれ解決の手は三つ。連中の肩代わりをしてあの無様を晒すか、バリオットを破壊して物事を悪化させるか、同調を安定させ平和的解決か」
ガイネスは怪しい目をミゼルへ向ける。
「お前ならどうする?」
不意の質問とやや冷たく感じる魔力。
”試されている”とミゼルは直感した。
またもパルドの番人が待ち構えていると考えていたが違った。
部屋の奥で揺らめく、醜く悍ましい印象を植え付ける三人の人間を包む赤い液体のような塊。中の人間は全裸で浮遊し、身体の一部が崩れているようにも見えるが赤い液体が濃く纏わり付いているようにも見える。
三人の表情は、気の抜けた呆然と開いた目、あんぐりと開いた口をしており生気は感じられない。
「どうやら”バリオットを動かせん”が正解であったようだな」
液体の中にいる人間の一人をガイネスは知っている。この事態を予想していたのか、驚きはないが呆れた様子が顔に出てしまった。
赤い液体の中には、一本の宝剣がしっかりと地面に突き刺さり、一際赤い光りを揺らめかせていた。
「ここを起点に禁術災害を起こしたのだろうが……、彼らは主犯に命令されたのかな?」
「中央の男。ディルシア=オー=バルブライン、こいつが主犯だ。狡猾で貪欲で狂気を滲ませる以前の面とはかけ離れた、無様で間抜けへと変わり果てたがな」
近づいた二人は、液体内の三人を眺めた。
液体の中だから溺れ死んでいるように見えるが、微動する眼球と顎や舌から生きているとも思われる。
「アードラ殿の話では目の前で首が飛んだとあったが」
「幻覚の術か、複数の術を混ぜてそういう現場を見せたのかもな」
話の途中、ディルシアの頭が小さく動いた。次に目、そして口も。
何かが起きると警戒したミゼルとガイネスは数歩離れて剣を構える。
「さて、何が起きるのやら」
放出される冷たい魔力に反応してミゼルは冷や汗をかく。
「見苦しい醜態を晒す仲間へと引き込もうとするなら滅するだけだがな」
二人はディルシアを注視するが、どうも攻めてくる様子はなかった。しかし、動きはないが何かが起こるのだと、漠然とした不安があった。
突如バリオットが白く発光し、その光りに呼応するようにガイネスの足下も白く発光した。
ガイネスが赤い液体に包まれるとミゼルは予想したが、一向に変化なくただ輝いているだけであった。
(お前が後継者か)
女性の声が聞こえた。
ガイネスは周囲を見回すが誰もいない。
「どうしたのだ?」
ミゼルが訊く頃に、ガイネスは声の主がどのような存在かを直感した。
「どうやらお前達の守護神同様の存在だろうな。声がする」
ラドーリオを頼りに声の正体を探ろうとミゼルはするが、ラドーリオも声は聞こえないと返された。
ジェイクの古代の剣に現われた存在に類する者だとミゼルは推測した。
「バリオットが王に話す存在か、”バルブラインのバリオット”の特性かな?」
「いや、どちらとも違うようだ。話がある、少し黙ってろ」
ガイネスは声の主と念話で話した。
(貴様が禁術を起こした張本人か?)
(妾は宝剣を通してお前と言葉を交わしているにすぎぬ。この国の災害は全てこの者達の企て。力を過信し、欲に溺れた者どもが起こした災いだ)
(このような珍妙な術を扱う女を、禁術とは無関係とする証拠でもあるのか?)
(妾に残された力は、このようなくだらぬことには使えん。それを証明する証拠もないがな。そもそも、この者達が働いた悪事のどれをとって禁術と括るのだ?)
話を聞くと、不快感を抱くガイネスは眉間に皺を寄せた。
ミゼルはあまり良くない話をしていると感じた。
「喜ばしい話ではなさそうだな」
「呆れ果てたわ。度を超えた間抜け共の馬鹿さ加減にな」
「禁術以外に何かしでかしたのかな?」
「詳細はこちらの考え違いかもしれん。それを今から聞く」
黙れと命令されているようで、再びミゼルは黙る。
(神の気を変異させ、生物の在り方を変異させ、魔力の性質を変異させ、ありとあらゆる力の理を狂わせた。この者達は読み間違えて災禍の楔と成り果てた。そもそも人間風情が触れてはならぬ禁忌なのだぞ)
(耄碌した間抜け共は、なぜ禁術に手を出した?)
聞かなくても思惑の想像がつく質問を、敢えてガイネスは求めた。
(ひとえに力の誇示。軍事力を誇る国に対抗する術として、人を兵器に変え、自然界の力を武器として扱おうと試みたことがきっかけだ)
予想通りの身勝手で浅はかな思惑。
ガイネスは鼻で笑った。
(無様極まれりだ。王の地位に驕り、民に畏怖を与え、誰もが付き従うからと思い違いしたのだろう。誰の入れ知恵かは知らぬが加減を怠った故の災害なら、間抜けな死に様は当然の報いよ。して、貴様はくだらぬ茶番を止める術を心得ておるのか?)
(何をもって止めるとするかによるな。宝剣を砕けば溜めに溜めた悪性の魔力の奔流が次第に溢れ、国を崩す厄いの化身を形作るだろう。礎の三者を消せば国の災害は次第に減るが、消した者が同様の有様で苦しみの中へと身を置くだろう。穏やかに止めたくば、赤い液体の魔力を測り波長を崩せばよい。しかし災害が鎮まるまで十年は有するだろう)
不機嫌な様子がガイネスの顔に現われた。
「あまり好ましい意見は得られなかった、とみて良いのかな?」
「術は得た。実行も単純明快だが、この間抜け共がそもそもの元凶と知るとな、呆れを通り越して怒りがこみ上げるわ」
「速やかに解決へと移りたいが、真相の殆どが闇の中というのももどかしいものだ」
「そうでもないぞ」
ガイネスは声の主から聞いた真相をミゼルに語った。
十五年前、ディルシアはリブリオスを敵視していたと同時に、国内に蔓延る裏組織・ゾーゴルも警戒していた。王族の一部もゾーゴルに染まっていると暗部の配下からの情報で、どう対処するかを考えていた。
ある日、禁術に関する知識と実行に移す術を知ったディルシアは、絶対的忠誠を誓う配下数名と共に計画を進めていた。
まず計画の第一段階は魔力の貯蔵であった。
情報で得た”禁忌の印術”とバリオットを用いて魔力を貯蔵する特殊な空間術を作り上げる。そして毎日バルブラインの魔力とゾグマを吸い続け、三年かけて膨大な力を得た。
次はパルドの製造。
秘術を用いて人間をパルドに作り替え、忠実な兵器として貯め込んだ。
素材が人間であるパルドは、魔力とゾグマの中に放り込めば腐敗せず痛まず壊れない。例の空間術へ放り込めば保存は完璧であった。
パルド製造で用いた人間は死刑囚と奴隷。数年後には魔獣や魔女との争いで瀕死の戦士も使った。
数年後、バリオットを使って神性な力をゾグマへ変換させる術が完成した。
構築までの期間には膨大な時間を費やし、禁術を知ってから決行まで十五年までかかったのはこのためである。
発動までの細かな準備を整えたディルシアは、息子のお披露目式を決行日とし、禁術を発動させた。
当日、禁術発動の混乱に乗じて自身に似せたパルドを用いて死んだ事を皆に印象づけ、影で動ける環境を作り上げた。
しかし誤算が起きた。それは術の制御不能。理由は単なる力不足。
バリオットを制御出来る王ではあるが、膨大な魔力を受け止める器は、どのような境遇であれ”人間三人”では足りなかった。
魔力を受け止めきれない禁術の反動が三者へ流れ込むが、バリオットの防衛機能が働き、禁術の魔力に負ける王を護る液体を発生させた。
三者を崩壊から護る機能として発生した液体は、禁術が落ち着くと液体外の魔力と同調するように働いた。それは魔力を三者に取り込み、質を変えて地面から流す循環の機能である。
今尚三者が滅ばないのは、循環器の一部として使われているからであった。
バッシュとミゼルの読み違いは、神性な力をゾグマへ変えて吸収するという点。
確かに王城周辺の、神性な力があった場所にはかつての力がなくなっている。しかし変異させて吸収したのではなく、バリオットの制御機能が神性な力を強引に動かして周囲の暴走する魔力と同調する力として賄ったからであった。
バルブラインを包んでいた魔力壁が消えたのはバリオットが関係していない別の理由だが、それ以降、バルブラインで起きた災害の数々は循環された魔力の影響である。また、デグミッドで現われた兵達は禁術発生時に生じた空間術に巻き込まれたからであった。
ただ、デグミッドに現われた化け物。ディルシアの親戚であるバザックが変異した明確な理由は不明である。
禁忌の影響で巻き込まれたと声の主からガイネスは聞いたが、血筋が関係するならアードラも変異するはずだ。
アードラが助かった謎が残る。
魔力の流れが不安定な国内でジェイクが古代の剣を手にして使い、ジェイクとミゼルはカムラを使用。
神性な力を広げる活動や、ゾグマ溜まりを解消したりと、バルブライン国内における人間の活動が、調整の波長を崩していった。
今、バルブラインはさらなる悪化を招く危険を大いに孕んでいた。
「なんとも情けない話だが耳の痛い話だ。私とは違った罰が下ったのだろう」
「どうあれ解決の手は三つ。連中の肩代わりをしてあの無様を晒すか、バリオットを破壊して物事を悪化させるか、同調を安定させ平和的解決か」
ガイネスは怪しい目をミゼルへ向ける。
「お前ならどうする?」
不意の質問とやや冷たく感じる魔力。
”試されている”とミゼルは直感した。
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