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一章 烙印を制す剣
ⅩⅠ 悪政の一端
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ジェイクが魔獣との激戦を終えた日、アードラの屋敷にミゼルは訪れていた。その日はリネスの屋敷周辺の結界変化作業が休みである。
アードラへ頼み事があるためにミゼルは時間をとってもらっている。手土産にリネスの作った茶葉を渡し、ついでとばかりに茶を淹れた。
「……ほう。見事な茶だ。少々癖のある風味だが、なかなか良い」
「王族たるアードラ殿に喜んで頂ければ、リネスも照れるだろうさ」
微笑みながら言うと、アードラが話を切り出した。
「それで、本日は何か用があると言っていたな」
ミゼルには密かに進めている計画がある。それを知る人物は今のところ、ゼノア、ナーシャ、マッドの三名。しかしマッドに報せている内容は、ゼノアとナーシャへ伝えたものと少し違っている。
ミゼルはマッドに伝えた本命の内容を話した。始めは乗り気で聞いていたアードラは、まだ纏まっていない計画の全容を知ると、うなり声を漏らした。どうやら即答で協力できない様子だ。
「やはり協力して頂けないかな? 少々品のない話だからダメで元々と腹を括ってはいるが……。しかしアードラ殿のお力があれば、私としてはかなり有り難い」
アードラは嫌っているのではなく、内心では即答で参加したい。だが計画の杜撰さがどうも返答を躊躇わせている。
「いや、ここ最近、ミゼルや皆には各地で争いの処理や復興活動などに苦労をかけている。労をねぎらう意味を込めて、こういったものは喜ばしいのだが……これからまだ増えるのか?」
それは計画の参加者を指している。
「その予定だ。本命の目的を達成してこそ、この計画は成就するのですから」
「では、七名から十名ほどにして、……これは、量か、品数が多い方が良いのではないか? それと審査だ。私も含めるとするなら、多いに越したことはないが、それだと参加者に負担が掛かってしまうなぁ……」
指摘の言葉をミゼルは身を乗り出して真剣に向き合った。
「これはまだ仮の段階であり、実行に移すまではまだ日にちが必要だろう。彼女たちもそのほうが望みだろうからね」
「参加側の人数は調達出来そうか?」
指を二本立てて紙を押さえ、二人の名前を指している。
「本命に気づかれないようにするためにも、やはりこの催しに適した、相応の実力ある参加者が必要不可欠。都合良く見つかるだろうか」
「目星は何人かいるさ。後は乗るかどうか。こういった悪巧みを好む者達は二人いる。きっと喜んで参加してくれるだろうがね」
怪しい計画が水面下で進められている。アードラも話の流れから次第に参加する姿勢となっている。
着々とミゼルの計画が進行される流れが出来つつある。
「では、後日進行具合の報告と今後の打ち合わせ、ということで」
「ああ、楽しみで仕方ないな。口外せんように気を引き締めねば」
「そちらは頼みますよ。この一点が本計画の本命事項です。全てを水の泡にでもされてしまえば……彼女たちの今後が……」
「黙秘を貫き通すのも躾の一環として育っておる。問題ないさ」
二人は不適な笑みを浮かべ、打ち合わせが終了した。
互いに1杯目の紅茶を飲み終えると、ミゼルが別の話を切り出した。
「さて、アードラ殿直々にお伺いしたい話があるのだが」
ミゼルが求めたのは、国王ディルシア=オー=バルブラインについてであった。
先ほどの笑顔が消え、アードラは神妙な表情になる。
「意外だな、シャールから全て訊いていると思っていたが」
「故あって、ジェイクほど親しい間柄ではないのだ。ある程度の情報共有や人並みの会話はしているのだがね。この国の問題もジェイクとマッド伝手に聞いている。しかし、マッドは口下手で情報が乏しく、ジェイクは深く理解していないようで、マッドの情報に少々説明が加わった程度なのだよ」
「女性陣は?」
「リネスの屋敷へ行く機会が多くてね、あまり彼女たちと会う機会に恵まれないのだ。アードラ殿なら詳しく教えて頂けると思い、この席をお願いした運び。今後の事も考えると、ディルシア=オー=バルブラインという男の事を知っておきたいのさ」
あまり話したくないのか、思い出したくないのか、アードラも口を開くのが重かった。
「……全て、ではないが良いか?」
「構わないさ。その辺は弁えているので安心して頂きたい。勿論、ここでの話は口外しないよ」
話す前にアードラはおかわりの紅茶を淹れ、気を落ち着かせるためにゆっくりと一口飲んだ。
「……ディルシアが悪政を行っていたのは知ってるな」
「重税、無理の過ぎる王命、重すぎいる懲罰。王の息が掛かっている者達といない者達との貧富差。と、前世の記憶と又聞きの情報からそのように解釈しているにすぎないが……」
「あながちその通りだ。ディルシアの息が掛かっている者達、というのが広範囲にわたっていてな。貴族の大半がそうだ。そして、各町へ送り、貧しい者達の監視役としていた」
そのような環境で行われる差別行為は想像出来た。
「逆らう者は重罪に処される。貧しい者達は奴隷扱いなのは容易に想像出来るな。まさか、シャールの恨みがそれだと?」
「それも混ざっているのかもしれんな。一概に違うとは言えんが、彼の場合はさらに酷い。六星騎士の経緯は御存知か?」
「いや」
「バルブラインに聳え立つ魔女の塔が目障りというだけで、ディルシアは本国の術師や戦士を集めて向かわせたのだ。集まった者達の多くが死に、後々残った者達は試行錯誤の末に魔女を討伐出来た。魔女を倒さなければ自分たちの命がかかっているから選ばれた者達はまさに必死だったのだろう。それでも多くの者達が死に、生存者は六名だったのだよ」
「では称号は後付け」
「ああ。箔の付く名を与えられたに過ぎん。ただ、その称号は”ディルシアが自由に扱って良い勇者”という汚名でもあった。六星騎士達はバルブラインで猛威を振るう魔獣討伐へ頻繁に使われてな、彼らが出来たのは時間を上手く使って自分達に都合が良い時間配分をする程度の抗いだ。とりわけシャールは術の知識があったからな、陣を敷くのに上手く口実を述べて時間をかけたのだろう。その辺の噂は聞いていたからな」
「しかしそれだと腑に落ちない。バルブラインにそれ程の魔獣が徘徊していたのか? ジェイクが言うには、それ程凶暴な魔獣には遭遇せず、禁術発生以降に現われたパルドが厄介だと聞くが」
「パルドというのが禁術発生後の魔獣の名称だ。その前は珍しい奇形の魔獣だった」
「ほう、つまり、禁術を経て変化したと?」
「正確には進化、だろうな」
何か後ろめたい事情があるような言い草がミゼルは気になった。
話の脈絡からある可能性を推理した。
「……間違っていたら失礼。……魔獣を作っていたのでは?」
それなら、違法な行いで魔獣を作り、それを異常発生した奇形種と吹聴すれば証拠は隠滅出来ると判断した。
「前世が研究者であるミゼルには容易に考察出来る内容だったな」
「実験と失敗の処理にはもってこいだ。しかし魔女の力を得たとて、所詮は少しばかり強い戦士達。処理に失敗する可能性も考えられるのでは?」
「禁術前のそれらは今のパルドより倒しやすい。苦労はするが、そこまで深く考えてなかったのかもしれん。それに、シャールは考古学の賢師だったが、他の五名は力が強いだけの阿呆か犯罪者のような者達だ。猛獣同然の輩ドモを暴れさせる場を作っただけかもしれん」
魔女討伐の人選は人間の質を問わないものだったと想像が付いた。
「そのような知性が乏しい者達と同じ扱いをされたのだ。シャールもかなり不満を募らせていたに違いない」
これだけでもシャールが王を恨む理由は十分だが、まだ気になる事が残っていた。
「この話、ディルシアとその息がかかった者達に関係しているが、まだシャールが貴殿を警戒し続ける明確な理由には至っていないようだ。確か、ディルシア派に対抗しようとした派閥の一つにアードラ殿も含まれているが、あくまでもこの情報は禁術発生後に聞いた内容だ。上手く真実を誤魔化すことも出来るとも思われるが……、アードラ殿はどのような立場の存在か、説明して頂けますかな?」
剣呑な表情を向けられ、アードラも口にする言葉を選ばざるを得ない状況であった。
唸るように、静かな一息を吐き、しばらく間が空いた。
「…………現状」
ミゼルは言葉に集中した。
「ここにいる者達の敵ではない。しかし……詳細は伏せるが、あまり良いとは言えん行いはしていたよ」
深く追求はしない。聞いても答えない事は分かっているが、それよりも、知る事で自らの活動範囲、視野を狭める可能性が十分にある。踏み込んではならない一線を越えてしまう恐れをミゼルは悟った。
それでも良いと割り切れる理由があるなら、”乏しい情報から答えを見出す”ほうが性に合っているからでもあった。
「そのように神妙にしないで頂きたい。私も生前、非人道的な研究に手を染めていた人間でね。ジェイクのような熱血漢は感情任せに責めるだろうが、私はそこまで言えた立場ではないのでね。ただ、答えを得た際、正否の判断は下して頂きたい。なにしろ、謎が解けても審査員がいないのであれば単なる独りよがりだ」
妙に安堵したアードラは深く溜息を吐いた。
「良いだろう。その際、良い返事を期待させて貰おう。深い協力関係を結んで頂ければ、私も気が楽なのだがね」
「目に余る極悪な行いでなければ、大抵の事は協力する構えだよ」
自らの現在進行中の計画と照らし合わせ、安心したのか、アードラは穏やかな表情を僅かに表わし、話合いの締めの言葉を告げて出て行った。
アードラへ頼み事があるためにミゼルは時間をとってもらっている。手土産にリネスの作った茶葉を渡し、ついでとばかりに茶を淹れた。
「……ほう。見事な茶だ。少々癖のある風味だが、なかなか良い」
「王族たるアードラ殿に喜んで頂ければ、リネスも照れるだろうさ」
微笑みながら言うと、アードラが話を切り出した。
「それで、本日は何か用があると言っていたな」
ミゼルには密かに進めている計画がある。それを知る人物は今のところ、ゼノア、ナーシャ、マッドの三名。しかしマッドに報せている内容は、ゼノアとナーシャへ伝えたものと少し違っている。
ミゼルはマッドに伝えた本命の内容を話した。始めは乗り気で聞いていたアードラは、まだ纏まっていない計画の全容を知ると、うなり声を漏らした。どうやら即答で協力できない様子だ。
「やはり協力して頂けないかな? 少々品のない話だからダメで元々と腹を括ってはいるが……。しかしアードラ殿のお力があれば、私としてはかなり有り難い」
アードラは嫌っているのではなく、内心では即答で参加したい。だが計画の杜撰さがどうも返答を躊躇わせている。
「いや、ここ最近、ミゼルや皆には各地で争いの処理や復興活動などに苦労をかけている。労をねぎらう意味を込めて、こういったものは喜ばしいのだが……これからまだ増えるのか?」
それは計画の参加者を指している。
「その予定だ。本命の目的を達成してこそ、この計画は成就するのですから」
「では、七名から十名ほどにして、……これは、量か、品数が多い方が良いのではないか? それと審査だ。私も含めるとするなら、多いに越したことはないが、それだと参加者に負担が掛かってしまうなぁ……」
指摘の言葉をミゼルは身を乗り出して真剣に向き合った。
「これはまだ仮の段階であり、実行に移すまではまだ日にちが必要だろう。彼女たちもそのほうが望みだろうからね」
「参加側の人数は調達出来そうか?」
指を二本立てて紙を押さえ、二人の名前を指している。
「本命に気づかれないようにするためにも、やはりこの催しに適した、相応の実力ある参加者が必要不可欠。都合良く見つかるだろうか」
「目星は何人かいるさ。後は乗るかどうか。こういった悪巧みを好む者達は二人いる。きっと喜んで参加してくれるだろうがね」
怪しい計画が水面下で進められている。アードラも話の流れから次第に参加する姿勢となっている。
着々とミゼルの計画が進行される流れが出来つつある。
「では、後日進行具合の報告と今後の打ち合わせ、ということで」
「ああ、楽しみで仕方ないな。口外せんように気を引き締めねば」
「そちらは頼みますよ。この一点が本計画の本命事項です。全てを水の泡にでもされてしまえば……彼女たちの今後が……」
「黙秘を貫き通すのも躾の一環として育っておる。問題ないさ」
二人は不適な笑みを浮かべ、打ち合わせが終了した。
互いに1杯目の紅茶を飲み終えると、ミゼルが別の話を切り出した。
「さて、アードラ殿直々にお伺いしたい話があるのだが」
ミゼルが求めたのは、国王ディルシア=オー=バルブラインについてであった。
先ほどの笑顔が消え、アードラは神妙な表情になる。
「意外だな、シャールから全て訊いていると思っていたが」
「故あって、ジェイクほど親しい間柄ではないのだ。ある程度の情報共有や人並みの会話はしているのだがね。この国の問題もジェイクとマッド伝手に聞いている。しかし、マッドは口下手で情報が乏しく、ジェイクは深く理解していないようで、マッドの情報に少々説明が加わった程度なのだよ」
「女性陣は?」
「リネスの屋敷へ行く機会が多くてね、あまり彼女たちと会う機会に恵まれないのだ。アードラ殿なら詳しく教えて頂けると思い、この席をお願いした運び。今後の事も考えると、ディルシア=オー=バルブラインという男の事を知っておきたいのさ」
あまり話したくないのか、思い出したくないのか、アードラも口を開くのが重かった。
「……全て、ではないが良いか?」
「構わないさ。その辺は弁えているので安心して頂きたい。勿論、ここでの話は口外しないよ」
話す前にアードラはおかわりの紅茶を淹れ、気を落ち着かせるためにゆっくりと一口飲んだ。
「……ディルシアが悪政を行っていたのは知ってるな」
「重税、無理の過ぎる王命、重すぎいる懲罰。王の息が掛かっている者達といない者達との貧富差。と、前世の記憶と又聞きの情報からそのように解釈しているにすぎないが……」
「あながちその通りだ。ディルシアの息が掛かっている者達、というのが広範囲にわたっていてな。貴族の大半がそうだ。そして、各町へ送り、貧しい者達の監視役としていた」
そのような環境で行われる差別行為は想像出来た。
「逆らう者は重罪に処される。貧しい者達は奴隷扱いなのは容易に想像出来るな。まさか、シャールの恨みがそれだと?」
「それも混ざっているのかもしれんな。一概に違うとは言えんが、彼の場合はさらに酷い。六星騎士の経緯は御存知か?」
「いや」
「バルブラインに聳え立つ魔女の塔が目障りというだけで、ディルシアは本国の術師や戦士を集めて向かわせたのだ。集まった者達の多くが死に、後々残った者達は試行錯誤の末に魔女を討伐出来た。魔女を倒さなければ自分たちの命がかかっているから選ばれた者達はまさに必死だったのだろう。それでも多くの者達が死に、生存者は六名だったのだよ」
「では称号は後付け」
「ああ。箔の付く名を与えられたに過ぎん。ただ、その称号は”ディルシアが自由に扱って良い勇者”という汚名でもあった。六星騎士達はバルブラインで猛威を振るう魔獣討伐へ頻繁に使われてな、彼らが出来たのは時間を上手く使って自分達に都合が良い時間配分をする程度の抗いだ。とりわけシャールは術の知識があったからな、陣を敷くのに上手く口実を述べて時間をかけたのだろう。その辺の噂は聞いていたからな」
「しかしそれだと腑に落ちない。バルブラインにそれ程の魔獣が徘徊していたのか? ジェイクが言うには、それ程凶暴な魔獣には遭遇せず、禁術発生以降に現われたパルドが厄介だと聞くが」
「パルドというのが禁術発生後の魔獣の名称だ。その前は珍しい奇形の魔獣だった」
「ほう、つまり、禁術を経て変化したと?」
「正確には進化、だろうな」
何か後ろめたい事情があるような言い草がミゼルは気になった。
話の脈絡からある可能性を推理した。
「……間違っていたら失礼。……魔獣を作っていたのでは?」
それなら、違法な行いで魔獣を作り、それを異常発生した奇形種と吹聴すれば証拠は隠滅出来ると判断した。
「前世が研究者であるミゼルには容易に考察出来る内容だったな」
「実験と失敗の処理にはもってこいだ。しかし魔女の力を得たとて、所詮は少しばかり強い戦士達。処理に失敗する可能性も考えられるのでは?」
「禁術前のそれらは今のパルドより倒しやすい。苦労はするが、そこまで深く考えてなかったのかもしれん。それに、シャールは考古学の賢師だったが、他の五名は力が強いだけの阿呆か犯罪者のような者達だ。猛獣同然の輩ドモを暴れさせる場を作っただけかもしれん」
魔女討伐の人選は人間の質を問わないものだったと想像が付いた。
「そのような知性が乏しい者達と同じ扱いをされたのだ。シャールもかなり不満を募らせていたに違いない」
これだけでもシャールが王を恨む理由は十分だが、まだ気になる事が残っていた。
「この話、ディルシアとその息がかかった者達に関係しているが、まだシャールが貴殿を警戒し続ける明確な理由には至っていないようだ。確か、ディルシア派に対抗しようとした派閥の一つにアードラ殿も含まれているが、あくまでもこの情報は禁術発生後に聞いた内容だ。上手く真実を誤魔化すことも出来るとも思われるが……、アードラ殿はどのような立場の存在か、説明して頂けますかな?」
剣呑な表情を向けられ、アードラも口にする言葉を選ばざるを得ない状況であった。
唸るように、静かな一息を吐き、しばらく間が空いた。
「…………現状」
ミゼルは言葉に集中した。
「ここにいる者達の敵ではない。しかし……詳細は伏せるが、あまり良いとは言えん行いはしていたよ」
深く追求はしない。聞いても答えない事は分かっているが、それよりも、知る事で自らの活動範囲、視野を狭める可能性が十分にある。踏み込んではならない一線を越えてしまう恐れをミゼルは悟った。
それでも良いと割り切れる理由があるなら、”乏しい情報から答えを見出す”ほうが性に合っているからでもあった。
「そのように神妙にしないで頂きたい。私も生前、非人道的な研究に手を染めていた人間でね。ジェイクのような熱血漢は感情任せに責めるだろうが、私はそこまで言えた立場ではないのでね。ただ、答えを得た際、正否の判断は下して頂きたい。なにしろ、謎が解けても審査員がいないのであれば単なる独りよがりだ」
妙に安堵したアードラは深く溜息を吐いた。
「良いだろう。その際、良い返事を期待させて貰おう。深い協力関係を結んで頂ければ、私も気が楽なのだがね」
「目に余る極悪な行いでなければ、大抵の事は協力する構えだよ」
自らの現在進行中の計画と照らし合わせ、安心したのか、アードラは穏やかな表情を僅かに表わし、話合いの締めの言葉を告げて出て行った。
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