烙印騎士と四十四番目の神・Ⅱ 召喚されたガーディアン達

赤星 治

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三章 騒乱の種火

Ⅷ 感性の治癒

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 レイアードの呪いが消えた訳ではない。這いつくばりながらも今尚暴言をローブ姿の男へ吐き続けている。だが、先ほどまでの重く張り詰めた空気ではなくなっている。
 とても清々しく穏やかな空気へ戻っている。
「……助けてくれた……と、見て良いのかな?」
 距離を置いているウォルガは、警戒するも攻め入ることが出来ない。
 間合いに入れば殺される。それはなぜ死んでいるのか分からないほど一瞬で静かに、そう抱かせる奇妙な力を感じていた。
 ローブ姿の男は人間ではない。異質な強さを前に、戦わずに済めば幸運だと思う。
「状況を見ればそうなるな。とりあえずは貴殿達へ害は及ぼさん。気を緩めてもいいぞ」
 徐々に構えを解くも、警戒は解かなかった。
「其方は何者だ?」
「人間ではない。今はそれだけ知ればいい。こちらにも話せぬ事情があるのでな」
 深く追求せず、別の質問を考えた。
「……その呪いを難なく抑える所を見るからに、術か魔力の扱いにかなり長けた手練れと見た。その呪いを奪い、良からぬ事を企てるとは思えんが、事情を伺いたいものだ」
「なぜこちらの目的が悪事でないと?」
「我らを助けた点、かな? 呪いソレを奪うなら、我らが死した後に奪えば良い。先の戦い、我らの負け戦は明白であったからな。それに勝る強さがあるのに我らを助け、今の様子ではこちらのガーディアンは興味が無いと見える」

 ローブ姿の男は短い拍手をした。

「良い目を持っているな。コレを持ち帰り、悪事に利用する。という可能性を述べなかったのは、それが不可能であると読んでいるからか? 貴殿の考えか別の者の意見かは知らんが。こちらの用事は時が来るまでコレを封印しなければならんだけだ。力に反応して来てみれば戦闘の最中。運良く貴殿等は助かっただけだ」
「待て、その呪いが憑いているのは人間だ。その者を巻き込まないでくれんか」
 息子のように見ているレイアードを助けたい一心の発言だが、「無理だ」と即答される。
「意地悪ではない。不可能だからだ。今は”均衡”が呪いに分が悪いゆえに御しきれているが、もう半年もすればそれも出来ん。今でなければならん。それに、貴殿も気づいているのだろ? この状態がどういう事かを」
 言葉が出ない。知っている証拠であった。
 ローブ姿の男は両掌を合わせ、何かを呟きながら離していった。すると、青白い文字が現われ、男の手の間から零れるように落ちると、レイアード(呪い)を囲むように流れた。
「おい! 何をする!」
「出番が早すぎる役者には時が来るまで退席して頂く」
 男が叩いて手を合わせると、レイアード(呪い)の身体は青白い光に包まれ、円筒形の柱のようになり、しばらくして光が消えた。
 一本の黒い柱が残された。

「……その柱の中にレイアードがいるのか?」
「正確にはこの区域。この柱は場所を示す目印にすぎん。時が来れば亀裂が走り、封印が解ける時期は傍にいる者達が直感として分かる。不思議であり便利だろ?」
「本体である人間は無事に済むものなのか?」
「封印はときの概念から逸脱した空間への封鎖。このまま戻り、経過した時の影響すら及ばん。その点は安心していい」
 まさに神技。この世界に住む者は誰一人として使えない封印術。
 ローブ姿の男の正体を暴くには程遠い要素だが、凄まじく驚異的な存在であるのは確かとなった。
「今この時をもって片割れが失せた。ゆえに隣国の異常はしばらく後に解消するだろう。しかし気は抜けんぞ。この封印が解けた際、再び同じ事象が起きる」
 ガニシェッドの隣国。国の異常。
 思いつくのはレイデル王国の凍り付けであった。
「待て、片割れと言っておったが、もう一体レイアードのような者がおると?」
 ローブ姿の男の口元に笑みが浮かんだ。
「人間がひた隠しにした膿を出し切らねば、後に来たる災禍が苛烈さを増す。各個人の力量を増したとて、真に抗えるとは限らん。残りの期間、必死に調べ、足掻き、打てる手を全て打たねば……まあ、人間の住める世界では無くなるという事だ」
 質問の答えは伏せられた。そして、発言に嘘は感じられない。
「何をすればよい! 知っているなら教えてくれ!」
「過去、災禍に抗い、後生の為にと石板へ文字を記した者はいた。そこから何か見いだせるやもしれんな」
 男の周辺に黒い靄が現われ、身体を覆い、姿を消した。
 何事も無かったような静けさの中、レイアードを封じた柱を見るウォルガに一つの単語が浮かぶ。『ミングゼイスの石板』と。

 ◇◇◇◇◇

 サラが目覚めたのはレイアードが封印されて三日後の昼だった。しかしあの場にいたウォルガの弟子達はまだ目覚めていない。
 身体を宮殿専属の医者に診て貰い無事と分かる。
 何が起き、ウォルガは何をしているのかと、看病してくれた弟子の一人に尋ねると、ウォルガは本国にて打ち合わせがあるとされ、会えるのは二日後と教えられた。
 他の弟子達に至っては、レイアードに憑いた呪いが発した魔力か、ローブ姿の男が発した魔力かは不明だが、良からぬ力に当てられた為、眠りから覚めないと教えられた。魔力と気功の波長が大幅に狂い、戻るまでに時間が掛かるとされた。
「レイアードさん、どうして封印を?」
 医者も弟子も、返答は分からない、であった。ウォルガは事態の端的な内容しか話してくれなかったそうだ。
 ついでとばかりに火柱の事が気になり訊いた。
「これもよくは分かってませんが、山岳遺跡で焼死体が多数発見されたそうです。私は火柱を見ていないので分かりませんが、途轍もない火柱に対し、死体は全て黒焦げだけど辛うじて人の形が残っていたため、術によるものだと話は伺ってます。しかし、誰が何の目的で大勢の人を焼いたか、焼かれた人達は誰か、なぜ人の形を保った死体を残したのかなど、謎が多い事件として調査中だそうで。後日師範も調べに回ると聞いてます」

 おそらくバッシュが言ったのはこのことだと、証拠はないがサラは確信していた。
 時渡りで見た惨劇を阻止したい。
 レイアードを救いたい。
 力をつけなければならない。
 やりたいこと、やらなければならない事だけが増えていくが、何をすればいいか分からず焦燥だけが募る。
「あの、ウォルガさんが戻って」
 話の途中、弟子と医者を呼ぶ者が部屋へ入ってきた。
 気を失った弟子達の容態が急変したと報せを受け、話は中断された。
「私も何か手伝わせてください」
 ガーディアンを使うことに気が引けた医者と弟子であったが、サラの熱意に気圧され、要望を受けることにした。
 三人は弟子達が眠る大部屋へと向かった。



 大部屋へ入るや、眠っていた弟子達が呻き、汗をかいて寝苦しそうに悶えている。さらに異様なのは容態よりも魔力と気功の揺らぎ。それはもう、揺らぎと言うより、色違いの二色の液体が混ざろうとうねっているようである。
「まずい。一体何が……」
 驚くも、使用人や無事な弟子達と協力して医者は治癒術に専念する。
 治癒術の基本概念は、魔力と気功の力を操作して身体の回復に専念させる、自己治癒力の短時間向上である。そのため魔力と気功が乱れた際、治癒術が効果的な回復ではある。しかし、この異変はなかなか元に戻らない。
「先生、変動が異常なまでに早すぎます!」
 医者は手を考え悩み続ける。
(どうしよ、カレリナ)
 戸惑うサラへカレリナは「出来る事を気休めでもするしかないわ」と返す。
 サラに大した治癒術は使えない。前世のアニメや漫画で馴染み深い魔法を、見様見真似でやるしかないが、大精霊の言葉が思い出されて躊躇してしまう。
 術の本質がまるで分からない。感覚でも想像が至らない。
 何も出来ない、何も分からない。それでも身体は苦しむ弟子の傍へと向かう。
「ごめんなさい。私、この程度しか出来ないんです」
 先に小声で謝罪し、手を握り、周りの人達が行っている治癒術の真似事に魔力を注ぐ。

『術師相手に戦うなら、近接戦に持ち込んで魔力を乱せば良いだけさ。触れて、感じて、ちょいっと魔力注ぐ。これだけ。簡単だろ? だから同様の方法で治癒も簡単。後は慣れと波長の加減しだい。既存の治癒術より、感じて自分なりにゆるぅ~い魔力で合わせる方が楽々らっくらくよ。サラちゃんは感知力高いからやれるでしょ』

 モーシュの訓練を思い出す。
 本当にこの状況で不慣れな事をするべきか迷うも、今はこれしか出来ない。
 サラの魔力は緩やかに弟子の手を伝い、腕、肩、上体へと流れ、やがて全身へ注がれる。魔力量はかなり少ない。本来使用する治癒術よりも。ただ、それでもサラには事態を把握出来る。かなり気功と魔力が乱れている。荒々しい暴風の中にいるようだ。
 サラの魔力はその荒い二つの力を感じとり、少しずつ、乱れに乱れた双方の力へ溶け込むように干渉する。目を閉じて念じ、治癒に集中するサラは、自らが事態を沈静させていることに気づかない。

「先生! あれを!」
 弟子の一人が医者を呼ぶ。
「……これは……。ガーディアンの特性か?」
「ですが魔力の質は我々とさほど変わりません。ただ、あまりにも少ない……どうして沈静を」
 鎮めている原因がまるで分からない。ただ、解決の糸口はサラにしかないと医者は悟った。
 サラが治癒に当たっている弟子の容態が治癒許容範囲にまで落ち着くと、別の者がサラに変わり治癒術を行った。
「サラさん、どのように沈静化を?」
 医者は必死に理由を求める。
「分かりません。ただモーシュさん、いえ、少しだけ指導して頂いた御方の方法を。魔力を感じて少しの力で安定させると」
「……もしや、レイデルの元賢師様か?」

 医者が呟く肩書きにサラは聞き間違えかと思い確認しようとするも訊けなかった。それは、解決の糸口になる方法を察した医者が、五名の弟子と使用人を集めて対策を進めたからである。
「今から陣を敷き、こちらの魔力の波長を彼らに合わせる」
「ちょっと待ってください先生。この大人数を我々だけで!?」
「皆には陣敷きを行って貰い」サラの方を向く。「サラさんには先ほどの方法を実戦して頂きたい」
 耳を疑った。
 初めての治癒。偶然成功したとも思われる方法を、今度は大人数を一斉に。
「待ってください! そんなこと……」
 自信が無いのは表情からでも見て取れる。
「今やらなければ皆死にます。それに、死ねば荒れた力が自然増幅し、この場にいる健常者にも毒となります。これは蔓延が恐ろしい毒の湖。逃げればこの国が危機に瀕する可能性を秘めております」
 医者の目も、弟子や使用人達の目も真剣。
「無理でもやって頂きます」
 気圧されたと言われればそうかもしれない。しかし、皆の助けたい思いに触発されたと言われればそれも正解だ。
 サラは覚悟を決め、頷いた。

 一同、サラを中心にして距離を置いて円陣を組み、陣敷きを行った。
「人数が増えても感じ方は先ほどと同じです。陣敷きを行う者達の魔力が感知の補助、そして魔力供給も自然と扱えます。お願いします」
 深呼吸し、その場に座って床に手をついて目を閉じ、苦しむ弟子達の魔力を感じ取った。
(……分かる。……さっきと同じ、皆の乱れが)
 陣敷きの魔力、患者の魔力、そして部屋に溜まる悪性の混じる魔力。全てを感じ、先ほど同様に少ない魔力を馴染ませていく。
(こんなに……)
(……少ない。けど……)
(鎮める小さな波長……)
 陣敷きを行う者達はサラの調整を感じ取る。既存の治癒術ではない、中和の御業。自分たちも出来るかも知れないと逸る気持ちはある。しかし今はそんな事をする局面では無い。
 一同、陣敷きとサラの補助に専念した。

 十五分後、先に集中が途切れたのはサラであった。まるで風船が弾けるように陣敷きに馴染ませていた魔力が弾け、治癒が解けてしまった。
「――あ!? ごめんなさい! もう一回」
 再び集中しようとするも、医者が呼び止める。
「いえ、ここまで行けば十分です」
 陣敷きを行った者達は事態を理解し、再び治癒に徹する。中和により治癒がやりやすくなり、一人で複数人を相手取れた。

 各々が出来る事に専念し、昼過ぎまでに弟子達は事なきを得た。
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