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庭園にて

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「暗紅の白銀狼」
俺の事を疎み、嫌う奴らはそう呼んでいた。
きっと、まだ成人したばかりの俺が公爵位を継いだことが気に入らないのだろう。そんなことを言われても先代当主はのだから仕方がないだろう。実際、公言されていないだけで俺が爵位を継いだのは数年前の話だ。
だが俺は有象無象の虚言や侮蔑の言葉、他人からの評価も全てがどうでもよかった。
しかし貴族社会とは不便なもので、噂話や周囲の評価によって仕事に支障をきたす場合もあるのだ。
俺は周りからどんな目で見られようが構わなかったが、俺の主である王はそれを良しとはしなかった。

成人していながら婚約者がいない俺は俺自身に問題があるのではないかと面白おかしく吹聴されていた。上位の貴族の粗探し程下級貴族にとって面白いものはなく、俺は格好の的だった。しかし実際俺には問題があるのだろう。
周囲が勝手につけた2つ名で俺に近づこうとする人間はほぼ居なかったが、それでも度胸があるのか阿呆なのか、極小数の女が俺の元へと擦り寄ってきた。勿論全く相手にしなかったが。
俺は王専属の暗殺公爵なんて噂されているが、実際それは事実であった。生まれた時から王の刃となるべく育てられた俺は、麻薬の密売人や不正を働いている貴族等を王命の下処理していたのだ。




「ナールイス侯爵家には2人の姉妹がいましたね。そちらなんてどうでしょう。」

世間体のために妻を持てと王に言われてから数日後、俺と共に執務室で婚約者候補を上げていた筆頭執事、シーザーはそう言って書類を見せてきた。彼は俺の2つ上で、先代当主である父に仕えていた執事の子供だ。

「『博愛の百合姫』と『天真の蕾姫』…。」

前者はともかく、後者はとんだ皮肉めいた二つ名である。淑女という花にしては不完全なお転婆娘ということだろうか?
侯爵家の令嬢と婚約したとなれば、王も納得し周囲の人間も戯言を抜かすことは出来まい。俺は侯爵という爵位に惹かれ、あえてどちらの娘の名前も出さずに婚約して欲しいとの旨の手紙を書いた。勿論この無礼に対するそれ相応の持参金を渡すとの約束も。
是非にという侯爵の返事は2日後には来ており、3日後にはどちらの娘を娶るのか自分の目で確かめることとなった。現侯爵はあまり欲がないことで有名だったが、どうやら最近はそうでも無いらしい。

自分が今でも愛なんて情熱的なものを持っているとは思っていない。そんなものはとうの昔に消えてしまった。俺のやることに口を出されなければ誰だってよかった。俺に愛も何も、見返りも求めない女……今まで出会ったこともないが、そんな女が理想であった。



◇◆◇


まさに2つ名通りの姉妹だな…と思った。
地味な容姿だが積極的にアピールをしてくる妹と、全く感情の読めない穏やかな笑顔を浮かべた容姿端麗な姉は一目瞭然だった。
姉の方は自分の自己紹介をとばされても気にもとめず、微笑ましそうに俺たちの話を聞いていた。まるでそれが当たり前であるかのように。

──嗚呼そうか。こいつも諦めているのか。

侯爵達が驚いて焦った表情をしているのを気にもとめず、まず公爵である俺に申し訳なさそうに眉を下げて謝罪をし、自己紹介をする女。何度も使い回しているかのように洗練された表情と言葉を口に出す彼女は、まるで用意されたセリフを口にするだけの人形のようだった。一見完璧な謝罪をされているかのようだったが、その言葉に感情が籠っていないのはすぐにわかる。

フィオラと名乗った女に、少しだけ興味が湧いた。しかしどうやら俺の婚約者となるのはお転婆な妹の方だったらしい。明らかに俺の理想とはかけ離れた女だ。まだ姉のフィオラの方が良いだろうに。
婚約の話をしつつ、たまにフィオラの方を見ると彼女は俺を気にもとめずに目の前のクッキーを食べていた。先程から浮かべている穏やかな笑顔よりも綻んだ、優しい笑顔を浮かべて。


望ましい婚約者を見極めるため、シーザーにやや強引に侯爵家で半日過ごすように言われたのだが…。

「よろしければ、我が家の庭をご案内致します。」

そう言って阿婆擦…妹は、こともあろうか俺の腕を取ってきた。全身が粟立つ程の不快感が思わず顔に出てしまうが、俺は何とかして感情を押し殺して表情を戻す。
もし手元に剣があれば、この女の腕を切り落としていたかもしれない。仕事柄敵の多い俺は、他人から距離を詰められる事を極端に嫌っている。それなのに触れてくるとなれば、仮にも自分の婚約者でなければ間違いなく手を出していただろう。

「アリス。」

そこへ丁度姉のフィオラが声をかけてきて、妹の手を取って俺の傍から離れた。耳打ちしているようだが、神経を研ぎ澄ませば容易に内容は聞き取れた。
命の危険に晒される機会が多かったせいか、五感は人並み以上に優れている。

「ごめんなさいレイバン様。さぁ、いきましょう!」

フィオラは妹に、俺に無闇やたらに触らぬように優しく諭していた。もしかしから先程の表情が見られたのか。はたまた殺気が漏れていまっていたのだろうか。どちらにしても気が利く利口な女だ。

目の前で子供のように無邪気に笑う妹とは大違い。俺は促されるがまま庭園へと向かった。俺は名で呼ぶことを許可していないのだが…婚約者ならば当然なのだろうか。しかし俺はこの妹の名前を知らない。

「見てください!とても綺麗じゃありませんか!?」

なんて茶番なのだろう。
目の前に咲き誇る大量の花を見て舞い上がる妹とは違い、俺の腹の底はどんどん冷めていっていた。
並の感性があれば、恐らくとても美しい光景なのだろう。屈託のない笑顔を浮かべる婚約者に、色とりどりの花々。
しかし俺にはどちらも煩わしい以外の何物でもなかった。こんな女のご機嫌取りを最初からする気は無い。

「どうしました?レイバン様。」

不思議そうにこちらの顔を覗き込んでくる女の瞳に、思わず不快感が増す。まるで社会の汚い物を知らないかのような瞳は、真っ直ぐに愛のこもった眼差しで俺の事を見つめていたからだ。今まで出会ってきた女達と同じ、自分が望めばどんなものでも手に入るだろうと理解している瞳。
とてもじゃないが俺はこんな女と婚約するのは御免だった。婚約すればおそらく今日のような二人の時間を要求してくるだろうからだ。これならばまだ姉のフィオラの方が良い。

「俺は貴様を愛してはいないし、これから先愛することも無い。俺に何も期待するな。」

妹は一瞬、何を言われたのか理解出来ていない様子だった。しかし暫くすると、顔を赤く染め大きな瞳を潤ませ始める。

「…やはり。2つ名の通りの冷たい方なのですね。」

その言葉には隠すことの無い怒りが乗せられていた。俺は特に何も感じることはなく、目の前で静かに怒っている女をただ諦観する。

「そんな貴様も2つ名通りの出来損ないだな。」

「ッ!酷いですわ!」

俺の言葉が引き金となり、妹は大粒の涙を零しながら声を荒らげた。周囲に待機していたメイド達もただ事ではないと傍に駆け寄ってくる。妹は人が自分の元へ寄ってくると分かると更に声を上げて無様に泣き始めた。
俺は冷静にその様子を眺め、侯爵邸の応接間へと戻っていった。



「あの…なにかうちの娘が粗相をしましたでしょうか。」

応接間へと戻ると、慌てた様子で侯爵夫妻がやってきた。どうやら詳細な事情は聞いておらずとも、何があったのかは傍にいた従者に聞いたらしい。俺は何も答えずに、静かに湧き上がる怒りを沈めようと紅茶を啜った。

「恐らく婚約破棄されるだろうな。」

「え?」

俺が吐き捨てるように言った言葉に侯爵が青ざめた瞬間、応接間のドアがけたたましく開かれ、顔を醜く汚した妹が入ってきた。そしてテーブルを挟んで俺の前に立ちはだかると、仮にも公爵である俺に指を差して堂々と言い放った。

「あなたとは婚約破棄をする。」と。
その瞬間、応接間には緊張を張り詰めた静寂が訪れていた。身の程知らずな阿婆擦れは俺の放つ殺気に怖気付いて、恐る恐る指を収める。

「婚約破棄なさるのですか。アリス。」

静寂を打ち破ったのは、凛とした鈴の音のようなフィオラの声。しかしその声には明らかに諦めの色が含まれていた。



◇◆◇


「どうやら、そのようらしい。」

この状況で唯一、悠々とソファに腰掛ける公爵様にカーテシーをすると、私はアリスの元へと歩み寄った。

「お姉様ッ!」

アリスの顔は涙でぐちゃぐちゃで、愛らしいままではあるがとても人前に立てるものではなかった。私はアリスの背中をさすり、公爵様の向かいではなく斜め前の席に座らせる。もし公爵様の怒りをかうようなことをしたのであれば、目の前に座らせるのは公爵様にとって良くないだろうと考えたからだ。

「やっぱりッ、公爵様は噂通りの冷たい人なんですッ。私、こんな方と婚約したくなんてありませんわッ。」

嗚咽混じりの彼女の話を聞くと、どうやら彼に愛されることは無いと言われたらしい。だいたい予想通りの流れに思わず再び溜息をつきたくなるが、淑女としての矜恃がそれを抑え込む。まさかこんなに早く婚約破棄になるとは。

両親は一瞬固まっていたが、公爵様の放つ冷たい怒り具合からアリスにも非があると考え、婚約破棄は認めざるを得なかった。いや、公爵様の計らいによって最初から婚約はなかったこととされた。
アリスを宥め、私もアリスと共にその場から退席しようとすると父に呼び止められた。

「公爵様。無礼を承知でお願い致します。どうか、姉のフィオラと婚約して頂けないでしょうか。」

嗚呼、やはり。
両親は私を見ると気まずいからか、私には目もくれずに目の前に座る公爵様に深々とお辞儀をする。
しかし恋愛結婚を望んでいた両親がここまで粘るとなると、相当の額が公爵家から与えられる筈だ。
となると、アリスとの婚約がなくなってしまった今、アリスの代わりである私を公爵様に嫁がせようとしているのか。

──3の幸せな生活のためには相当な額が必要ですものね。

分かってはいたが、私は最初からの中には含まれていないのだ。3人の幸せな生活のために、私は売られるのだと。私が今までやってきたことは、彼等にとってはどうでも良いことだったのだ。
今まで押し殺していたものがそのまま口から溢れそうになったため、私は急いで手を当てて俯いた。これらの感情の名前はわからないが、恐らくとても醜いものだ。
勿論目の前にいる公爵様にしか意識がない両親はその事に気づかない。

私は大丈夫。
何とかして吐き気を抑え込み、私はなるべくいつも通りの笑顔を浮かべて公爵様を見つめた。

「どうか私からも、よろしくお願い致します。」

そう言って深々とお辞儀をすれば、公爵様に醜態を晒さなくて済む。
長い沈黙の後、一番最初に口を開いたのは公爵様だった。

「…わかった。姉で手を打とう。しかし俺はあの女に不愉快な気分にされた。持参金は3割減らして貰おう。そして金輪際侯爵との金のやり取りはしない。」

「ッありがとうございます!」

やはり相当な額の持参金をもらう予定だったようだ。3割減でも父が喜んでいる辺り、数ヶ月から1年は落ち着いた暮らしが出来るのであろう。
私は笑顔を貼り付けたまま、お礼の言葉と共にもう一度頭を下げた。わかっていたことなのに、今更婚約した公爵様の顔は見れないでいた。いや、公爵様の機嫌を伺うことすら諦めていた。
今までの私の努力が全て無駄であったように、両親は何の執着もなく私のことを嫁がせた。

「貴様は今日から我が家にて過ごしてもらう。必要最低限の荷物を持てば、あとはこちらで用意するから必要ない。」

「かしこまりました。」

今まで隠してきた疲労感と倦怠感がどっと押し寄せてくる。私の主人になるのは公爵様なのだから、すぐに気持ちを切り替えなければならないのに。
こちらを見る公爵様の瞳にはなんの感情も写っておらず、ただ私の住まう屋敷の主人が変わっただけなのだと理解するには十分だった。
私は荷物をまとめる為に自室へと戻った。両親が私の名を呼んだ気がしたが、今更相手をする必要も気力もなかった。




「お姉様!レイバン様と婚約なさるのは本当ですか!?」

必要最低限の荷物をまとめていると、ノックもなしに目元の腫れたアリスが入ってきた。彼女は焦った様子で、「どうしてお姉様があのような冷たい方に!」と声を荒らげている。私は精一杯姉を装って彼女を宥めると、傍にある1人用のソファに座らせた。

「仕方ないわ。私が公爵様と婚約すれば、この家には沢山のお金が入ってくるのだから。」

「だからって、お姉様は愛を捨ててあのような冷酷な人と婚約するのですか!?」

愛など、最初から抱いたことも抱かれたことも無い。彼女はきっと、私が両親から愛されていなかったと言っても信じないだろう。だって親子の間には必ず愛があると信じているのだから。

「これはお父様とお母様が決めたことよ。私には逆らうことなんてできない。それにこれはあなた達のためでもあるのだから。」

私はそう言って俯いてしまったアリスの頭を撫でようと手を伸ばすが、その手はアリスによって払われてしまった。こんなことは初めてだが、私の感情は恐ろしい程に動かなかった。

「お金のために愛を捨てて自らを売りに出すなんて!お金では買えない幸せもあるのですよ!」

「そうね。けれど少なくとも私たち貴族にはある程度のお金がなければ幸せにはなれないわ。」

私はいつもの穏やかな笑顔でアリスを見つめた。
アリスは悔しそうな、悲しそうな顔をしてその場に立ち上がった。

「お姉様には失望しました!」

そう言い残すと、アリスは部屋を出ていった。部屋に残された私は、困った顔をするメイド達に苦笑する。

「これは私が決めた婚約ではないのだけれど…。あなた達は私がおかしい思う?」

メイド達は主である私に悲しそうな瞳を向けると、「いいえ。」とキッパリと言いきった。そして、私が居なくなると悲しいとの言葉も口にしてくれた。
従者達にだけでもそんなことを言って貰えて、私は幸せ者だわ。たとえ従者達の本音が、今までのように給料を正確に管理する私がいなくなることへの悲しみだったとしても。






「フィオラ…。くれぐれも粗相のないようにね。公爵様を困らせては行けないよ。」

「フフ、分かっておりますわ。お父様。」

私は玄関まで見送りに来た両親に笑顔を向け、恭しくカーテシーをする。案の定アリスは来ていない。
しかしもう私には関係の無いことだ。

「フィオラ…本当にすまない。」

「…公爵様が待っておられますので、もう行きますわ。お仕事の引き継ぎもお願い致します。お父様もお母様も、お体にはお気をつけくださいませ。」

私は悲しげな表情を向ける両親に背を向けると、公爵様が乗っていた黒い馬車の中へと足を踏み入れた。
本来ならば、その顔は私がするはずなのだ。娘を売りに出した親が、娘に向けていい顔ではない。

馬車の中に入ると、私は直ぐに小窓に着いていたカーテンを閉めた。きっと公爵様は敵が多いお方だ。無闇に顔を見られるのは困るだろう。

「不束者ですが、これからよろしくお願い致します。」

侯爵家の馬車よりもふかふかの椅子に座り、そう深々と挨拶をする私を迎えたのは静寂のみだった。
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