38 / 38
第35話 ――――はえがおになる
しおりを挟む
世界が、揺らぐ。
視界が歪み、体が傾いで、感覚が曖昧なものへと変質する。
何が正しくて、何が間違っているかすら判別がつきそうにもなかった。
「それは……え? ……どういう、意味です、か……」
夜見坂凪が存在しない。
はっきりと、明確に断言した。
間違いなどないと確信をもって暮井刑事は判断した。
夜見坂凪という転校生は初めから存在しなかった、と。
「言葉通りの意味だよ。君のクラス名簿、隣のクラスから違う学年、果ては違う学校まで調べたし、あだ名の可能性を考えて学生や先生方に聞き込みまでして確かめた。その上での結論だよ」
――夜見坂凪という人間は存在しない。
「わ、私は確かに会いました! 『あはっ』っていう悪寒のする笑い方だって覚えてますし、居るだけで吐きそうになる陰湿な気配なんて今も感じてます!! それが……それが嘘なんてある、はず……」
世界がおかしいはずで、自分がおかしいわけじゃない。
間違っているのは夜見坂凪を見つけられなかった、暮井刑事だ。
そう言い切りたかった。
でも……。
「ごらん。これが君のクラス名簿だ」
スマホに表示されたクラス名簿を差し出される。
「よ、夜見坂くんは転校生だから、一番下に……」
クラスメイト達の名前を指でなぞっていき、一番下にまで到達する。
そこには、湯川大陽の名前がしっかりと記載されていた。
――夜見坂凪という人間が、まるで始めから存在すらしていなかったように、空欄すら存在していない。
湯川大陽の名前を最後に、黒く、太い線ではっきりと区切られ、その下は名簿のふちしか写っていなかった。
「もし、夜見坂凪という人物が居たとしても、五十音順に並んでいるから湯川大陽より下に来るはずだ」
「…………っ」
「名前が無いないだろう」
否定したい、けれど確かに暮井刑事の方が正しいことを言っているのだと本能が囁く。
あの時……教室で湯川大陽が激高した時、ハッキリと言っていた。
34番の俺がいちばん最後になると。聴取をされることになると。
「居な……い? 夜見坂くんが?」
「そうだ。ほかにも君の話におかしい所はいくつかある。総合すれば――」
――夜見坂凪は存在しない。白山菊理の作った幻だ。
「俺の調査では、そう結論を出すしかなかった」
「でも……でも……」
居るとしか思えない事がある。
こんな風にクラスメイト達が殺し合いをするほど壊れてしまうなんて、それこそ誰かの意思が関わっているとしか思えなかった。
その誰かは、殺人鬼の……はずだ。
「君は……クラスメイト達を恨んでいた、そうだね?」
「…………」
それは、先ほど言ったのだから否定できない。
するつもりもなかった。
けれど、
「だから彼らが死んだ時、自分が生き残ってしまった時、自分こそが手を染めた事件の犯人だと、そう思い込もうとしたんじゃないかな。――罪の意識から逃れるために」
無意識のうちに、下唇を噛んで自分で自分の言葉を封じてしまう。
「それ……は……」
そんなはずはない。
恨んでいたから、間違いなくこの手で殺した。
否定する言葉が胸の内に浮かんでも、しかしそれらが形を得ることはなかった。
「事件に巻き込まれたのにもかかわらず、生き残ってしまった人は罪の意識を覚えることが多いそうだ」
「わたしが……私がそうだとでも言うんですか」
「分からない。でも――」
「なら――」
言葉がふたつ重なって……でも絶対に勝ち目のないひとつの名前を出されて、どうしようもなかった。
心臓を鷲掴みにされたような後悔が、苦痛が、襲って来た。
「君は罰して欲しいんだろう。海星君を目の前で死なせてしまったから」
暮井刑事の顔も、苦渋に満ちている。
あの会話の弾み方からしても、ふたりが気をおかないで良い仲であったことは間違いない。
そんな相手を殺されたのだから、きっと昨日今日出会った人間よりも悲しみは深いだろう。
それでも暮井刑事は冷静さを保っている。
懸命に、真実だけを辿ろうとして、その上で白山菊理を助けようとしている。
「君が彼女の命を負う必要はない。いや、背負ってくれるのならむしろ救われなくちゃ駄目だ」
「す、く……?」
なんて愚かな人だろう。
なんて真っ直ぐな人だろう。
愚直で、誠実で……。
「白山さんっ」
「違いますっ! 私が殺したんです、私がっ!!」
「それでも君に罪はないっ!!」
暮井刑事は大声で何もかもを否定する。
ただ、それは今まで接して来たいじめとは違う否定だ。
誰かを傷つけるためではなく、自己保身の為でもない、他者を守るための否定だった。
「犯人が私だったとしてもですかっ!」
「もし君が本当はやっていたとしても、君は周囲の認識を違たがえてしまうほどの傷を負っている。だから君に必要なのは罪を償う事じゃない。先に、君の心を治すべきなんだ」
そして……と続ける暮井刑事は、血を吐く様な顔をしている。
心神喪失により無罪。
警官にとって、ある意味屈辱とも言える理不尽な結末。
それを、警官である暮井刑事自身が口にするのはどれほどの苦痛を伴うのだろう。
そこまでしていじめられていた一人の少女を救いたい。
彼は……いや、彼の部下である海星さんのためにも己の教示すらまげて、白山菊理という存在を守りたいのだ。
「そこまでになってしまっているとしたら、一番に罰されるべきは復讐鬼という怪物を生んでしまったシステムである学校。それからいじめという行為であるべきだ」
「――――っ!!」
「今ここに在る君は、白山菊理という世界から排斥され続けた娘こは、もういい加減に救済されるべきなんだよ」
眼球が真っ赤に焼けた鉄に変わったのかと勘違いするほどの熱をもつ。
必死に空気を取り込もうとしても、肺が呼吸を忘れてしまったかのように痙攣し、ひっひっという音が漏れ出ている。
枷を外された涙は、顔面と手のひらを濡らし尽くしたところでまだ暴れ足りないらしかった。
「あ……」
ここまで生せいを望まれているのに、体がまったく受け付けない。
魂が命を拒絶する。
だって、こんな風に他人から生きろと言われたことなんてなかったから。
「わた、わたし……が……」
「悪いのは、君じゃない」
「は……あっ……えぐっ」
「君を悪にはさせない」
そっと、肩に手が添えられる。
包み込むように優しく添えられた暮井刑事の手のひらは、大きくて温かくて、優しかった。
「幸いここは病院だ。今は安心して休みなさい」
「…………んくっ」
まだ感情は高ぶっていたが、なんとかして心配させまいと笑顔を作ってみせる。
「お、女の子に気安く触ったら、海星みほしさんに怒られちゃうかも、です……ね」
「――っ! ……ああ」
優しい女性警察官から小言を食らう機会は永遠に失われてしまったと暮井刑事も分かっている。
けれど彼はとびっきりの笑顔を浮かべて、同意してくれた。
「彼女への通報を思いとどまってくれると、俺は職を失わないですむよ」
「……はい、わかりましたっ」
「そのまま……いや、困ったことがあったら遠慮なくコールを押してくれ」
「はい」
最後まで態度を崩さなかった暮井刑事は、しっかりとした足取りで病室を出て行ったのだった。
「…………」
白い部屋に、また静寂が戻る。
でも、先ほどまでの様な不安はない。
ここに居てもいいと、肯定されたから。
悪ではないと証明されたから。
――嬉しい。
――嬉しい。
自然と頬が緩んでしまう。
だから――
「あはっ」
声を出して、わらった。
視界が歪み、体が傾いで、感覚が曖昧なものへと変質する。
何が正しくて、何が間違っているかすら判別がつきそうにもなかった。
「それは……え? ……どういう、意味です、か……」
夜見坂凪が存在しない。
はっきりと、明確に断言した。
間違いなどないと確信をもって暮井刑事は判断した。
夜見坂凪という転校生は初めから存在しなかった、と。
「言葉通りの意味だよ。君のクラス名簿、隣のクラスから違う学年、果ては違う学校まで調べたし、あだ名の可能性を考えて学生や先生方に聞き込みまでして確かめた。その上での結論だよ」
――夜見坂凪という人間は存在しない。
「わ、私は確かに会いました! 『あはっ』っていう悪寒のする笑い方だって覚えてますし、居るだけで吐きそうになる陰湿な気配なんて今も感じてます!! それが……それが嘘なんてある、はず……」
世界がおかしいはずで、自分がおかしいわけじゃない。
間違っているのは夜見坂凪を見つけられなかった、暮井刑事だ。
そう言い切りたかった。
でも……。
「ごらん。これが君のクラス名簿だ」
スマホに表示されたクラス名簿を差し出される。
「よ、夜見坂くんは転校生だから、一番下に……」
クラスメイト達の名前を指でなぞっていき、一番下にまで到達する。
そこには、湯川大陽の名前がしっかりと記載されていた。
――夜見坂凪という人間が、まるで始めから存在すらしていなかったように、空欄すら存在していない。
湯川大陽の名前を最後に、黒く、太い線ではっきりと区切られ、その下は名簿のふちしか写っていなかった。
「もし、夜見坂凪という人物が居たとしても、五十音順に並んでいるから湯川大陽より下に来るはずだ」
「…………っ」
「名前が無いないだろう」
否定したい、けれど確かに暮井刑事の方が正しいことを言っているのだと本能が囁く。
あの時……教室で湯川大陽が激高した時、ハッキリと言っていた。
34番の俺がいちばん最後になると。聴取をされることになると。
「居な……い? 夜見坂くんが?」
「そうだ。ほかにも君の話におかしい所はいくつかある。総合すれば――」
――夜見坂凪は存在しない。白山菊理の作った幻だ。
「俺の調査では、そう結論を出すしかなかった」
「でも……でも……」
居るとしか思えない事がある。
こんな風にクラスメイト達が殺し合いをするほど壊れてしまうなんて、それこそ誰かの意思が関わっているとしか思えなかった。
その誰かは、殺人鬼の……はずだ。
「君は……クラスメイト達を恨んでいた、そうだね?」
「…………」
それは、先ほど言ったのだから否定できない。
するつもりもなかった。
けれど、
「だから彼らが死んだ時、自分が生き残ってしまった時、自分こそが手を染めた事件の犯人だと、そう思い込もうとしたんじゃないかな。――罪の意識から逃れるために」
無意識のうちに、下唇を噛んで自分で自分の言葉を封じてしまう。
「それ……は……」
そんなはずはない。
恨んでいたから、間違いなくこの手で殺した。
否定する言葉が胸の内に浮かんでも、しかしそれらが形を得ることはなかった。
「事件に巻き込まれたのにもかかわらず、生き残ってしまった人は罪の意識を覚えることが多いそうだ」
「わたしが……私がそうだとでも言うんですか」
「分からない。でも――」
「なら――」
言葉がふたつ重なって……でも絶対に勝ち目のないひとつの名前を出されて、どうしようもなかった。
心臓を鷲掴みにされたような後悔が、苦痛が、襲って来た。
「君は罰して欲しいんだろう。海星君を目の前で死なせてしまったから」
暮井刑事の顔も、苦渋に満ちている。
あの会話の弾み方からしても、ふたりが気をおかないで良い仲であったことは間違いない。
そんな相手を殺されたのだから、きっと昨日今日出会った人間よりも悲しみは深いだろう。
それでも暮井刑事は冷静さを保っている。
懸命に、真実だけを辿ろうとして、その上で白山菊理を助けようとしている。
「君が彼女の命を負う必要はない。いや、背負ってくれるのならむしろ救われなくちゃ駄目だ」
「す、く……?」
なんて愚かな人だろう。
なんて真っ直ぐな人だろう。
愚直で、誠実で……。
「白山さんっ」
「違いますっ! 私が殺したんです、私がっ!!」
「それでも君に罪はないっ!!」
暮井刑事は大声で何もかもを否定する。
ただ、それは今まで接して来たいじめとは違う否定だ。
誰かを傷つけるためではなく、自己保身の為でもない、他者を守るための否定だった。
「犯人が私だったとしてもですかっ!」
「もし君が本当はやっていたとしても、君は周囲の認識を違たがえてしまうほどの傷を負っている。だから君に必要なのは罪を償う事じゃない。先に、君の心を治すべきなんだ」
そして……と続ける暮井刑事は、血を吐く様な顔をしている。
心神喪失により無罪。
警官にとって、ある意味屈辱とも言える理不尽な結末。
それを、警官である暮井刑事自身が口にするのはどれほどの苦痛を伴うのだろう。
そこまでしていじめられていた一人の少女を救いたい。
彼は……いや、彼の部下である海星さんのためにも己の教示すらまげて、白山菊理という存在を守りたいのだ。
「そこまでになってしまっているとしたら、一番に罰されるべきは復讐鬼という怪物を生んでしまったシステムである学校。それからいじめという行為であるべきだ」
「――――っ!!」
「今ここに在る君は、白山菊理という世界から排斥され続けた娘こは、もういい加減に救済されるべきなんだよ」
眼球が真っ赤に焼けた鉄に変わったのかと勘違いするほどの熱をもつ。
必死に空気を取り込もうとしても、肺が呼吸を忘れてしまったかのように痙攣し、ひっひっという音が漏れ出ている。
枷を外された涙は、顔面と手のひらを濡らし尽くしたところでまだ暴れ足りないらしかった。
「あ……」
ここまで生せいを望まれているのに、体がまったく受け付けない。
魂が命を拒絶する。
だって、こんな風に他人から生きろと言われたことなんてなかったから。
「わた、わたし……が……」
「悪いのは、君じゃない」
「は……あっ……えぐっ」
「君を悪にはさせない」
そっと、肩に手が添えられる。
包み込むように優しく添えられた暮井刑事の手のひらは、大きくて温かくて、優しかった。
「幸いここは病院だ。今は安心して休みなさい」
「…………んくっ」
まだ感情は高ぶっていたが、なんとかして心配させまいと笑顔を作ってみせる。
「お、女の子に気安く触ったら、海星みほしさんに怒られちゃうかも、です……ね」
「――っ! ……ああ」
優しい女性警察官から小言を食らう機会は永遠に失われてしまったと暮井刑事も分かっている。
けれど彼はとびっきりの笑顔を浮かべて、同意してくれた。
「彼女への通報を思いとどまってくれると、俺は職を失わないですむよ」
「……はい、わかりましたっ」
「そのまま……いや、困ったことがあったら遠慮なくコールを押してくれ」
「はい」
最後まで態度を崩さなかった暮井刑事は、しっかりとした足取りで病室を出て行ったのだった。
「…………」
白い部屋に、また静寂が戻る。
でも、先ほどまでの様な不安はない。
ここに居てもいいと、肯定されたから。
悪ではないと証明されたから。
――嬉しい。
――嬉しい。
自然と頬が緩んでしまう。
だから――
「あはっ」
声を出して、わらった。
0
お気に入りに追加
32
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
The Last Night
泉 沙羅
ホラー
モントリオールの夜に生きる孤独な少女と、美しい吸血鬼の物語。
15歳の少女・サマンサは、家庭にも学校にも居場所を持てず、ただひとり孤独を抱えて生きていた。
そんな彼女が出会ったのは、金髪碧眼の美少年・ネル。
彼はどこか時代錯誤な振る舞いをしながらも、サマンサに優しく接し、二人は次第に心を通わせていく。
交換日記を交わしながら、ネルはサマンサの苦しみを知り、サマンサはネルの秘密に気づいていく。
しかし、ネルには決して覆せない宿命があった。
吸血鬼は、恋をすると、その者の血でしか生きられなくなる――。
この恋は、救いか、それとも破滅か。
美しくも切ない、吸血鬼と少女のラブストーリー。
※以前"Let Me In"として公開した作品を大幅リニューアルしたものです。
※「吸血鬼は恋をするとその者の血液でしか生きられなくなる」という設定はX(旧Twitter)アカウント、「創作のネタ提供(雑学多め)さん@sousakubott」からお借りしました。
※AI(chatgpt)アシストあり

どうしてもモテない俺に天使が降りてきた件について
塀流 通留
青春
ラブコメな青春に憧れる高校生――茂手太陽(もて たいよう)。
好きな女の子と過ごす楽しい青春を送るため、彼はひたすら努力を繰り返したのだが――モテなかった。
それはもうモテなかった。
何をどうやってもモテなかった。
呪われてるんじゃないかというくらいモテなかった。
そんな青春負け組説濃厚な彼の元に、ボクッ娘美少女天使が現れて――
モテない高校生とボクッ娘天使が送る青春ラブコメ……に見せかけた何か!?
最後の最後のどんでん返しであなたは知るだろう。
これはラブコメじゃない!――と
<追記>
本作品は私がデビュー前に書いた新人賞投稿策を改訂したものです。
[全221話完結済]彼女の怪異談は不思議な野花を咲かせる
野花マリオ
ホラー
ーー彼女が語る怪異談を聴いた者は咲かせたり聴かせる
登場する怪異談集
初ノ花怪異談
野花怪異談
野薔薇怪異談
鐘技怪異談
その他
架空上の石山県野花市に住む彼女は怪異談を語る事が趣味である。そんな彼女の語る怪異談は咲かせる。そしてもう1人の鐘技市に住む彼女の怪異談も聴かせる。
完結いたしました。
※この物語はフィクションです。実在する人物、企業、団体、名称などは一切関係ありません。
エブリスタにも公開してますがアルファポリス の方がボリュームあります。
表紙イラストは生成AI
シカガネ神社
家紋武範
ホラー
F大生の過去に起こったホラースポットでの行方不明事件。
それのたった一人の生き残りがその惨劇を百物語の百話目に語りだす。
その一夜の出来事。
恐怖の一夜の話を……。
※表紙の画像は 菁 犬兎さまに頂戴しました!
【完結】人の目嫌い/人嫌い
木月 くろい
ホラー
ひと気の無くなった放課後の学校で、三谷藤若菜(みやふじわかな)は声を掛けられる。若菜は驚いた。自分の名を呼ばれるなど、有り得ないことだったからだ。
◆2020年4月に小説家になろう様にて玄乃光名義で掲載したホラー短編『Scopophobia』を修正し、続きを書いたものになります。
◆やや残酷描写があります。
◆小説家になろう様に同名の作品を同時掲載しています。
不労の家
千年砂漠
ホラー
高校を卒業したばかりの隆志は母を急な病で亡くした数日後、訳も分からず母に連れられて夜逃げして以来八年間全く会わなかった父も亡くし、父の実家の世久家を継ぐことになった。
世久家はかなりの資産家で、古くから続く名家だったが、当主には絶対守らなければならない奇妙なしきたりがあった。
それは「一生働かないこと」。
世久の家には富をもたらす神が住んでおり、その神との約束で代々の世久家の当主は働かずに暮らしていた。
初めは戸惑っていた隆志も裕福に暮らせる楽しさを覚え、昔一年だけこの土地に住んでいたときの同級生と遊び回っていたが、やがて恐ろしい出来事が隆志の周りで起こり始める。
経済的に豊かであっても、心まで満たされるとは限らない。
望んでもいないのに生まれたときから背負わされた宿命に、流されるか。抗うか。
彼の最後の選択を見て欲しい。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
実は、すこし最後にネタバレをし過ぎるとなろうに感想が来まして、はっきりと描写しないエンドに書き換えました
出席番号以外にも、最初に取り調べを受けたのが主人公であるのに警察官が夜見坂に向けて取り調べのことは話さないようにと注意したり、女子トイレから出て来た夜見坂が違和感を持たれなかったりと、その姿が主人公とイコールである描写がいくつか作中に存在しております
では、主人公=夜見坂なのかというと、違う可能性も存在しますよね(ファイトクラブなど)
それが答えになっております