23 / 41
第22話 嵐の前にも風は吹く
しおりを挟む
今、司令官私室の前で立ち尽くしている私の手の中にはUSBメモリが存在する。
その中に入っているのは……シミュレーションのデータだ。
何万何十万というオームを突破し、その先に存在する基地型のオームを攻略するためのシミュレーション、その、成功例の。
無理だと思われていた設定を、由仁がやり遂げてしまったのだ。しかも一度だけではなく、二度三度と。
これでもう、作戦を引き伸ばす理由が無くなってしまった。
それは、あの子たちが使われてしまう、死んでしまう事を意味している。
死。――別れ。
もう二度とあの子たちに会えないという意味だ。
「違うわね。生体誘導機なのだから、壊れる……か」
そうして心をコントロールしなければ、間違いなく私の心が壊れてしまうだろう。
今この場に居ない私の一番大事な人、唯人の様に。
彼が居ないのは私が止めたからだ。
自分の手で、子ども達の未来を閉ざすような真似は出来ないだろうから。
私は一度心を落ち着けるために、深呼吸をしてから、
「司令、よろしいでしょうか?」
ドアを叩いた。
うむ、と重々しい声が返ってくる。
相変わらずの偉そうな態度だったが、実際に偉いのだから文句も言えない。
失礼しますと断って、士官の物よりも少し重い扉を押し開け、部屋の中へと入った。
部屋は、この呉地方隊最高権力者が寝起きするにしてはかなり手狭な部屋で、せいぜいビジネスホテルより少し広い程度である。
ただ、床に敷かれた絨毯や、備え付けの机や椅子を始めとした調度品は、今のご時世手に入れるのが不可能なくらい高級品だった。
長く白いまつ毛が特徴的な老齢の司令官は、そんな椅子に腰かけ、ティーカップを片手に私的な時間を楽しんでいる最中のようだ。
「司令、重要な事がございますので直接報告にあがりました」
「うむ」
重要な事は本当だが、それだけが理由ではない。
私がこんな事をしたのは唯人の為、そして……。
「あのシミュレーションをEE体の二人が行った結果、ゆ……へ号生体誘導機・1番が見事突破をいたしました」
「ほぉ……」
あのシミュレーションは、非常に難しく、水原二尉を始めとした人間のパイロットであってもクリアするのは困難だった。
「しかも、今では70%超える確率で突破できております」
「なるほど。つまりその生体誘導機を用いれば、かなりの高確率で作戦は成功するとそういうことだな?」
「そうです」
「よくやった。早速作戦を進めるとしよ――」
「ですが」
嬉々として立ち上がろうとした司令官を、私の言葉が縫い留める。
私の目的はここから。
通信機を使って連絡を入れるか、報告書一枚ですむのにわざわざ足を運んだのは、交渉がしたかったからだ。
「この優秀な生体誘導機をこの作戦で使い捨てるのはどうかと思われます」
そう言って私は持っていたUSBを司令官に見せる。
「1番から抽出した操縦パターンの記憶と行動アルゴリズムです。これを、通常の生体誘導機にインストールすることで、完璧とはいえませんがかなり近い挙動が出来る様になります」
「……つまり君はそのEE体を使用せずとっておき、バージョンアップした通常の生体誘導機を作戦に使用すべきと言いたいのかな」
司令官の瞳が一気に鋭いものへと変わる。
心の奥底まで見透かされるような眼光を前に、それでも私は抗い、言葉を続けていく。
「はい。今後も彼女たちは有用なデータを生み出すことが出来るでしょう。そしてそれはこれから先の作戦には必要不可欠なはずです」
大丈夫、これは本当の事だ。この言葉に嘘はない。
由仁や美弥が今後腕を磨くことで操縦技術の様な非陳述記憶を作り上げて行けば、これから先生み出される生体誘導機の性能は、劇的にあがるはずだ。
「……かなり近い挙動とは言うが、具体的にはどの程度の数字だね?」
「はい。……シミュレーションの成功率は約1割といったところです」
本当は5、6%程度でしかない。
ただ、全員にインストールして全員の動きが向上すれば、間違いなく成功率はあがるはずだ。
あのシミュレーションは、単騎で敵陣を突破という設定なのだから。
「1割と70%は随分と差があるように聞こえるが?」
「それでもバージョンアップした生体誘導機を20機も投入すれば、計算上は87.84%と、確実に70%を上回ります」
ちなみに6%でもギリギリで70%を上回る。
もっとも、確率で戦場が語れるはずもないが。
普通は一つの存在が戦場を決定づけることはない。
だが、戦略兵器は別だ。
一発当たるだけで勝敗を決めてしまう。
だから司令官は簡単に私の提案を受け入れてはくれないのだ。
当たるかもしれないものをたくさん撃つより、確実に当たる物を撃った方がよいのではないか。そう考えているのだろう。
「……デメリットは無いのかね?」
「デメリットと言えば、感情や自我に目覚めてしまう可能性が上がる事でしょうか」
「初期型ほどにか?」
生体誘導機は段々と進化してきている。
感情が無くなり、より進んで使われる事に疑問を持たなくなってきたのだ。
そうなるまでの生体誘導機、特に初期型は……ほとんど人間と変わる所がなく、幼くはあっても意志があり、感情があった。だから反抗もしたし、ときには逃亡だって試みたのだ。
そこまで行けば、軍として成り立たなくなってしまうだろう。
「いいえ。そこまでではないと思われますが……実際には試したのが3体ですのでまだ結論を出すのにはデータ不足です」
表面にこそ出なかったものの、脳波レベルでは大きく変わっていた。
今後どうなるかは未知数としか言いようがない。
「そうか……」
司令官は一瞬だけ考え……いや、きっと考えてなどいない。
結論は既に出ていたはずだ。だって……。
「では両方を使用する。作戦発動直前にアップデートするならば、デメリットもほどんどないだろう」
そう迷いなく言い切ったから。
「司令、お待ちください」
「これは決定だ。中村管理官」
「いえ、待てません。これは間違っています! あの子たちはこれからも成長を続け――」
「それが間違いなんだっ!!」
力でもって無理やり私の反論は切って落とされる。
「君は今あの子たち、と言ったな」
「――――っ」
失言だった。
つい感情が高ぶり、絶対口にしてはいけないことを、私が彼女たちに対して情を抱いている事を悟らせるような事を言ってしまった。
気を付けていたのに。そういくら悔やんでも、もう遅い。
これで決定は――。
「君は明らかに、あの生体誘導機へ肩入れをしている様だな」
「いえ」
――覆らない。
「例えるならば、ペットの様なものです。お気に入りのペンでも構いません。捨てるには惜しいというだけ……」
言い訳を連ねても、自分すら騙せず言葉が上滑りしていく。
当然、司令官には通用するはずがなかった。
「ならば何の問題も無いな。命令を受領したまえ」
「………………」
せめてもの抵抗として、私は出来る限り無言で立ち尽くした後、
「はい」
感情の乗らない声で、命令を受領したのだった。
その中に入っているのは……シミュレーションのデータだ。
何万何十万というオームを突破し、その先に存在する基地型のオームを攻略するためのシミュレーション、その、成功例の。
無理だと思われていた設定を、由仁がやり遂げてしまったのだ。しかも一度だけではなく、二度三度と。
これでもう、作戦を引き伸ばす理由が無くなってしまった。
それは、あの子たちが使われてしまう、死んでしまう事を意味している。
死。――別れ。
もう二度とあの子たちに会えないという意味だ。
「違うわね。生体誘導機なのだから、壊れる……か」
そうして心をコントロールしなければ、間違いなく私の心が壊れてしまうだろう。
今この場に居ない私の一番大事な人、唯人の様に。
彼が居ないのは私が止めたからだ。
自分の手で、子ども達の未来を閉ざすような真似は出来ないだろうから。
私は一度心を落ち着けるために、深呼吸をしてから、
「司令、よろしいでしょうか?」
ドアを叩いた。
うむ、と重々しい声が返ってくる。
相変わらずの偉そうな態度だったが、実際に偉いのだから文句も言えない。
失礼しますと断って、士官の物よりも少し重い扉を押し開け、部屋の中へと入った。
部屋は、この呉地方隊最高権力者が寝起きするにしてはかなり手狭な部屋で、せいぜいビジネスホテルより少し広い程度である。
ただ、床に敷かれた絨毯や、備え付けの机や椅子を始めとした調度品は、今のご時世手に入れるのが不可能なくらい高級品だった。
長く白いまつ毛が特徴的な老齢の司令官は、そんな椅子に腰かけ、ティーカップを片手に私的な時間を楽しんでいる最中のようだ。
「司令、重要な事がございますので直接報告にあがりました」
「うむ」
重要な事は本当だが、それだけが理由ではない。
私がこんな事をしたのは唯人の為、そして……。
「あのシミュレーションをEE体の二人が行った結果、ゆ……へ号生体誘導機・1番が見事突破をいたしました」
「ほぉ……」
あのシミュレーションは、非常に難しく、水原二尉を始めとした人間のパイロットであってもクリアするのは困難だった。
「しかも、今では70%超える確率で突破できております」
「なるほど。つまりその生体誘導機を用いれば、かなりの高確率で作戦は成功するとそういうことだな?」
「そうです」
「よくやった。早速作戦を進めるとしよ――」
「ですが」
嬉々として立ち上がろうとした司令官を、私の言葉が縫い留める。
私の目的はここから。
通信機を使って連絡を入れるか、報告書一枚ですむのにわざわざ足を運んだのは、交渉がしたかったからだ。
「この優秀な生体誘導機をこの作戦で使い捨てるのはどうかと思われます」
そう言って私は持っていたUSBを司令官に見せる。
「1番から抽出した操縦パターンの記憶と行動アルゴリズムです。これを、通常の生体誘導機にインストールすることで、完璧とはいえませんがかなり近い挙動が出来る様になります」
「……つまり君はそのEE体を使用せずとっておき、バージョンアップした通常の生体誘導機を作戦に使用すべきと言いたいのかな」
司令官の瞳が一気に鋭いものへと変わる。
心の奥底まで見透かされるような眼光を前に、それでも私は抗い、言葉を続けていく。
「はい。今後も彼女たちは有用なデータを生み出すことが出来るでしょう。そしてそれはこれから先の作戦には必要不可欠なはずです」
大丈夫、これは本当の事だ。この言葉に嘘はない。
由仁や美弥が今後腕を磨くことで操縦技術の様な非陳述記憶を作り上げて行けば、これから先生み出される生体誘導機の性能は、劇的にあがるはずだ。
「……かなり近い挙動とは言うが、具体的にはどの程度の数字だね?」
「はい。……シミュレーションの成功率は約1割といったところです」
本当は5、6%程度でしかない。
ただ、全員にインストールして全員の動きが向上すれば、間違いなく成功率はあがるはずだ。
あのシミュレーションは、単騎で敵陣を突破という設定なのだから。
「1割と70%は随分と差があるように聞こえるが?」
「それでもバージョンアップした生体誘導機を20機も投入すれば、計算上は87.84%と、確実に70%を上回ります」
ちなみに6%でもギリギリで70%を上回る。
もっとも、確率で戦場が語れるはずもないが。
普通は一つの存在が戦場を決定づけることはない。
だが、戦略兵器は別だ。
一発当たるだけで勝敗を決めてしまう。
だから司令官は簡単に私の提案を受け入れてはくれないのだ。
当たるかもしれないものをたくさん撃つより、確実に当たる物を撃った方がよいのではないか。そう考えているのだろう。
「……デメリットは無いのかね?」
「デメリットと言えば、感情や自我に目覚めてしまう可能性が上がる事でしょうか」
「初期型ほどにか?」
生体誘導機は段々と進化してきている。
感情が無くなり、より進んで使われる事に疑問を持たなくなってきたのだ。
そうなるまでの生体誘導機、特に初期型は……ほとんど人間と変わる所がなく、幼くはあっても意志があり、感情があった。だから反抗もしたし、ときには逃亡だって試みたのだ。
そこまで行けば、軍として成り立たなくなってしまうだろう。
「いいえ。そこまでではないと思われますが……実際には試したのが3体ですのでまだ結論を出すのにはデータ不足です」
表面にこそ出なかったものの、脳波レベルでは大きく変わっていた。
今後どうなるかは未知数としか言いようがない。
「そうか……」
司令官は一瞬だけ考え……いや、きっと考えてなどいない。
結論は既に出ていたはずだ。だって……。
「では両方を使用する。作戦発動直前にアップデートするならば、デメリットもほどんどないだろう」
そう迷いなく言い切ったから。
「司令、お待ちください」
「これは決定だ。中村管理官」
「いえ、待てません。これは間違っています! あの子たちはこれからも成長を続け――」
「それが間違いなんだっ!!」
力でもって無理やり私の反論は切って落とされる。
「君は今あの子たち、と言ったな」
「――――っ」
失言だった。
つい感情が高ぶり、絶対口にしてはいけないことを、私が彼女たちに対して情を抱いている事を悟らせるような事を言ってしまった。
気を付けていたのに。そういくら悔やんでも、もう遅い。
これで決定は――。
「君は明らかに、あの生体誘導機へ肩入れをしている様だな」
「いえ」
――覆らない。
「例えるならば、ペットの様なものです。お気に入りのペンでも構いません。捨てるには惜しいというだけ……」
言い訳を連ねても、自分すら騙せず言葉が上滑りしていく。
当然、司令官には通用するはずがなかった。
「ならば何の問題も無いな。命令を受領したまえ」
「………………」
せめてもの抵抗として、私は出来る限り無言で立ち尽くした後、
「はい」
感情の乗らない声で、命令を受領したのだった。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説

十年前の片思い。時を越えて、再び。
赤木さなぎ
SF
キミは二六歳のしがない小説書きだ。
いつか自分の書いた小説が日の目を浴びる事を夢見て、日々をアルバイトで食い繋ぎ、休日や空き時間は頭の中に広がる混沌とした世界を文字に起こし、紡いでいく事に没頭していた。
キミには淡く苦い失恋の思い出がある。
十年前、キミがまだ高校一年生だった頃。一目惚れした相手は、通い詰めていた図書室で出会った、三年の“高橋先輩”だ。
しかし、当時のキミは大したアプローチを掛けることも出来ず、関係の進展も無く、それは片思いの苦い記憶として残っている。
そして、キミはその片思いを十年経った今でも引きずっていた。
ある日の事だ。
いつもと同じ様にバイトを上がり、安アパートの自室へと帰ると、部屋の灯りが点いたままだった。
家を出る際に消灯し忘れたのだろうと思いつつも扉を開けると、そこには居るはずの無い、学生服に身を包む女の姿。
キミは、その女を知っている。
「ホームズ君、久しぶりね」
その声音は、記憶の中の高橋先輩と同じ物だった。
顔も、声も、その姿は十年前の高橋先輩と相違ない。しかし、その女の浮かべる表情だけは、どれもキミの知らない物だった。
――キミは夢を捨てて、名声を捨てて、富を捨てて、その輝かしい未来を捨てて、それでも、わたしを選んでくれるかしら?
ふたつの足跡
Anthony-Blue
SF
ある日起こった災いによって、本来の当たり前だった世界が当たり前ではなくなった。
今の『当たり前』の世界に、『当たり前』ではない自分を隠して生きている。
そんな自分を憂い、怯え、それでも逃げられない現実を受け止められるのか・・・。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
年下の地球人に脅されています
KUMANOMORI(くまのもり)
SF
鵲盧杞(かささぎ ろき)は中学生の息子を育てるシングルマザーの宇宙人だ。
盧杞は、息子の玄有(けんゆう)を普通の地球人として育てなければいけないと思っている。
ある日、盧杞は後輩の社員・谷牧奨馬から、見覚えのないセクハラを訴えられる。
セクハラの件を不問にするかわりに、「自分と付き合って欲しい」という谷牧だったが、盧杞は元夫以外の地球人に興味がない。
さらに、盧杞は旅立ちの時期が近づいていて・・・
シュール系宇宙人ノベル。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる