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7、訪れた現実

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メールといってもアドレスを打ち込むタイプのものではありません。

ピクシブには利用者同士だけがチャット形式でやり取りができる機能が備わっているのです。

これは、ピクシブアカウントを持っている人ならば誰でも利用できるもので、名前さえ知っていれば誰にでもメールを送ることが出来ました。

送り主は一度も話したことも、作品を見たことすらない、まったく関わり合いの無い人物です。

その人物――仮にEさんとします――のメールを開いて……思わず目を見張りました。

EさんはKさんの知人を名乗られていたのです。

私は自分のペンネーム(現在のものではありません)を件のサイトに書き込んでおりました。

なので、連絡を取ること自体は決して不可能ではありません。

問題はイタズラの類であるのか、それとも本物であるか、です。

そしてこれもまた、本物である可能性が高いものでした。

内部情報を知っており、なにより遺品にどんな品が含まれていたのかをご存じだったからです。

それから何度かEさんとやり取りを続け、いくつかのことを知ったのです。

私が遺品を届けた時点でKさんが既に亡くなっていたこと。

私が警察に連絡したことで死体の身元が分かり、親御さんの下に帰る時間が早くなったこと。

そのことをKさんの母親が感謝して居たこと。

などです。

遺品を駅のロッカーに入れたことに加えて、駅近くのお寺で葬儀があったことや身元が分かりにくかったことなどを総合すると、ぼんやりとKさんの死因が見えてくる様な気がいたします。

自殺をするというのは、死を目の前にした時はどれだけの恐怖なのでしょうか。

痛かったでしょうか。

苦しかったでしょうか。

分からないことだらけです。

私が何かを知るより以前に、全ては終わっていたのです。

結局、私は終始外野に居て、何も出来ませんでした。

いえ、自分が出来たはずの事でさえ、自ら捨ててしまったのです。

私は遺書に従うべきでした。

拾って欲しい。そして続きを!という願いを、もっと汲むべきでした。

私は本当に、愚かでした……。

ただ、まだバカはバカなりにやれることがあるはずだと、勘違いしていました。

ですからEさんに頼み込んだのです。

せめてデータだけでも渡してもらえないかと。
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