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第20話 壁の花
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ハープの優しい音色が幾重にも重なり、音のさざ波を作り出す。
その合間をフルートが泳ぎ、時折シンバルやティンパニが跳ね回る。
全ての音が集い、たったひとつの荘厳な音楽となって世界を満たしていく。
「ダンテ様はダンスもお上手なのですね」
アンジェリカとダンテ。
ふたりは互いの体を寄せ合い、ゆっくりと揺蕩いながらお互いの瞳だけを見つめ続ける。
ダンスホールには多くの人が二人と同じくダンスに興じているのだが、今の二人の視界は相手だけで占められており、他人が入る余地は一切ない。
「君のパートナーを譲りたくはなかったのでね」
ダンテの口調は少し砕けたものに移っている。
もしダンテ以外の男がこんな口を聞けば、アンジェリカの不興を買ってしまうだろう。
ダンテは、ダンテだけが許された特権を手に入れつつあった。
「ふふっ、5曲以上は流石にマナー違反でしてよ」
舞踏会、特に若者たちが集う場合は結婚相手を見定める場でもある。
生涯のパートナーを見つけるために、なるべく多くの人同士が顔を合わせる必要があるのだ。
しかしダンテはそれすら許さないとばかりにアンジェリカとのダンスを続けた。
「……アンジェリカ、私は君に秘密を明かすと約束しました。今日は何が知りたいですか?」
ひとしきりむつみ合ってから、ダンテはようやく本題を切り出した。
狙いはむろん、情報を引き出すこと。
アンジェリカ自身のことや家のことまで、とにかくどんな些細な事でも彼女を攻略するためのカギになりうるからだ。
「私が知りたい事……、そうですわね」
アンジェリカがどこかイタズラをしかける少女めいた笑みを浮かべ、上目遣いでダンテのことを見つめる。
「あなたはいったいどなたですの? ダンテ・エドモン・ブラウン様?」
そう言われた瞬間、ダンテは表情や態度の変化を全力で押さえ込んだ。
ダンテは未だ名前しかアンジェリカに伝えてはいない。
もちろん、ブラウン家がダンテを養子に取ることは皇帝へも伝えてあるため、調べようと思えば調べられる。
しかし、ダンテの名前を知ってから数日でブラウン家にまでたどり着けたのは、ブルームバーグ伯爵家の力あってのものだろう。
「ブラウン家には子どもが居ないはずでしたのに、貴方はいったいどこから現れましたの?」
「…………」
どうやらかなり子細に調べられているらしかったが、それでもダンテの事を邪険に扱わないのは、ダンテ自身に興味があるからだろう。
ダンテは、アンジェリカ自身に興味があると言い続けた過去の言動に助けられた形になる。
「……私には、3人の父が居ます」
慎重に言葉を選びながら述懐する。
こう問いかけられた場合を想定して答えは既に用意していたものの、それがアンジェリカを納得させられるとは限らない。
ほんの少しでも彼女を失望させるようなことがあれば今まで積み上げてきたもの全てが崩れ去ってしまう。
ダンテは出来る限り自然に、それでいて自信に満ち溢れた表情を浮かべる。
「一人は私に貴族の血をくれた父。もう一人は私を商品として育てた父。そしてブラウンの名をくれた父です」
「そうなのですか……」
貴族だからこそ血を残さねばならないため、妻以外の女性と子をなすことがある。
時にそれが行き過ぎてしまった場合、平民との間にも産まれてしまうことがあった。
ダンテはそれに当てはまらないのだが、盗賊に誘拐され、そのまま育てられたなどと言えるはずがない。
庶子ということにした方が納得してもらえるという判断だった。
「ああ、商品と言いましたが、私も二番目の父を利用してこの場に戻って来たのですから、共犯の方が正しいかもしれませんね」
貴族の血を半分ひいているとはいえ、半分は平民の血が混じっている。
そのままでは表舞台に立つどころか疎まれて殺されることすらある。
この舞踏会でアンジェリカと顔を合わせているだけでも十分に優秀な証左と言えるのに、ダンテはさらにその上を行っているのだ。
それだけの実力を持ち合わせていて自分は操り人形ではないと、ダンテは言外に主張したのだった。
「…………」
アンジェリカの表情は変わらない――ように見えて少し影が差しこんでいる。
ダンテの話を聞いて、同情の念を抱いているのかもしれなかった。
だからダンテはそれらを吹き飛ばすために、わざと快活な笑みを浮かべ、両手に力を籠める。
「アンジェリカ。私はこの生を受けたことに、とても感謝したいのですよ」
「どうしてですか?」
これは紛れもない事実である。
ダンテは自身の数奇な人生に、心から感謝していた。
なぜなら――。
「私は私の足で立ち、どこへでも自由に歩るいていくことができる」
それこそがダンテが最も好むもの。
ダンテ自身を形作っているもの。
「自由。それは何ものにも勝る幸いなのです」
「……そう、ですか……」
アンジェリカには自由などない。
ずっと父親の決めた箱庭から出ることも叶わず、結婚相手すら自分で決めらない。
ブルームバーグ家の財をもっとも効率的に増やすための手段として使われる。
アンジェリカもその事をよく分かっていて、だからこそ自分のできる範囲で精いっぱいの自由を謳歌しているのだろう。
それでベアトリーチェへのいじめが許されるわけではないが。
「……アンジェリカ」
ダンテはアンジェリカの頬に手を添え、うつむいていた彼女の顔を上向かせる。
アンジェリカの瞳にくすぶっているのは、憧憬と羨望。それからほんの少しの嫉妬であった。
「私が歩く時、その隣には貴女が居てほしいと思っています」
ふっと、小さな吐息がアンジェリカの口から洩れる。
ダンテのその言葉がどれほど難しいことか、きっと彼女とてよく分かっているはずだ。
地位、家格、財。どれを比べてもダンテとアンジェリカでは釣り合いが取れない。
貴族たちの結婚は愛ではなく、家の力を増すための手段なのだ。
しかし、それでもそれらに縛られないダンテの在り様に、アンジェリカは惹かれ、焦がれている様に見えた。
「……そ、それは……」
アンジェリカの赤い唇が、少しずつ言葉を紡ぎだしてゆく。
「私と……その……。ダ、ダンテ様からのプロポーズと受け取ってもよろしいのですか?」
ためらいがちに、恥じらいながら。
その態度は最初の頃とは大違いで、今のアンジェリカは誰が見ても恋する乙女であった。
「おや。私は初めからそう言っていますよ」
「それは……そうですけれど……」
今までの男たちは、みなブルームバーグ伯爵家という名前に恐れを抱き、あるいはへりくだり、ただうわべだけを取り繕ってアンジェリカを称賛していただけ。
アンジェリカに、ここまで情熱的に迫った男はダンテが初めてであった。
「感謝します、アンジェリカ」
「き、急になんですの?」
ダンテは顔に浮かべた表情を、真剣なものからとぼけたものに切り替え、人差し指を口の前で立てる。
「秘密は一度の出会いに一つまでですよ、アンジェリカ」
「――――っ」
アンジェリカは一瞬あっけにとられ、約束を思い出して納得したような顔になったかと思えば、唇を尖らせて不満そうな表情を作る。
彼女が何を想い、何を感じたのかはダンテに知る方法などない。
しかし、決して負の感情を抱いていないことだけは確かだった。
「それでは――」
音楽はまだ続いていたが、二人はとっくの昔に踊ることを止めている。
そもそもダンテの目的は踊ることではなく、アンジェリカの心を探ることなのだ。
もう十二分に確信を得たダンテは、アンジェリカから身を離した。
「今日もお別れの時間です」
「どうしてですの? これから晩餐がございますのに」
ダンスの後には豪華な食事が振る舞われ、それが終われば酒や甘い物と続く。
貴族にしか味わうことのできない贅沢三昧の時間が待っているのだが、今のダンテにはそれを享受することができない理由があった。
「実は……あなたに会うため忍び込んだので、長居をしてはテレジア候に迷惑をかけてしまいますからね」
まあ、とアンジェリカが避難がましい声を上げたのだが、その頬は緩んでいる。
自分の為だけに、という響きが気に入ったらしい。
「それに、愛らしいあなたの顔を、これ以上――」
衆目に晒したくはない。
そう続けようとして視線を男どもへ向け――ダンテは見つけてしまった。
流行を何周も遅れている様な古臭いドレスを着て、壁の花になっているベアトリーチェの姿を。
その合間をフルートが泳ぎ、時折シンバルやティンパニが跳ね回る。
全ての音が集い、たったひとつの荘厳な音楽となって世界を満たしていく。
「ダンテ様はダンスもお上手なのですね」
アンジェリカとダンテ。
ふたりは互いの体を寄せ合い、ゆっくりと揺蕩いながらお互いの瞳だけを見つめ続ける。
ダンスホールには多くの人が二人と同じくダンスに興じているのだが、今の二人の視界は相手だけで占められており、他人が入る余地は一切ない。
「君のパートナーを譲りたくはなかったのでね」
ダンテの口調は少し砕けたものに移っている。
もしダンテ以外の男がこんな口を聞けば、アンジェリカの不興を買ってしまうだろう。
ダンテは、ダンテだけが許された特権を手に入れつつあった。
「ふふっ、5曲以上は流石にマナー違反でしてよ」
舞踏会、特に若者たちが集う場合は結婚相手を見定める場でもある。
生涯のパートナーを見つけるために、なるべく多くの人同士が顔を合わせる必要があるのだ。
しかしダンテはそれすら許さないとばかりにアンジェリカとのダンスを続けた。
「……アンジェリカ、私は君に秘密を明かすと約束しました。今日は何が知りたいですか?」
ひとしきりむつみ合ってから、ダンテはようやく本題を切り出した。
狙いはむろん、情報を引き出すこと。
アンジェリカ自身のことや家のことまで、とにかくどんな些細な事でも彼女を攻略するためのカギになりうるからだ。
「私が知りたい事……、そうですわね」
アンジェリカがどこかイタズラをしかける少女めいた笑みを浮かべ、上目遣いでダンテのことを見つめる。
「あなたはいったいどなたですの? ダンテ・エドモン・ブラウン様?」
そう言われた瞬間、ダンテは表情や態度の変化を全力で押さえ込んだ。
ダンテは未だ名前しかアンジェリカに伝えてはいない。
もちろん、ブラウン家がダンテを養子に取ることは皇帝へも伝えてあるため、調べようと思えば調べられる。
しかし、ダンテの名前を知ってから数日でブラウン家にまでたどり着けたのは、ブルームバーグ伯爵家の力あってのものだろう。
「ブラウン家には子どもが居ないはずでしたのに、貴方はいったいどこから現れましたの?」
「…………」
どうやらかなり子細に調べられているらしかったが、それでもダンテの事を邪険に扱わないのは、ダンテ自身に興味があるからだろう。
ダンテは、アンジェリカ自身に興味があると言い続けた過去の言動に助けられた形になる。
「……私には、3人の父が居ます」
慎重に言葉を選びながら述懐する。
こう問いかけられた場合を想定して答えは既に用意していたものの、それがアンジェリカを納得させられるとは限らない。
ほんの少しでも彼女を失望させるようなことがあれば今まで積み上げてきたもの全てが崩れ去ってしまう。
ダンテは出来る限り自然に、それでいて自信に満ち溢れた表情を浮かべる。
「一人は私に貴族の血をくれた父。もう一人は私を商品として育てた父。そしてブラウンの名をくれた父です」
「そうなのですか……」
貴族だからこそ血を残さねばならないため、妻以外の女性と子をなすことがある。
時にそれが行き過ぎてしまった場合、平民との間にも産まれてしまうことがあった。
ダンテはそれに当てはまらないのだが、盗賊に誘拐され、そのまま育てられたなどと言えるはずがない。
庶子ということにした方が納得してもらえるという判断だった。
「ああ、商品と言いましたが、私も二番目の父を利用してこの場に戻って来たのですから、共犯の方が正しいかもしれませんね」
貴族の血を半分ひいているとはいえ、半分は平民の血が混じっている。
そのままでは表舞台に立つどころか疎まれて殺されることすらある。
この舞踏会でアンジェリカと顔を合わせているだけでも十分に優秀な証左と言えるのに、ダンテはさらにその上を行っているのだ。
それだけの実力を持ち合わせていて自分は操り人形ではないと、ダンテは言外に主張したのだった。
「…………」
アンジェリカの表情は変わらない――ように見えて少し影が差しこんでいる。
ダンテの話を聞いて、同情の念を抱いているのかもしれなかった。
だからダンテはそれらを吹き飛ばすために、わざと快活な笑みを浮かべ、両手に力を籠める。
「アンジェリカ。私はこの生を受けたことに、とても感謝したいのですよ」
「どうしてですか?」
これは紛れもない事実である。
ダンテは自身の数奇な人生に、心から感謝していた。
なぜなら――。
「私は私の足で立ち、どこへでも自由に歩るいていくことができる」
それこそがダンテが最も好むもの。
ダンテ自身を形作っているもの。
「自由。それは何ものにも勝る幸いなのです」
「……そう、ですか……」
アンジェリカには自由などない。
ずっと父親の決めた箱庭から出ることも叶わず、結婚相手すら自分で決めらない。
ブルームバーグ家の財をもっとも効率的に増やすための手段として使われる。
アンジェリカもその事をよく分かっていて、だからこそ自分のできる範囲で精いっぱいの自由を謳歌しているのだろう。
それでベアトリーチェへのいじめが許されるわけではないが。
「……アンジェリカ」
ダンテはアンジェリカの頬に手を添え、うつむいていた彼女の顔を上向かせる。
アンジェリカの瞳にくすぶっているのは、憧憬と羨望。それからほんの少しの嫉妬であった。
「私が歩く時、その隣には貴女が居てほしいと思っています」
ふっと、小さな吐息がアンジェリカの口から洩れる。
ダンテのその言葉がどれほど難しいことか、きっと彼女とてよく分かっているはずだ。
地位、家格、財。どれを比べてもダンテとアンジェリカでは釣り合いが取れない。
貴族たちの結婚は愛ではなく、家の力を増すための手段なのだ。
しかし、それでもそれらに縛られないダンテの在り様に、アンジェリカは惹かれ、焦がれている様に見えた。
「……そ、それは……」
アンジェリカの赤い唇が、少しずつ言葉を紡ぎだしてゆく。
「私と……その……。ダ、ダンテ様からのプロポーズと受け取ってもよろしいのですか?」
ためらいがちに、恥じらいながら。
その態度は最初の頃とは大違いで、今のアンジェリカは誰が見ても恋する乙女であった。
「おや。私は初めからそう言っていますよ」
「それは……そうですけれど……」
今までの男たちは、みなブルームバーグ伯爵家という名前に恐れを抱き、あるいはへりくだり、ただうわべだけを取り繕ってアンジェリカを称賛していただけ。
アンジェリカに、ここまで情熱的に迫った男はダンテが初めてであった。
「感謝します、アンジェリカ」
「き、急になんですの?」
ダンテは顔に浮かべた表情を、真剣なものからとぼけたものに切り替え、人差し指を口の前で立てる。
「秘密は一度の出会いに一つまでですよ、アンジェリカ」
「――――っ」
アンジェリカは一瞬あっけにとられ、約束を思い出して納得したような顔になったかと思えば、唇を尖らせて不満そうな表情を作る。
彼女が何を想い、何を感じたのかはダンテに知る方法などない。
しかし、決して負の感情を抱いていないことだけは確かだった。
「それでは――」
音楽はまだ続いていたが、二人はとっくの昔に踊ることを止めている。
そもそもダンテの目的は踊ることではなく、アンジェリカの心を探ることなのだ。
もう十二分に確信を得たダンテは、アンジェリカから身を離した。
「今日もお別れの時間です」
「どうしてですの? これから晩餐がございますのに」
ダンスの後には豪華な食事が振る舞われ、それが終われば酒や甘い物と続く。
貴族にしか味わうことのできない贅沢三昧の時間が待っているのだが、今のダンテにはそれを享受することができない理由があった。
「実は……あなたに会うため忍び込んだので、長居をしてはテレジア候に迷惑をかけてしまいますからね」
まあ、とアンジェリカが避難がましい声を上げたのだが、その頬は緩んでいる。
自分の為だけに、という響きが気に入ったらしい。
「それに、愛らしいあなたの顔を、これ以上――」
衆目に晒したくはない。
そう続けようとして視線を男どもへ向け――ダンテは見つけてしまった。
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