ゲーム内で”ある意味最弱”の俺がゲームの世界に転生したら最強だった話

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1話:ゲームの世界で「ある意味最弱」になったワケ

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世界的大ヒットをを記録したVRMMORPG「ウィークエスト・オンライン」。このゲームには”ある意味で最弱”と言われている伝説級のプレイヤーが存在していた。そのプレイヤーこそがこの男、一之瀬 拓真、22歳、現役大学生だ。なぜ拓真が”ある意味で最弱”などという不名誉な異名をつけられたのか、その理由は拓真がこのゲームを始めた時に遡る。それは大学一年生の夏休みのとある日・・・・



「あぁ~なんか面白いゲームでもないかなぁ~。」



大学が夏休みに入り、暇な時間をネットサーフィンをすることで潰していた拓真は、一つの面白い記事に目を付けた。



『全米売れ筋ランキング堂々の第一位!!VRMMORPG「ウィークエスト・オンライン」、ついに日本版発売!!』



そんな謳い文句の記事を流し見をする拓真。



「へ~。日本版発売か・・・。この際だし買ってみるか。丁度VR買ったけど使ってなかったんだよな。」



日本版が発売されるという情報に目が留まり、半分ノリで購入を決め、ダウンロード版を購入した拓真は、早速VRを装着し、ゲームを起動するのだった・・・



『ウィークエスト・オンラインへようこそ!まずはステータスを決めよう!』

「ステータスか・・・。そんなものまで細かく決められるんだな。」



このゲームのステータスには、HP、パワー、スピード、マナの4つのカテゴリーが存在し、その合計値が1000以内となるように値を設定することができる。もちろんその値は人それぞれ違うため、プレイヤーの塩梅によって様々な個性がつくということになる。そして拓真が決定した数値が、この後拓真を”ある意味で最弱”と呼ばれることに繋がるのだ・・・



「まずはパワーか。パワーは強いに越したことないよな。500・・・っと。次にHPか。スリルが欲しいよなぁ。じゃあ1にしてみるか!魔術はそんなに好きじゃないからなぁ・・・。マナは0でいいや。後は残った499をスピードに割り当てて・・・っと。こんな感じでいいかな!完成!!」



HP1、パワー500、スピード499、マナ0。この数値が拓真を”ある意味で最弱”に至らしめる理由の全てだ。確かにHPだけで見れば最弱かもしれない。だがパワーとスピードを見ればどうだろうか。ほとんどのプレイヤーがバランスよく設定している値をパワーとスピードに極振りしたらどうなるだろうか。答えは一つ、そう、ゲームが壊れる。その一つに尽きるだろう。魔術を使わなければクリアできないような難関ミッションもパワーで何とかなる。HPが多くなくてはどうにもならないような超難関ミッションもスピードとパワーのヒット&アウェイで大抵何とかなる。そうなってしまうのだ。だがしかし、HP1 というのは簡単ではない。どんなプロゲーマーでも必ずするであろう被弾。これが拓真にとっては死に直結する。そこで拓真がとった行動とは・・・・・



「やっぱり最初は難しいな。一発でも当たったら死ぬし・・・。どうしようかな・・・。そうだ!攻撃される前に倒せばいいんだ!!」



名案である。そう、攻撃される前に倒してしまえば何の問題もない、というわけだ。

そんなこんなで約4年間ウィークエスト・オンラインで最弱を極めた拓真はなんと呼ばれているのだろうか。それこそが「最弱の最強」だ。なんとも矛盾しているようだが、ウィークエスト・オンライン内での拓真のステータスから見ればそう呼ばれるのも納得である。

そんな拓真の日常が突然終わることになる・・・・

それは拓真がコンビニに買い出しに行っていた時のこと。たかが近所のコンビニ、そう思い歩いて向かっている最中、事件は起こった。拓真が信号待ちをしていると・・・突然何者かが後ろからぶつかってきたのだ。その瞬間、背中には焼けるような痛みが走る。



「ぐ・・・・あ・・・・。なんだ・・・?」



その場にぐったりと倒れこむ拓真。その背中には刃渡り20㎝はあろうという刺身包丁が突き立っていた。



「ぐぅ・・・・・・。」(俺・・・ここで死ぬのか・・・・?まずい・・・意識が・・・)



その日はタイミングが悪く、平日の昼間。人通りの少ない道だった。薄れゆく意識、焼けるような痛みの背中、その全てが長く、苦しく感じた。そしてついに拓真の意識は完全に消える。

そして次に目を覚ましたときには・・・・・・・・
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