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プロローグ 勇者召喚
第二十二話 騎士と緊張と
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颯太達は、ジョンに指示された通り馬車に乗り込み、渡された荷物に入っていた装備を身に着けた。
颯太の装備は、駆け出しの魔術師が身に着けるような簡単なローブと初心者用の短杖だ。
荷物が入っていた袋…マジックバックはこれからも使わせるつもりだから壊すなよ、と騎士の人に念を押された。
どうやらこれは貰えるらしい。
こんな初っ端から、ファンタジー全開の物を貰えたことに興奮が収まらない奴らも他の馬車にチラホラ居るようだったが、そんな奴らよりも早く頭の中を切り替えた颯太は、すぐにそれを確認をした。
(【鑑定】)
*************************************
【マジックバック(小)】
魔法によって量料が大幅に増えたカバン。かけられた空間魔法の魔力量と魔力強度によって増量は変わる。このカバンの増量は実際の大きさの三倍。
〈中身〉
・下級ポーション×5
・シル草×30
・干し肉×10
・水袋×5
・麻の布(大)×2
・麻の服×3
・麻のズボン×3
・魔物除けの煙玉×5
・鉄の短剣×1
・鉄の長剣×1
・鉄の盾×1
***********************************
親切なことに、これから調べようと思っていた中身まで教えてくれた。
颯太は中身を見ながら、気になったものを一つ取り出し更に鑑定した。
(【鑑定】)
**********************************
【下級ポーション】
体力の回復や傷の治療に使う。傷口に振りかけるだけで軽い傷ならばすぐに治る。
〈材料〉
・シル草×3
・綺麗な水
【シル草】
主にポーションの材料となる薬草。そのまま食べても体力の回復をすることが出来、料理でハーブとしても使える。
********************************
(シル草って、ポーションの材料になるのか。見つけたら集めておこう)
颯太は自分に、【薬草調合】のスキルがあるので、回復薬の作り方はいずれイヴァンに聞くつもりだった。
こんなに早く知れたのは予想外だが、ラッキーだ。
颯太が、鑑定し終えたポーションとシル草をマジックバックに仕舞い直した時、青々と木々が生い茂る森の中で馬車が止まった。
「ここからは歩きだ!全員降りろ!」
ジョンの大声が聞こえて、他の馬車からは次々と人が降りていく。
「いよいよだな」
それまで押し黙ったままだった政人が口を開く。
その横の猛も、同じ馬車に居た女子三人も、他のパーティーの人達も、更に緊張した面持ちで、誰かが生唾を飲み込む音がした。
「怪我なく終われるようにしたいな」
「ああ。その通りだ」
二人はニッと笑い合い、颯太から先に馬車を降りた。
風に乗ってきた草の匂いが颯太の鼻を擽る。
政人や他の人達が降りてくる前に、颯太は馬車から少し離れて、人目につきにくく草や木が一際高く茂っている広い場所に出た。
(最近は綾乃とも大輝とも、まともに手合わせが出来なくて手加減ばかりだったからな。ここらで自分の調子見とかないと)
マジックバックの中から鉄の長剣を取り出し構えた。
それだけでも、近くに居た低級モンスター達が逃げ出す程の威圧感を放っている。
自分から、半径三十メートルの範囲に居る魔物が一気に遠ざかっていくのを【気配感知】で感じながら、颯太は目を閉じ身体の神経一つ一つに意識を集中させた。
そのまま少しずつ体内の魔力を放出していく。
この世界に来てから初めて感じた魔力と、空気中にある魔素が混ざり合っている。
閉じていても目の前に広がる森の情景、一緒に来た騎士団員達やクラスメイトの動きなどが手に取るように分かる。
颯太は今、自然と一体になっている。
そして、流れるようなごく自然な足運びからの、一閃。
相手の左脇腹から右肩を切り上げるようにして剣を振るう。
その振るわれた剣の速さで空気が震える。
颯太はゆっくりと目を開け、自分の今の体勢を見た。
(……よし)
世界が変わっても、一日たりとて鍛錬を怠らなかった。
衰えるどころか、一段と鋭さが増している感覚さえある。
『自分の事は、自分自身に聞け』
まだ武術の基礎を学び初めて間もない頃、一度だけ颯太が鍛錬の厳しさに音を上げた時、祖父に言われた言葉だ。
これ以上は無理だ、と倒れそうになりながら言った時祖父は、本当に駄目ならお前の身体がストップをかける筈だ、無駄口叩く元気があるなら大丈夫だ、と豪快に笑い飛ばしていた。
今だからその意味を理解する事が出来るが、当時はそんな祖父を恨めしく思ったものだ。
自分が万全の状態だと確信した颯太は、体勢を元に戻して長剣をマジックバックの中に詰め、怪しまれないように早々と皆の所へ戻っていった。
ジョン達騎士団を前後に、パーティーごとに固まって歩いて行く。
進んでいく内に皆口数が減っていき、ダンジョンが目前に見えてきた頃には誰も何も言わなかった。
ダンジョンの入り口に着くと、ジョンが振り返って前に居たパーティーから順番に入っていくよう指示をしてきた。
最初のパーティーはかなりビビっていたが、どうにか護衛役の騎士達が宥めて、やがてゆっくりとダンジョンの中へ入って行った。
それからはまた一つ一つ、ゴネる人も嫌がる人も出ずスムーズに進んでいき、とうとう颯太達のパーティーの番がきた。
皆緊張しているのか誰も口を開かないので、颯太は先に護衛役の騎士の人達と挨拶を交わす。
「はじめまして、颯太と言います。今日はよろしくお願いします」
「あ、ああ、よろしく。私はケイト。剣士で、主に前衛を務める」
「俺はナイルだ。俺は重戦士だから、ケイトと同じ前衛」
「フェアンという。私は付与魔術師。後衛だ」
三人はにこやかに対応してくれた。
颯太は三人の騎士達を見てホッとした。
国王や大臣達から感じた嫌な感じはしなかった。
安心して戦いに挑む事が出来そうだ。
ふとケイトが訊ねてきた。
「君がこのパーティーのリーダーか?」
「いえ、俺は違いますよ。リーダーはこの、政人です」
颯太は政人を指して、三人の前に引っ張り出した。
政人は驚いて颯太に抗議しようとしたが、騎士達に注目されてしまったので緊張で口が開かず、勢いよく頭を下げるしか出来なかった。
「ごめんなさい。緊張が解けてないみたいで」
「いや、問題ない」
「それにしても、ソータ君は落ち着いているね。…新人の騎士達は、大体マサト君と同じような反応をして、自己紹介など出来ないのに…」
最後の方の言葉は小さく、政人をからかって笑っている颯太の耳には届かなかった。
そんな颯太に、フェアンは感心した視線を向ける。
ダンジョンで行うのは実戦。
下手をすれば命の危険さえあるのだ。
それを前に緊張など微塵も感じずに、平然と挨拶をしてきた颯太に騎士達三人は内心驚いていた。
『この子はできる』
それが三人の颯太への第一印象だった。
昔祖父に夜のジャングルの中、木刀一本で放り込まれた事がある颯太にとって、これぐらいどうってことはないが、まさかそれで三人に一目置かれるとは思っていなかった為、彼らの視線には気付かない。
唯一の救いは、彼らが国王達の考えには反対していることだ。
結果として颯太の実力が国に知られることはない。
「次のパーティー!」
ジョンの声が飛んできた。
即座に颯太は周囲に警戒を配り、パーティーの皆はビクッと肩を震わせ、騎士達も顔を引き締めた。
「さあ、行くぞ」
「しっかり着いて来いよ」
「離れたら大変だからね」
「はい」
先頭のケイトに続いて、ナイル、フェアン、颯太、政人達の順にダンジョンに足を踏み入れた。
颯太の装備は、駆け出しの魔術師が身に着けるような簡単なローブと初心者用の短杖だ。
荷物が入っていた袋…マジックバックはこれからも使わせるつもりだから壊すなよ、と騎士の人に念を押された。
どうやらこれは貰えるらしい。
こんな初っ端から、ファンタジー全開の物を貰えたことに興奮が収まらない奴らも他の馬車にチラホラ居るようだったが、そんな奴らよりも早く頭の中を切り替えた颯太は、すぐにそれを確認をした。
(【鑑定】)
*************************************
【マジックバック(小)】
魔法によって量料が大幅に増えたカバン。かけられた空間魔法の魔力量と魔力強度によって増量は変わる。このカバンの増量は実際の大きさの三倍。
〈中身〉
・下級ポーション×5
・シル草×30
・干し肉×10
・水袋×5
・麻の布(大)×2
・麻の服×3
・麻のズボン×3
・魔物除けの煙玉×5
・鉄の短剣×1
・鉄の長剣×1
・鉄の盾×1
***********************************
親切なことに、これから調べようと思っていた中身まで教えてくれた。
颯太は中身を見ながら、気になったものを一つ取り出し更に鑑定した。
(【鑑定】)
**********************************
【下級ポーション】
体力の回復や傷の治療に使う。傷口に振りかけるだけで軽い傷ならばすぐに治る。
〈材料〉
・シル草×3
・綺麗な水
【シル草】
主にポーションの材料となる薬草。そのまま食べても体力の回復をすることが出来、料理でハーブとしても使える。
********************************
(シル草って、ポーションの材料になるのか。見つけたら集めておこう)
颯太は自分に、【薬草調合】のスキルがあるので、回復薬の作り方はいずれイヴァンに聞くつもりだった。
こんなに早く知れたのは予想外だが、ラッキーだ。
颯太が、鑑定し終えたポーションとシル草をマジックバックに仕舞い直した時、青々と木々が生い茂る森の中で馬車が止まった。
「ここからは歩きだ!全員降りろ!」
ジョンの大声が聞こえて、他の馬車からは次々と人が降りていく。
「いよいよだな」
それまで押し黙ったままだった政人が口を開く。
その横の猛も、同じ馬車に居た女子三人も、他のパーティーの人達も、更に緊張した面持ちで、誰かが生唾を飲み込む音がした。
「怪我なく終われるようにしたいな」
「ああ。その通りだ」
二人はニッと笑い合い、颯太から先に馬車を降りた。
風に乗ってきた草の匂いが颯太の鼻を擽る。
政人や他の人達が降りてくる前に、颯太は馬車から少し離れて、人目につきにくく草や木が一際高く茂っている広い場所に出た。
(最近は綾乃とも大輝とも、まともに手合わせが出来なくて手加減ばかりだったからな。ここらで自分の調子見とかないと)
マジックバックの中から鉄の長剣を取り出し構えた。
それだけでも、近くに居た低級モンスター達が逃げ出す程の威圧感を放っている。
自分から、半径三十メートルの範囲に居る魔物が一気に遠ざかっていくのを【気配感知】で感じながら、颯太は目を閉じ身体の神経一つ一つに意識を集中させた。
そのまま少しずつ体内の魔力を放出していく。
この世界に来てから初めて感じた魔力と、空気中にある魔素が混ざり合っている。
閉じていても目の前に広がる森の情景、一緒に来た騎士団員達やクラスメイトの動きなどが手に取るように分かる。
颯太は今、自然と一体になっている。
そして、流れるようなごく自然な足運びからの、一閃。
相手の左脇腹から右肩を切り上げるようにして剣を振るう。
その振るわれた剣の速さで空気が震える。
颯太はゆっくりと目を開け、自分の今の体勢を見た。
(……よし)
世界が変わっても、一日たりとて鍛錬を怠らなかった。
衰えるどころか、一段と鋭さが増している感覚さえある。
『自分の事は、自分自身に聞け』
まだ武術の基礎を学び初めて間もない頃、一度だけ颯太が鍛錬の厳しさに音を上げた時、祖父に言われた言葉だ。
これ以上は無理だ、と倒れそうになりながら言った時祖父は、本当に駄目ならお前の身体がストップをかける筈だ、無駄口叩く元気があるなら大丈夫だ、と豪快に笑い飛ばしていた。
今だからその意味を理解する事が出来るが、当時はそんな祖父を恨めしく思ったものだ。
自分が万全の状態だと確信した颯太は、体勢を元に戻して長剣をマジックバックの中に詰め、怪しまれないように早々と皆の所へ戻っていった。
ジョン達騎士団を前後に、パーティーごとに固まって歩いて行く。
進んでいく内に皆口数が減っていき、ダンジョンが目前に見えてきた頃には誰も何も言わなかった。
ダンジョンの入り口に着くと、ジョンが振り返って前に居たパーティーから順番に入っていくよう指示をしてきた。
最初のパーティーはかなりビビっていたが、どうにか護衛役の騎士達が宥めて、やがてゆっくりとダンジョンの中へ入って行った。
それからはまた一つ一つ、ゴネる人も嫌がる人も出ずスムーズに進んでいき、とうとう颯太達のパーティーの番がきた。
皆緊張しているのか誰も口を開かないので、颯太は先に護衛役の騎士の人達と挨拶を交わす。
「はじめまして、颯太と言います。今日はよろしくお願いします」
「あ、ああ、よろしく。私はケイト。剣士で、主に前衛を務める」
「俺はナイルだ。俺は重戦士だから、ケイトと同じ前衛」
「フェアンという。私は付与魔術師。後衛だ」
三人はにこやかに対応してくれた。
颯太は三人の騎士達を見てホッとした。
国王や大臣達から感じた嫌な感じはしなかった。
安心して戦いに挑む事が出来そうだ。
ふとケイトが訊ねてきた。
「君がこのパーティーのリーダーか?」
「いえ、俺は違いますよ。リーダーはこの、政人です」
颯太は政人を指して、三人の前に引っ張り出した。
政人は驚いて颯太に抗議しようとしたが、騎士達に注目されてしまったので緊張で口が開かず、勢いよく頭を下げるしか出来なかった。
「ごめんなさい。緊張が解けてないみたいで」
「いや、問題ない」
「それにしても、ソータ君は落ち着いているね。…新人の騎士達は、大体マサト君と同じような反応をして、自己紹介など出来ないのに…」
最後の方の言葉は小さく、政人をからかって笑っている颯太の耳には届かなかった。
そんな颯太に、フェアンは感心した視線を向ける。
ダンジョンで行うのは実戦。
下手をすれば命の危険さえあるのだ。
それを前に緊張など微塵も感じずに、平然と挨拶をしてきた颯太に騎士達三人は内心驚いていた。
『この子はできる』
それが三人の颯太への第一印象だった。
昔祖父に夜のジャングルの中、木刀一本で放り込まれた事がある颯太にとって、これぐらいどうってことはないが、まさかそれで三人に一目置かれるとは思っていなかった為、彼らの視線には気付かない。
唯一の救いは、彼らが国王達の考えには反対していることだ。
結果として颯太の実力が国に知られることはない。
「次のパーティー!」
ジョンの声が飛んできた。
即座に颯太は周囲に警戒を配り、パーティーの皆はビクッと肩を震わせ、騎士達も顔を引き締めた。
「さあ、行くぞ」
「しっかり着いて来いよ」
「離れたら大変だからね」
「はい」
先頭のケイトに続いて、ナイル、フェアン、颯太、政人達の順にダンジョンに足を踏み入れた。
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