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プロローグ 勇者召喚
第四話 友人と目標と
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国王(笑)の世界平和宣言の後、颯太達異世界メンバーは、頭の毛が薄い大臣…ローガン・ニーズ・ミスト卿に国の事やこれからの予定を聞かされ、アストレアに案内されたそれぞれ二人部屋の個室で休息をとっていた。
勇者である大輝や綾乃、そして良輔は彼らとは別の豪華な一人部屋に案内されているだろう。
颯太は早速、あてがわれた部屋の右側のベッドに仰向けに寝転がり、まだ緊張が解けず部屋の扉の前で固まっているクラスメイトに声をかけた。
「…そんな所に突っ立って、何やってんだ?」
「な、なな、何って、そりゃお前、ここ異世界だぞ!何があるか分かんねぇんだぞ!だ、だから、け、警戒してるだけっていうか…」
「緊張しすぎだろ」
「してねぇよ!」
颯太の同室になったのは井口政人。
彼が大輝以外のクラスメイトで話した事がある数少ない人物だ。
気さくで誰にも壁を感じさせず、人の懐に入るのが上手い奴、というのが颯太の、今の政人へ対する評価だ。
確かサッカー部に所属していてレギュラーはってるって誰かから聞いたな、と颯太は思いながら一度身体を起こした。
「してんじゃねぇか。ガチガチで口回ってないだろ」
「~~!…はぁ…なんかこんな事やってる自分がアホらしくなってきた…」
政人は溜息をつき、颯太が座っているのとは別のベッドに腰かけた。
「てか、なんで立花はそんな落ち着いてるんだ?いきなり変な事態に巻き込まれたっていうのに」
「…慌てふためくのがアホらしいから?」
「ちょっ!それ俺に言ってるだろ!」
「そんな事ないぞ(笑)」
「おい笑ってんじゃねぇ!」
暫くバカ話に花を咲かせてお互いに軽口を叩きあった。
三十分が経過する頃には、もうお互いを名前で呼び捨てするぐらいに打ち解けていた。
「颯太っていっつも教室の端の席で本読んでるか、江川と話してるかだから、もっと暗い奴かと思ってたわ」
「俺も。政人はもっと静かな奴かと思ってた」
「…それって俺が煩いって言いたいのか?」
「……ソンナコトナイヨー」
「何だその間!てかなんでカタコト!?」
話をしているうちに緊張が解けてきたのか、政人はさっきの颯太と同じようにベッドに仰向けに倒れ込んだ。
その状態のまま、颯太に尋ねる。
「…なあ、颯太」
「ん?」
「俺達、どうなんのかな?」
政人が不安がる気持ちも分かる。
寧ろ最初でこの状況を受け入れ落ち着いている颯太の方がおかしいのだ。
世界が違う。
環境が違う。
常識も、勿論違う。
何も知らずに丸裸でいきなり大平原に放り出され、「今日からここで生きていけ」と言われたようなものなのだ。
そんな状況で、発狂したり暴れたりしないだけマシかもしれない。
皆つくづく思っている筈だ。
「一人じゃなくて良かった」と。
「…分かるもんか、そんな事」
「…ハハッ、だよな…でも俺さ」
「?」
「いつか絶対元の世界に…日本に帰る」
政人の瞳には迷いの色なんてなかった。
颯太はフッと笑って立ち上がる。
「じゃあ、それが叶うまで…死ねねぇな」
「…笑わねぇのか?こんなの出来るかどうかも分からないこと…」
驚いた様子で起き上がった政人に颯太は小首を傾げて、さも当然といった感じで答える。
「?なんで笑うんだ?大事な目標なんだろ?」
それでも分からないといった顔をする政人に颯太は歩み寄り、その額に強力なデコピンをお見舞いした。
バチンッ!
「いで‼」
「出来るとか出来ないとかじゃない、やるんだよ!帰りたいんだろ?」
「!…悪い、弱気になってた…サンキューな、颯太」
「ん」
素直にお礼を言う政人から颯太は照れくさそうに視線を逸し、部屋の扉に向かって行った。
「どこ行くんだ?」
「…便所だよ」
デコピンされた所がまだ痛むのか、政人は額を押さえながら聞いてきた。
颯太はそちらに振り向かずに、返事だけを投げて部屋から出て行った。
一人取り残された政人は、部屋に備え付けてあった鏡で自分の赤くなった額を見て静かに笑った。
部屋を出た颯太が向かった場所は、先程アストレアの案内の途中横目で捉えた図書館だった。
情報が欲しい今の彼にとって、ここはまさに宝の山だ。
もう遅い時間だからか、人はほとんどいなかった。
その人達も、全員が金髪やら銀髪やらハゲやらで、やはり、というか黒髪はいなかった。
一人だけ黒でかなり浮いている颯太だったが、そんな事お構いなしで悠然と図書館の受付へ歩いて行き、司書らしき明るいブラウンの髪の女性に声をかけた。
「すみません」
「はい、何か御用でしょうか?…ってその髪の色…ゆ、勇者さまでは?」
颯太の髪の色を見て、女性は明らかに狼狽する。
フードかなんかで隠すべきだったかな、と今更ながらに思いながら、颯太は答える。
「いや、俺は勇者じゃありません。ただの異世界人ですよ」
「え?そうなんですか?」
女性は暫く固まっていたが咳払いを一つし、綺麗な礼をする。
「すみません、取り乱しました。改めまして、私はここで司書を務めさせて頂いている、オリビア・サリヴァンと申します」
「俺は立花颯太…いや、こっちの形式ならソウタ・タチバナ、ですかね?」
「あっていますよ。それで、異世界人のソータさんが、何でこんな所に?」
颯太は一瞬正直に答えようとして踏み留まった。
情報収集のため、はいかにも怪しい。
少し考えた時、先程の政人との会話を思い出した。
「俺達、ここの事何も知らないじゃないですか?それじゃあ俺も友達も不安だし、少しでもこの世界の事、知ろうと思って」
嘘は言っていない。
理由はある程度優しくしているが。
オリビアは感動した様子で颯太に言った。
「!優しいのね、ソータ君。そういう事ならお姉さんに任せなさい!おすすめの本リストアップしてくるわ」
オリビアは凄いスピードで受付の奥へ消えて行った。
いつの間にやら敬称が「さん」から「君」に変わっているようだったが颯太は敢えて気にしない事にした。
数十分もすると数冊の本と一枚の紙を持った、頭に少しホコリを被ったオリビアが出て来た。
「はいこれ!この世界の地理とか歴史とかの本。他にも、こっちで生きるために必要かなって思った事が書かれてる本いくつかリストに纏めたから、良かったら参考にして」
受付のテーブルにドサッと本を置きながら颯太に屈託のない笑顔を向ける。
颯太はお礼を言って渡された数冊の本とリストを持って人気のない席に腰をおろした。
(助かったな…こっちはどれが良いかなんて分からないし、探す手間が省けた)
受付に視線を投げると本を読んでいたオリビアが視線に気づき手を振ってきた。
颯太も手を振り返して本に意識を戻す。
文字は向こうと何ら変わりはない日本語だった。
だがどれも漢字より平仮名の比率が圧倒的に高い。
なので逆に読み難いのだった。
(…小学生の教科書レベルじゃねぇかよ!)
颯太は妹の佳代に勉強を教えた事があったが、その時も平仮名ばかりの教科書に若干苛立ちを覚えたものだ。
まあその時は、小学生用に作られた教科書に高校生がケチをつけるのはおかしな話、で片付けられたが、今回は別だ。
大人が読むであろう分厚い本が平仮名だらけとはどういう事か。
でもこれも、あっちとは一般教養のレベルが違うからである。
中高生が習う小難しい漢字は、それなりに位の高い学者が独学で会得するもので、こちらの学校で教えてもらえるのは、せいぜい小学校高学年のものである。
颯太がそれの事実を知るのはまだ先の事だ。
勇者である大輝や綾乃、そして良輔は彼らとは別の豪華な一人部屋に案内されているだろう。
颯太は早速、あてがわれた部屋の右側のベッドに仰向けに寝転がり、まだ緊張が解けず部屋の扉の前で固まっているクラスメイトに声をかけた。
「…そんな所に突っ立って、何やってんだ?」
「な、なな、何って、そりゃお前、ここ異世界だぞ!何があるか分かんねぇんだぞ!だ、だから、け、警戒してるだけっていうか…」
「緊張しすぎだろ」
「してねぇよ!」
颯太の同室になったのは井口政人。
彼が大輝以外のクラスメイトで話した事がある数少ない人物だ。
気さくで誰にも壁を感じさせず、人の懐に入るのが上手い奴、というのが颯太の、今の政人へ対する評価だ。
確かサッカー部に所属していてレギュラーはってるって誰かから聞いたな、と颯太は思いながら一度身体を起こした。
「してんじゃねぇか。ガチガチで口回ってないだろ」
「~~!…はぁ…なんかこんな事やってる自分がアホらしくなってきた…」
政人は溜息をつき、颯太が座っているのとは別のベッドに腰かけた。
「てか、なんで立花はそんな落ち着いてるんだ?いきなり変な事態に巻き込まれたっていうのに」
「…慌てふためくのがアホらしいから?」
「ちょっ!それ俺に言ってるだろ!」
「そんな事ないぞ(笑)」
「おい笑ってんじゃねぇ!」
暫くバカ話に花を咲かせてお互いに軽口を叩きあった。
三十分が経過する頃には、もうお互いを名前で呼び捨てするぐらいに打ち解けていた。
「颯太っていっつも教室の端の席で本読んでるか、江川と話してるかだから、もっと暗い奴かと思ってたわ」
「俺も。政人はもっと静かな奴かと思ってた」
「…それって俺が煩いって言いたいのか?」
「……ソンナコトナイヨー」
「何だその間!てかなんでカタコト!?」
話をしているうちに緊張が解けてきたのか、政人はさっきの颯太と同じようにベッドに仰向けに倒れ込んだ。
その状態のまま、颯太に尋ねる。
「…なあ、颯太」
「ん?」
「俺達、どうなんのかな?」
政人が不安がる気持ちも分かる。
寧ろ最初でこの状況を受け入れ落ち着いている颯太の方がおかしいのだ。
世界が違う。
環境が違う。
常識も、勿論違う。
何も知らずに丸裸でいきなり大平原に放り出され、「今日からここで生きていけ」と言われたようなものなのだ。
そんな状況で、発狂したり暴れたりしないだけマシかもしれない。
皆つくづく思っている筈だ。
「一人じゃなくて良かった」と。
「…分かるもんか、そんな事」
「…ハハッ、だよな…でも俺さ」
「?」
「いつか絶対元の世界に…日本に帰る」
政人の瞳には迷いの色なんてなかった。
颯太はフッと笑って立ち上がる。
「じゃあ、それが叶うまで…死ねねぇな」
「…笑わねぇのか?こんなの出来るかどうかも分からないこと…」
驚いた様子で起き上がった政人に颯太は小首を傾げて、さも当然といった感じで答える。
「?なんで笑うんだ?大事な目標なんだろ?」
それでも分からないといった顔をする政人に颯太は歩み寄り、その額に強力なデコピンをお見舞いした。
バチンッ!
「いで‼」
「出来るとか出来ないとかじゃない、やるんだよ!帰りたいんだろ?」
「!…悪い、弱気になってた…サンキューな、颯太」
「ん」
素直にお礼を言う政人から颯太は照れくさそうに視線を逸し、部屋の扉に向かって行った。
「どこ行くんだ?」
「…便所だよ」
デコピンされた所がまだ痛むのか、政人は額を押さえながら聞いてきた。
颯太はそちらに振り向かずに、返事だけを投げて部屋から出て行った。
一人取り残された政人は、部屋に備え付けてあった鏡で自分の赤くなった額を見て静かに笑った。
部屋を出た颯太が向かった場所は、先程アストレアの案内の途中横目で捉えた図書館だった。
情報が欲しい今の彼にとって、ここはまさに宝の山だ。
もう遅い時間だからか、人はほとんどいなかった。
その人達も、全員が金髪やら銀髪やらハゲやらで、やはり、というか黒髪はいなかった。
一人だけ黒でかなり浮いている颯太だったが、そんな事お構いなしで悠然と図書館の受付へ歩いて行き、司書らしき明るいブラウンの髪の女性に声をかけた。
「すみません」
「はい、何か御用でしょうか?…ってその髪の色…ゆ、勇者さまでは?」
颯太の髪の色を見て、女性は明らかに狼狽する。
フードかなんかで隠すべきだったかな、と今更ながらに思いながら、颯太は答える。
「いや、俺は勇者じゃありません。ただの異世界人ですよ」
「え?そうなんですか?」
女性は暫く固まっていたが咳払いを一つし、綺麗な礼をする。
「すみません、取り乱しました。改めまして、私はここで司書を務めさせて頂いている、オリビア・サリヴァンと申します」
「俺は立花颯太…いや、こっちの形式ならソウタ・タチバナ、ですかね?」
「あっていますよ。それで、異世界人のソータさんが、何でこんな所に?」
颯太は一瞬正直に答えようとして踏み留まった。
情報収集のため、はいかにも怪しい。
少し考えた時、先程の政人との会話を思い出した。
「俺達、ここの事何も知らないじゃないですか?それじゃあ俺も友達も不安だし、少しでもこの世界の事、知ろうと思って」
嘘は言っていない。
理由はある程度優しくしているが。
オリビアは感動した様子で颯太に言った。
「!優しいのね、ソータ君。そういう事ならお姉さんに任せなさい!おすすめの本リストアップしてくるわ」
オリビアは凄いスピードで受付の奥へ消えて行った。
いつの間にやら敬称が「さん」から「君」に変わっているようだったが颯太は敢えて気にしない事にした。
数十分もすると数冊の本と一枚の紙を持った、頭に少しホコリを被ったオリビアが出て来た。
「はいこれ!この世界の地理とか歴史とかの本。他にも、こっちで生きるために必要かなって思った事が書かれてる本いくつかリストに纏めたから、良かったら参考にして」
受付のテーブルにドサッと本を置きながら颯太に屈託のない笑顔を向ける。
颯太はお礼を言って渡された数冊の本とリストを持って人気のない席に腰をおろした。
(助かったな…こっちはどれが良いかなんて分からないし、探す手間が省けた)
受付に視線を投げると本を読んでいたオリビアが視線に気づき手を振ってきた。
颯太も手を振り返して本に意識を戻す。
文字は向こうと何ら変わりはない日本語だった。
だがどれも漢字より平仮名の比率が圧倒的に高い。
なので逆に読み難いのだった。
(…小学生の教科書レベルじゃねぇかよ!)
颯太は妹の佳代に勉強を教えた事があったが、その時も平仮名ばかりの教科書に若干苛立ちを覚えたものだ。
まあその時は、小学生用に作られた教科書に高校生がケチをつけるのはおかしな話、で片付けられたが、今回は別だ。
大人が読むであろう分厚い本が平仮名だらけとはどういう事か。
でもこれも、あっちとは一般教養のレベルが違うからである。
中高生が習う小難しい漢字は、それなりに位の高い学者が独学で会得するもので、こちらの学校で教えてもらえるのは、せいぜい小学校高学年のものである。
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