【R18】復讐の魔王は転生を重ね、女勇者に挑む。第1章~女騎士の誇りは濡れて~

異常那鬼

文字の大きさ
上 下
18 / 46

第16話~鍛冶職人タルス~

しおりを挟む

 ピエタの村では、日が沈もうとしていた、見張り台の櫓が立つ高台に気を失った男が下半身丸出しで倒れている。その横で法衣姿のシスターアンジェが男の身体を揺すっていた。その法衣の胸元からは、一匹のトカゲが、頭をちょこんと出している。

「あのぉ、目を覚ましませんけど」
「急激に魔力を奪われ、気を失っているのだ。少し魔力を与えてやればよい」
「魔力を与えるって、そんな術知りません」
「お前には既に、その術が備わっている。体内の魔力の流れを意識しろ。いいか、力の中継点は鼠径部から、腹、脇の下を中継し、鎖骨から身体全体に行き渡る」
「えっと、力の流れを意識する……」

 アンジェは目を閉じて、下腹部に感じる男から吸収した力に意識を向けた。下腹部が仄かに光る。

「その力を、腹、脇へと移動させ、鎖骨まで持っていくのだ。そこから、身体の隅々まで流し込む」
「はい」

 アンジェが集中する。魔力が身体全体に行き渡り、身体に満ちていく。他者から奪った魔力が、アンジェのものへとなっていく。

「ふむ、やはりセンスが良い。その力をまた集めるのだ。首筋から、耳の裏側を意識しろ」
「あぁ、力の流れを感じます」

 アンジェは魔力を集中させ、喉まで移動させた。《眷属の萌芽》は、魔王に魔力を供給させる為の媒体だ。これを埋め込まれた者は、魔力の流れを意識することができる。そして、許可を与えられればだが、魔王以外にも魔力を与える事ができる。

「その力を男に流し込むのだ。少しづつだぞ」

 倒れている男に、アンジェは口付けをした。最初は軽くだった。魔力を注ぎ込むと、男の身体がピクンと反応した。

「そう、その調子だ」

 唇を重ねていたアンジェは、次第に我慢できなくなり、自分から舌を男の口内に挿し込み、絡ませた。

「んっ……ぴちゃ、ちゅぷ」

 男の舌も、それに反応して無意識に動き始める。舌と舌が絡まり合い、唾液が混じりあう。

「お、おい。そこまでせんでも良いぞ」

 アンジェが男の口を貪りながら、自らの手を下に伸ばそうとした時、男の目が開いた。男は驚愕の表情を浮かべ、アンジェを突き放した。アンジェは尻もちをつき、法衣の裾がめくれる。

「いたっ! もぅ、何するんですか」
「あ、あぁ、すいません!」

 男はアンジェに駆け寄った。めくり上がった法衣から見える生足に、目を逸らしながらも手を差し出した。その手を借りて、アンジェは立ち上がる。法衣の乱れをなおすと、男に言った。

「それで、どうしてあなたは、魔族の女と一緒にいたの?」

 その言葉に、男の表情が凍り付く。言葉が出ず、鯉のようにただ口を開閉していた。

「理由を、聞かせてもらえる?」

 男は観念したように俯いた。そして、裸の下半身に気づき、慌ててパンツを履いた。

「俺、ピエタ村で鍛冶職人やってる、タルスって言います」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

処理中です...