神隠しに合いました。異世界でなんとか生きていきます。

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倒れた馬車

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馬車に着くが、ブラックウルフという生き物は見あたらない・・・

「御者さん、ブラックウルフっていうやつどころか、何も見当たらないけど」

倒れた馬車の前で周囲を確認するが、のどかな草原と走ってきた道、倒れている馬車以外には何も見当たらない。
森の中と同じように、白川翔の存在に気付いたブラックウルフは逃げ出していたのだ。

「あぁぁ、良かった。
助かった~。
あぁぁ、痛たたっ。」

御者は、ホッとしたのか体の痛みを思い出したかのように痛がり始めた。
「おい、大丈夫か?」

「いや、痛みは有りますが、骨が折れたりは・・ハッ、ご主人様、お嬢様~」

倒れた馬車に向かって声をかける

「大丈夫じゃ、娘も無事じゃ!サム、お前は大丈夫か?」

馬車から声が聞こえる。

「ご主人様、おらも大丈夫だぁ」

とりあえず、誰も襲われなかったことに一安心していると、倒れた馬車の扉をこじ開け、初老の男と10才くらいの女の子が出てきた。

「ブラックウルフはどうした!」

かなり慌てていたのだろう、ブラックウルフがいないことには気づいているが、その動向が気になるようだ。

「ご主人様、どうにか馬車で逃げていたのですが、馬車が跳ね上がったあと気が付いたら、ブラックウルフが見当たらない状況でして・・・」

「な、なんと、ではいつブラックウルフが出てくるのか分からない状況だな。
ところで、その御仁は、どなたですかな?
ブラックウルフの動向はご存知ですかな?」

「ああ、俺はショウといいます。実は、気づいたらあの森にいて・・・とりあえずどこか人のいるところへと移動していたんです。」

下手な嘘をつくよりは、現状をぼやかしながら説明する方がいいと思い自己紹介を兼ねて挨拶をし、状況について話を続けた。

「しかし、ブラックウルフは俺もよく分からない。
一緒になって逃げていたが、馬車が跳ね上がったので、けが人がいればお手伝いをと思った次第で。
ブラックウルフの姿は見えないので、とりあえずはお互い助かりましたね!
失礼ですが、あなた方は・・・」

「ああ、儂はガルフ・モーアイ、アトランス国の辺境伯じゃ。この子は儂の娘のリナージュ。そして御者のサム。
王都からの帰りだったのだが、ブラックウルフに襲われてしまったのじゃ。
しかし、馬車がこの状態では・・・
ブラックウルフがまた現れないとも言いかねないし・・・」

ブラックウルフは、見当たらないので現時点ではとりあえず大丈夫だろう。
しかし、早く逃げ出さないとまたブラックウルフがやってくるのではないか。
そう思いながらこれからについて考えてみることにした。
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