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第1章
1歳
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生まれて1年が過ぎた。
そう1歳の誕生日だ。
ここ最近では、つかまり立ちをし、部屋を物色したり、「パパ、ママ、マンマ」など簡単な言葉は話してきた。
言葉や文字は、読み聞かせしてくれた絵本から日本語と同じだったことが幸いし、家族の会話は苦労することなく理解できた。
本当はすでに会話ができるのだが、『一般的に1歳を過ぎてから話し始める』そんな会話を聞いて、変な期待を持たれてもと自重している。
この世界のことを知らないで、話だしたりなど急な成長をすることで厄介事に巻き込まれるのは避けたいという思いからだが・・・
部屋の扉が開いた。
「「「ショウ、誕生日おめでとう~」」」
家族総出で、お祝いの言葉をかけてくれた。
「ありがちょう」
満面の笑みで、舌足らずな言葉で返事すると、
「あらあら、おりこうさんね。」
母は、満足気に微笑み返してくれた。
「さぁ、ショウ。今日は1歳の誕生日だ。この国では、1歳を無事過ごした子には、市民カードを発行するようになっている。この市民カードがお前のカードだ。大切にしなさい」
父が、1枚のカードを手渡してきた。
「ちみんかーぢょ?」
そう問い返し、カードを受け取った。
「そうだ、市民カードだ。このカードを持って、僕のカードだよって感謝してみなさい。」
父からそう言われ、カードを持ち、感謝してみると、カードが光だした。
光が治まると、カードに文字が現れた。
名前:ショウ・クライン
年齢:1
階位:1
称号:クライン騎士爵次男(転生の記憶を持つ者)
出身:カプサイン国クライン村
賞罰:無
技能:術理・叡智
カードの文字で()に書かれている文字は、本人以外には見えないようだ。
カードを見ていると
「おお、技能を2つも授かっているぞ、すごいなショウは!しかし、この技能はなんなんだろうな?」
父からの言葉に、嬉しさ半面、父たちが知らない技能という事に少し驚きを抱いた。
(術理って、利口になるための技術だし、叡智って、すぐれた知恵だよな!)
少し聞いてみよう。
「パパ、ありがちょう。技能ってなに?」
「技能というのは、その人が生まれ持った才能というやつだよ。もちろん、自分で努力することで、その技能は増やすこともできるぞ。何年頑張っても習得できない技能や誰も知らない技能という物もあるぞ。それから技能は、家族や信頼できる人以外には教えないようにすること!分ったか、ショウ」
「あらあら、そんな難しいことを・・・」
「分ったよ、パパ」
ママがパパのいう話を難しいからという言葉にかぶせてしまったが、俺には意味を理解することができたので、そう返事をしてしまったが・・・
「「「えっ・・・分ったって・・・」」」
家族全員が驚いた声を上げたことで、1歳に理解できるはずのない事だと気づき、これまで隠してきた知識の一端を見せてしまった。
「僕もようやく理解できたのに・・・」
そんな、兄の言葉が追い打ちをかけてきた。
心の中でorzのポーズをとる俺がいた。
そう1歳の誕生日だ。
ここ最近では、つかまり立ちをし、部屋を物色したり、「パパ、ママ、マンマ」など簡単な言葉は話してきた。
言葉や文字は、読み聞かせしてくれた絵本から日本語と同じだったことが幸いし、家族の会話は苦労することなく理解できた。
本当はすでに会話ができるのだが、『一般的に1歳を過ぎてから話し始める』そんな会話を聞いて、変な期待を持たれてもと自重している。
この世界のことを知らないで、話だしたりなど急な成長をすることで厄介事に巻き込まれるのは避けたいという思いからだが・・・
部屋の扉が開いた。
「「「ショウ、誕生日おめでとう~」」」
家族総出で、お祝いの言葉をかけてくれた。
「ありがちょう」
満面の笑みで、舌足らずな言葉で返事すると、
「あらあら、おりこうさんね。」
母は、満足気に微笑み返してくれた。
「さぁ、ショウ。今日は1歳の誕生日だ。この国では、1歳を無事過ごした子には、市民カードを発行するようになっている。この市民カードがお前のカードだ。大切にしなさい」
父が、1枚のカードを手渡してきた。
「ちみんかーぢょ?」
そう問い返し、カードを受け取った。
「そうだ、市民カードだ。このカードを持って、僕のカードだよって感謝してみなさい。」
父からそう言われ、カードを持ち、感謝してみると、カードが光だした。
光が治まると、カードに文字が現れた。
名前:ショウ・クライン
年齢:1
階位:1
称号:クライン騎士爵次男(転生の記憶を持つ者)
出身:カプサイン国クライン村
賞罰:無
技能:術理・叡智
カードの文字で()に書かれている文字は、本人以外には見えないようだ。
カードを見ていると
「おお、技能を2つも授かっているぞ、すごいなショウは!しかし、この技能はなんなんだろうな?」
父からの言葉に、嬉しさ半面、父たちが知らない技能という事に少し驚きを抱いた。
(術理って、利口になるための技術だし、叡智って、すぐれた知恵だよな!)
少し聞いてみよう。
「パパ、ありがちょう。技能ってなに?」
「技能というのは、その人が生まれ持った才能というやつだよ。もちろん、自分で努力することで、その技能は増やすこともできるぞ。何年頑張っても習得できない技能や誰も知らない技能という物もあるぞ。それから技能は、家族や信頼できる人以外には教えないようにすること!分ったか、ショウ」
「あらあら、そんな難しいことを・・・」
「分ったよ、パパ」
ママがパパのいう話を難しいからという言葉にかぶせてしまったが、俺には意味を理解することができたので、そう返事をしてしまったが・・・
「「「えっ・・・分ったって・・・」」」
家族全員が驚いた声を上げたことで、1歳に理解できるはずのない事だと気づき、これまで隠してきた知識の一端を見せてしまった。
「僕もようやく理解できたのに・・・」
そんな、兄の言葉が追い打ちをかけてきた。
心の中でorzのポーズをとる俺がいた。
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