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34.帰りましょう
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そのままカイルさんは広場を横切り、違う通りの入り口で僕を下ろした。道の端っこで、他の人から見えないようにつけ耳を直してくれた。
通りによって飾り付けが違うらしく、行きと同じくキョロキョロしてしまった。
「嫌な思いをさせて悪かったな。警備が来るのが遅くて、すぐに戻れなかった。あの男を気絶させてでも、ハルカの元に戻るべきだったよ。」
落ち込んでるけど、なんだか物騒なことをカイルさんが言ってる。
「気にしないでください。びっくりしたけど、こんな子供みたいな僕がお金持ってるってどうして思ったんでしょうね。弱そうだから簡単に取れると思ったのかな。」
「お金?」
「人気のないとこに連れていって、金品奪う気だったんですよね。もしかして、服?カイルさんが準備してくれた服が上質だから、お金持ちのとこの子だと思ったんですね。」
きょとんとしてるカイルさんが急に笑い出した。変なこと言ったかな。
でも、怖い顔をして謝るより、笑ったカイルさんの方がいいから気にしない。
ちょうど、カステラみたいなものを売ってるお店から、美味しそうな甘い匂いがしている。
「カイルさん、みんなにお土産買っていきましょう。」
「そうだな、甘い物でも買っていくか。」
馬車を降りた場所に迎えが来ていた。歩いて帰るつもりだったので、びっくりした。
お礼を言って小分けにしてもらったお土産を御者をしてくれるケリーさんに渡した。
夜風を感じながら、家路につく。楽しい夜だった。
塞ぎがちな僕を心配して、気分転換に連れて来てくれたのかなと思うと、素直に嬉しかった。
お風呂に入ると、掴まれたところが少し赤くなっていた。
カイルさんの寝室に行くと、パジャマを捲られバレてしまった。湿布をされてから、横になる。
少し疲れたのかすぐに眠たくなる。けれど寝る前に伝えたくて、口を開く。
「カイルさん。今日はとっても、楽しかったです。連れていってくれて、ありがとうございました。」
ちょっと怖いことはあったけど、すごく楽しかった。言葉も途切れがちで、もう目を開いていられない。
「ハルカ、お前にはいつも笑顔でいてほしいよ。」
何かを耐えるような表情のカイルさんの顔が近づくのは、もう目にすることができなかった。
そっと唇に柔らかな感触。
そしていつものように胸に抱き込まれる。僕はその感触の正体を確かめることも出来ず、眠りについた。
通りによって飾り付けが違うらしく、行きと同じくキョロキョロしてしまった。
「嫌な思いをさせて悪かったな。警備が来るのが遅くて、すぐに戻れなかった。あの男を気絶させてでも、ハルカの元に戻るべきだったよ。」
落ち込んでるけど、なんだか物騒なことをカイルさんが言ってる。
「気にしないでください。びっくりしたけど、こんな子供みたいな僕がお金持ってるってどうして思ったんでしょうね。弱そうだから簡単に取れると思ったのかな。」
「お金?」
「人気のないとこに連れていって、金品奪う気だったんですよね。もしかして、服?カイルさんが準備してくれた服が上質だから、お金持ちのとこの子だと思ったんですね。」
きょとんとしてるカイルさんが急に笑い出した。変なこと言ったかな。
でも、怖い顔をして謝るより、笑ったカイルさんの方がいいから気にしない。
ちょうど、カステラみたいなものを売ってるお店から、美味しそうな甘い匂いがしている。
「カイルさん、みんなにお土産買っていきましょう。」
「そうだな、甘い物でも買っていくか。」
馬車を降りた場所に迎えが来ていた。歩いて帰るつもりだったので、びっくりした。
お礼を言って小分けにしてもらったお土産を御者をしてくれるケリーさんに渡した。
夜風を感じながら、家路につく。楽しい夜だった。
塞ぎがちな僕を心配して、気分転換に連れて来てくれたのかなと思うと、素直に嬉しかった。
お風呂に入ると、掴まれたところが少し赤くなっていた。
カイルさんの寝室に行くと、パジャマを捲られバレてしまった。湿布をされてから、横になる。
少し疲れたのかすぐに眠たくなる。けれど寝る前に伝えたくて、口を開く。
「カイルさん。今日はとっても、楽しかったです。連れていってくれて、ありがとうございました。」
ちょっと怖いことはあったけど、すごく楽しかった。言葉も途切れがちで、もう目を開いていられない。
「ハルカ、お前にはいつも笑顔でいてほしいよ。」
何かを耐えるような表情のカイルさんの顔が近づくのは、もう目にすることができなかった。
そっと唇に柔らかな感触。
そしていつものように胸に抱き込まれる。僕はその感触の正体を確かめることも出来ず、眠りについた。
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