勇者がパーティ―をクビになったので、山に囲まれた田舎でスローライフを始めたら……勇者だった頃よりもはるかに幸せなのですが?

シトラス=ライス

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第一部 二章【旅立ちのとき。さらばユニコン!】

幕間:幼き勇者の失敗談

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「今日はこれより、皆に山で自然観察を行ってもらう! 基本的に自由に行動して構わん! しかし、山は危険でもある! 各員、そのことにはくれぐれも注意しつつ観察に励むように!!」

 ノルンの叫びが山へ響き渡り、揃った子供達は一斉に顔を引き攣らせた。

「もう! そういう言い方はだめだって、前にいいましたよね? みんなを怖がらせてどうするんですか!」
「あ、ああ、そうだったな。すまん……」

 さっきまでの威勢はどこへいったのやら。
 リゼルに叱られた途端、ノルンは情けない声をあげた。

 子供達はクスクスと笑い出し、「管理人さんなさけなーい!」、「夫婦喧嘩だぁー!」、などと好き放題に言っている。
 そんな周りの同世代へ仏頂面で不満を抱いている少年が1人……ガルスの息子【ジェイ】である。

「ジェイ君、怖い顔しているけどどうしたの?」
「みんな知らねえんだ。ノルンが本当は凄いやつだってこと!」

 一番弟子として、師匠がバカにされていることが我慢ならなかった。
できればこの場で、ノルンが大きな魔物をあっさり倒したり、鳥のように高く飛べることをみんなへ教えたかった。
しかしノルンに、そのことは言わないよう釘を刺されている。
師匠が言うなというならば、弟子として従うのは当たり前ではある。

「面白いものを見つけてくれた者は表彰しよう! あと怪我をしたら必ずリゼルへ報告するように! そして先ほど各自へ渡した輝石は必ず肌身離さず持っておくように! それが無いと君たちに何があっても助けてやれないからな。良いな!」

 ノルンは輝石の辺りから特に語気を強めていった。
 リゼルも意図はきちんと分かっているらしく、口を挟まなかった。

「各自、気を付けつつ始めてくれ!」

 かくして教会の課外授業である、自然観察が始まった。

「リゼルさん、一緒に観察しよー!」
「あー! 首になんかキラキラしたものぶらさげてるー!」
「これ結婚指輪だよねぇ!? もしかして管理人さんとー!?」
「なんで指にしないのぉ?」
「ああ、これは、ええっとぉ……!」

 リゼルは一部のおませな女の子達に囲まれて、しどろもどろになっていた。

「君たち、リゼルは皆の治癒をしてもらう為に来ている。一緒に観察はご遠慮願いたい。代わりに俺ではどうか?」
「「「やだー!!」」」

 おませな女の子達は、ノルンの提案をあっさり一蹴し、観察へ向かっていった。

「残念でしたね?」

「くっ……子供はやはり難しい!……と、ところでリゼル……」

「はい?」

「なぜ指輪を指にではなく、首から……?」

「これはその……指に嵌めるのは、結婚式の日まで取っておきたくて……だけど無くしたら困っちゃいますし……」

「リゼル……」

「だ、だめですからね! 今はお仕事中なんですからっ!」

「わ、分かっている! 俺をなんだと思っているんだ!?」

「野獣」

「ぐっ……!」

「そんなことよりも、安全対策は追跡用の輝石だけで足りるんですかねぇ。ちょっと心配です」

「案ずるな念のために、ある程度先までしか進めないよう、障壁を張っている。さすがにあれは超えられんだろう」

「じゃあきちんと見張っていてくださいね、勇者様?」

「ああ! では早速見回りに出て来る!」

「頑張ってくださいね!」

 子供達が掃けたこと良いことに、相変わらずお熱い2人だった。

 そして別の意味で熱くなっている2人が他にも……

「ジェイくーん! 待ってよぉ! 置いてかないでよぉー!」
「着いてくんなよ! こっから先は危ないんだぞ! 俺だけで行くって!!」 

 ジェイは追いかけてくるトーカへそう叫び、森の奥へと進んでゆく。

(俺が一番になってノルンに褒めてもらうんだ! それでそんなすげぇ俺の師匠がノルンだってみんなに教えてやるんだ!)

 だけどばれたら絶対に怒られるのは分かっていたので、貰った追跡用の輝石は、近くで見かけた蛇に食べさせた。

(ふーん、なんか魔法っぽいもんが目の前にあるなぁ)

 他の人にはただの風景にしか見えないが、探知スキルを持つジェイには、この先に何かしらの魔法のようなものが張られていると分かった。
一見隙が無さそうに見えるが、右手に見えたトンネル状の木の根の下を潜れば、超えられそうだと踏み、身体を押し込んで行く。

「どこ行くのー? ねぇ、ジェイく……わわ!?」

 木の根のトンネルを潜っていると、後ろからトーカの驚いた声が聞こえて来た。

「わーん、スカート破れちゃったよぉ……」
「バカかよ、トーカのやつ」

 ジェイはトーカを無視すると決め、先を急ぐ。
それでもトーカはジェイを追いかけて来た。
スカートを破ったせいで、追跡用の輝石を落としてしまったことに全く気づかず……。


 ジェイは探知スキルを駆使して、どんどん森の奥へと進んでゆく。
彼のスキルは、この先に非常に珍しいきのこの群生地があると告げているのだった。

「ジェイ君! 待って! 本当に!」
「……」
「今日のジェイ君怖いよぉ! 何かいってよぉ……!」
「…………」
「ジェイ君!!」

 仲のいいトーカでも流石にうるさいとジェイは思った。
 ここは一発ガツンとかましてやろうと思って、足を止める。

「きゃっ!」
「トーカ!?」

 悲鳴が聞こえるとは予想外だったジェイは、爪先を返す。

「グェ、グェー!」
「ジェ、ジェイ君……!」

 トーカは、複数の緑色をした醜い化け物に押さえつけられていた。

「な、なんで、この山にゴブリンが……!?」

 始めて生で見たゴブリンは、本で見るよりもずっと醜悪で、そして凶暴そうにみえた。
誰がこんなに凶悪そうな魔物を“初心者向け“などと言い出したのだろうか。
現にジェイはあまりの恐ろしさのため動けずにいる。

「やっ……いや! いやぁぁぁ!!」

 ジェイが動けないこと良いことに、ゴブリン共はトーカを押さえつけ、衣服を剥ぎ取ろうとしている。

(ビビってる場合じゃない……このままじゃトーカが……!)


『大事な人を守れるくらいの強い男になれ!』

 ノルンからの教えが思い出された。

正直、トーカがジェイにとって大事な人かどうかはよくわからない。
しかし、このままトーカが無惨な姿にされるのは、見過ごせない。
しかもトーカがこんな目にあってしまったのは自分のせい。

「や、やめろぉぉぉ!!」

 ジェイは石を拾うとそれを掲げて、ゴブリンへ突っ込んだ。

「グエェ?」
「おわっ!?」

 ゴブリンは、ジェイの渾身の一撃を、ゆらりとかわしてみせた。
 つんのめるジェイの姿を見て、ゴブリンどもは醜悪な笑い声を上げている。
しかしそのおかげで、トーカはゴブリンの手から解放されていた。

「早く逃げろ!」
「で、でも! でもぉー!!」
「良いから早……えっ……?」

 ザクリ、と。
 背中から嫌な音が聞こえて来た。
 足から急に力が抜け、そのまま地面へ倒れ込む。

「グェー!」
「ぎゃぁあぁぁ!!」

 ゴブリンに背中を踏まれて、ジェイはようやく気がついた。
 自分の背中が、ゴブリンの手にしていたトマホークで盛大に切り裂かれていることに。

「グェ! グェ!」
「あっ! あがっ! がはっ! あががが!!」
「ゲゲェー! ゲゲェー!」
「ぎやぁぁぁ!!」

 ゴブリンはゲラゲラと愉快な声を上げながら、ジェイの背中を踏みしだく。
その度にジェイは獣のような悲鳴を上げ続ける。

「いやっ……やめて……もう、それ以上は……ジェイ君が……! ジェイ君がぁ!!」

 トーカの声がどこか遠くに聞こえた。
 そんなところにいないでさっさと逃げろ、と叫びたかった。
しかし意識の全てが、背中の痛みに持って行かれてしまっている。

 ジェイの意識が遠のき始め、体から力が抜けて行く。
胸が死へ恐怖で塗りつぶされてゆく。

(やだ……死にたくない……! 助けて、ノルン……!)

 失いかけた意識の中、ジェイは最後の望みを心で叫ぶ。

「どぉーこーだ! こーこはぁー!!」

 突然、上から変な声が降ってきた。

「「「「グギャギャギャァァァー!!」」」」

 次いで聞こえた、ゴブリンの悲鳴の数々。
 地面が何故か、ビリビリと電撃のようなものを帯びている。

「何か踏んづけたか? まぁ、良い。しかし……クンクン、クンクン……やはりこれは! あいつの匂い!! ついにみつけたぞぉ! どこだ、どこに……ぬぅ?」

 ジェイの視界にぼんやりと、綺麗な灰色が映り込んでくる。

「おい、人間の小童! なぜ、お前からノルンの匂いがするのだ! 答えい!!」
「あ……あ、うわぁっ……」
「なんだ、死にかけで口が聞けんのか……仕方あるまい。ほれ」

 灰色がパチンといった音を発する。

「あ、あれ……?」

 突然視界が明るんだ。冷たくなっていた体が急激に熱を取り戻す。
血の跡も、ゴブリンも綺麗さっぱり消えている。

「あ、貴方は! キラキラをくれたお姉さん!!」

 弾むようなトーカの声が聞こえる。
 多分、トーカが指しているのは、怪訝な眼差しでジェイを見下ろしている灰色の長い髪の自分よりもほんの少し年上な女の人だろう。

「おい、人間の小童! 話せるようになったのだから答えよ! 何故、お前からノルンの匂いがする!」

「えっ? 俺から……?」

「まさか、あいつとやりあった……訳ないか。匂いもあの女に比べれば薄い……それつまり! 近くにいただけという証拠! やはりあいつの興味対象は雌のみか! ぬわーっはっは!」

「は、はぁ……?」

「問いを変える! ノルンはどこにいる! オレはやつを探している!」

 明らかに怪しい人だった。
だけどたぶん、どんな魔法を使ったかは知らないが、この人に助けられたのは事実なのだろう。

「えっと……今ノルンは……東の方角にある花畑の辺りに……」

「お前は探知スキル持ちだな! ならば信用できる! 良いぞ、良いぞ!」

「はぁ……?」

「教えてくれた礼は言ってやる! しかぁし! 蘇生をしてやったんだから、それ以上は今回は無しだぞ! ぬわーっはっはっは! バーニングラァァァブ!」

 灰色の髪の女の人は盛大な笑い声を上げながら走り出す。

 すると突然、空が黒雲に覆われた。

『時間切れだ! 戻れ、サラ!』
「ぎやぁぁぁ!! おのれ! おのれぇぇぇ!! またしてもぉぉぉ!!」

 ピュウと風が吹き、灰色の髪の女の人は煙のように姿を消すのだった。

「なんだったんだ、あの人……?」
「ジェイ君!」

 トーカはジェイに飛び付き、ワンワン泣き出している。
恥ずかしくて仕方が無かったが……トーカを怖い目に合わせたのも、心配させたのも全部ジェイのせいである。

「だ、だいじょうぶだから! この通りピンピンしてるって!」
「もうやめてね! 危ないことしないでね! ううっ……」
「しない! もうぜってぇしない! あとさ……」
「ん?」
「冷たくして悪かった。ごめん……」

 ジェイがそういうと顔を上げたトーカは愛らしい笑みを浮かべた。
意図せず、顔に熱を感じ、鼓動が早まる。

「今回は特別に許してあげる」
「お、おう、そっか。助かる……」
「あとさ……」
「ん?」
「さっきのジェイ君、すっごくかっこよかったよ! 助けようとしてくれて、ありがとね!」

 トーカの笑顔に見惚れてしまうジェイだった。
 ヨーツンヘイムの未来は明るいのだろう。


……
……
……


「ジェイ、トーカ! お前たちどこへ行って何をしていたんだ! 輝石はどうした! 障壁をどうやって抜けたんだ!」

 予想通りというかなんというか、集合場所へ戻ると、案の定ノルンは怒り心頭だった。どうやらかなり探していたらしい。

 二人は素直に謝罪を述べた。

「ジェイ、お前の探知スキルが優秀なのは分かった。俺の張った障壁を軽々と越えてしまうほどだと言うこともな。しかし、今回のような使い方はダメだ。二度とするな!良いな!」

「ごめんなさい……」

「ところで、念のために確認するが……二人で妙なことをしてわけではないだろうな? なんだその……ボタンを掛け違うことのような……」

「あっ! こ、これはその!!」

 トーカは上着のボタン掛け違っていると気が付き、慌てて直し始める。

「んだよ、トーカ。今更気づいたのかよ。バカだなぁ」

 上半身裸のジェイがケラケラ笑うと、トーカは頬をぷっくり膨らませてそっぽを向いた。
ちなみにジェイが上半身裸なのは、ゴブリンにトマホークで切り裂かれ、ボロボロになってしまったからである。

「なにバカな想像してるんですか、ノルン様は! 2人はまだ子供ですよ!!」

 リゼルも何故か顔を真っ赤にして、訳のわからないことを叫んでいる。

「そ、そうだよな! さすがにこの歳で……」
「そうですよ! そうそう! まったくノルン様じゃあるまいし……」
「ぐっ……!」
「でもどうして2人はそんな格好しているのかな……? 水浴びでもしてただけだよね……? 怒らないから教えて?」

 リゼルに何を問われているのかさっぱり分からないジェイとトーカだった。
 ちなみにジェイとトーカが、この会話の内容を理解するのは、もう少し先の話である。

 さすがにゴブリンに襲われたなどいえるはずもなく、転んで身体を洗うために水浴びをしたと嘘をついたのは、ジェイとトーカだけの大事な秘密となったのだった。


――「あの時、ほんのちょっとだけノルンさんとリゼルさんが言っていたことの意味分かっていました。未だにあの時の話をするとジェイ君、顔が真っ赤っかになるんですよね。もうそれが可愛くて。いつもは野獣な癖に。ふふ……」by数年の後のトーカ。




★アドバイスを頂戴し、一部内容を変更しました。
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