20 / 34
お姫様たちへのノルンの過激なご指導
しおりを挟む「アン様、シェスタ様、デルパ様! 大変ながらくお待たせを致しました!」
意を決してグスタフは、三令嬢の部屋へ飛び込んだ。
瞬間、三人は怒鳴り合うのをやめて、仲良く揃ってグスタフを睨みつける。
「おいおい、グスタフ。僕らは新米冒険者なんだぜ? あんでここの最高責任者のてめぇが、僕らに"様"つけてんだよ。舐めてんのか、おお!!」
「癪だが私もドワーフに賛成だ。我らはそうした身分を捨ててまで、ここに馳せ参じた身。そういう特別扱いはやめていただきたい!」
「我もそう思……ぐぅ……腹が減って、怒ることもできん……」
こんな時ばかりとても仲良しな三人だった。
むぅ……これはなかなか難儀な依頼になりそうだ。
「実は冒険者初心者の御三方にぜひ紹介したい者がおりまして……」
「お初にお目にかかる。ヨトンヘイムギルド所属の助っ人冒険者のノルンだ」
実は"お初にお目にかかる"は嘘だ。
実際彼女達とは戦場を共にしている……が、こうして素顔で対面するのは初めてだから、お初にお目にかかるは正しいか……?
「ほう、貴様があの"ノルン"か。ふぅん……」
「ご存じ頂き光栄です、シェスタ様」
「くっ……貴様もそういう態度を取るのか、無礼者!」
どうやら普通の礼節はお気に召さないらしい。
なんと面倒な。
「で、グスタフ。なんで僕らにコイツを付けんだよ? もしかして僕たちの実力舐めてね?」
「い、いや、アン様……ああ、違った……アンさん? 皆さんの武勇は十分に存じております。とはいえ皆さんは冒険者としてはEランクの初心者です。ですので、このノルンから皆様へ冒険者としての心構えや指導を……」
「ンガァァァァァァ!!!!」
突然、竜人のデルパが咆哮を上げた。
「指導、我には不要! それより我、腹が減った! 早く飯にしたい!」
「僕もさんせー。別に心構えとか、指導とかなんていらねぇつーの! なぁ、くそエルフ?」
「ああ、ちんちくりんドワーフに私も賛成だ。我らに指導者など不要! せっかくご足労いただいて申し訳ないが、さっさとお帰りいただきたい!」
御三方からけちょんけちょんに言われて、グスタフは苦笑いを浮かべている。
俺自身はどう言われてもいいが、このままではグスタフの面目が……うーむ……
「ノルン殿、申し訳ないが道を開けていただきたい」
「そうだどけどけー! 僕らにてめぇなんて不要だぁ!」
「もう、だめぇ……我、腹が減りすぎておかしくなりそぉ……」
退いたら出ていってしまうだろう。
うーむ……
「貴様、邪魔だと言っている!」
刹那、鋭い殺気を感じた。
いつの間にかシェスタは緑色をした風のような魔力を纏っている。
「風の精霊よ! かのものを吹き飛ばさん!」
「ちょ、ちょっとシェスタ様、こんなところでーー!!」
エルフ特有の風魔法が発動された。
俺はすかさずグフタフの前へ躍り出る。
「ディスペルっ!」
咄嗟に解呪魔法を発動させた。
目の前に魔法陣が壁として発生し、突き進んできたシェスタの旋風を霧散させた。
だがシェスタの放つ魔力の気配は、未だ衰えず。
俺は床を蹴り、一気にシェスタとの距離を詰めた。
「わっ!? あがっ!?」
「これ以上はやめて頂きたい。もし抵抗するようならば、一時この腕を使えないようにさせていただく」
シェスタの腕を背後で固め、机に押し付けながらそう言った。
「くっ……き、貴様! 無礼であろう! 私はバルカの最高議長ネイモ・バルカの長子……」
「ここでそれを持ちだすか。先ほど、令嬢扱いをして怒鳴り散らしたのはそちらの方だと思ったが?」
「ぐぅ……」
「お前達がそのような態度で来るのなら、こちらも相応の態度で接することとする。分かったな!」
そう言い放つと、アン王女は腹を抱えて笑い始めた。
「だっせー! くそエルフだっせー! あはは! いや、気にいった! アンタ、ノルンだっけか? 良いぜ、とりあえずお前さんの話くらいきいてやんよ! 僕はそこのくそエルフと違って、賢いからな!」
「う、うるさい! ちんちくりんドワーフっ! 少し油断しただけだ!」
「ンガァァァァァァ!! もうどうでも良い! 我、飯くぅうぅぅ!!」
おっと、デルパ様のことをすっかり忘れていた。
すかさず無限道具袋から、時間停止魔法をかけて焼きたての鮮度を保った、ナウマーマンモスの骨つき肉を投げつける。
腹ぺこのデルパ様は見事にキャッチ。
「に、肉ぅ!! がぶがぶ!!」
「もっとか?」
「くれ!」
俺が骨付き肉を投げる度に、デルパ様は見事にキャチして、綺麗にそれを平らげてゆく。
「むふぅ……お前、良いやつ! 気に入った! アンと同じく、とりあえずお話だけでも聞いてやる」
どうやら、三人中2人は落とせたらしい。
「さぁ、シェスタ。あとはお前だけだ。どうするか?」
「くっ……好きにしろ! しかしどんな辱めを受けようとも、我が魂は蹂躙されず! 決して貴様などには屈せんぞ!」
……これではまるで、俺が極悪人のようではないか。
どうにもエルフというのはこの手の状況になると、こういうセリフを吐きがちだ。
たしか彼女達の経典に「ク・コロの節」というものがあり、どんな辱めを受けようとも、毅然とした態度で挑むよう記されているとか……しかし何でもかんでも、「ク・コロの節」をやられては困ってしまう。
よし、これで状況は一応落ち着いた。
……今日はとにかく時間がない。
夕方にはリゼさんとの約束もある。
とはいえ、この三人組はかなり厄介なので……あの手段を使ってサクッと済ませてしまうとしよう。
●●●
「うひょー! いきなり現場での実習だなんて、ノルンは話のわかるやつじゃん!」
「同感! 我の血が騒ぐ! 敵はどこだぁー! 食ってやる!」
指導のために近くの森へやってきた。
アンとデルパの反応は上々だ。
「……ほう、座学を飛ばしていきなり現場へか。思慮の浅い人間らしい判断だな」
シェスタの態度は相変わらず冷たいと……彼女は"氷の令嬢"ともバルカでは言われているから仕方がないか……。
そんな中唐突に、俺の勘が敵の存在を感知する。
「構えろ、ドワーフ! 竜人(ドラゴニュート)!」
「てめぇに指示されなくてもわかってらぁ!」
「ようやく暴れられる! がうっ!」
三人とも、俺と遜色のないいい勘をしている。
能力だけで考えれば将来有望なのは確実だろう。
そうして構えた三人の前へ、徒党を組んだゴブリンが現れ、襲い掛かる。
「ノルン! 貴様はそこで見ているがいい! 我らに貴様の助力など不要という事実をな!」
「こら! くそエルフ! 一番槍を取るんじゃねぇー!」
「ガウァァァァ!!」
基より手出しをするつもりはない。
まずは予想通りかどうか、お手並み拝見をいこう。
「つぁぁぁっ!」
シェスタは腰からレイピアを抜き、それに風を纏わせゴブリンを切り裂いてゆく。
見事な剣捌きで、思わず驚嘆の声が漏れてしまう。
しかも彼女が手にしているレイピアは、妖精に古く方伝わる霊剣"ナイジェル・ギャレット"か。
「力ノ扉開《フォースゲートオープン》け! いっけぇー!」
アンがそう叫び、空中へばら撒いた。
すると鉱石が瞬時に鳥や、虫の形を成して飛び、ゴブリンへ襲い掛かる。
生物としての再現度も高ければ、戦闘力もかなり高い。
非常に優秀な"鉱石魔法"と判断できた。
「平和の望む心にて、邪悪な空を斬る……雷っ! 斬空竜牙刀ぉっ! ンガァァァァァァ!!!」
デルパは竜の牙から魔力で生成した"竜牙刀"へ雷の力を纏わせ、ゴブリンを蹴散らす。
スピードは鈍いが威力が高い。更に纏った電撃で敵の攻撃を寄せ付けていない。
さすがは武勇に優れる竜人の姫君といったところか。
三人はそれぞれの特性を上手く活かして、ゴブリンを次々と薙ぎ倒してゆく。
ゴブリンも"とんでもない女に手を出してしまった!"と言わんばかりの喚き声をあげ、順次撤退をし始めている。
やがて戦闘が終わると、シェスタが真っ先に得意げな顔をこちらへ向けてきた。
「どうだ! これが私の実力だ! どうしても指導をしたいというのなら、アンとデルパだけーーッ!?」
「ほぅ、素早い。風の精霊の力でも借りたのか?」
「ぐっ……き、貴様、突然何を……!」
シェスタは苦悶の表情を浮かべつつナイジェル・ギャレットで、俺の叩き落とした骨大剣を受け止めていた。
「どうした? 苦しいのか? この程度さえ耐えられないなどーー片腹痛いわ!」
「ぐわぁーっ!」
ただ魔力を圧力として発しただけで、シェスタは紙切れのように宙を舞った。
突然のことに、当然アンとデルパは驚愕している。
そんな彼女達を尻目に、俺は道具袋から巻物《スクロール》を取り出し、紐を解いた。
魔法の発動が始まり、俺と三人を中心にやや虹色を帯びた半透明の輝きが広がってゆく。
「こ、これって、障壁魔法……?」
「ご名答だアン。さすがは高度な鉱石魔法を扱うだけのことはある」
「ノルン、貴様、我らを閉じ込めて何をする……?」
「指導をすると言ったはずだが」
俺はアンとデルパ、そしてヨロヨロと起き上がっているシェスタへ向けて骨大剣の鋒を突きつけた。
「俺は言葉で教えるのが苦手でな! よって、お前達三人の体へ、直接教えを叩き込む! しかも今日の俺はとても時間がない! 故に、加減ができないということをあらかじめ申し上げておく!」
19
お気に入りに追加
1,225
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
「魔王のいない世界には勇者は必要ない」と王家に追い出されたので自由に旅をしながら可愛い嫁を探すことにしました
夢幻の翼
ファンタジー
「魔王軍も壊滅したし、もう勇者いらないよね」
命をかけて戦った俺(勇者)に対して魔王討伐の報酬を出し渋る横暴な扱いをする国王。
本当ならばその場で暴れてやりたかったが今後の事を考えて必死に自制心を保ちながら会見を終えた。
元勇者として通常では信じられないほどの能力を習得していた僕は腐った国王を持つ国に見切りをつけて他国へ亡命することを決意する。
その際に思いついた嫌がらせを国王にした俺はスッキリした気持ちで隣町まで駆け抜けた。
しかし、気持ちの整理はついたが懐の寒かった俺は冒険者として生計をたてるために冒険者ギルドを訪れたがもともと勇者として経験値を爆あげしていた僕は無事にランクを認められ、それを期に国外へと向かう訳あり商人の護衛として旅にでることになった。
といった序盤ストーリーとなっております。
追放あり、プチだけどざまぁあり、バトルにほのぼの、感動と恋愛までを詰め込んだ物語となる予定です。
5月30日までは毎日2回更新を予定しています。
それ以降はストック尽きるまで毎日1回更新となります。
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
異世界をスキルブックと共に生きていく
大森 万丈
ファンタジー
神様に頼まれてユニークスキル「スキルブック」と「神の幸運」を持ち異世界に転移したのだが転移した先は海辺だった。見渡しても海と森しかない。「最初からサバイバルなんて難易度高すぎだろ・・今着てる服以外何も持ってないし絶対幸運働いてないよこれ、これからどうしよう・・・」これは地球で平凡に暮らしていた佐藤 健吾が死後神様の依頼により異世界に転生し神より授かったユニークスキル「スキルブック」を駆使し、仲間を増やしながら気ままに異世界で暮らしていく話です。神様に貰った幸運は相変わらず仕事をしません。のんびり書いていきます。読んで頂けると幸いです。
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる