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父様からの手紙
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その日、僕達は王宮の庭園を見た後、応接室に戻って皆で雑談した。その後は寮に戻って過ごした。それから数日後……
「……もう行っちゃうの…?」
「ルークお前…なに半べそかいてるんだよ。」
「かいてないよ!!」
クロノスさん達がもう王都を立つって言って準備をしてるんだよ……寂しくなっちゃうな……
「あらあら…そうね……ルーク君、ちょっといいかしら?」
「?どうしたの?」
ルナさんに呼ばれて近付くと、あるものを手渡された。僕は手渡されたものを見て驚いたよ……
「…どう、して……」
「プレゼントよ。私も物心ついた時にはずっと着けていたからいつから持っているのか分からないのよ。でも…ルーク君に持っていてほしいの。」
「……いいの?」
「ええ、大切にしてあげて。」
「うん。」
「ルナ、いいのか?俺以外に触らせたこともなかったのに。」
「…え?」
そうなの?……ちょっと嬉しいかも。
「いいのよ。ルーク君になら渡しても。というより…ルークが持っていないといけないような気がするわ。」
「そうか、まぁ…お前の物だし、好きにすればいいけどな。」
僕は貰ったもの……ネックレスを着けた。
「ありがとう!」
「ふふふ、どういたしまして。」
絶対に大切にするよ!
お見送りをするために、皆で王都の門までやって来た。
「じゃあ、またな。」
「二年後にまた王都に来るわ。」
クロノスさんとルナさんが微笑みながらそう言った。
「うん!またね!絶対来てね!」
「ありがとう!楽しかった!」
「ありがとう。次来た時も父上に会ってあげて。喜ぶよ。」
「いつでも来てね。また皆で遊ぼうよ。待ってるからね。」
本当にもう行っちゃうんだ……でもまた会えるもんね!それまで我慢しないと!
「おう!俺達も楽しかった!じゃあな!」
「私も皆と会えてよかったわ。また二年後に会いましょう。」
僕達は二人が見えなくなるまで手を振ってから寮に帰ってきた。
「ねぇ、ルーク。そのネックレスって……」
寮に着いて最初に優依が問いかけた。
「…うん、お母さんのだよ。」
「『お母さん』って……」
「まさか前世のかい?」
僕の言葉にカインとノインも不思議そうにしている。
「うん、お母さんの形見……だったんだけどね。」
「どうしてそれをルナさんが……?」
カインが恐る恐るといった感じで問いかけた。
「…………ルナさんが僕の前世のお母さんで、クロノスさんがお父さんだから。」
「あー……うん、私は納得だね。」
優依は納得したみたいだけど……何に納得したんだろう?
「ん~…なんていうか……おじいちゃんとおばあちゃんに甘える時に似てたから?」
「そ、そうかな……?」
甘えるって言っても特に甘えてはないような気がするけど……優依にはそう見えたならそうだったのかな……?
「二人は知ってるの?」
「知らないよ。リディア様が記憶を消してリセットした後でこの世界に送ってくれたんだよ。」
「……じゃあ、これから思い出すこともないの…?」
ノインが気まずそうに聞いてきた。
「う~ん……それは分からないなぁ……でも、多分ないと思うよ。」
「そう…なんだ……」
しん……と沈黙の時間が続いた。
……気を使わせちゃったかな……
コンコンッ
と、玄関のドアをノックする音がした。
「はーい!」
僕が出ると、そこには着いてきていた使用人さんが一人いた。
「ルーク様、こちら当主様からのお手紙です。先程届きました。」
「父様から?届けてくれてありがとう!」
手紙を受け取ってから部屋に戻って開封するとこんなことが書かれていた。
可愛いルークとユイちゃんへ
ヤマトは楽しかったか?そろそろ帰って来ているだろうと思って手紙を送ることにした。
二人は同じクラスにネルフィン伯爵家の令嬢がいるのを知っているか?実はネルフィン伯爵とは学生時代の同級生で久しぶりに会うことになったのだ。もうすぐ夏休みに入るだろう?辺境に帰って来る時に三人で一緒に帰って来て欲しい。それに合わせて伯爵も辺境に来ることになっている。
伯爵も令嬢に手紙を送っていると思うが念のため、令嬢に話をしておいてほしい。
ヴィントより
…え……?つまり、シルファと辺境に帰るってことだよね?……うぅ~…どんな顔して会えばいいんだろう…?何かした方がいいのかな?どうしよう?
「オッケー!シルファちゃんと帰ったらいいんだよね!楽しみだね!ルーク!」
「う、うん。」
まだ夏休みまで一ヶ月くらいあるのに……夏休みに辺境に帰るだけなのに……物凄く緊張してきちゃったよ……
「……もう行っちゃうの…?」
「ルークお前…なに半べそかいてるんだよ。」
「かいてないよ!!」
クロノスさん達がもう王都を立つって言って準備をしてるんだよ……寂しくなっちゃうな……
「あらあら…そうね……ルーク君、ちょっといいかしら?」
「?どうしたの?」
ルナさんに呼ばれて近付くと、あるものを手渡された。僕は手渡されたものを見て驚いたよ……
「…どう、して……」
「プレゼントよ。私も物心ついた時にはずっと着けていたからいつから持っているのか分からないのよ。でも…ルーク君に持っていてほしいの。」
「……いいの?」
「ええ、大切にしてあげて。」
「うん。」
「ルナ、いいのか?俺以外に触らせたこともなかったのに。」
「…え?」
そうなの?……ちょっと嬉しいかも。
「いいのよ。ルーク君になら渡しても。というより…ルークが持っていないといけないような気がするわ。」
「そうか、まぁ…お前の物だし、好きにすればいいけどな。」
僕は貰ったもの……ネックレスを着けた。
「ありがとう!」
「ふふふ、どういたしまして。」
絶対に大切にするよ!
お見送りをするために、皆で王都の門までやって来た。
「じゃあ、またな。」
「二年後にまた王都に来るわ。」
クロノスさんとルナさんが微笑みながらそう言った。
「うん!またね!絶対来てね!」
「ありがとう!楽しかった!」
「ありがとう。次来た時も父上に会ってあげて。喜ぶよ。」
「いつでも来てね。また皆で遊ぼうよ。待ってるからね。」
本当にもう行っちゃうんだ……でもまた会えるもんね!それまで我慢しないと!
「おう!俺達も楽しかった!じゃあな!」
「私も皆と会えてよかったわ。また二年後に会いましょう。」
僕達は二人が見えなくなるまで手を振ってから寮に帰ってきた。
「ねぇ、ルーク。そのネックレスって……」
寮に着いて最初に優依が問いかけた。
「…うん、お母さんのだよ。」
「『お母さん』って……」
「まさか前世のかい?」
僕の言葉にカインとノインも不思議そうにしている。
「うん、お母さんの形見……だったんだけどね。」
「どうしてそれをルナさんが……?」
カインが恐る恐るといった感じで問いかけた。
「…………ルナさんが僕の前世のお母さんで、クロノスさんがお父さんだから。」
「あー……うん、私は納得だね。」
優依は納得したみたいだけど……何に納得したんだろう?
「ん~…なんていうか……おじいちゃんとおばあちゃんに甘える時に似てたから?」
「そ、そうかな……?」
甘えるって言っても特に甘えてはないような気がするけど……優依にはそう見えたならそうだったのかな……?
「二人は知ってるの?」
「知らないよ。リディア様が記憶を消してリセットした後でこの世界に送ってくれたんだよ。」
「……じゃあ、これから思い出すこともないの…?」
ノインが気まずそうに聞いてきた。
「う~ん……それは分からないなぁ……でも、多分ないと思うよ。」
「そう…なんだ……」
しん……と沈黙の時間が続いた。
……気を使わせちゃったかな……
コンコンッ
と、玄関のドアをノックする音がした。
「はーい!」
僕が出ると、そこには着いてきていた使用人さんが一人いた。
「ルーク様、こちら当主様からのお手紙です。先程届きました。」
「父様から?届けてくれてありがとう!」
手紙を受け取ってから部屋に戻って開封するとこんなことが書かれていた。
可愛いルークとユイちゃんへ
ヤマトは楽しかったか?そろそろ帰って来ているだろうと思って手紙を送ることにした。
二人は同じクラスにネルフィン伯爵家の令嬢がいるのを知っているか?実はネルフィン伯爵とは学生時代の同級生で久しぶりに会うことになったのだ。もうすぐ夏休みに入るだろう?辺境に帰って来る時に三人で一緒に帰って来て欲しい。それに合わせて伯爵も辺境に来ることになっている。
伯爵も令嬢に手紙を送っていると思うが念のため、令嬢に話をしておいてほしい。
ヴィントより
…え……?つまり、シルファと辺境に帰るってことだよね?……うぅ~…どんな顔して会えばいいんだろう…?何かした方がいいのかな?どうしよう?
「オッケー!シルファちゃんと帰ったらいいんだよね!楽しみだね!ルーク!」
「う、うん。」
まだ夏休みまで一ヶ月くらいあるのに……夏休みに辺境に帰るだけなのに……物凄く緊張してきちゃったよ……
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