くじ引きで決められた転生者 ～スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?～

海の上で…

「わあっ！見てみて！凄く綺麗だよ！」　

「ホントだ！絶景だね！」

今、僕達は空にいる。

王都を出て二日目。船に乗るために港町に来たよ！海の水が太陽の光で反射してキラキラしているのと白と青を基調にした町並みが凄くマッチしてて優依とノインの言うように絶景だね！

僕は人差し指と親指を立てて四角を作ってその四角の中を覗き込む。

「ルーク？何をしているんだい？」

「あ、カイン…ちょっと写真に残そうと思ったんだ！だからいい感じに撮れる場所探してるんだよ。」

「へぇ……」

「………この角度にしようかな。」

僕は創造魔法で写真を六枚作る。

「はい、カイン。」

「いいのかい？ありがとう。」

「優依、ノイン。はい、これ。写真だよ。」

「「ありがとう！」」

僕達は人目につかないところに着地して町に入る。

「スゴいね！なんか港町って感じ！」

優依のテンション高めだね。

「ここは貿易が盛んだから他の国の商人も多いらしいね。」

「こんなにたくさんの人初めて見たよ！」

カインとノインも物珍しそうにキョロキョロしてる。

「そう？これくらいじゃないの？私は勝手に少し少ないかな～とか思ってたよ？」

「「え？多いと思うけど……」」

優依の発言にカインとノインが唖然とする。

そりゃあ…まあ……

「……優依…東京の交差点と比べたらダメだよ……」

「あれ？そうかな？」




僕達は優依の天然に振り回されながら予約してた船にチェックインして乗り込む。

ちなみに僕達が乗る船は大型船でかなり大きいよ！一人部屋、二人部屋、四人部屋、八人部屋、十人以上の大部屋があって勿論、僕達は四人部屋だよ！部屋には台所とトイレはついててお風呂は大浴場なんだ！めっちゃ楽しみ！…ヤマトには温泉ってあるかな？王国にはないんだよね……久しぶりに温泉入りたい！

「受付のお姉さん、驚いてたね。」

皆で部屋に向かいながら歩いていると優依がそんなことを言う。

「そりゃ、子供達四人でヤマトまで行こうとしてるんだもん。僕が逆だったら絶対止めるよ。」

「事実、止めかけられたね。ルークが押しきったけど。」

「受付のお姉さんも大変だね。ルークみたいな頑固な子供の対応なんて。」

「えぇ……その感じだと僕が悪いみたいじゃん……カインとノインも押しきるでしょ？」

「「もちろん！」」

「なら、いいじゃん！」

「あっ！この部屋みたいだよ。」

話しながら歩いているともう着いたみたい。優依が言ってくれなかった通りすぎちゃうところだった。

「じゃあ、開けるよ。」

鍵を持ってたカインが代表して部屋のドアを開ける。

中に入るとシングルベッドが四つあってその隣に四人掛けのテーブルと椅子がある。入ってすぐ左にあったドアの向こうはお手洗いだった。キッチンはテーブルの近くにあったよ！

「思ってたよりしっかりしてるね！」

「うん。これなら四日なんてあっという間だね。」

僕達が荷物を部屋で整理しているとアナウンスが流れた。

『ただいまよりこの船は出港いたします。目的地までごゆっくりどうぞ。船から見える景色などお楽しみください。』

アナウンスが終わったら船が動きだした。

「わあ…動いた……」

ノインが部屋の窓から外を見ながら呟く。

「動いてもらわないとちょっと困るかもね？」

カインがツッコミを入れる。

「確かに！」



僕達は荷物を整理した後、建物から出て景色を見に行った。

「わあ……海ってこんなのなんだ！」

「綺麗な色だね。」

王都から出ることがほとんどないカインとノインは海を見るのは初めてみたい。

「この辺は深いからないけど浅い所だとサンゴ礁とかもたくさんあるんだろうね。水温も高そうだし。」

「だね。私、サンゴって見たことないから見てみたいかも。」

僕と優依は前世で海には遊びに行ったことがあるから海自体は物珍しくないけど見たことないくらい綺麗な色の海水を見てそんなことを思った。

「……今の間に写真撮っとかない？今なら人もいないし。」

「「「賛成！」」」

海をバックに四人で並んで一枚とカインとノインで一枚、僕と優依で一枚、僕とカインで一枚、優依とノインで一枚撮った。

それぞれの写真をとりあえず、全部の写真を全員分複製したよ！

「ねぇ、夜もここで写真撮らない？」

「いいね。また、夜に写真撮ろう！」

「「夜も？」」

優依の提案に僕が同意するとカインとノインが首を傾げる。

あっ、二人は海に来たことないから昼と夜じゃ全然違うことを知らないんだ！

「うん！昼に写真撮るのと夜に撮るのとじゃ全然印象違うんだ！」

「そうなんだ！楽しみ！」

「…なんというか……写真って便利だね。」

カインの反応もごもっともだね。こっちには絵しかないからすぐに紙に残すことが出来ないからね。


それから、僕達は一旦部屋に戻って変な時間だけど大浴場に行ってみることにした。