49 / 107
深紅の瞳
しおりを挟む
昼食を食べて僕と優依は教皇さんに称号、ステータスの偽装について分かった事を話すために教皇さんの執務室に足を運んだ。
「まず、カミラのステータスの偽装について分かった事があります。」
「もう分かった事があるのですか?凄いですね。」
「大したことはしていません。カミラが身に付けている物を鑑定しただけです。」
そう、カミラがステータスを偽装出来たのは身に付けていたアクセサリーの効果だったんだ。
「ということは、それらの中にステータスを偽装出来るような物があったのですね。」
「うん。カミラが着けてるブレスレットの効果みたいだよ。しかも、『呪いの装備』だった。邪神の力が宿ってるって!」
「効果としては『ステータス画面の表示変更』という効果みたいです。」
「…そのような物が出回っていたとは…それも呪いの装備ですか…」
鑑定したらこんな表示が出たよ!
偽りのブレスレット 【呪】
効果 ステータス画面の表示変更
詳細 邪神の力が宿ったブレスレット。装備者の本来のステータスを隠蔽し、装備者が指定した別のステータスを表示することが出来る。
代償 装備者の寿命
呪いの装備って言うのは『代償』によって効果を発揮する装備のことなんだ。どんなにしょうもない効果でも代償があれば呪いの装備になるんだよ。
「…それと教皇様、もう一つ話しておかないといけないことがあるのですが…」
「?他にもあるのですか?」
「はい。…実は『聖女』の称号は優依のものらしいです。」
「!?そうなのですか!!」
そうだよね…そういう反応になるよね…
「うん。えっと…ちょっと待ってね。…エル!おいで!」
優依は召喚魔法の魔法陣を展開してエルを召喚した。
『優依~ルーク~!会いたかったよ!』
「うん!僕も!」
「相変わらず可愛いなぁ~」
エルは年齢的にはもう成体なんだけど体の大きさを変えれるみたいでずっと子狼の姿のままなんだ!…つまり、可愛い!成体でも可愛いだろうけどやっぱり子狼が可愛いよ!
「フェンリル様、お会いできて光栄です。キルファ神聖国の教皇ミリアナと申します。」
『ボクはエルピスだよ!エルって呼んでね!』
どうやら、エルはリディア様から色々聞いていたみたいで色々話してくれた。
1.カミラは何かしらの理由で邪神と接点があり、その時にブレスレットを受け取った。
2.それと同時に邪神の力で優依の『聖女』の称号を奪った。
3.そして、カミラには聖魔法の適性が皆無で聖魔法も他人から一緒に奪ったもの。
ということだった。
話し合いは一度切り上げ明日することになった。そして、今客室に僕一人でいる。夕飯はなるべくカミラと接しないように各自部屋でとることにした。
…どうして、僕が一人なのか気になる?簡単な話。優依は影魔法で教皇さんの部屋に行っててエルは学園の寮に帰ったからだよ!
カミラのステータス偽装についてどのタイミングで正式に国に話を持ち出すか、などなど考えているとドアがノックされた。
「はい。」
「ルーク様!いらっしゃってよかったです!」
「カミラ様。どうしたのですか?」
そう、ドアの向こうにいたのはカミラだった。
「ふふふ、ルーク様。私の目を見てくださいますか?」
「目を、ですか…?」
何だろう…嫌な予感がする。
「はい!見てください!」
カミラは横を向いた僕の顔を無理やり自分の方に向けた。そしてつい、僕はカミラの目を見てしまった…
「…あ……」
薄い緑だったはずのカミラの瞳は深紅の色に変化していた。僕の視界はボヤけている。
…あ……ダメ…頭が回らない…どうすれば…?
次第に視界は暗くなっていき、僕はその場に倒れ込んだ。
「ふふふ。任務、完了ですね。」
そう呟いたカミラの声はもう僕には届いていなかった。
『…持って来たか?』
「はい。こちらに。」
暗く何もないただ暗いだけの空間にカミラはいた。カミラはその場に響いた声に返事をした。何もなかった彼女の前にどこからか先ほど眠らせたルークが現れた。
『くくく…カミラよ、よくやった。褒美をやろう。』
「でしたら、その人間が用済みになれば私に譲ってくださいますか?」
『よかろう。…引き続き頼む。』
「はい。お任せください。『邪神様』」
その言葉を残しカミラは暗い空間から消え、その場には横たわっているルークと邪神のみになった。
『くくく…『勇者』よ…その力を我に捧げ、魂を捧げ、我の忠実な下僕となるのだ!』
そう邪神が高らかに声を発するとルークの周りに黒い霧がかかった。霧はルークの中に入り込んでいき、周りにあった霧が全てルークの中に入り終わると、ルークは体を起こした。だが、その瞳には生気は感じられず普段は光輝いている薄紫の色は黒く濁っていた。ルークの体は邪神によって動かされているがルークの意識はまだ眠ったままだった。
『ルークよ。今日からお前は我の下僕だ。我に絶対服従だ。命令通り動け。』
「…はい。」
その声はルークだが彼の意思ではなく、邪神がルークの体を操り自分の思い通りの返事をさせている。邪神は魂に干渉する魔法を使い、魂自体に主従関係を刻み込もうとしているのだろう。
『その魂を我に捧げ、永遠の忠誠を誓え。』
邪神がそう言うとルークの黒く濁っている瞳が一瞬赤く光った。
「…はい。」
ルークはその場で片膝を着いた。
「…邪神様に永遠の忠誠を。」
『く…くはははっ!いい!いいぞ!我を打つはずの『勇者』が我に頭を垂れている!実にいい!』
邪神は愉快そうに笑う。
『お前の最初の任務だ。お前の『仲間だった』ユイを殺せ!』
「…畏まりました。」
そう、ルークは返事をした。
「まず、カミラのステータスの偽装について分かった事があります。」
「もう分かった事があるのですか?凄いですね。」
「大したことはしていません。カミラが身に付けている物を鑑定しただけです。」
そう、カミラがステータスを偽装出来たのは身に付けていたアクセサリーの効果だったんだ。
「ということは、それらの中にステータスを偽装出来るような物があったのですね。」
「うん。カミラが着けてるブレスレットの効果みたいだよ。しかも、『呪いの装備』だった。邪神の力が宿ってるって!」
「効果としては『ステータス画面の表示変更』という効果みたいです。」
「…そのような物が出回っていたとは…それも呪いの装備ですか…」
鑑定したらこんな表示が出たよ!
偽りのブレスレット 【呪】
効果 ステータス画面の表示変更
詳細 邪神の力が宿ったブレスレット。装備者の本来のステータスを隠蔽し、装備者が指定した別のステータスを表示することが出来る。
代償 装備者の寿命
呪いの装備って言うのは『代償』によって効果を発揮する装備のことなんだ。どんなにしょうもない効果でも代償があれば呪いの装備になるんだよ。
「…それと教皇様、もう一つ話しておかないといけないことがあるのですが…」
「?他にもあるのですか?」
「はい。…実は『聖女』の称号は優依のものらしいです。」
「!?そうなのですか!!」
そうだよね…そういう反応になるよね…
「うん。えっと…ちょっと待ってね。…エル!おいで!」
優依は召喚魔法の魔法陣を展開してエルを召喚した。
『優依~ルーク~!会いたかったよ!』
「うん!僕も!」
「相変わらず可愛いなぁ~」
エルは年齢的にはもう成体なんだけど体の大きさを変えれるみたいでずっと子狼の姿のままなんだ!…つまり、可愛い!成体でも可愛いだろうけどやっぱり子狼が可愛いよ!
「フェンリル様、お会いできて光栄です。キルファ神聖国の教皇ミリアナと申します。」
『ボクはエルピスだよ!エルって呼んでね!』
どうやら、エルはリディア様から色々聞いていたみたいで色々話してくれた。
1.カミラは何かしらの理由で邪神と接点があり、その時にブレスレットを受け取った。
2.それと同時に邪神の力で優依の『聖女』の称号を奪った。
3.そして、カミラには聖魔法の適性が皆無で聖魔法も他人から一緒に奪ったもの。
ということだった。
話し合いは一度切り上げ明日することになった。そして、今客室に僕一人でいる。夕飯はなるべくカミラと接しないように各自部屋でとることにした。
…どうして、僕が一人なのか気になる?簡単な話。優依は影魔法で教皇さんの部屋に行っててエルは学園の寮に帰ったからだよ!
カミラのステータス偽装についてどのタイミングで正式に国に話を持ち出すか、などなど考えているとドアがノックされた。
「はい。」
「ルーク様!いらっしゃってよかったです!」
「カミラ様。どうしたのですか?」
そう、ドアの向こうにいたのはカミラだった。
「ふふふ、ルーク様。私の目を見てくださいますか?」
「目を、ですか…?」
何だろう…嫌な予感がする。
「はい!見てください!」
カミラは横を向いた僕の顔を無理やり自分の方に向けた。そしてつい、僕はカミラの目を見てしまった…
「…あ……」
薄い緑だったはずのカミラの瞳は深紅の色に変化していた。僕の視界はボヤけている。
…あ……ダメ…頭が回らない…どうすれば…?
次第に視界は暗くなっていき、僕はその場に倒れ込んだ。
「ふふふ。任務、完了ですね。」
そう呟いたカミラの声はもう僕には届いていなかった。
『…持って来たか?』
「はい。こちらに。」
暗く何もないただ暗いだけの空間にカミラはいた。カミラはその場に響いた声に返事をした。何もなかった彼女の前にどこからか先ほど眠らせたルークが現れた。
『くくく…カミラよ、よくやった。褒美をやろう。』
「でしたら、その人間が用済みになれば私に譲ってくださいますか?」
『よかろう。…引き続き頼む。』
「はい。お任せください。『邪神様』」
その言葉を残しカミラは暗い空間から消え、その場には横たわっているルークと邪神のみになった。
『くくく…『勇者』よ…その力を我に捧げ、魂を捧げ、我の忠実な下僕となるのだ!』
そう邪神が高らかに声を発するとルークの周りに黒い霧がかかった。霧はルークの中に入り込んでいき、周りにあった霧が全てルークの中に入り終わると、ルークは体を起こした。だが、その瞳には生気は感じられず普段は光輝いている薄紫の色は黒く濁っていた。ルークの体は邪神によって動かされているがルークの意識はまだ眠ったままだった。
『ルークよ。今日からお前は我の下僕だ。我に絶対服従だ。命令通り動け。』
「…はい。」
その声はルークだが彼の意思ではなく、邪神がルークの体を操り自分の思い通りの返事をさせている。邪神は魂に干渉する魔法を使い、魂自体に主従関係を刻み込もうとしているのだろう。
『その魂を我に捧げ、永遠の忠誠を誓え。』
邪神がそう言うとルークの黒く濁っている瞳が一瞬赤く光った。
「…はい。」
ルークはその場で片膝を着いた。
「…邪神様に永遠の忠誠を。」
『く…くはははっ!いい!いいぞ!我を打つはずの『勇者』が我に頭を垂れている!実にいい!』
邪神は愉快そうに笑う。
『お前の最初の任務だ。お前の『仲間だった』ユイを殺せ!』
「…畏まりました。」
そう、ルークは返事をした。
0
お気に入りに追加
1,067
あなたにおすすめの小説
暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~
暇人太一
ファンタジー
仲良し3人組の高校生とともに勇者召喚に巻き込まれた、30歳の病人。
ラノベの召喚もののテンプレのごとく、おっさんで病人はお呼びでない。
結局雑魚スキルを渡され、3人組のパシリとして扱われ、最後は儀式の生贄として3人組に殺されることに……。
そんなおっさんの前に厳ついおっさんが登場。果たして病人のおっさんはどうなる!?
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした
御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。
異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。
女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。
――しかし、彼は知らなかった。
転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――
転生した体のスペックがチート
モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。
目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい
このサイトでは10話まで投稿しています。
続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!
幼少期に溜め込んだ魔力で、一生のんびり暮らしたいと思います。~こう見えて、迷宮育ちの村人です~
月並 瑠花
ファンタジー
※ファンタジー大賞に微力ながら参加させていただいております。応援のほど、よろしくお願いします。
「出て行けっ! この家にお前の居場所はない!」――父にそう告げられ、家を追い出された澪は、一人途方に暮れていた。
そんな時、幻聴が頭の中に聞こえてくる。
『秋篠澪。お前は人生をリセットしたいか?』。澪は迷いを一切見せることなく、答えてしまった――「やり直したい」と。
その瞬間、トラックに引かれた澪は異世界へと飛ばされることになった。
スキル『倉庫(アイテムボックス)』を与えられた澪は、一人でのんびり二度目の人生を過ごすことにした。だが転生直後、レイは騎士によって迷宮へ落とされる。
※2018.10.31 hotランキング一位をいただきました。(11/1と11/2、続けて一位でした。ありがとうございます。)
※2018.11.12 ブクマ3800達成。ありがとうございます。
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる