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緑茶の手掛かり
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あれから少し教皇さんと雑談した後、優依を起こして用意してくれた客室に向かうことにした。
「おーい、優依ー起きてー。教皇様が用意してくれた部屋に行こう?」
「…うぅ…うみゅ…すぅすぅ…」
うーん…ダメだね…起きないよ…
「…起きませんね…」
「はい…どうしましょうか…」
どうしよっか…風魔法で浮かして連れて行こうかな?
「…私が部屋まで運んでもいいですか?」
「え?教皇様が?…構いませんけど…大丈夫ですか?」
「はい。こう見えて結構力持ちですから。お任せ下さい。」
「じゃあ、お願いします。」
「はい。…よいしょ」
…掛け声はあったけど軽々優依を抱き上げたよ…疑ってたわけじゃないけどビックリしちゃった…
「では、行きましょうか。ご案内しますね。」
「ありがとうございます。よろしくお願いします。」
僕達は応接室から出て客室に向かった。
城に入った時は人はほとんどいなかったけど何人か途中ですれ違ったよ!皆、修道服みたいな服を着てたんだ!何だか新鮮だったよ!
そんなことを考えてたら着いたみたい。
「この部屋です。ご自由にお使いください。…兄妹だと聞いていたので二人で一つの部屋を準備しましたが…もう一つ準備しましょうか?」
「いえ、このままで大丈夫です。」
「分かりました。…ユイさんはベッドに寝かしますね。」
「ありがとうございます。」
教皇さんが優依をベッドに寝かした後、このまま部屋でお茶をすることになった。
「ルークさん、実は私はお茶が好きで自分でブレンドしたお茶なのですがよければルークさんのご感想をお聞きしてもよろしいですか?」
「僕でよければいくらでも。…ですが、僕はそこまでお茶のことを詳しく知りませんのでそれでもよければ。」
「はい、大丈夫ですよ。…立場上、人とお茶をすることはありますがそれはいつも使用人や見習いの神官が淹れるので私がブレンドしたお茶の感想を聞くことはないんですよ。いつか、他の人にも飲んで貰いたかったんです。不味ければ不味いと言ってくださいね。」
「はい。分かりました。」
そんなやり取りをしてから教皇さんが紅茶を出してくれた。お茶菓子は他の見習い神官さんが持ってきてくれたよ!
「ルークさん、どうぞ。」
「ありがとうございます。」
教皇さんが持ってきてくれた紅茶は見た目は普通の紅茶と変わらなかったけど、なんだか…花…かな?みたいな香りがする。前世でもあったフラワーティーだね!とっても楽しみ!
「いただきます。」
「はい、どうぞ。」
教皇さんの紅茶を一口飲んでみた。
「…!?美味しいです!」
「まぁ!本当ですか?良かったです。」
すごく美味しい!最初は優しい紅茶の味が広がって後味は花の香りが残る。でも、しつこくない。…これ、ミルクティーにしてもめっちゃ美味しいと思うよ!でも、この世界にミルクティーってないんだよね。…よしっ!
「教皇様、この紅茶を少し少なめにもう一杯淹れてもらえませんか?」
「はい、喜んで。」
「ありがとうございます。…それと、ミルクって用意出来ますか?」
「…?ミルク、ですか?出来ますが…それをどうするのですか?」
「ふふ、後のお楽しみです。」
「そうきましたか…分かりました。今は我慢しましょう。」
そう言って教皇さんはさっきの紅茶とミルクを用意してくれた。
「はい、ルークさん。ミルクも準備しました。」
「ありがとうございます。」
「…ミルクは何に使うのですか?」
「ふふ、見ていてください。」
僕は少し少なめの紅茶に角砂糖二つとミルクを入れて混ぜた後、向かい合わせで座ってる教皇さんの前に置いた。
「教皇様、一度このお茶を飲んでみてください。」
「これは…お茶にミルクを混ぜたのですね。…いただきます。」
教皇さんは物珍しそうに眺めてからミルクティーを飲む。そして、目を見開いた。
「…これは!ただ、お茶とミルクを混ぜただけでこんなに美味しくなるのですか!?…今までお茶に何かを加えるという発想がありませんでしたが、なるほど…ミルクを混ぜるとこのように変化するのですね。」
「気に入って頂けましたか?」
「はい。とても気に入りました。他の人とお茶をする時にオススメしてもいいですか?」
「勿論です。」
「ありがとうございます。…何かお礼がしたいのですが何かありますか?可能な範囲で叶えますのでなんでも言ってください。」
「え?お礼ですか?」
うーん…何かあるかな?魔物の変化についてはさっきの話し合いで情報を貰えることになったし……あっ!ダメ元でアレを知ってるか聞いてみよう!
「…あの、でしたら一つ聞きたいのですが…」
「はい、なんでしょう。」
「教皇様は緑の色をした苦味のある飲み物を知っていますか?」
僕は緑茶を知ってるかどうかを聞いてみた。…ハッキリ言って期待はしてないよ。どれだけ探しても見つからなかったから。…でも、もしかしたらお茶好きの教皇さんなら知ってるかもしれない。僕は最後の希望(なんか大袈裟だけど)を教皇さんに託す。
「…緑の色をした飲み物、ですか…………そういえば私が紅茶の茶葉を取り寄せている小さな島国があるのですが、そこで飲まれている『お茶』が私達が飲んでいるものとは違うとか違わないとか…」
「!?本当ですか!?」
「はい。東の方にある小さな島国で事実かどうかは分からないのですが、噂で聞いたことはあります。」
「事実かどうか分からなくても大丈夫です!ありがとうございます!」
多分あるよ!その島国に!なんかラノベとかでよくあるどこから来たのか分からないけど日本文化の国だし!しかも、東にある!ここで聞いといてよかった!
「おーい、優依ー起きてー。教皇様が用意してくれた部屋に行こう?」
「…うぅ…うみゅ…すぅすぅ…」
うーん…ダメだね…起きないよ…
「…起きませんね…」
「はい…どうしましょうか…」
どうしよっか…風魔法で浮かして連れて行こうかな?
「…私が部屋まで運んでもいいですか?」
「え?教皇様が?…構いませんけど…大丈夫ですか?」
「はい。こう見えて結構力持ちですから。お任せ下さい。」
「じゃあ、お願いします。」
「はい。…よいしょ」
…掛け声はあったけど軽々優依を抱き上げたよ…疑ってたわけじゃないけどビックリしちゃった…
「では、行きましょうか。ご案内しますね。」
「ありがとうございます。よろしくお願いします。」
僕達は応接室から出て客室に向かった。
城に入った時は人はほとんどいなかったけど何人か途中ですれ違ったよ!皆、修道服みたいな服を着てたんだ!何だか新鮮だったよ!
そんなことを考えてたら着いたみたい。
「この部屋です。ご自由にお使いください。…兄妹だと聞いていたので二人で一つの部屋を準備しましたが…もう一つ準備しましょうか?」
「いえ、このままで大丈夫です。」
「分かりました。…ユイさんはベッドに寝かしますね。」
「ありがとうございます。」
教皇さんが優依をベッドに寝かした後、このまま部屋でお茶をすることになった。
「ルークさん、実は私はお茶が好きで自分でブレンドしたお茶なのですがよければルークさんのご感想をお聞きしてもよろしいですか?」
「僕でよければいくらでも。…ですが、僕はそこまでお茶のことを詳しく知りませんのでそれでもよければ。」
「はい、大丈夫ですよ。…立場上、人とお茶をすることはありますがそれはいつも使用人や見習いの神官が淹れるので私がブレンドしたお茶の感想を聞くことはないんですよ。いつか、他の人にも飲んで貰いたかったんです。不味ければ不味いと言ってくださいね。」
「はい。分かりました。」
そんなやり取りをしてから教皇さんが紅茶を出してくれた。お茶菓子は他の見習い神官さんが持ってきてくれたよ!
「ルークさん、どうぞ。」
「ありがとうございます。」
教皇さんが持ってきてくれた紅茶は見た目は普通の紅茶と変わらなかったけど、なんだか…花…かな?みたいな香りがする。前世でもあったフラワーティーだね!とっても楽しみ!
「いただきます。」
「はい、どうぞ。」
教皇さんの紅茶を一口飲んでみた。
「…!?美味しいです!」
「まぁ!本当ですか?良かったです。」
すごく美味しい!最初は優しい紅茶の味が広がって後味は花の香りが残る。でも、しつこくない。…これ、ミルクティーにしてもめっちゃ美味しいと思うよ!でも、この世界にミルクティーってないんだよね。…よしっ!
「教皇様、この紅茶を少し少なめにもう一杯淹れてもらえませんか?」
「はい、喜んで。」
「ありがとうございます。…それと、ミルクって用意出来ますか?」
「…?ミルク、ですか?出来ますが…それをどうするのですか?」
「ふふ、後のお楽しみです。」
「そうきましたか…分かりました。今は我慢しましょう。」
そう言って教皇さんはさっきの紅茶とミルクを用意してくれた。
「はい、ルークさん。ミルクも準備しました。」
「ありがとうございます。」
「…ミルクは何に使うのですか?」
「ふふ、見ていてください。」
僕は少し少なめの紅茶に角砂糖二つとミルクを入れて混ぜた後、向かい合わせで座ってる教皇さんの前に置いた。
「教皇様、一度このお茶を飲んでみてください。」
「これは…お茶にミルクを混ぜたのですね。…いただきます。」
教皇さんは物珍しそうに眺めてからミルクティーを飲む。そして、目を見開いた。
「…これは!ただ、お茶とミルクを混ぜただけでこんなに美味しくなるのですか!?…今までお茶に何かを加えるという発想がありませんでしたが、なるほど…ミルクを混ぜるとこのように変化するのですね。」
「気に入って頂けましたか?」
「はい。とても気に入りました。他の人とお茶をする時にオススメしてもいいですか?」
「勿論です。」
「ありがとうございます。…何かお礼がしたいのですが何かありますか?可能な範囲で叶えますのでなんでも言ってください。」
「え?お礼ですか?」
うーん…何かあるかな?魔物の変化についてはさっきの話し合いで情報を貰えることになったし……あっ!ダメ元でアレを知ってるか聞いてみよう!
「…あの、でしたら一つ聞きたいのですが…」
「はい、なんでしょう。」
「教皇様は緑の色をした苦味のある飲み物を知っていますか?」
僕は緑茶を知ってるかどうかを聞いてみた。…ハッキリ言って期待はしてないよ。どれだけ探しても見つからなかったから。…でも、もしかしたらお茶好きの教皇さんなら知ってるかもしれない。僕は最後の希望(なんか大袈裟だけど)を教皇さんに託す。
「…緑の色をした飲み物、ですか…………そういえば私が紅茶の茶葉を取り寄せている小さな島国があるのですが、そこで飲まれている『お茶』が私達が飲んでいるものとは違うとか違わないとか…」
「!?本当ですか!?」
「はい。東の方にある小さな島国で事実かどうかは分からないのですが、噂で聞いたことはあります。」
「事実かどうか分からなくても大丈夫です!ありがとうございます!」
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