クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~

はなとすず

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王都に向けての道中

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今、俺達は商人と合流して王都に向けて歩いている。

「ドはどらやきのド~♪レはレミーのレ~♪ミはみずあめのミ~♪」

スイはテンションが高いのか、こんな感じでずっと歌っている。全部お菓子だけど……ドはそのままドーナツじゃダメだったのか…?

「ハハハハ!歌が上手ですなぁ。将来は歌手ですかな?」

「う~ん…わかんない!でも、うたうのたのしいよ!」

「うんうん、楽しいことは一番ですからな。もし、将来歌手になるのでしたら私を一番にコンサートに呼んで欲しいですな。」

「うん!わかった!いちばんさいしょのおきゃくさんだね!」

スイと仲良く話しているこの人は今回の護衛対象であるルイスさんだ。ルイスさんにはスイと同じくらいの年齢の娘さんがいるらしく、すぐにスイと仲良くなった。

「でもね!ヒビキもうたうのじょうずなんだよ!」

…ッ!?スイ!?

「えっ!?ヒビキ、歌えるの!?」

「よし、試しに一曲いっとけ!」

エレンさんはともかく…ギルアスさん!?

「い…いや……別に…上手くないですって……」

「そんなん言うて上手いんやろ?ほな、どうぞ!」

リンファさんまで!?

「………………チラッ」

……ルイスさんまでチラチラこっち見てるし……ハァ…頑張るか……

「――いつになれば夜が明けるだろう…ぼくの前には暗い道がある――」

……この歌は何故か俺が昔から歌っていた歌だ。誰かに教えてもらったわけでもない。だからと言って自分で作ったわけでもない……だから曲名があるわけでもない。でも、気が付けば歌っていたんだよな。

――ぼくは暗い道を歩く…暗闇の中の光を目指して――

――いつからか夢を見ることを諦めていた――

――いつからか明日あすを考えることをやめていた――

――さあ、手を伸ばそう――

――光の先へ――

――さあ、駆けていこう――

――光の先へ――

――いつか伸ばした手を取る者が現れるだろうか…――

……歌はここまでだ。ふと、エレンさんを見るとエレンさんが泣いていた。

「えっと……エレンさん?どうかしましたか……?」

「ううん……なんでもないよ……ただ…ヒビキにも感情あるんだって思っただけだから……歌に感情籠ってたから……」

「…………」

……いや…確かに、俺も自分が意思表示があまりないタイプなのは自覚してる。けどなぁ……それで泣かれたらなぁ……反応に困る……

「あの、ヒビキさん。歌手として舞台に立ちませんか?絶対売れると思います。」

「い、いえ……それは…え、遠慮します……」

やっぱりルイスさんは商売人だな……思考がそっち寄りなんだよな。

「予想はしとったけど、やっぱり上手いやん。流石やなぁ。」

「お前なぁ……なんで出来ないことがないんだよ……得手不得手がハッキリしてたら身元を探しやすくなるんだけどな……」

「えっと……す、すみません?」

いや…得手不得手くらいあるぞ?

「……良かったぞ。」

……と、ダグラスさんが一言……

いや…これも反応に困るな……

「ね!ヒビキうたじょうずでしょ!」

「…あぁ…そうだな……」

ギルアスさんは疲れきったって感じがするな……なんだか申し訳ない…家族なんかこの世界にいないのに……

「……あ…」

ふと、上を見ると鳥が三匹、俺達の上を旋回していた。

「……おいで…」

俺が手を伸ばすと、旋回していた鳥達が俺の周りに来た。一匹は腕に、もう一匹は肩に、最後の一匹は頭の上にとまった。

「え?ヒビキ?なにしたの?」

エレンさんが信じられないといった感じで聞いてくる。

「飛んでいた鳥を呼んだだけですよ?怪我をしていたみたいなので…」

腕にとまった鳥の足を見ると怪我をしていて血が滲んでいた。とりあえず怪我は魔法で治しておいた。

「……私はどうやって鳥を呼んだのかが知りたいんだよ……」

あー…そういうことか……

「……実は…俺もよく分かりません。ただ、呼んだら来てくれます。」

昔から俺が「おいで」って言ったら大体の動物は来てくれるんだよな。どういう原理かは分からない。

「……まぁ、ヒビキだもんね。そんなものだよね。」

何気にヒドイ……

でもなぁ……不思議なのに変わりはないか。それと、さっきの歌も不思議なんだよな。昔から知ってて、曲名もない。それに歌詞の意味もイマイチ分からない。光の先へ手を伸ばすのは自分自身だよな?なのに最後のフレーズは「いつか伸ばした手を取る者が現れるだろうか」って……結局他人任せに聞こえるのは俺だけか?

……小さい頃はなんの意味も考えずに歌ってたんだけどな…今になっては気になることが多すぎる。

「ねぇねぇ、ヒビキ……鳥、私も触ってみていい?」

「はい、大丈夫ですよ。そっと触ってみてください。」

俺が鳥の頭を撫でているとエレンさんも遠慮気味に聞いてきたからオッケーを出す。

「じゃあ……」

エレンさんがそっと手を伸ばすと俺の腕に止まっていた鳥がエレンさんの手を噛んだ。

「いったぁ!!」

「すみません!エレンさん、今治療しますね。」

野生の鳥はバイ菌をたくさん持ってるからな。早く治療して消毒しないと……


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