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ルネの街を出発しました!
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「「はあ~~~~~!?」」
という、ギルアスさんとダグラスさんの叫び声がした。
「ギルアスさん達、どうしたんでしょうか?」
「ヒビキ!あんな人達ほっといていいよ!ねぇ~スイ?」
「?よくわかんないけど…エレンがいいとおもうなら、いいとおもうよ!」
……二人がそう言うならいい…のか?よくないような気もするけど……
そんなことを話しながら街の外に出た。外に出てからはギルアスさんとダグラスさんが先頭で俺とエレンさんにスイが真ん中、最後にリンファさんの順番で歩く。
王都に着くまでに三つの街を通るらしく、一番最初の街で実際に商人の護衛クエストを受けるらしい。
「ヒビキ~ボク、おなかすいた~」
「スイ?お腹空いたって…朝ごはん食べただろ?」
「うん!でもおなかすいた!」
お腹空いたって言われてもな……今、食べれる物は何もないな……
「アタシも久しぶりに歩いたらお腹減ったわ……ヒビキはん、スイ君にサンドイッチあげてもええ?今朝、こんなこともあろうかと作って来てん!」
「!!ヒビキ!たべてもいい……?」
スイが上目遣いで聞いてくる。……こんな可愛くねだってるスイにダメだと言ったら一生自分を恨む自信がある。
「……ハァ…少しだけだぞ。お昼ごはんが食べれなくなるからな。」
「やったぁ!」
ぴょんぴょんと跳び跳ねて喜ぶスイ。……可愛すぎだろ!
「お父さんからのお許し出て良かったなぁ。ほい、アタシ特製のサンドイッチやで。」
お父さんって……
「ありがとう!」
スイがサンドイッチを受け取って食べながら歩く。
「ち、ちょっと!リンファさん!お、おお、お父さんって!スイとヒビキが親子みたいじゃないですか!」
「え?アカンの?なんで?」
「ダメですよ!お、親子なんて!」
「なんでなん?……ああっ!そうや!お父さんはおってもお母さんはおらんからな!ほんならアタシがお母さんなったるわ!な!ヒビキはん、それでええやろ?」
え?俺?
「だ、ダメ~ッ!絶対にダメ~ッ!」
「なんでなん?あっ!なるほどな!エレンはん、自分がお母さんになりたいんやな!」
「ち、ちが~うッ!そうじゃないんです!だ、だだ、だって、そ、それだったら…ふ、ふふ…ふう…ふ…ふう……」
……?ふう…?
「はは~ん…なるほどなぁ……つまり、エレンはんはヒビキはんと夫婦みたいに見られんのがイヤなんや?ほんならヒビキはん。アタシと結婚せえへん?」
そう言いながらリンファさんが後ろから抱きついてきた。
「えぇぇぇ!?ダメェェェ!!」
「リンファさん、そ…それはちょっと……」
いきなり「結婚しよう」って言われてすぐに「はい、いいですよ」とはならない……
「あちゃー…早速フラれてもうたわ。」
「う、うん…普通はそうだよね…良かったぁ……」
良く分からないけど……エレンさんはホッとしたみたいだな。
「ん?何が良かったんや?ヒビキはんがアタシと結婚せえへん事?」
「だ、だったらなんですか!」
「別に~なんでもないで?」
「ならいいじゃないですか!!」
なんというか……二人とも仲良いなぁ……
皆で街に向けて、途中でお昼を食べて魔物を討伐しながら歩いていると太陽が沈み始めた。
「よし、今日はここで野営にするぞ。今日はもう休んで明日の朝出発する。」
「ほな、アタシは夜ご飯の用意するわ。」
「んじゃ、俺はテントだな。」
ギルアスさんの言葉に、リンファさんとダグラスさんが返事をした。
「ヒビキとエレン、スイも一旦こっちに来てくれ。」
「分かりました。」
「なんですか~?」
リンファさんとダグラスさんはそれぞれ準備に取り掛かり、俺達はギルアスさんに呼ばれた。
「大体の流れはこんな感じだ。これから夜飯食って、寝て、朝イチで出発だ。今日はしっかり休めよ?明後日からは実際に商人の護衛クエストだからな。今のうちに休んどけ。」
「「はーい!」」
「分かりました。」
「よし、じゃあ…そうだな……ヒビキとエレンはリンファを手伝ってくれ。スイは俺と一緒にダグラスを手伝うぞ。」
…ということで、俺とエレンさんはリンファさんと夕飯を作ることになった。が……
「んー…どないしよ……」
リンファさんがなにやら頭を抱えている。
「リンファさん?どうしたんですか?」
「んー……この肉な、味は美味しいねんけど硬いねんなぁ……」
「なんの肉なんですか?」
「さっき討伐したクローフロッグの肉やで。」
クローフロッグ……名前の通り、カエルの魔物で鋭い爪を持っている。そして……デカイ。カエルなのに50cmくらいある。動物のカエルの肉は鶏肉みたいらしいけど……クローフロッグは違うみたいだ。
「硬い、ですか……そう…ですね。ちょっと借りていいですか?」
「ええよ。ほい。」
「ありがとうございます。」
硬い肉を柔らかくする方法はいくつかあるけど……魔物の肉でも有効なのかは分からない。でも試す価値はあるよな。
「成功するかは分からないんですが……試してみてもいいですか?」
「ええよ!手伝えることあったら言ってなぁ~」
「それは…大丈夫です。魔法を使いますから。」
「そうなん?せやったら邪魔になってまうな。おとなしゅうしとくわ。」
「なるべく早く終わらせますね。」
今すぐに試せる方法は……炭酸水だな。よし、魔法で炭酸水を作って漬け込もう!
という、ギルアスさんとダグラスさんの叫び声がした。
「ギルアスさん達、どうしたんでしょうか?」
「ヒビキ!あんな人達ほっといていいよ!ねぇ~スイ?」
「?よくわかんないけど…エレンがいいとおもうなら、いいとおもうよ!」
……二人がそう言うならいい…のか?よくないような気もするけど……
そんなことを話しながら街の外に出た。外に出てからはギルアスさんとダグラスさんが先頭で俺とエレンさんにスイが真ん中、最後にリンファさんの順番で歩く。
王都に着くまでに三つの街を通るらしく、一番最初の街で実際に商人の護衛クエストを受けるらしい。
「ヒビキ~ボク、おなかすいた~」
「スイ?お腹空いたって…朝ごはん食べただろ?」
「うん!でもおなかすいた!」
お腹空いたって言われてもな……今、食べれる物は何もないな……
「アタシも久しぶりに歩いたらお腹減ったわ……ヒビキはん、スイ君にサンドイッチあげてもええ?今朝、こんなこともあろうかと作って来てん!」
「!!ヒビキ!たべてもいい……?」
スイが上目遣いで聞いてくる。……こんな可愛くねだってるスイにダメだと言ったら一生自分を恨む自信がある。
「……ハァ…少しだけだぞ。お昼ごはんが食べれなくなるからな。」
「やったぁ!」
ぴょんぴょんと跳び跳ねて喜ぶスイ。……可愛すぎだろ!
「お父さんからのお許し出て良かったなぁ。ほい、アタシ特製のサンドイッチやで。」
お父さんって……
「ありがとう!」
スイがサンドイッチを受け取って食べながら歩く。
「ち、ちょっと!リンファさん!お、おお、お父さんって!スイとヒビキが親子みたいじゃないですか!」
「え?アカンの?なんで?」
「ダメですよ!お、親子なんて!」
「なんでなん?……ああっ!そうや!お父さんはおってもお母さんはおらんからな!ほんならアタシがお母さんなったるわ!な!ヒビキはん、それでええやろ?」
え?俺?
「だ、ダメ~ッ!絶対にダメ~ッ!」
「なんでなん?あっ!なるほどな!エレンはん、自分がお母さんになりたいんやな!」
「ち、ちが~うッ!そうじゃないんです!だ、だだ、だって、そ、それだったら…ふ、ふふ…ふう…ふ…ふう……」
……?ふう…?
「はは~ん…なるほどなぁ……つまり、エレンはんはヒビキはんと夫婦みたいに見られんのがイヤなんや?ほんならヒビキはん。アタシと結婚せえへん?」
そう言いながらリンファさんが後ろから抱きついてきた。
「えぇぇぇ!?ダメェェェ!!」
「リンファさん、そ…それはちょっと……」
いきなり「結婚しよう」って言われてすぐに「はい、いいですよ」とはならない……
「あちゃー…早速フラれてもうたわ。」
「う、うん…普通はそうだよね…良かったぁ……」
良く分からないけど……エレンさんはホッとしたみたいだな。
「ん?何が良かったんや?ヒビキはんがアタシと結婚せえへん事?」
「だ、だったらなんですか!」
「別に~なんでもないで?」
「ならいいじゃないですか!!」
なんというか……二人とも仲良いなぁ……
皆で街に向けて、途中でお昼を食べて魔物を討伐しながら歩いていると太陽が沈み始めた。
「よし、今日はここで野営にするぞ。今日はもう休んで明日の朝出発する。」
「ほな、アタシは夜ご飯の用意するわ。」
「んじゃ、俺はテントだな。」
ギルアスさんの言葉に、リンファさんとダグラスさんが返事をした。
「ヒビキとエレン、スイも一旦こっちに来てくれ。」
「分かりました。」
「なんですか~?」
リンファさんとダグラスさんはそれぞれ準備に取り掛かり、俺達はギルアスさんに呼ばれた。
「大体の流れはこんな感じだ。これから夜飯食って、寝て、朝イチで出発だ。今日はしっかり休めよ?明後日からは実際に商人の護衛クエストだからな。今のうちに休んどけ。」
「「はーい!」」
「分かりました。」
「よし、じゃあ…そうだな……ヒビキとエレンはリンファを手伝ってくれ。スイは俺と一緒にダグラスを手伝うぞ。」
…ということで、俺とエレンさんはリンファさんと夕飯を作ることになった。が……
「んー…どないしよ……」
リンファさんがなにやら頭を抱えている。
「リンファさん?どうしたんですか?」
「んー……この肉な、味は美味しいねんけど硬いねんなぁ……」
「なんの肉なんですか?」
「さっき討伐したクローフロッグの肉やで。」
クローフロッグ……名前の通り、カエルの魔物で鋭い爪を持っている。そして……デカイ。カエルなのに50cmくらいある。動物のカエルの肉は鶏肉みたいらしいけど……クローフロッグは違うみたいだ。
「硬い、ですか……そう…ですね。ちょっと借りていいですか?」
「ええよ。ほい。」
「ありがとうございます。」
硬い肉を柔らかくする方法はいくつかあるけど……魔物の肉でも有効なのかは分からない。でも試す価値はあるよな。
「成功するかは分からないんですが……試してみてもいいですか?」
「ええよ!手伝えることあったら言ってなぁ~」
「それは…大丈夫です。魔法を使いますから。」
「そうなん?せやったら邪魔になってまうな。おとなしゅうしとくわ。」
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