地底人が来た

ケンナンバワン

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次の日桑本と学校のサッカー部の応援に行くために公園で待ち合わせをしていた。

桑本はまだ来ていなかった。

そこでベンチに座り待っていたら少しして桑本が現れた。

祐樹は手を振りこっちに居ることを知らせると桑本がこちらに来た。

祐樹「行こうか。」と言って歩き出そうとした。

その時、桑本が「おまえの後ろに居るのは誰だ?」と訊いてきた。

祐樹は後ろを見ると地底人が立っていた。

地底人は喋り出し「あたいはち・・・・」と言いかけた時

祐樹が「わー!わー!わー!」と言って遮った。

そして「こいつは俺の従妹で昨日から遊びに来ていて・・・」

と、言って、ごまかそうとした。
 
だが桑本は「なんか怪しいな、何か隠し事をしているだろう?」と迫ってきた。

祐樹「そんなことはない。」

「もう試合が始まるぞ。行こう。」と言った。

しかし桑本は納得せず怪訝な顔で祐樹を見ていた。
 
祐樹はなんとかやり過ごそうと「分かった、本当のことを言う、実はおれの彼女だ。」

桑本「そうか、そうか、そういう事か。」と納得して

「おまえは少しおくてだから心配していたが、ついに出来たか、おめでたい。」
 
そのやり取りを聞いていた地底人は「なんで、あたいがお前の彼女なのだ?」

と、少し不機嫌そうに言った。

祐樹「色々面倒なことになるから、今はそういうことにしといてくれ。」

地底人「それじゃあたいの課題にも協力するか?」

祐樹「分かったから話を合わせてくれ。」

地底人「まあいいか。」と言って話を合わせた。
 
三人はサッカー場に行って祐樹を真ん中にして三人並んで座った。

最初桑本は面白がって地底人に話しかけるが祐樹がなんとか話をごまかしていた。

試合が進むにつれて桑本は応援に夢中になった。

そして二人のことは気にしなくなっていた。

試合は2-0で祐樹の学校が勝った。

試合が終わると桑本は用事があると言って一人で帰って行った。

祐樹と地底人は二人残されてお互い顔を見合わせてどうするかと考えていた。

祐樹「もうこうなったらしょうがないお前に付き合ってやるよ。」

「なにかしたいことがあるか?」

地底人「街が見たい。」言った。
 
祐樹「街を案内するのはいいが、さっきからお前はなんでタメ口なのだ?」

地底人「これがあたいのしゃべり方だ、今はお前の彼女だろ?細かい事は気にするな。」

祐樹「桑本が居なくなったので彼女ふりはもういいの。」

地底人「面白いから彼女の真似をしてやる。」

「お前には本当の彼女がいるのか?」

祐樹「いないよ。」
 
地底人「あたいも恋人はい。」

「チョットそんな気分を味わってみたい。」と、言って上目遣いをしてきた。

祐樹は少しかわいいと思ったが「全然かわいくない。」と、言って歩き出した。

地底人は「待って。」と、祐樹の後をついてきた。
 
そして地底人は祐樹の左側について祐樹の手を握った。

祐樹は驚き「何をするのだよ。」と、慌てて手を離した。

地底人「恋人なら手はつなぐものだろ。」

祐樹は「付き合いだしたからって直ぐにはそうはならないの」

「ちゃんと段階があるのだよ。」

地底人「そんなものなのか・・・つまらないな・・。」

と、言ってつまらなそうな顔をした。

祐樹「何をしたい?」

地底人「地上人のデートはどうするのだ?」

祐樹もグループでの付き合いは有ったが二人でのデートはした事がない。

“どうしたらいいのだ?“と自問自答していた。

そして時々一人で考え事をするときに行く裏山の展望台のことを思い出した。

そこに行こうと思った。

祐樹「夕日が見える展望台があるからそこに行こうか?」

地底人「どこでもいいから早く行こう。」と言って一緒に歩き出した。

展望台は裏山の麓から15分位で行けるそんなに高い所ではなかった。

二人が展望台に着いたら丁度陽が沈みかけるところだった。

地底人「これが夕焼けというものなのか。初めて見た。」

「きれいだ・・・」と感動しているようだった。

祐樹は“そうか地底では夕日は見られないのか”と思った。

二人は夕日を見ていたが段々辺りが暗くなり始め寒くなってきた。

祐樹「帰ろうか?」

地底人「もう少し見ていたい。」

祐樹は“よっぽど気に入ったのだな”と思った。

しかし冷え込んできたので祐樹は「また見に来ればいいから」

と、説得して帰って行った。

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