95 / 99
リンドブルグ編
6-8
しおりを挟む
カイル・フォン・パリスタン――パリスタン王国元第二王子であり、ジュリアス様の弟。
そして私の元婚約者だったお方です。
テレネッツァさんと共に労働刑に処されていた彼は、刑地である開拓地が何者かの襲撃を受けた際に脱走して、姿を眩ませていたはずですが。
「カイル? それってもしかして刑地から逃げたっていう元第二王子の人っすか?」
ディオス様の問いにナナカがうなずきます。
「そうだ。というかジュリアスから逃げたヤツらの情報を受け取ってなかったのか?」
「もらった気もするっすけど、俺の仕事はリンドブルグの情報収集ですしー。そもそも俺、男の顔と名前は覚えない主義なんすよね」
この方……先程諜報員向きだと評価しましたが前言撤回です。
いくら有能でも重要人物の顔と名前を覚えない諜報員なんて論外ですわ。
「それにしても私に気配を悟られずに近づくだなんて、加護持ちでもないカイル様が一体どのような方法を使ったのでしょう」
「それ、多分この人が羽織ってるケープの効果っすよ」
ディオス様が剣の先端をカイル様のケープに向けました。
「異端審問官にもいたんすよね、姿を消す魔道具を持ってる人。結構貴重な物だったはずっすけど、どうやって手に入れたんだか」
私から視線を反らしたままカイル様が口を開きます。
「……これは蠍の入れ墨をした連中に開拓地が襲われた時に、奴らの一人が落としていった物だ」
良く見るとケープの端には蠍のマークが刺繍されていました。
それを確認した私とナナカは顔を見合わせて頷きます。
「やはり開拓地を襲ったのは“蠍”だったのですね」
「そうみたいだな。でもなんであいつらは開拓地を襲ったんだ? まさか本当にテレネッツァが狙いだったとか……?」
開拓地襲撃事件当初、開拓地が襲われた理由は不明とされていました。
その後、テレネッツァさんが蠍と行動を共にしている事実が発覚した時。
ジュリアス様は可能性の一つとして、蠍の狙いはテレネッツァさんだったのではないかと推測していました。ですが――
「パルミア教の聖女であり魅了の加護を持っていたテレネッツァさんであれば利用価値もあったでしょう。ですが加護が使えなくなり、パルミア教が廃教となって求心力を失った今のテレネッツァさんに、わざわざさらうだけの価値があったかと言われると正直疑問が――」
「――蠍の狙いはテレネッツァだ!」
私の言葉をさえぎるようにカイル様が叫びます。
剣を突き付けられている怯えからか少し身体が震えてはおりますが、カイル様は真っ直ぐに私達を見ながら言いました。
「俺は見たんだ! 俺達を蹂躙した後、気絶したテレネッツァを担いで去って行く蠍の入れ墨をしたやつらの後ろ姿を! それに――」
その時のことを思い出したのでしょう。
うつむいたカイル様は悔しそうに唇を噛みしめながら、絞り出すような声を漏らしました。
「……去り際にやつらは仲間同士で話していた。勇者パーティーの最後の一人、転生者の聖女テレネッツァを確保したと」
……勇者パーティー。
先程酒場で聞いたばかりの言葉がまさか、こんな早くにしかもカイル様の口から出てくるなんて思いませんでした。
「ディオス様。情報収集をしていたなら勇者パーティーについてはご存じですか?」
「ああ、さっきの酒場にいた騎士学校の生徒とかのことっすよね? なんか魔大陸の魔物討伐で活躍した四人のパーティーが、そう呼ばれてるって話は小耳に挟んだっす。でもそれぐらいっすね。詳しく調べてないんで」
ディオス様の言い様にナナカが呆れたため息をつきます。
「……それでも本当に諜報員かお前」
「仕方ないでしょー。俺はここに来てからテレネッツァさんやら蠍やらのことを調べるので手一杯だったんすから。でも――」
ディオス様は片手で剣を突き付けたまま、胸元から手帳を取り出してめくります。
「他のメンバーはともかくとして、あのエクセルって少年はリンドブルグじゃ知らない人はいないくらい有名らしいっすよ。太陽神の寵愛を一身に受けた神の子だってね。この前の魔大陸遠征じゃ四魔君の二人に深手を負わせたことで、四人の盟主から直々に褒章を与えられてるくらいっすから」
四魔君――魔大陸に君臨する、強大な力を持った四人の上級魔族。
私の恩師でもあるグラハール先生もその内の一人ではないかと、ヘカーテ様は推測しておりましたが――
「グラハール先生に匹敵する力を持つ方を、二人も倒したというのですか? エクセルさんが?」
確かに酒場で私の拳を受けて倒れなかったことには少々驚きました。
ですがあれは全力には程遠い手加減した一撃。
それを避けられもせず少なからずダメージを受けていた彼が、グラハール先生に及ぶとは到底思えませんわ。
「テレネッツァさんの行方に関しては分かりました。それで、開拓地襲撃のどさくさに紛れて元異端審問官の方々と姿をくらませた貴方が、なぜ今ここに一人でいるのですか?」
拳を握り締めてカイル様に微笑みます。
「もしやまた殴られにでも来ましたか? 貴方が私に婚約破棄した時のように」
「っ!」
その時のことを思い出したのでしょう。
カイル様がビクッと身体を震わせて顔を強張らせます。
そのまま口を閉ざすようであれば一発や二発ブチ込むつもりでいましたが、カイル様は恐る恐るといった様子で口を開きました。
「……さらわれたテレネッツァを取り戻すために、蠍の後を追ってこの都市まで来た。だがここに来てからやつらの足取りが途絶えてしまって、途方に暮れていた時に偶然スカーレット。お前達が大通りを走っている姿を見つけたんだ」
異端審問官の方々共々、開拓地で蠍に散々に打ちのめされたというお話でしたが、良く見失わずに後を追えたものです。
しぶとさだけは大したものですわね。
「お前達なら何かテレネッツァの情報を持っているかもしれない。そう思って後を付けた。それで――」
「話を盗み聞きしてまんまと逃げおおせるつもりが、私達に見つかり絞られているというわけですか」
悔しそうにうつむくカイル様。
そんな彼を見て、ディオス様が頭をかきながら呆れたように言いました。
「お馬鹿っすねえ。一緒に逃げてるっぽい異端審問官の人達も連れてるならともかく、何にもできないボンボンのアンタ一人で追ってくるなんて。見つからないとでも思ったんすか?」
「あいつらを呼んでいる間に、お前達を見失ったら元も子もないだろう」
「ま、それもそうっすか」
そう言いつつもディオス様が微かに口元をほころばせます。
さりげなくかまをかけて、カイル様と異端審問官の方々が一緒に行動している言質を取りましたね。
このお方、腹黒さにかけてはジュリアス様と良い勝負ですわ。
「んで、どうしますこの人。とりあえずふん縛って王子様に突き出しときます?」
ディオス様の提案に私は頬に手を当てて思案します。
再び開拓地送りになればもう一生殴る機会がないかもしれないので、記念に二、三発ブン殴っておきたい気持ちはありました。
なにしろカイル様には幼い頃から散々いびられてきましたからね。
婚約破棄の時の一発ではまったく殴り足りません。
「そうですわね。とりあえず何発かブン殴ってから縛り上げて――」
「――頼む! 見逃してくれ!」
突然カイル様が叫び出したかと思えば、両手と頭を地面に着き土下座しました。
眉を潜める私に、彼は顔を上げると必死な形相で口を開きます。
「俺達がテレネッツァを救い出した後は、また捕まえてくれて構わない! なんならこちらから出頭してもいい! だからこの場だけは見逃してくれ! お願いだ、スカーレット!」
そして私の元婚約者だったお方です。
テレネッツァさんと共に労働刑に処されていた彼は、刑地である開拓地が何者かの襲撃を受けた際に脱走して、姿を眩ませていたはずですが。
「カイル? それってもしかして刑地から逃げたっていう元第二王子の人っすか?」
ディオス様の問いにナナカがうなずきます。
「そうだ。というかジュリアスから逃げたヤツらの情報を受け取ってなかったのか?」
「もらった気もするっすけど、俺の仕事はリンドブルグの情報収集ですしー。そもそも俺、男の顔と名前は覚えない主義なんすよね」
この方……先程諜報員向きだと評価しましたが前言撤回です。
いくら有能でも重要人物の顔と名前を覚えない諜報員なんて論外ですわ。
「それにしても私に気配を悟られずに近づくだなんて、加護持ちでもないカイル様が一体どのような方法を使ったのでしょう」
「それ、多分この人が羽織ってるケープの効果っすよ」
ディオス様が剣の先端をカイル様のケープに向けました。
「異端審問官にもいたんすよね、姿を消す魔道具を持ってる人。結構貴重な物だったはずっすけど、どうやって手に入れたんだか」
私から視線を反らしたままカイル様が口を開きます。
「……これは蠍の入れ墨をした連中に開拓地が襲われた時に、奴らの一人が落としていった物だ」
良く見るとケープの端には蠍のマークが刺繍されていました。
それを確認した私とナナカは顔を見合わせて頷きます。
「やはり開拓地を襲ったのは“蠍”だったのですね」
「そうみたいだな。でもなんであいつらは開拓地を襲ったんだ? まさか本当にテレネッツァが狙いだったとか……?」
開拓地襲撃事件当初、開拓地が襲われた理由は不明とされていました。
その後、テレネッツァさんが蠍と行動を共にしている事実が発覚した時。
ジュリアス様は可能性の一つとして、蠍の狙いはテレネッツァさんだったのではないかと推測していました。ですが――
「パルミア教の聖女であり魅了の加護を持っていたテレネッツァさんであれば利用価値もあったでしょう。ですが加護が使えなくなり、パルミア教が廃教となって求心力を失った今のテレネッツァさんに、わざわざさらうだけの価値があったかと言われると正直疑問が――」
「――蠍の狙いはテレネッツァだ!」
私の言葉をさえぎるようにカイル様が叫びます。
剣を突き付けられている怯えからか少し身体が震えてはおりますが、カイル様は真っ直ぐに私達を見ながら言いました。
「俺は見たんだ! 俺達を蹂躙した後、気絶したテレネッツァを担いで去って行く蠍の入れ墨をしたやつらの後ろ姿を! それに――」
その時のことを思い出したのでしょう。
うつむいたカイル様は悔しそうに唇を噛みしめながら、絞り出すような声を漏らしました。
「……去り際にやつらは仲間同士で話していた。勇者パーティーの最後の一人、転生者の聖女テレネッツァを確保したと」
……勇者パーティー。
先程酒場で聞いたばかりの言葉がまさか、こんな早くにしかもカイル様の口から出てくるなんて思いませんでした。
「ディオス様。情報収集をしていたなら勇者パーティーについてはご存じですか?」
「ああ、さっきの酒場にいた騎士学校の生徒とかのことっすよね? なんか魔大陸の魔物討伐で活躍した四人のパーティーが、そう呼ばれてるって話は小耳に挟んだっす。でもそれぐらいっすね。詳しく調べてないんで」
ディオス様の言い様にナナカが呆れたため息をつきます。
「……それでも本当に諜報員かお前」
「仕方ないでしょー。俺はここに来てからテレネッツァさんやら蠍やらのことを調べるので手一杯だったんすから。でも――」
ディオス様は片手で剣を突き付けたまま、胸元から手帳を取り出してめくります。
「他のメンバーはともかくとして、あのエクセルって少年はリンドブルグじゃ知らない人はいないくらい有名らしいっすよ。太陽神の寵愛を一身に受けた神の子だってね。この前の魔大陸遠征じゃ四魔君の二人に深手を負わせたことで、四人の盟主から直々に褒章を与えられてるくらいっすから」
四魔君――魔大陸に君臨する、強大な力を持った四人の上級魔族。
私の恩師でもあるグラハール先生もその内の一人ではないかと、ヘカーテ様は推測しておりましたが――
「グラハール先生に匹敵する力を持つ方を、二人も倒したというのですか? エクセルさんが?」
確かに酒場で私の拳を受けて倒れなかったことには少々驚きました。
ですがあれは全力には程遠い手加減した一撃。
それを避けられもせず少なからずダメージを受けていた彼が、グラハール先生に及ぶとは到底思えませんわ。
「テレネッツァさんの行方に関しては分かりました。それで、開拓地襲撃のどさくさに紛れて元異端審問官の方々と姿をくらませた貴方が、なぜ今ここに一人でいるのですか?」
拳を握り締めてカイル様に微笑みます。
「もしやまた殴られにでも来ましたか? 貴方が私に婚約破棄した時のように」
「っ!」
その時のことを思い出したのでしょう。
カイル様がビクッと身体を震わせて顔を強張らせます。
そのまま口を閉ざすようであれば一発や二発ブチ込むつもりでいましたが、カイル様は恐る恐るといった様子で口を開きました。
「……さらわれたテレネッツァを取り戻すために、蠍の後を追ってこの都市まで来た。だがここに来てからやつらの足取りが途絶えてしまって、途方に暮れていた時に偶然スカーレット。お前達が大通りを走っている姿を見つけたんだ」
異端審問官の方々共々、開拓地で蠍に散々に打ちのめされたというお話でしたが、良く見失わずに後を追えたものです。
しぶとさだけは大したものですわね。
「お前達なら何かテレネッツァの情報を持っているかもしれない。そう思って後を付けた。それで――」
「話を盗み聞きしてまんまと逃げおおせるつもりが、私達に見つかり絞られているというわけですか」
悔しそうにうつむくカイル様。
そんな彼を見て、ディオス様が頭をかきながら呆れたように言いました。
「お馬鹿っすねえ。一緒に逃げてるっぽい異端審問官の人達も連れてるならともかく、何にもできないボンボンのアンタ一人で追ってくるなんて。見つからないとでも思ったんすか?」
「あいつらを呼んでいる間に、お前達を見失ったら元も子もないだろう」
「ま、それもそうっすか」
そう言いつつもディオス様が微かに口元をほころばせます。
さりげなくかまをかけて、カイル様と異端審問官の方々が一緒に行動している言質を取りましたね。
このお方、腹黒さにかけてはジュリアス様と良い勝負ですわ。
「んで、どうしますこの人。とりあえずふん縛って王子様に突き出しときます?」
ディオス様の提案に私は頬に手を当てて思案します。
再び開拓地送りになればもう一生殴る機会がないかもしれないので、記念に二、三発ブン殴っておきたい気持ちはありました。
なにしろカイル様には幼い頃から散々いびられてきましたからね。
婚約破棄の時の一発ではまったく殴り足りません。
「そうですわね。とりあえず何発かブン殴ってから縛り上げて――」
「――頼む! 見逃してくれ!」
突然カイル様が叫び出したかと思えば、両手と頭を地面に着き土下座しました。
眉を潜める私に、彼は顔を上げると必死な形相で口を開きます。
「俺達がテレネッツァを救い出した後は、また捕まえてくれて構わない! なんならこちらから出頭してもいい! だからこの場だけは見逃してくれ! お願いだ、スカーレット!」
241
お気に入りに追加
14,386
あなたにおすすめの小説

愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました

婚約破棄?王子様の婚約者は私ではなく檻の中にいますよ?
荷居人(にいと)
恋愛
「貴様とは婚約破棄だ!」
そうかっこつけ王子に言われたのは私でした。しかし、そう言われるのは想定済み……というより、前世の記憶で知ってましたのですでに婚約者は代えてあります。
「殿下、お言葉ですが、貴方の婚約者は私の妹であって私ではありませんよ?」
「妹……?何を言うかと思えば貴様にいるのは兄ひとりだろう!」
「いいえ?実は父が養女にした妹がいるのです。今は檻の中ですから殿下が知らないのも無理はありません」
「は?」
さあ、初めての感動のご対面の日です。婚約破棄するなら勝手にどうぞ?妹は今日のために頑張ってきましたからね、気持ちが変わるかもしれませんし。
荷居人の婚約破棄シリーズ第八弾!今回もギャグ寄りです。個性な作品を目指して今回も完結向けて頑張ります!
第七弾まで完結済み(番外編は生涯連載中)!荷居人タグで検索!どれも繋がりのない短編集となります。
表紙に特に意味はありません。お疲れの方、猫で癒されてねというだけです。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

私に姉など居ませんが?
山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」
「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」
「ありがとう」
私は婚約者スティーブと結婚破棄した。
書類にサインをし、慰謝料も請求した。
「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。