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姫様暗躍

64.知っているはずだったんだが

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「お嬢さん、何か探し物かな?」
店内を見て回っている女性に声を掛けてみる。綺麗と言うよりは可愛いと言った方が正解だろう。好みの問題だから俺の中での正解だがそれはどうでもいい。
二十代半ばには行ってないだろう、見た目も良い線だ。
じゃなくて、何故声を掛けたかだ。
たまに俺やユアナに視線を向け、店内をずっと見て回っているからだ。薬屋に来る目的なんて薬が必要だからに決まっている。

あ、薬屋だ、ちょっと中見て行こうっと。

とはならないだろう。生前なら居るかもしれないが、この世界では必要に駆られた人間しか来ていない。そりゃただの薬屋だからな、食品やら雑貨やら色んなものを並べているわけじゃない。
暇潰しや薬以外の目的で来るのは城に居るアホと、カフェに居るアホと、もとギルド受付のアホくらいだ。
つまり、何かしらの目的が在って来たのだろうが、店内に置いてある薬は流して見ているだけの不審者としか思えない。だから声を掛けたのだが。

「あの、えっと・・・」
声を掛けられると思って無かったのか、驚いたあと挙動不審に視線を泳がせて口籠る。面倒くせぇな。
はっきりしないなら帰って欲しいものだが。
「その、店長さんは、居ますか・・・」
勇気を振り絞って言ったように見えるが、それを口にするのも大変なくらい人見知りが激しいのかもしれない。何事も偏見は良く無いよな。彼女にとって、店に来るのも誰かと話すのも大変なのかもしれない。
いや、俺にとって面倒な事に変わりはないんだが。
しかし、俺が目当てとは。まいったな。
「俺だが?」
「へ?」
まさかこの小娘が!?的な反応は飽きたな。
「俺が目当てとは気付かなかったぜ、では二人きりになれる場所に移動しようか。」
反応はどうでもいいが、見た目もスタイルも悪くはない。誘われたら仕方がないよな、折角勇気を出して言ったんだ、少しくらい付き合ってやらないと。
「リアちゃん・・・」
何故か背中の方から冷めた視線を感じる。お前にそんな態度をされる謂れもないんだが。振り向いて呆れた目をしているユアナを見ると、俺も思いながら冷めた目を返しておく。
「あ、はい、出来ればお願いします。」
・・・
マジで!?
そんなわけ無いだろうと思ったが、口にしてみるもんだな。よし、まずはカフェで軽くやっつけながらプランを考えよう。
「じゃ、お客様の希望なので、後はよろしくな。」
「はいはい。」
態度が素っ気ないのは気のせいじゃないな。どうせそこのカフェでしょ?くらいの勢いだ。まぁそうだが、その後は俺次第だがな。とは口にしないでおく。
「では一旦店を出ようか。」
「え・・・え?」
戸惑う彼女の腕を掴むと、俺は店を出てカフェに向かった。



「あ、また新しいおんにゃぁっ!」
店内に入るなりレアネがクソつまらん事を言い出したので脛に蹴りを入れておく。可愛くもない変な悲鳴を上げるが無視。
「痛いですよリアさん、いきなり蹴るとかむっ・・・」
抗議を口にし始めるレアネの口を塞ぐと睨んでおく。
「お客さんと大事な話しだ、黙ってろ。」
「う、分かりましたよ・・・」
不服そうな面をするが、完全に自業自得だろうが。こっちは客で普通に珈琲飲みに来ているだけだってのに、お前の扱いの方がおかしいわ。

「さ、好きな物を頼んでくれ。話しはそれからだ。」
「は、はい。」
アホの相手をしている暇はないので、何時もの席に移動するとまずはメニューを渡す。いまいち態度がはっきりしないが、そのうち慣れるだろう。
何しろ勇気を出して俺を指名したんだ。緊張を解して慣れてもらうようにするのは、手伝ってやらないとな。
「あ、では私も珈琲を。」
「他には良いのか、食事も菓子も旨いぜ。」
「では、お言葉に甘えてこれを。」
記載してある焼き菓子を指差したので、俺はレアネを呼ぶと追加の注文をした。

「本題に入る前に、まず名前を聞いておかないとな。俺はリアだ、よろしく。」
「ティアリと言います、お願いします。」
おぉ、何かまともそうだぞ。
俺の回りは何故かアホが多いからな、普通な反応を見るだけでまともに見える。これは普通の会話とか出来そうな気がするぞ・・・
普通の会話って何だ?
そこまで考えると、疑問が出て来た。そもそも、この世界において普通の会話に至った記憶がない。それは生前でも行っていた世間話だ。
この世界の情勢や一般教養が乏しい俺にとって、果たして可能なのだろうか?
「お待たせしました。」
レアネが頼んだものを持ってきたことで我に返った。考えてもしょうがねぇ、これから俺も慣れて行けばいいだけの話しだ。これは良い機会なんだろう。

「そうだな、まずはティアリから何か話してくれ。」
どんな話題にすれば良いのか、まずは相手の出方から探っていくか。
「はい。」
ティアリは頷くと、顔を俺の方に近付けて、手を口元に当てた。どうやら大きな声では言いたくないらしい。いやぁ、初々しいなぁ。
「あの・・・」
「あぁ、遠慮せずに言えよ。」
「はい・・・その・・・毒と気付かれずに殺せる薬を、リアさんが用意出来ると聞いて来たんですが、本当ですか?」
・・・
・・・
・・・
うーん、知ってた、俺薬師。
ちくしょう!
「ど、どうしたんですか?」
頭抱えて葛藤する俺に、ティアリが優しく心配の声を掛けてきた。だがその視線は、何か憐れなものに向けられるような感じがしたのは気のせいじゃないだろう。明らかに痛いものを見る目だな。
俺だって好きでやっているわけじゃねぇ!
「い、いや、何でもない・・・薬だったよな。」
「はい。」
「その前に金額からだ。払えないのならこの話しは忘れてもらう。」
「はい、いくらでしょう?」
「金貨10枚だ。」
相手が誰であろうと、この価格を変える気はない。状況や人によって価格変えるのもありだろう。だが、一律だからこその信頼や価値というものもある。逆に言えば、気分で変えるのは付け入る隙を作る事でもあるからな。
「・・・分かりました、払います。」
ティアリは暫し考えた後、絞り出すように言った。はっきり言って金貨10枚はかなりの金額だろう。だからティアリの態度はごく自然な反応なのだと思う。

ティアリはどっかの令嬢なのかも知れないな。そう思ったのも、アニタですら金貨は滅多に手に出来ないと言っていた事を思い出したからだ。
であれば、普通の一般人が普通に生活している中で、それだけの大金を手に入れる可能性は低いだろう。あくまで可能性の話しでしかないが。
「分かった。ちなみに渡す際には誓約書への同意と名前も書いてもらうが構わないか?」
「はい。」
ならいい。
「言われた内容から渡すとなると薬だ。」
と言うと、ティアリは首を傾げる。
「毒ではないのですか?」
「薬も成分の分量を変えると身体に害を及ぼす。それを利用したものだ。」
「そんな事が、可能なんですね。」
「あぁ。身体にとって毒と言っても過言ではない状況になる。方法としては毒殺ではなく薬殺だな。」
「なるほど、それで気付かれないという事ですね。」
気付かれないわけじゃないんだが。
死ぬという事はそれだけ身体に異常が出たという事になる。それが何処にどの様に出るのかによって、どの成分が反応を起こしたか想像を容易にする。
この世界でそれが可能かどうかはさておき、表面上に現れたのなら気付く人間が居ても不思議ではない。
ただ、俺の場合は心不全をトリガーにするから気付かれ難い、というだけの事だ。
「まぁ、そんな感じだ。」
説明するのも面倒なので、適当に相槌を打つだけにしておく。

「それで、その薬はどれくらいで用意出来るのでしょうか?」
どれくらいもなにもなぁ、何故か自分で使う羽目になる事があるため、渡そうと思えばすぐにでも可能なんだが。
「明日以降であれば可能だが?」
今からでもとか言うと、危険な薬を常備している危ない奴だと思われる可能性もある。それに、先程の反応からすれば、今は金も持ってないだろう。
「数日後・・・でも大丈夫でしょうか?」
早いと思ってなかったのか、金の工面でも考えていたのか、ティアリは目線を落とし暫し考えてからその言葉を出した。
「あぁ。それは問題無い、別に気が変わって買わなくてもいいし。」
「いえ、必ず買います。」
俺にとってはどっちでもいい。必要だと言う奴に売るだけの事だ。ティアリが何故必要とするのかは知らないし興味も無い。ただ、強い意志で即答したからには、それなりの理由があるんだろう。
まぁ、そんな事すら面倒だから知りたくもないんだが。
「金が揃ったら、ってところか?」
「はい。」
まぁ、予想通りか。
「その、分割とか、無理ですよね?」
「あぁ、後で回収出来ない可能性がある以上、その場で一括交換のみだ。」
「分かりました。」
これに関しては確認しただけという雰囲気で、特になんの反応も見せなかった。

「事情とかは、話した方がいいですか?」
「止めてくれ、俺は聞かないようにしているんだ。」
思えば、こんな薬を欲しがる奴は何かしら切羽詰まった理由があるのだろう。もちろん、個人にしろ組織にしろ、一定数そうじゃない輩もいるだろうが。
自分が何かに苦しんでいる、何かから解放されたい、そう思って縋って来る人間が多い気はするな。そう言った場合、相手に事情を知ってもらいたいのだろう、大概の奴は聞いてもいないのに話し始めやがる。
「あ、そうなんですね。普通、何故欲しいのか聞かれそうなものだと思っているので。」
「確かに、言われてみればそうだな。」
一理ある。というより、人間としてはそっちの方が当たり前な気はするな。
「変わってますね。」
うるせぇよ。
「俺はただの薬屋だ。一般的な薬なら症状の確認はするが、今回に関しては効果も決まっているから売るだけだ。別に相談役でもねぇし、その先に興味があるわけでもねぇ。」
「なるほど、確かに一理ありますね。」
ティアリは納得した様に頷くと、少し微笑んで見せた。そう言えば、会ってからずっと緊張からか強張った表情だったな。ただ、こうして話して見ると、それが緊張だけから来ているものかは怪しいと思えた。
ま、知る必要も無いが。
誰かに話して気が楽になったとか、殺そうと思っていたが気が変わったとか、そんな程度なら俺である必要性は無い。むしろ来んな。
他人の与太話を聞くために俺は存在しているわけじゃねぇ。
「じゃ、話しはまとまったって事でいいか?」
「はい。用意が出来たら、買いに来ます。」
「俺はもう少し休憩してから戻るから、気を遣って残る必要はねぇぞ。」
「分かりました、ではこれで失礼します。」
ティアリは直ぐに立つと、一度頭を下げ店を出て行った。

・・・
「で、何でてめぇが座ってんだよ。」
店を出て行くティアリに目を向けた後、煙草を吸おうと思ってテーブルに視線を戻すとアホ女が座っていた。
「休憩に入ったんですよ。」
「休憩で客席に座るのがおかしいって言ってんだよ。」
「リアさんなら良いかなって思って。」
うぜぇ。
勝手に自分の都合の良いように解釈してんじゃねぇよ。俺にとっては憑かれているようなもんだっての。
まぁいい、言ったところで面倒なだけだ。気にせずに一服してりゃ勝手に居なくなんだろ。
「少し、話していいですか?」
俺が黙って紫煙を吐いていると、レアネが聞いて来る。いつものふざけた感じじゃないところが、調子が狂うな。
「聞いても良いが、その代わり胸を揉ませろ。」
「良いですよ。」
マジで!?
言ってみるもんだな。
「もう、私が可愛いからってすぐちょっかい出そうとするんだから。」
やっぱ死ね。
そう言えばこういう奴だった・・・
「冗談だ。で、話しってなんだ?」
冗談と言うと、レアネは一瞬首を傾げたが、直ぐに口を開く。
「前に、話しを聞いてくださいって言った事ですが、私自身まだ気持ちの整理が出来てないんです。」
・・・
言ってたような。すっかり忘れていたぜ。
「なので、もう少し待ってください。」
「あ、あぁ。」
全然待ってないしな、待つ気もないんだが。ただ、レアネの雰囲気からすると適当に聞き流せそうにないのが面倒くさい。もうそんな雰囲気が表情から出ているからな、出来ればいっそ、忘れてくれた方が楽なんだが。

「またさぼってんの?」
帰れ。
「お前に言われたくねぇわ。」
ディディが言いながら近付いて来るので、嫌そうな顔を向けて言っておく。が、事もあろうに俺ではなくレアネに目を向けていた。
だが直ぐに俺の方に向き直る。
「話しの続きをしに来たの。」
「少しは休憩させろ。」
「話しながらすればいいじゃない。」
・・・
くそ。
そういう問題じゃねぇ。俺は独りの時間が欲しいんだよ、このアホ共。
「あ、じゃぁ私は外しますね。」
「気にしなくていいわよ。」
しろよ。
店員まで巻き込むんじゃねぇよ。
「え、でも。」
「だって、リア組みでしょ?」
勝手に組み込んでんじゃねぇ!
「組ってなんだよ組って。仲良しグループじゃねぇんだよ。」
「はい!リアさんグミです!」
「どさくさに紛れて返事してんじゃねぇ!このアホ女!」
「さ、話しがまとまったところで本題に入るわよ。あ、店長あたしにも珈琲。」
何もまとまってねぇよ。さっさと座って珈琲まで頼みやがって。俺の人権は何処にあんだよ。

ナチュラルに煙管を取り出して火まで点けてやがる。どんだけ馴染んでんだよ。お前の居場所は城内だろうが・・・
そんな事を思いながら、現実逃避の様に天井に視線を向けて、そのまま紫煙を吐き出す。そんな事をしていると、グラードが淹れた珈琲をレアネが取りに行って、ディディが口を付けた。
「日程、決まったわよ。」
唐突過ぎだろ。
話しってのは脈絡が必要なんだが、求めるだけ無駄な気がするな。
「いきなり過ぎて分かるかアホ!」
いやでも、突っ込まずには入れられないっての。
「あ、やっぱり?てへ。」
このクソ女・・・
てへじゃねぇよ、若い身体を手に入れたからといって調子に乗りやがって。
「言っとくが可愛くねぇからな。」
「うるさいわね。」
「可愛い私がやればいいんですね。」
うぜぇ。
やっぱ死んどけ。
「もう話しが進まないから。」
「誰の所為だと思ってんだよ!」
「フオルズ男爵との夜会が開ける事になったのよ。」
こいつ、無かった事にしようとしやがった。まぁ、もう面倒だからいいけどよ。
「夜会?」
「そう。それもボーレヌグ領にある男爵の館で行う事にね。」
なるほど。
「つまり、そこで一服盛るって事か。」
「うん、よろしくね。」
「あ・・・」
あぁとか言いそうになったじゃねぇか!
「何で俺なんだよ。俺は薬屋、薬を作って売るのが仕事であって、殺し屋じゃねぇ。」
「え、そうだったの?」
ふざけんな。
「そうなんだよ。」
「リアがやってくれるものだと思って予定組んだのに。」
知るか!
「何勝手な事をしてくれてんだよ。」
「その分も払うから、手伝ってくれない?」

払うものを払ってくれるなら吝かではないが、面倒だな。メイニだったら手伝おうって気になるんだが。
「ところでどうやって俺が夜会に入り込むんだよ。」
「あたしの世話係。」
「何で俺がてめぇの世話をしなきゃならねぇんだ。」
「役よ役。その方が都合がいいでしょ?姫が従者も付けずに出歩く方が不自然じゃない。」
良く言う・・・
「私は何をしたらいいですか?」
おぃ・・・
流石にレアネは関係ないだろ。
「そうねぇ、給仕係。」
「巻き込むなよ!」
「私は良いですよ。つまり今の仕事を活かした役割って事ですね。」
「そう。その方が都合良く運べるんじゃない?」
まぁ、確かに。
意図的に薬を仕込んだ飲み物や食べ物を、フオルズに飲食させやすくなる。とはいえな、こいつだと不安が。
と思ってレアネに目を向けると、にっこりと微笑み返して来た。うぜぇ。
「まぁ、仕方が無いか。」
「それに、気に入られると思うわよ。」
「あ?」
「だって話した時、王室との伝手が出来ると下卑た笑みを浮かべただけじゃなく、イヤらしい目であたしの事を見回してたもん。」
面白いくらい典型だな。
「それはさておき・・・」
「置くな!」
うるせぇ女だな、俺には興味無いし関係無いから無視。
「何時なんだよ。」
「一週間後。」
となると、五日後か。
「で、ここからが重要なんだけど。」
・・・
まだ何かあるのかよ。
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