26 / 48
孤児院訪問
しおりを挟む
祝賀行事が終わり、蒼玉宮に平素と変わらぬ日常が戻ってきた。
国王夫妻からはたびたび子どもの問題について苦言を呈されているが、ラファエロは突っぱね続けている。他者に何を言われたところで、簡単に考えを変えるラファエロではない。
ただ、ルクレツィアのことだけは気懸りだ。
舞踏会の翌朝、身体を重ねてから、ルクレツィアはいつも通りに振舞っている。子どもの問題が話題になることもない。
しかし、あれ以来、どことなくルクレツィアが沈んで見え、ベッドで睦み合うときも心ここにあらずと感じることがある。以前はなかった心の距離を感じるのだ。
夕食後、居室のソファーでルクレツィアを膝に抱き寛いでいるとユリウスが現れた。
「魔力漏れ防止の新作です」
意気揚々と差し出されたのは全周性に十数個の魔石のはめ込まれたブレスレットだった。
「これをつけていると、余分な魔力がこの魔石に吸い取られる仕様なんです。試してみてください」
腕に嵌めてみる。ラファエロに対していつもは一定距離を保っているユリウスが、ラファエロの肩に手を伸ばす。
「おぉ、ほとんど漏れてないですよ。なかなかの傑作じゃないですか。これでルクレツィア様の孤児院訪問も実現できるのでは?」
ルクレツィアがぱっと顔を上げ、ラファエロを窺い見た。
これまで何度か孤児院慰問をしたいといわれてきたが、ラファエロは許可を与えなかった。
安全上の問題およびルクレツィアの魔力漏れが理由である。
実際のところは、ラファエロがルクレツィアを不特定多数の衆目に晒したくなかっただけなのだが。
しかし、期待に輝く潤んだ瞳で見上げられ、ラファエロは思い直した。
「わかった。近衛騎士団と警護について相談しよう」
ルクレツィアが元気になってくれるのならば、孤児院慰問くらいは許容範囲だ。あらかじめ教会の安全を入念に確認し、しっかり人数を割いて護衛をつければ問題ないだろう。
「ありがとうございます」
こんな明るい声を聴いたのは年始以来な気がする。笑顔を浮かべたルクレツィアを抱きしめ、ラファエロはその唇を軽く啄ばんだ。
「王子妃殿下、おはようございます」
「おはようございます」
「殿下にはたびたび足をお運びいただき、我々一同、心より感謝しております」
「好きでしていることです。どうかいつも通りになさって。わたくしが来ることで、皆様にご負担をかけたくありません」
アラン司祭と挨拶を交わしてから、ルクレツィアは教会の裏手に向かう。
ラファエロの許可が下りて、孤児院を訪れるようになってひと月が経過した。
王都最大の孤児院であるここには、成人前の子ども40人前後が生活している。
いつものように厨房にパンやチーズ、肉や果物などの差し入れを届けさせ、子どもたちとともに2刻を過ごす。
初めは戸惑うことも多かったが、今はルクレツィアにできるささやかなお手伝いをしている。
今日も絵本の読み聞かせをして、読み書きを教えて過ごした。
「ルクレツィアさまの髪、綺麗」
「馬鹿、勝手に触るな」
少女が伸ばした手を、大きい男の子が叩き落とした。
「大丈夫よ。リンダの髪はとても綺麗な色ね」
ルクレツィアはリンダの赤みがかった金髪を撫でた。
青銀の髪は高貴な色といわれているが、ルクレツィア自身はリンダのような温かみのある色の方が好ましく感じる。
「ルクレツィア様、大好き」
身分のことなど理解していない幼子に純粋な好意を向けられるのは嬉しい。ルクレツィアはにっこり微笑んだ。
「ありがとう。わたくしもリンダのこと、大好きよ」
「ルクレツィア、そろそろ時間だよ」
「まぁ、もう? ここで過ごす時間はあっという間に終わってしまうわ」
オクタヴィアに促され、ルクレツィアは席を立った。
「みんな元気でね。ごきげんよう」
「ルクレツィア様、ありがとうございました」
「ルクレツィア様、また来てね」
「ええ、必ず」
オクタヴィアにエスコートされ、教会の中庭を通り礼拝堂に戻ってくる。
礼拝堂は王都の市民がちらほら見受けられる程度で、静寂に包まれていた。
王侯貴族の魔力の強さが国を支えているためか、ローナ王国では王族への崇拝が強く、その分教会の存在感が薄い。そうした事情で、孤児院の経営は常に厳しいのだと司祭が言っていた。
「ルクレツィア様」
呼び声に振り返ると孤児院の少年のひとりが追いかけてきた。マリオという少年だ。目線はルクレツィアよりも高く、孤児院の中で最も大きい子である。髪は濃褐色で、こうして近くで見るとわずかに緑がかった鳶色の瞳が印象的だ。市井では珍しいほど端正な顔立ちをしている。いつも掃除や畑仕事をしていて、ルクレツィアに直接話しかけてくるのはこれが初めてだった。
近づいてきた少年とルクレツィアの間に、さっとオクタヴィアが立ちふさがる。
「お姉さま、大丈夫です」
オクタヴィアが少年を見据えたまま横に退き、ルクレツィアと少年が向かい合う。どこからともなく数人の護衛騎士が現れ、ルクレツィア達を取り囲んだ。
「あんたに頼みたいことがあって」
「頼みごと、ですか」
「俺、もうすぐここを出るんだ。それで、就職の推薦状を貰えないかと思ってさ」
ルクレツィアは頷いた。
「どこか書き物のできる場所に行きましょう」
「マジで書いてくれんの?」
「ええ。いつも真面目に働いているのを知っているもの」
ルクレツィアが微笑みかけると、マリオは居心地が悪そうに下を向いた。
「ルクレツィア様、お帰りですか」
そこへアラン司祭が現れた。年は若いが責任者としてこの教会を任されていて、いつもルクレツィア一行の対応をしてくれる。
「書き物をしたいのですが、場所をお借りできますか」
「もちろんです」
アラン司祭に案内された応接室でマリオの推薦状を書き、指輪を外してルクレツィアの紋章を押す。
「ありがと」
推薦状を手渡すとマリオは言葉少なに礼を述べ、部屋を出て行った。
「時間通りに戻らないと殿下が心配する」
オクタヴィアに促され席を立つと、今度はアラン司祭に呼び止められた。
「妃殿下、お許しいただけるなら……」
「ええ、大丈夫です」
ほっとした様子で司祭が魔石の入った箱を差し出した。
手を翳し握りこぶし大の石に魔力を注ぐ。数舜で石は6色の光を放ち始めた。
魔道具を動かすための魔力も、教会にとっては貴重な寄付になるのだそうだ。
本来魔力を持たないルクレツィアだが、今では魔力漏れの心配をしなければならないほど魔力が有り余っている。これもすべてラファエロのおかげだ。
「この魔石で今日も厨房で賄いが作れるのです。妃殿下には感謝しかありません」
「また参ります。ごきげんよう」
ルクレツィア自身には何の力もなく、大したことはできない。それでも少しでも誰かの役に立てることが嬉しかった。
国王夫妻からはたびたび子どもの問題について苦言を呈されているが、ラファエロは突っぱね続けている。他者に何を言われたところで、簡単に考えを変えるラファエロではない。
ただ、ルクレツィアのことだけは気懸りだ。
舞踏会の翌朝、身体を重ねてから、ルクレツィアはいつも通りに振舞っている。子どもの問題が話題になることもない。
しかし、あれ以来、どことなくルクレツィアが沈んで見え、ベッドで睦み合うときも心ここにあらずと感じることがある。以前はなかった心の距離を感じるのだ。
夕食後、居室のソファーでルクレツィアを膝に抱き寛いでいるとユリウスが現れた。
「魔力漏れ防止の新作です」
意気揚々と差し出されたのは全周性に十数個の魔石のはめ込まれたブレスレットだった。
「これをつけていると、余分な魔力がこの魔石に吸い取られる仕様なんです。試してみてください」
腕に嵌めてみる。ラファエロに対していつもは一定距離を保っているユリウスが、ラファエロの肩に手を伸ばす。
「おぉ、ほとんど漏れてないですよ。なかなかの傑作じゃないですか。これでルクレツィア様の孤児院訪問も実現できるのでは?」
ルクレツィアがぱっと顔を上げ、ラファエロを窺い見た。
これまで何度か孤児院慰問をしたいといわれてきたが、ラファエロは許可を与えなかった。
安全上の問題およびルクレツィアの魔力漏れが理由である。
実際のところは、ラファエロがルクレツィアを不特定多数の衆目に晒したくなかっただけなのだが。
しかし、期待に輝く潤んだ瞳で見上げられ、ラファエロは思い直した。
「わかった。近衛騎士団と警護について相談しよう」
ルクレツィアが元気になってくれるのならば、孤児院慰問くらいは許容範囲だ。あらかじめ教会の安全を入念に確認し、しっかり人数を割いて護衛をつければ問題ないだろう。
「ありがとうございます」
こんな明るい声を聴いたのは年始以来な気がする。笑顔を浮かべたルクレツィアを抱きしめ、ラファエロはその唇を軽く啄ばんだ。
「王子妃殿下、おはようございます」
「おはようございます」
「殿下にはたびたび足をお運びいただき、我々一同、心より感謝しております」
「好きでしていることです。どうかいつも通りになさって。わたくしが来ることで、皆様にご負担をかけたくありません」
アラン司祭と挨拶を交わしてから、ルクレツィアは教会の裏手に向かう。
ラファエロの許可が下りて、孤児院を訪れるようになってひと月が経過した。
王都最大の孤児院であるここには、成人前の子ども40人前後が生活している。
いつものように厨房にパンやチーズ、肉や果物などの差し入れを届けさせ、子どもたちとともに2刻を過ごす。
初めは戸惑うことも多かったが、今はルクレツィアにできるささやかなお手伝いをしている。
今日も絵本の読み聞かせをして、読み書きを教えて過ごした。
「ルクレツィアさまの髪、綺麗」
「馬鹿、勝手に触るな」
少女が伸ばした手を、大きい男の子が叩き落とした。
「大丈夫よ。リンダの髪はとても綺麗な色ね」
ルクレツィアはリンダの赤みがかった金髪を撫でた。
青銀の髪は高貴な色といわれているが、ルクレツィア自身はリンダのような温かみのある色の方が好ましく感じる。
「ルクレツィア様、大好き」
身分のことなど理解していない幼子に純粋な好意を向けられるのは嬉しい。ルクレツィアはにっこり微笑んだ。
「ありがとう。わたくしもリンダのこと、大好きよ」
「ルクレツィア、そろそろ時間だよ」
「まぁ、もう? ここで過ごす時間はあっという間に終わってしまうわ」
オクタヴィアに促され、ルクレツィアは席を立った。
「みんな元気でね。ごきげんよう」
「ルクレツィア様、ありがとうございました」
「ルクレツィア様、また来てね」
「ええ、必ず」
オクタヴィアにエスコートされ、教会の中庭を通り礼拝堂に戻ってくる。
礼拝堂は王都の市民がちらほら見受けられる程度で、静寂に包まれていた。
王侯貴族の魔力の強さが国を支えているためか、ローナ王国では王族への崇拝が強く、その分教会の存在感が薄い。そうした事情で、孤児院の経営は常に厳しいのだと司祭が言っていた。
「ルクレツィア様」
呼び声に振り返ると孤児院の少年のひとりが追いかけてきた。マリオという少年だ。目線はルクレツィアよりも高く、孤児院の中で最も大きい子である。髪は濃褐色で、こうして近くで見るとわずかに緑がかった鳶色の瞳が印象的だ。市井では珍しいほど端正な顔立ちをしている。いつも掃除や畑仕事をしていて、ルクレツィアに直接話しかけてくるのはこれが初めてだった。
近づいてきた少年とルクレツィアの間に、さっとオクタヴィアが立ちふさがる。
「お姉さま、大丈夫です」
オクタヴィアが少年を見据えたまま横に退き、ルクレツィアと少年が向かい合う。どこからともなく数人の護衛騎士が現れ、ルクレツィア達を取り囲んだ。
「あんたに頼みたいことがあって」
「頼みごと、ですか」
「俺、もうすぐここを出るんだ。それで、就職の推薦状を貰えないかと思ってさ」
ルクレツィアは頷いた。
「どこか書き物のできる場所に行きましょう」
「マジで書いてくれんの?」
「ええ。いつも真面目に働いているのを知っているもの」
ルクレツィアが微笑みかけると、マリオは居心地が悪そうに下を向いた。
「ルクレツィア様、お帰りですか」
そこへアラン司祭が現れた。年は若いが責任者としてこの教会を任されていて、いつもルクレツィア一行の対応をしてくれる。
「書き物をしたいのですが、場所をお借りできますか」
「もちろんです」
アラン司祭に案内された応接室でマリオの推薦状を書き、指輪を外してルクレツィアの紋章を押す。
「ありがと」
推薦状を手渡すとマリオは言葉少なに礼を述べ、部屋を出て行った。
「時間通りに戻らないと殿下が心配する」
オクタヴィアに促され席を立つと、今度はアラン司祭に呼び止められた。
「妃殿下、お許しいただけるなら……」
「ええ、大丈夫です」
ほっとした様子で司祭が魔石の入った箱を差し出した。
手を翳し握りこぶし大の石に魔力を注ぐ。数舜で石は6色の光を放ち始めた。
魔道具を動かすための魔力も、教会にとっては貴重な寄付になるのだそうだ。
本来魔力を持たないルクレツィアだが、今では魔力漏れの心配をしなければならないほど魔力が有り余っている。これもすべてラファエロのおかげだ。
「この魔石で今日も厨房で賄いが作れるのです。妃殿下には感謝しかありません」
「また参ります。ごきげんよう」
ルクレツィア自身には何の力もなく、大したことはできない。それでも少しでも誰かの役に立てることが嬉しかった。
1
お気に入りに追加
341
あなたにおすすめの小説
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
【完結】魔王様、溺愛しすぎです!
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
「パパと結婚する!」
8万年近い長きにわたり、最強の名を冠する魔王。勇者を退け続ける彼の居城である『魔王城』の城門に、人族と思われる赤子が捨てられた。その子を拾った魔王は自ら育てると言い出し!? しかも溺愛しすぎて、周囲が大混乱!
拾われた子は幼女となり、やがて育て親を喜ばせる最強の一言を放った。魔王は素直にその言葉を受け止め、嫁にすると宣言する。
シリアスなようでコメディな軽いドタバタ喜劇(?)です。
【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう
【表紙イラスト】しょうが様(https://www.pixiv.net/users/291264)
挿絵★あり
【完結】2021/12/02
※2022/08/16 第3回HJ小説大賞前期「小説家になろう」部門 一次審査通過
※2021/12/16 第1回 一二三書房WEB小説大賞、一次審査通過
※2021/12/03 「小説家になろう」ハイファンタジー日間94位
※2021/08/16、「HJ小説大賞2021前期『小説家になろう』部門」一次選考通過作品
※2020年8月「エブリスタ」ファンタジーカテゴリー1位(8/20〜24)
※2019年11月「ツギクル」第4回ツギクル大賞、最終選考作品
※2019年10月「ノベルアップ+」第1回小説大賞、一次選考通過作品
※2019年9月「マグネット」ヤンデレ特集掲載作品
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

王子殿下の慕う人
夕香里
恋愛
【本編完結・番外編不定期更新】
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※小説家になろうでも投稿してます
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
オオカミ課長は、部下のウサギちゃんを溺愛したくてたまらない
若松だんご
恋愛
――俺には、将来を誓った相手がいるんです。
お昼休み。通りがかった一階ロビーで繰り広げられてた修羅場。あ~課長だあ~、大変だな~、女性の方、とっても美人だな~、ぐらいで通り過ぎようと思ってたのに。
――この人です! この人と結婚を前提につき合ってるんです。
ほげええっ!?
ちょっ、ちょっと待ってください、課長!
あたしと課長って、ただの上司と部下ですよねっ!? いつから本人の了承もなく、そういう関係になったんですかっ!? あたし、おっそろしいオオカミ課長とそんな未来は予定しておりませんがっ!?
課長が、専務の令嬢とのおつき合いを断るネタにされてしまったあたし。それだけでも大変なのに、あたしの住むアパートの部屋が、上の住人の失態で水浸しになって引っ越しを余儀なくされて。
――俺のところに来い。
オオカミ課長に、強引に同居させられた。
――この方が、恋人らしいだろ。
うん。そうなんだけど。そうなんですけど。
気分は、オオカミの巣穴に連れ込まれたウサギ。
イケメンだけどおっかないオオカミ課長と、どんくさくって天然の部下ウサギ。
(仮)の恋人なのに、どうやらオオカミ課長は、ウサギをかまいたくてしかたないようで――???
すれ違いと勘違いと溺愛がすぎる二人の物語。

【完結】妻至上主義
Ringo
恋愛
歴史ある公爵家嫡男と侯爵家長女の婚約が結ばれたのは、長女が生まれたその日だった。
この物語はそんな2人が結婚するまでのお話であり、そこに行き着くまでのすったもんだのラブストーリーです。
本編11話+番外編数話
[作者よりご挨拶]
未完作品のプロットが諸事情で消滅するという事態に陥っております。
現在、自身で読み返して記憶を辿りながら再度新しくプロットを組み立て中。
お気に入り登録やしおりを挟んでくださっている方には申し訳ありませんが、必ず完結させますのでもう暫くお待ち頂ければと思います。
(╥﹏╥)
お詫びとして、短編をお楽しみいただければ幸いです。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる