薄氷が割れる

しまっコ

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「あぁっ、ふかい……」 
マリカが菫色の瞳を見開いた。 
「痛いか?」 
「いいえ」 
絶頂の名残でマリカの蜜壺は緩い収縮を繰り返している。 
「今度はおまえが自由に動いてごらん」 
「でも……」 
戸惑うマリカの腕を引き寄せ、黒い鬣で覆われた首に捕まらせた。 
「好きな深さで自分のいいところをこするんだ」 
マリカはおずおずと腰を持ち上げ、蜜壺の緩いカーブの部分をレオンハルトの雄芯先端に押し付けた。
「あっ、あっ、あんっ、あぁ……っ」 
軽く揺すってやるとイイところにあたるらしく、うっとりとした顔で可愛らしい声をあげる。 
結合部に手を差し込み、指先で花芯をつぶすように捏ねるとマリカの身体が跳ねた。 
「あぁぁ、いや、それ……いやっ」 
「いい子だ、マリカ。ここを可愛がると蜜口が可愛らしくパクパクする」 
「あんっ、ちがっ、やっ、あぁぁっ……」 
「しっかりつかまっていろ」 
レオンハルトは二本の指で花芯を摘まんだ。 
「ひゃんっ、だめっ、そんな……」 
刺激が強いのか、マリカは涙を零しながら腰を浮かせた。 
「気持ちよくないか」 
「……いいの。でも……」 
「いいのなら素直に身を任せろ」 
「あっ、あんっ……あぅっ、やんっ……」 
花芯を摘ままれるたび、マリカは愛らしい啼き声をあげ、雄芯を咥えた蜜口をヒクつかせた。
 これ以上続けていたら、レオンハルトの方がもたない。 
「今度は一緒にイこう」 
花芯から手を離すと、マリカはうっとりとレオンハルトを見上げた。 
「はい、レオンハルトさま」 
「もうすこし腰を落とせ」 
マリカのいいところをこすってやりながら奥まで貫くと、マリカはレオンハルトの首にしがみ付いた。 
「まだ怖いか」 
「んっ、ふぅ……だいじょぶ、んっ」 
言葉とは裏腹に必死にしがみついてくる様が憐れなほどに幼気だ。 
「俺のマリカ。一緒に気持ちよくなろう」 
獣人にはない華奢な身体をしっかりと抱きかかえ、雄芯を抽挿する。
マリカは不規則な呼吸をしながらも、必死にレオンハルトに縋り、快楽を拾おうと蜜壺をうごめかせた。 
「マリカ、マリカ、ああぁ」 
数度の抽挿で雄芯が脈打ち始めた。先端から多量の精が溢れ出る。レオンハルトの射精は狼のように長い時間がかかる。その間、レオンハルトはもう一度マリカの花芯に手 を伸ばし、脈打つ雄芯の拍動に併せて何度も何度もきゅっきゅと摘まんだ。 
「あっ、あっ、くる、きちゃう……」 
マリカの蜜壺が激しく収縮した。二人の結合部が脈動する。
レオンハルトは射精が終わるまでマリカの熱い胎内で喜びをかみしめた。 
「マリカ?」 
首にしがみ付いているマリカが泣いていることに気付き、レオンハルトは焦った。 
「痛むのか? つらかったか?」 
マリカが首を振った。 
「うれしくて……夢みたいに幸せ……」 
「マリカ。俺も幸福だ。おまえを妻にできて世界一の幸せ者だ」 
昔のことなど思い出せないほど幸福だけを与えてやる。だから、俺を信じろ。俺だけを信じて、愛してくれ――レオンハルトはマリカの額に口付けながら、心の中で呪いにも似た願いを唱えたのだった。
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