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第3章
第二十九話「勝敗」
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ボウと屍喰鬼は互いに距離を取り、睨み合っている。
そして、初めに動き出したのは屍喰鬼だった。
「焦ったらしい! こっちから行くぜ! 【格闘戦術】〈速攻拳〉!」
屍喰鬼は疾風の如くボウの懐に入り、殴った。
「グフッ!」
ボウは屍喰鬼の速さについて行けずほぼ急所で食らってしまった。
「なんだ? たいした事ねぇな」
屍喰鬼は挑発する様にボウに言った。
「ぼ、僕はまだ戦える! 【鉄壁】〈防御力向上〉! 【暴虐】〈狂戦化〉! グオォォォォ!!」
ボウは全身が赤く染まり、雄叫びを上げている。
狂戦化状態のボウはただ、目の前の敵を狙っている獣の様だ。
「ほぅ、攻撃と防御の向上ね。せいぜい俺の拳で倒れないでくれよ! 【格闘戦術】〈黒死拳〉!」
ボウは我を忘れた様に斧を振り回している。
だが、斧を振り回すだけじゃ屍喰鬼には当たらない。
屍喰鬼はただ、平然と避けては反撃を繰り返している。
その内、ボウのスキルの効果は切れ、ボウはスキルの反動で倒れ込んだ。
「あ~あ、倒れちゃった。パワーだけの脳筋ちゃんか?」
「ボウ!」
死なないとは言え、やはり心配になってくる。
「主人殿、私が運びましょう。」
「ケル、よろしく頼むよ。」
ケルはボウを背中に乗せて端へ運んだ。
「なんだ? 次はお前が相手してくれるのか?」
「別に主人殿の命令さえあればお前を踏み潰すことなんて容易いのですよ。」
「ケッ! また見栄を張って、本当は負けるのが怖いから逃げてるんだろ?」
屍喰鬼はケルにまで挑発を入れた。
「主人殿、私は此奴を踏みぶっ殺します!」
珍しく、ケルが怒っている。
「あ、あぁ。好きにやってくれ」
「お、やる気になったか? じゃあ、行くぜ!!」
「戯けが!」
屍喰鬼はケルに飛びかかって来たが、それは一瞬にして終わった。
「ま、まいりました……」
気がつくとケルに踏まれた屍喰鬼がいた。
「私とお前とでは力の差は歴然なのです。」
「は、はい……わかりました。」
「分かればよろしい」
ケルは踏んでいた足を退かした。
「あ~あ、負けちゃった。これでお前の言う通り契約しなきゃなんねぇな。」
「本当!? ありがとう!」
「まぁ、約束だからな」
その後屍喰鬼と俺は契約を交わした。
「で、俺の名前はどうなるんだ?」
「そうだな……ルーグってのはどうだ?」
「いいじゃねぇか! これからよろしくな。主人」
「うん」
その後、ルーグは屍喰鬼から生存腐喰鬼に進化した。
俺達は安心して帰ろうとした。
「ちょっと! 主人様!」
「ん? どうかしたか? アルバータ」
アルバータは急に俺を呼び止めた。
「どうかしたか? じゃ、ありませんよ。依頼を遂行しないといけませよ!」
「あ! 忘れてた! キング・スライムの討伐!」
慌てて俺達はキング・スライムがいる第2階層のボス部屋に入った。
「「ギオ?」」
そこにはスライムの何百倍もの大きさのキング・スライムがいた。
「でけぇ。あいつをどうやって倒すか……」
「よし! 進化した俺の出番だな!」
名乗りを上げたのはルーグだった。
「そんなすぐで大丈夫か?」
「大丈夫だって。じゃあ、行きます!」
「「ギオォォォォ!」」
ルーグはキング・スライムに飛び込んでいった。
「【格闘戦術】〈紫炎・演武〉!」
ルーグは纏った炎を素早くかつ、正確に急所に当てた。
「「ギオォォォォ……」」
キング・スライムは溶けてなくなった。
「すげぇ!」
「だろ?」
ルーグは得意げだった。
その後、俺達はキング・スライムの核と宝箱の中身を持ち帰りギルドに提出した。
そして、その日はもう疲れたので宿屋で寝てしまった。
そして、初めに動き出したのは屍喰鬼だった。
「焦ったらしい! こっちから行くぜ! 【格闘戦術】〈速攻拳〉!」
屍喰鬼は疾風の如くボウの懐に入り、殴った。
「グフッ!」
ボウは屍喰鬼の速さについて行けずほぼ急所で食らってしまった。
「なんだ? たいした事ねぇな」
屍喰鬼は挑発する様にボウに言った。
「ぼ、僕はまだ戦える! 【鉄壁】〈防御力向上〉! 【暴虐】〈狂戦化〉! グオォォォォ!!」
ボウは全身が赤く染まり、雄叫びを上げている。
狂戦化状態のボウはただ、目の前の敵を狙っている獣の様だ。
「ほぅ、攻撃と防御の向上ね。せいぜい俺の拳で倒れないでくれよ! 【格闘戦術】〈黒死拳〉!」
ボウは我を忘れた様に斧を振り回している。
だが、斧を振り回すだけじゃ屍喰鬼には当たらない。
屍喰鬼はただ、平然と避けては反撃を繰り返している。
その内、ボウのスキルの効果は切れ、ボウはスキルの反動で倒れ込んだ。
「あ~あ、倒れちゃった。パワーだけの脳筋ちゃんか?」
「ボウ!」
死なないとは言え、やはり心配になってくる。
「主人殿、私が運びましょう。」
「ケル、よろしく頼むよ。」
ケルはボウを背中に乗せて端へ運んだ。
「なんだ? 次はお前が相手してくれるのか?」
「別に主人殿の命令さえあればお前を踏み潰すことなんて容易いのですよ。」
「ケッ! また見栄を張って、本当は負けるのが怖いから逃げてるんだろ?」
屍喰鬼はケルにまで挑発を入れた。
「主人殿、私は此奴を踏みぶっ殺します!」
珍しく、ケルが怒っている。
「あ、あぁ。好きにやってくれ」
「お、やる気になったか? じゃあ、行くぜ!!」
「戯けが!」
屍喰鬼はケルに飛びかかって来たが、それは一瞬にして終わった。
「ま、まいりました……」
気がつくとケルに踏まれた屍喰鬼がいた。
「私とお前とでは力の差は歴然なのです。」
「は、はい……わかりました。」
「分かればよろしい」
ケルは踏んでいた足を退かした。
「あ~あ、負けちゃった。これでお前の言う通り契約しなきゃなんねぇな。」
「本当!? ありがとう!」
「まぁ、約束だからな」
その後屍喰鬼と俺は契約を交わした。
「で、俺の名前はどうなるんだ?」
「そうだな……ルーグってのはどうだ?」
「いいじゃねぇか! これからよろしくな。主人」
「うん」
その後、ルーグは屍喰鬼から生存腐喰鬼に進化した。
俺達は安心して帰ろうとした。
「ちょっと! 主人様!」
「ん? どうかしたか? アルバータ」
アルバータは急に俺を呼び止めた。
「どうかしたか? じゃ、ありませんよ。依頼を遂行しないといけませよ!」
「あ! 忘れてた! キング・スライムの討伐!」
慌てて俺達はキング・スライムがいる第2階層のボス部屋に入った。
「「ギオ?」」
そこにはスライムの何百倍もの大きさのキング・スライムがいた。
「でけぇ。あいつをどうやって倒すか……」
「よし! 進化した俺の出番だな!」
名乗りを上げたのはルーグだった。
「そんなすぐで大丈夫か?」
「大丈夫だって。じゃあ、行きます!」
「「ギオォォォォ!」」
ルーグはキング・スライムに飛び込んでいった。
「【格闘戦術】〈紫炎・演武〉!」
ルーグは纏った炎を素早くかつ、正確に急所に当てた。
「「ギオォォォォ……」」
キング・スライムは溶けてなくなった。
「すげぇ!」
「だろ?」
ルーグは得意げだった。
その後、俺達はキング・スライムの核と宝箱の中身を持ち帰りギルドに提出した。
そして、その日はもう疲れたので宿屋で寝てしまった。
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